<img src="../images/title_senpyo.gif" alt="直木賞選評の概要" width="276" height="297">

選評なし

候補作

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

檀一雄　「真説石川五右衛門」等

848枚

39歳

○

□

○

□

◎

梶野悳三　「金剛童子」

128枚

50歳

―

●

中村八朗　「白い蝙蝠」

31枚

36歳

―

△

■

藤原審爾　「犬を飼ってゐる夫妻」他

23枚

29歳

―

△

―

△

●

源氏鶏太　「木石に非ず」

39枚

38歳

◎

―

□

■

欠席

年齢/枚数の説明

見方・注意点

このページの選評出典：『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録（初出：『オール讀物』昭和26年/1951年4月号）
1行当たりの文字数：15字

選考委員

大佛次郎

53歳×各候補作　

題源氏鶏太君を推す　総行数34　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
檀一雄	39歳	全	○	12	「「長恨歌」の方は、作り過ぎてあるような不満を留めたが、「石川五右衛門」は新大阪で読んで型破りの無法な逞ましさに敬服していた。」
梶野悳三	50歳	全	―	0
中村八朗	36歳	全	―	0
藤原審爾	29歳	全	―	0
源氏鶏太	38歳	全	◎	23	「素直でいやなあくがなく、底に在る悲しみもよく描かれている。」「こゝで素人出の作家からとまで主張したが、久米さんの行きとゞいた弁論に降参した。」

他の選考委員

選考委員

小島政二郎

57歳×各候補作　

題久米正雄の口説　総行数74　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
檀一雄	39歳	全	□	15	「この回の委員会の始まりから仕舞まで、殆んど久米正雄一人の口説きを聞かされたようなものだ。」「久米正雄が何と云っても、「長恨歌」では口説かれない。（引用者中略）但し、「真説石川五右衛門」で口説かれようと云った。「五右衛門」は彼の外の作品とは段違いに生きている。」
梶野悳三	50歳	全	―	0
中村八朗	36歳	全	―	0
藤原審爾	29歳	全	△	11	「藤原君や檀君のような作家に、芥川賞の委員会が、夙に授賞してくれなかったことを怨みたい。」
源氏鶏太	38歳	全	―	0
					「この回は授賞無しの腹で出席した。」

他の選考委員

選考委員

井伏鱒二

52歳×各候補作　

題選後評　総行数36　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
檀一雄	39歳	全	○	36	「本誌編輯部から届けられた「新大阪」連載の切抜で読んだ。（引用者中略）ここにある天空海闊ぶりは痛快であった。一種の高踏派だと思われる。」
梶野悳三	50歳	全	―	0
中村八朗	36歳	全	―	0
藤原審爾	29歳	全	―	0
源氏鶏太	38歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

木々高太郎

53歳×各候補作　

題無題　総行数58　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
檀一雄	39歳	全	□	13	「久米正雄が「長恨歌」を買っている。そして、時間がたつにつれて、ねばり強くなる。僕は、それにも共鳴した。」
梶野悳三	50歳	全	●	7	「こんな粗雑な、その上人間が一人も生きていない小説は珍らしい。」「よくも予選に入ったと思われる。」
中村八朗	36歳	全	△	2	「提出された一作だけで判断してはいけない。その作家の他の作業も考えねばいけない。（引用者中略）すると、藤原審爾も、中村八朗も考えに入る。」
藤原審爾	29歳	全	△	7	「特に藤原審爾の如きはこの作が同君のいちばんわるいものだ、などという偶然が入っているのは、気の毒である。」
源氏鶏太	38歳	全	□	16	「「長恨歌」と「木石に非ず」と比較すると、僕は後者のすっきりしたところ、現代の見のがす可からざる題材（サラリーマン）そして、慾もとくも考えないで、好きで書いている態度などが、ずっと高く買い度いと思った。」「然し、何というか。それだけでは困る、といった感じが、心のどこかにある。」

他の選考委員

選考委員

久米正雄

59歳×各候補作　

題檀一雄君を推す　総行数66　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
檀一雄	39歳	全	◎	27	「満腔の野心を溢らして、よくあれだけの仮構を、仕上げた事に対して、私は敬服した。」「異色あってしかも本筋な描写力は、将来をハッキリ保証させる。」
梶野悳三	50歳	全	●	8	「この作は少しキメが荒くなったような気がする。荒い材料と、荒い肌触りとは違う。」
中村八朗	36歳	全	■	6	「なかなかあゝ言う材料を、味なコナシ方をして、しかも破綻を起していないのに感心はしたが、前作「桑門の街」よりも、此の作品はちょっと軽い気がした。」
藤原審爾	29歳	全	●	8	「不幸、此の期に於て、候補に上った「犬を飼っている夫妻」は、普通の出来栄だった。」「病弱で、息が続かないせいか。切に自愛を望む。」
源氏鶏太	38歳	全	■	15	「その作柄の軽さが、どうも推薦を躊躇させる。もっと際立って、いいのを書く時が、ありそうに思えるのも、決定を遷延させる所以だ。」

他の選考委員

受賞者・作品

檀一雄

39歳×各選考委員　

「真説石川五右衛門」等

長篇（一部）等2篇 848枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	53歳	全	○	12	「「長恨歌」の方は、作り過ぎてあるような不満を留めたが、「石川五右衛門」は新大阪で読んで型破りの無法な逞ましさに敬服していた。」
小島政二郎	57歳	全	□	15	「この回の委員会の始まりから仕舞まで、殆んど久米正雄一人の口説きを聞かされたようなものだ。」「久米正雄が何と云っても、「長恨歌」では口説かれない。（引用者中略）但し、「真説石川五右衛門」で口説かれようと云った。「五右衛門」は彼の外の作品とは段違いに生きている。」
井伏鱒二	52歳	全	○	36	「本誌編輯部から届けられた「新大阪」連載の切抜で読んだ。（引用者中略）ここにある天空海闊ぶりは痛快であった。一種の高踏派だと思われる。」
木々高太郎	53歳	全	□	13	「久米正雄が「長恨歌」を買っている。そして、時間がたつにつれて、ねばり強くなる。僕は、それにも共鳴した。」
久米正雄	59歳	全	◎	27	「満腔の野心を溢らして、よくあれだけの仮構を、仕上げた事に対して、私は敬服した。」「異色あってしかも本筋な描写力は、将来をハッキリ保証させる。」

他の候補作

候補者・作品

梶野悳三

50歳×各選考委員　

「金剛童子」

短篇 128枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	53歳	全	―	0
小島政二郎	57歳	全	―	0
井伏鱒二	52歳	全	―	0
木々高太郎	53歳	全	●	7	「こんな粗雑な、その上人間が一人も生きていない小説は珍らしい。」「よくも予選に入ったと思われる。」
久米正雄	59歳	全	●	8	「この作は少しキメが荒くなったような気がする。荒い材料と、荒い肌触りとは違う。」

他の候補作

候補者・作品

中村八朗

36歳×各選考委員　

「白い蝙蝠」

短篇 31枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	53歳	全	―	0
小島政二郎	57歳	全	―	0
井伏鱒二	52歳	全	―	0
木々高太郎	53歳	全	△	2	「提出された一作だけで判断してはいけない。その作家の他の作業も考えねばいけない。（引用者中略）すると、藤原審爾も、中村八朗も考えに入る。」
久米正雄	59歳	全	■	6	「なかなかあゝ言う材料を、味なコナシ方をして、しかも破綻を起していないのに感心はしたが、前作「桑門の街」よりも、此の作品はちょっと軽い気がした。」

他の候補作

候補者・作品

藤原審爾

29歳×各選考委員　

「犬を飼ってゐる夫妻」他

短篇 23枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	53歳	全	―	0
小島政二郎	57歳	全	△	11	「藤原君や檀君のような作家に、芥川賞の委員会が、夙に授賞してくれなかったことを怨みたい。」
井伏鱒二	52歳	全	―	0
木々高太郎	53歳	全	△	7	「特に藤原審爾の如きはこの作が同君のいちばんわるいものだ、などという偶然が入っているのは、気の毒である。」
久米正雄	59歳	全	●	8	「不幸、此の期に於て、候補に上った「犬を飼っている夫妻」は、普通の出来栄だった。」「病弱で、息が続かないせいか。切に自愛を望む。」

他の候補作

候補者・作品

源氏鶏太

38歳×各選考委員　

「木石に非ず」

短篇 39枚