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平成29年/2017年上半期
(平成29年/2017年7月19日決定発表/『オール讀物』平成29年/2017年9月号選評掲載)
選考委員  浅田次郎
男65歳
伊集院静
男67歳
北方謙三
男69歳
林真理子
女63歳
桐野夏生
女65歳
宮部みゆき
女56歳
東野圭吾
男59歳
宮城谷昌光
男72歳
高村薫
女64歳
選評総行数  95 107 142 94 91 122 123 101 102
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
佐藤正午 『月の満ち欠け』
558
男61歳
34 74 43 35 34 23 30 45 22
木下昌輝 『敵の名は、宮本武蔵』
462
男42歳
15 6 26 16 15 22 20 6 15
佐藤巖太郎 『会津執権の栄誉』
402
男55歳
16 17 19 11 11 22 18 54 10
宮内悠介 『あとは野となれ大和撫子』
745
男38歳
16 5 29 17 13 38 28 7 17
柚木麻子 『BUTTER』
928
女35歳
22 8 18 14 18 39 24 5 10
                 
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成29年/2017年9月号
1行当たりの文字数:12字


選考委員
浅田次郎男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
歴然たる結果 総行数95 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
34 「熟練の小説である。抜き差しならぬ話のわりには安心して読める大人の雰囲気をまとっており、文章も過不足なくていねいで、どれほど想像力が翔いてもメイン・ストーリーを損うことがない。」「私見によると、他の候補作とのちがいは相当に歴然としていた。」
木下昌輝
男42歳
15 「面白く読んだが、はたして大衆文学としての普遍性があるだろうか、との疑問を抱いた。」「「武蔵を知る人のための武蔵」をあえて書いたように思える。」
佐藤巖太郎
男55歳
16 「著者初の単行本(引用者中略)にしては垢抜けた作品である。」「御家滅亡という悲劇の中で苦悩する登場人物のそれぞれが有機的に結びつかず、結局は群像劇で終わってしまったきらいがあった。」
宮内悠介
男38歳
16 「登場人物に人間味が感じられず、既定のキャラクターを文章化しているようにも思えた。小説家として必要な資質をすべて備えた作者の居場所は、ここではないはずである。」
柚木麻子
女35歳
22 「作者がのびのびと書きすぎてしまった。豊富な食材でおいしい料理ができるとは限らず、むしろ「あるもの」で工夫をした料理こそうまい。そして材料の多寡にかかわらず、不可欠なものは「思想」である。その肝心な調味料を切らしていると、いかに手を掛けても納得できず、味の上に味を重ねてしまう。」
  「受賞に至らなかった四作品は自己表現の軛を免れてはおらず、受賞作ばかりが明らかに、読者本位の小説なのである。」
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他の選考委員
伊集院静
北方謙三
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
伊集院静男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
群を抜く安定感と試み 総行数107 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
74 「それにしても奇妙な物語である。まあ本来、小説には奇妙、摩訶不思議な所が備わっているものであるが、これを平然と、こともなげに書きすすめられる所に、作者の力量、体力を見せられた気がする。」「この作品のテーマは、人の死のかたちなのだろう。死のかたちが広過ぎるなら、死の余韻でもいいかもしれない。」「登場する少女たちが彼女のたちの内に宿ったものに対して、必死に声を上げようとすればするほど、その声が音律を持ち、切ない鎮魂歌に私は聞こえた。」
木下昌輝
男42歳
6 「佳作であったが、武蔵について独自の解釈であるなら、もっと思い切った武蔵の存在が読みたかった。」
佐藤巖太郎
男55歳
17 「文章の丁寧さもそうだが、昨今の小説に欠落しているように思える、気骨、小説の品性が感じられた。」「ただもう少し自分の故郷を見直し、ちいさな棚田、雪解けの小川を見つめる少女、老人の目のようなものを養って欲しい。」
宮内悠介
男38歳
5 「好きな作品であったが、この数年の作品の中では少々荒削りに思えた。」
柚木麻子
女35歳
8 「物語の焦点が曖昧に思えた。もしモデル小説の意識があったのなら、犯罪にいたる深層部をえぐるものが必要のように思えた。」
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他の選考委員
浅田次郎
北方謙三
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
北方謙三男69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
この一作 総行数142 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
43 「私は、最後の一行というか一場面というか、本来ならば切れ味と言われるところに、微妙な作為を感じてしまったのだが、それが欠点だという確信は持てなかった。」「私はこの作品を第一に推し、ほかに推すものを持たなかった。平明で抑制があり簡潔な文章で、しかも作品の持つ底力が、私を押してくる。」
木下昌輝
男42歳
26 「私は、ひとつひとつの争闘を、いくらか興奮しながら読んだ。太刀筋にリアリティがある、という感じだったのだ。それが、飛刀の間が出てくると、不意に剣が観念的になったような気がした。」「最後まで、登場人物たちの血の臭いが漂っているのが、この作品のあるべき姿ではないか、と私は思い続けた。」
佐藤巖太郎
男55歳
19 「題材に取り組む姿勢に好感が持て、作者の誠実さも見えた。」「小説的な視線を持っている人だが、その小説性が拡がりを欠く。会津という狭い地域を扱ったからでなく、描写される人物が、どこか拡がりを欠いているのだ。」
宮内悠介
男38歳
29 「私は面白く読んだ。いきなり誕生してしまった新しい政府は、女子高の自治会さながらで、物語に、なんとも言えない愛敬を与えた。そのまま進んで、愛敬などと言っていられない権力への変貌が描かれていたら、怖い小説になったという気がする。」「なんの理由もない歌劇の稽古が、やがて底知れない権力に変貌していく。権力そのものが、舞台で歌劇をやる。その空恐ろしさは、小説でしか描き得なかったものだろう、と思うのだが。」
柚木麻子
女35歳
18 「丁寧に取材して丁寧に描写され、相当の労作なのだと思えたが、ベタ塗りと感じられる部分も多く、それが作品からダイナミズムを奪ったのではないだろうか。」「料理の描写も、ただうまいものを作るというのではなく、完成までにさまざまな言葉が費されていて、結局はそれが味を落としてしまった、という気がした。」
  「候補作を全部読み終えたあと、今回はどの程度の水準だったかと考えるが、平均的という言葉が出てきてしまった。それはいいことなのかどうかと、さらに考えこまされた。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
林真理子女63歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
嵐が丘 総行数94 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
35 「群を抜いていた。佐藤さんの作品の中では、必ずしも最良のものとは思えないが、構成の巧みさ、何よりも淡々と物語を運んでいく文章力はさすがであった。」「とはいうものの、後味の悪い小説である。」「多分に文学少女的発想だと思われそうだが、この物語を「嵐が丘」と見た。ヒースクリフは他のすべてを破局に向かわせながら、ひたすらキャサリンの幽霊を待っている。男女の愛の究極の自分勝手さ、理不尽さを描こうとしたなら「月の満ち欠け」は成功している。」
木下昌輝
男42歳
16 「テンポがよく一話一話読ませるし、決闘シーンが飽きさせない。私は佐藤さん(引用者注:受賞した佐藤正午)の次にこの作品を推したが、何かが足りなかったようだ。」「こういう小説は最後に大きなうねりをつくらなくてはいけない。」
佐藤巖太郎
男55歳
11 「正直読みづらかった。登場人物が多いうえに、あまり有名な人がいない。」「武士の美学がやや平凡なような気がするが、整正な文章は歴史小説の書き手にふさわしい。」
宮内悠介
男38歳
17 「宮内さんのお書きになるものだ、さぞかし面白いだろうと思ったがそうでもなかった。切実さや暗さがない替わりにリアリティがない。」
柚木麻子
女35歳
14 「肝心の「なぜ殺人を犯したか」に全く到達出来ておらず、だらだらと病んでいく女たちの話が続く。知的で客観性にとんでいるはずの週刊誌編集者が、これほど安易に洗脳されるとはとても思えないのだ。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
桐野夏生女65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数91 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
34 「人間の個性や人格というものを敢えて無視して成立させる、ダークなファンタジーといったところか。」「死んだはずの瑠璃が少女に憑依して、常に哲彦の元に戻ろうとする設定は、その執着ゆえに薄気味悪さを伴う。実に奇妙な小説である。」「構成は怖ろしく凝っていて巧みだ。」
木下昌輝
男42歳
15 「この作品のように、敗北者たちから語られると、宮本武蔵という人物が大きな虚ろのようで、何とも捉えどころがないのは面白い。」「発想はユニークだ。文章がところどころ粗いのが気になった。」
佐藤巖太郎
男55歳
11 「文章は簡潔で毅然としている。が、人物描写があまりに少ないので、登場人物を一人一人思い浮かべることができない。」
宮内悠介
男38歳
13 「架空の国での出来事という設定が好きだ。しかし、少女たちが表面的で、なかなか深まっていかない。」「筆致は軽くても人物に陰影がないと、筋が機能しない。」
柚木麻子
女35歳
18 「核となる「梶井真奈子」の悪の引力が足りない。」「社会のミソジニー傾向を指摘するなど、作者は相変わらず鋭いのだが、今回は残念ながら、少し散らかった印象がある。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
林真理子
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
宮部みゆき女56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
物語から日常へ 総行数122 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
23 「輪廻転生という仕掛けを使って、当事者の二人以外は誰も幸せにしない恋愛というものの暴力性と理不尽さを描いた小説だと私は思っています。」「そういう読み方をするのは私の性格が歪んでいるからだろうかと密かに怯えつつ選考会に臨みましたら、各委員から「小説としての完成度は素晴らしいが、物語としては薄気味悪い」というお声を聞いて安堵しました。」
木下昌輝
男42歳
22 「(引用者注:「会津執権の栄誉」と共に)一読者としての感想をまとめたら、どちらの作品にも「序盤を読むのがしんどい」という評が出てきてしまいました。どれほど重厚な題材を扱っていても、エンタテイメント小説は「楽しい川下り」であってほしいと私は思います。」
佐藤巖太郎
男55歳
22 「(引用者注:「敵の名は、宮本武蔵」と共に)一読者としての感想をまとめたら、どちらの作品にも「序盤を読むのがしんどい」という評が出てきてしまいました。どれほど重厚な題材を扱っていても、エンタテイメント小説は「楽しい川下り」であってほしいと私は思います。」
宮内悠介
男38歳
38 「私は『あとは野となれ大和撫子』を推しました。」「読後感の重い候補作が揃っていたなかで、架空の砂漠の国で政治的冒険を繰り広げる聡明で元気な少女たちのお話は、まさにオアシスのようだったからです。」「中央アジアの政治情勢にはてんで無知で関心も薄かった私ですが、これからはワールドニュースで「アラル海周辺地域」などの言葉を聞いたら注目します。これは物語が日常という現実に働きかけ、何かをチェンジした証でしょう。」
柚木麻子
女35歳
39 「作中に登場する食べ物と、それを食べるシーンは臨場感があって、たらこパスタなどはすぐに作って食べたくなりました。」「残念だったのは、カジマナの犯罪の中身があまりにも具体性を欠き、物証もなく状況証拠の積み上げもないまま、「検察側のいびつな精神論」だけで一審で無期懲役の判決を受けたという設定が、どうしても納得できなかったことです。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
林真理子
桐野夏生
東野圭吾
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
東野圭吾男59歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数123 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
30 「超常現象に直面した人々の反応に疑問が残った。」「生まれ変わった本人の戸惑いが描かれていない点にも不満が残る。」「また、最後の章は不要だったのではないか、と思っている。とはいえ、それ以外の場面では登場人物一人一人のドラマにリアリティと味わいがあった。もっとも楽しんで読めたのは本作である。」「もちろん佐藤正午さんの受賞を祝うことに些かの躊躇いもない。」
木下昌輝
男42歳
20 「お馴染みの登場人物たちを自分なりにアレンジし、既存の作品とは多少の距離を置きつつ、リスペクトも忘れない着地点に落とし込んだというところか。」「終盤になり、無二の人格が変わっているのは気になった。」
佐藤巖太郎
男55歳
18 「舞台のスケールは大きいが、描かれている人間ドラマは案外卑小だ。それをどう評価するかだが、私は物足りなさを感じた。」「視点人物の内面描写が長々と続くのも、エピソードの小ささを補うためのように感じた。」
宮内悠介
男38歳
28 「政治改革でも国際紛争でもいいから、破天荒に物語をかき回してくれたら文句なしだったのだが、大統領代行や国防相の主な仕事が芝居の稽古というのではがっかりしてしまう。」「しかし作者の博識ぶりと想像力の豊かさには感心した。」「悩んだ末、新しい才能の台頭を祝福する気持ちを込め、宮内さんの作品に○をつけた。」
柚木麻子
女35歳
24 「「検察側のいびつな精神論」だけで有罪になることなどありえない。ところが主人公は、それらの裁判材料に全く触れようとしない。誰が考えても明白な状況証拠、つまり主人公にも否定できない証拠が存在すると、その後の話の展開に困るという作者の都合からではないか。」
  「候補作をすべて読み終えた後、ずいぶんと悩んだ。いずれの作品にも大きな欠点があるように思ったからだ。もしかすると受賞作なしを提案する委員もいるかもしれないな、と危惧した。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
宮城谷昌光
高村薫
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選考委員
宮城谷昌光男72歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
信念の問題 総行数101 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
45 「人は生まれかわることができる。それがテーマである。この小説はそれを事例化したにすぎない。生きては死に、死んでは生きる、ということをくりかえすとなれば、氏名は変わってもおなじ人間しかそこに存在しない。(引用者中略)最後には、その退屈さに、読み手は厭きるであろう。」「文章の巧さは、ほかの作品にまさっており、選考委員諸氏の賛意をうける器は、この作品だけがととのっていた印象であった」
木下昌輝
男42歳
6 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
佐藤巖太郎
男55歳
54 「福島県の外にいる人々にとって、それら(引用者注:各短編の主役)の名は伊達政宗をのぞいてすべて無名にひとしい。そういう深刻な認識から作者は小説をたちあげていったか、と問いたい。」「この短編集の陰の柱は、佐竹家から芦名家にはいった佐竹義広であったはずだ。(引用者中略・注:その)芦名家の家主をなおざりにしたのは、どうしてであろうか。私にとって最大の不満はそれである。」
宮内悠介
男38歳
7 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
柚木麻子
女35歳
5 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
高村薫
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選考委員
高村薫女64歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数102 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
佐藤正午
男61歳
22 「いかにも小説的な文体のわりに意外なほど人間の体温に乏しい。生まれ変わりという主題がそのまま小説の動力になり、躯体になる一方で、自分が生まれ変わりだと知った人間の驚きや苦悩が一切描かれていないことに因るが、ベテラン作家のこの企みの目的は奈辺にあるのだろうか。」「技巧的で、かなり不気味なこの作りものの世界は、作者の真骨頂ではあるのだろうが――。」
木下昌輝
男42歳
15 「日本人がいまほど多弁でなかった江戸時代の、現代人には理解が及ばない斬ったり斬られたりの死生観に、剣法を通して迫ろうとする作者の意欲が感じられた。」
佐藤巖太郎
男55歳
10 「まさに王道のザ・時代小説であるが、評者は、戦国武将の行動原理を人間の心の闇という近代の発想で捉える時代感覚に馴染めなかった。戦国武将たちは、もっと能動的で動物的な血の臭気に包まれていてほしい。」
宮内悠介
男38歳
17 「賑やかに群像劇を描きながら、登場人物たちが誰ひとり存在の重みをもって立ち上がってこない。」「ある着想から巧みに舞台を構成しながら、そこに立つ人間をじっと見つめることはしない、新しい小説の可能性もないことはないと想像する。」
柚木麻子
女35歳
10 「興味深い人間像に迫ろうとして見事に失敗した作品である。人間に迫ろうにも、男性三人を殺害した事件の設定が杜撰すぎて、殺人犯が殺人犯になり得ていないからだが、志や良し、と思う。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
林真理子
桐野夏生
宮部みゆき
東野圭吾
宮城谷昌光
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受賞者・作品
佐藤正午男61歳×各選考委員 
『月の満ち欠け』
長篇 558
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
34 「熟練の小説である。抜き差しならぬ話のわりには安心して読める大人の雰囲気をまとっており、文章も過不足なくていねいで、どれほど想像力が翔いてもメイン・ストーリーを損うことがない。」「私見によると、他の候補作とのちがいは相当に歴然としていた。」
伊集院静
男67歳
74 「それにしても奇妙な物語である。まあ本来、小説には奇妙、摩訶不思議な所が備わっているものであるが、これを平然と、こともなげに書きすすめられる所に、作者の力量、体力を見せられた気がする。」「この作品のテーマは、人の死のかたちなのだろう。死のかたちが広過ぎるなら、死の余韻でもいいかもしれない。」「登場する少女たちが彼女のたちの内に宿ったものに対して、必死に声を上げようとすればするほど、その声が音律を持ち、切ない鎮魂歌に私は聞こえた。」
北方謙三
男69歳
43 「私は、最後の一行というか一場面というか、本来ならば切れ味と言われるところに、微妙な作為を感じてしまったのだが、それが欠点だという確信は持てなかった。」「私はこの作品を第一に推し、ほかに推すものを持たなかった。平明で抑制があり簡潔な文章で、しかも作品の持つ底力が、私を押してくる。」
林真理子
女63歳
35 「群を抜いていた。佐藤さんの作品の中では、必ずしも最良のものとは思えないが、構成の巧みさ、何よりも淡々と物語を運んでいく文章力はさすがであった。」「とはいうものの、後味の悪い小説である。」「多分に文学少女的発想だと思われそうだが、この物語を「嵐が丘」と見た。ヒースクリフは他のすべてを破局に向かわせながら、ひたすらキャサリンの幽霊を待っている。男女の愛の究極の自分勝手さ、理不尽さを描こうとしたなら「月の満ち欠け」は成功している。」
桐野夏生
女65歳
34 「人間の個性や人格というものを敢えて無視して成立させる、ダークなファンタジーといったところか。」「死んだはずの瑠璃が少女に憑依して、常に哲彦の元に戻ろうとする設定は、その執着ゆえに薄気味悪さを伴う。実に奇妙な小説である。」「構成は怖ろしく凝っていて巧みだ。」
宮部みゆき
女56歳
23 「輪廻転生という仕掛けを使って、当事者の二人以外は誰も幸せにしない恋愛というものの暴力性と理不尽さを描いた小説だと私は思っています。」「そういう読み方をするのは私の性格が歪んでいるからだろうかと密かに怯えつつ選考会に臨みましたら、各委員から「小説としての完成度は素晴らしいが、物語としては薄気味悪い」というお声を聞いて安堵しました。」
東野圭吾
男59歳
30 「超常現象に直面した人々の反応に疑問が残った。」「生まれ変わった本人の戸惑いが描かれていない点にも不満が残る。」「また、最後の章は不要だったのではないか、と思っている。とはいえ、それ以外の場面では登場人物一人一人のドラマにリアリティと味わいがあった。もっとも楽しんで読めたのは本作である。」「もちろん佐藤正午さんの受賞を祝うことに些かの躊躇いもない。」
宮城谷昌光
男72歳
45 「人は生まれかわることができる。それがテーマである。この小説はそれを事例化したにすぎない。生きては死に、死んでは生きる、ということをくりかえすとなれば、氏名は変わってもおなじ人間しかそこに存在しない。(引用者中略)最後には、その退屈さに、読み手は厭きるであろう。」「文章の巧さは、ほかの作品にまさっており、選考委員諸氏の賛意をうける器は、この作品だけがととのっていた印象であった」
高村薫
女64歳
22 「いかにも小説的な文体のわりに意外なほど人間の体温に乏しい。生まれ変わりという主題がそのまま小説の動力になり、躯体になる一方で、自分が生まれ変わりだと知った人間の驚きや苦悩が一切描かれていないことに因るが、ベテラン作家のこの企みの目的は奈辺にあるのだろうか。」「技巧的で、かなり不気味なこの作りものの世界は、作者の真骨頂ではあるのだろうが――。」
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他の候補作
木下昌輝
『敵の名は、宮本武蔵』
佐藤巖太郎
『会津執権の栄誉』
宮内悠介
『あとは野となれ大和撫子』
柚木麻子
『BUTTER』
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候補者・作品
木下昌輝男42歳×各選考委員 
『敵の名は、宮本武蔵』
連作7篇 462
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
15 「面白く読んだが、はたして大衆文学としての普遍性があるだろうか、との疑問を抱いた。」「「武蔵を知る人のための武蔵」をあえて書いたように思える。」
伊集院静
男67歳
6 「佳作であったが、武蔵について独自の解釈であるなら、もっと思い切った武蔵の存在が読みたかった。」
北方謙三
男69歳
26 「私は、ひとつひとつの争闘を、いくらか興奮しながら読んだ。太刀筋にリアリティがある、という感じだったのだ。それが、飛刀の間が出てくると、不意に剣が観念的になったような気がした。」「最後まで、登場人物たちの血の臭いが漂っているのが、この作品のあるべき姿ではないか、と私は思い続けた。」
林真理子
女63歳
16 「テンポがよく一話一話読ませるし、決闘シーンが飽きさせない。私は佐藤さん(引用者注:受賞した佐藤正午)の次にこの作品を推したが、何かが足りなかったようだ。」「こういう小説は最後に大きなうねりをつくらなくてはいけない。」
桐野夏生
女65歳
15 「この作品のように、敗北者たちから語られると、宮本武蔵という人物が大きな虚ろのようで、何とも捉えどころがないのは面白い。」「発想はユニークだ。文章がところどころ粗いのが気になった。」
宮部みゆき
女56歳
22 「(引用者注:「会津執権の栄誉」と共に)一読者としての感想をまとめたら、どちらの作品にも「序盤を読むのがしんどい」という評が出てきてしまいました。どれほど重厚な題材を扱っていても、エンタテイメント小説は「楽しい川下り」であってほしいと私は思います。」
東野圭吾
男59歳
20 「お馴染みの登場人物たちを自分なりにアレンジし、既存の作品とは多少の距離を置きつつ、リスペクトも忘れない着地点に落とし込んだというところか。」「終盤になり、無二の人格が変わっているのは気になった。」
宮城谷昌光
男72歳
6 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
高村薫
女64歳
15 「日本人がいまほど多弁でなかった江戸時代の、現代人には理解が及ばない斬ったり斬られたりの死生観に、剣法を通して迫ろうとする作者の意欲が感じられた。」
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他の候補作
佐藤正午
『月の満ち欠け』
佐藤巖太郎
『会津執権の栄誉』
宮内悠介
『あとは野となれ大和撫子』
柚木麻子
『BUTTER』
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候補者・作品
佐藤巖太郎男55歳×各選考委員 
『会津執権の栄誉』
連作6篇 402
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
16 「著者初の単行本(引用者中略)にしては垢抜けた作品である。」「御家滅亡という悲劇の中で苦悩する登場人物のそれぞれが有機的に結びつかず、結局は群像劇で終わってしまったきらいがあった。」
伊集院静
男67歳
17 「文章の丁寧さもそうだが、昨今の小説に欠落しているように思える、気骨、小説の品性が感じられた。」「ただもう少し自分の故郷を見直し、ちいさな棚田、雪解けの小川を見つめる少女、老人の目のようなものを養って欲しい。」
北方謙三
男69歳
19 「題材に取り組む姿勢に好感が持て、作者の誠実さも見えた。」「小説的な視線を持っている人だが、その小説性が拡がりを欠く。会津という狭い地域を扱ったからでなく、描写される人物が、どこか拡がりを欠いているのだ。」
林真理子
女63歳
11 「正直読みづらかった。登場人物が多いうえに、あまり有名な人がいない。」「武士の美学がやや平凡なような気がするが、整正な文章は歴史小説の書き手にふさわしい。」
桐野夏生
女65歳
11 「文章は簡潔で毅然としている。が、人物描写があまりに少ないので、登場人物を一人一人思い浮かべることができない。」
宮部みゆき
女56歳
22 「(引用者注:「敵の名は、宮本武蔵」と共に)一読者としての感想をまとめたら、どちらの作品にも「序盤を読むのがしんどい」という評が出てきてしまいました。どれほど重厚な題材を扱っていても、エンタテイメント小説は「楽しい川下り」であってほしいと私は思います。」
東野圭吾
男59歳
18 「舞台のスケールは大きいが、描かれている人間ドラマは案外卑小だ。それをどう評価するかだが、私は物足りなさを感じた。」「視点人物の内面描写が長々と続くのも、エピソードの小ささを補うためのように感じた。」
宮城谷昌光
男72歳
54 「福島県の外にいる人々にとって、それら(引用者注:各短編の主役)の名は伊達政宗をのぞいてすべて無名にひとしい。そういう深刻な認識から作者は小説をたちあげていったか、と問いたい。」「この短編集の陰の柱は、佐竹家から芦名家にはいった佐竹義広であったはずだ。(引用者中略・注:その)芦名家の家主をなおざりにしたのは、どうしてであろうか。私にとって最大の不満はそれである。」
高村薫
女64歳
10 「まさに王道のザ・時代小説であるが、評者は、戦国武将の行動原理を人間の心の闇という近代の発想で捉える時代感覚に馴染めなかった。戦国武将たちは、もっと能動的で動物的な血の臭気に包まれていてほしい。」
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他の候補作
佐藤正午
『月の満ち欠け』
木下昌輝
『敵の名は、宮本武蔵』
宮内悠介
『あとは野となれ大和撫子』
柚木麻子
『BUTTER』
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候補者・作品
宮内悠介男38歳×各選考委員 
『あとは野となれ大和撫子』
長篇 745
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
16 「登場人物に人間味が感じられず、既定のキャラクターを文章化しているようにも思えた。小説家として必要な資質をすべて備えた作者の居場所は、ここではないはずである。」
伊集院静
男67歳
5 「好きな作品であったが、この数年の作品の中では少々荒削りに思えた。」
北方謙三
男69歳
29 「私は面白く読んだ。いきなり誕生してしまった新しい政府は、女子高の自治会さながらで、物語に、なんとも言えない愛敬を与えた。そのまま進んで、愛敬などと言っていられない権力への変貌が描かれていたら、怖い小説になったという気がする。」「なんの理由もない歌劇の稽古が、やがて底知れない権力に変貌していく。権力そのものが、舞台で歌劇をやる。その空恐ろしさは、小説でしか描き得なかったものだろう、と思うのだが。」
林真理子
女63歳
17 「宮内さんのお書きになるものだ、さぞかし面白いだろうと思ったがそうでもなかった。切実さや暗さがない替わりにリアリティがない。」
桐野夏生
女65歳
13 「架空の国での出来事という設定が好きだ。しかし、少女たちが表面的で、なかなか深まっていかない。」「筆致は軽くても人物に陰影がないと、筋が機能しない。」
宮部みゆき
女56歳
38 「私は『あとは野となれ大和撫子』を推しました。」「読後感の重い候補作が揃っていたなかで、架空の砂漠の国で政治的冒険を繰り広げる聡明で元気な少女たちのお話は、まさにオアシスのようだったからです。」「中央アジアの政治情勢にはてんで無知で関心も薄かった私ですが、これからはワールドニュースで「アラル海周辺地域」などの言葉を聞いたら注目します。これは物語が日常という現実に働きかけ、何かをチェンジした証でしょう。」
東野圭吾
男59歳
28 「政治改革でも国際紛争でもいいから、破天荒に物語をかき回してくれたら文句なしだったのだが、大統領代行や国防相の主な仕事が芝居の稽古というのではがっかりしてしまう。」「しかし作者の博識ぶりと想像力の豊かさには感心した。」「悩んだ末、新しい才能の台頭を祝福する気持ちを込め、宮内さんの作品に○をつけた。」
宮城谷昌光
男72歳
7 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
高村薫
女64歳
17 「賑やかに群像劇を描きながら、登場人物たちが誰ひとり存在の重みをもって立ち上がってこない。」「ある着想から巧みに舞台を構成しながら、そこに立つ人間をじっと見つめることはしない、新しい小説の可能性もないことはないと想像する。」
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他の候補作
佐藤正午
『月の満ち欠け』
木下昌輝
『敵の名は、宮本武蔵』
佐藤巖太郎
『会津執権の栄誉』
柚木麻子
『BUTTER』
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候補者・作品
柚木麻子女35歳×各選考委員 
『BUTTER』
長篇 928
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
22 「作者がのびのびと書きすぎてしまった。豊富な食材でおいしい料理ができるとは限らず、むしろ「あるもの」で工夫をした料理こそうまい。そして材料の多寡にかかわらず、不可欠なものは「思想」である。その肝心な調味料を切らしていると、いかに手を掛けても納得できず、味の上に味を重ねてしまう。」
伊集院静
男67歳
8 「物語の焦点が曖昧に思えた。もしモデル小説の意識があったのなら、犯罪にいたる深層部をえぐるものが必要のように思えた。」
北方謙三
男69歳
18 「丁寧に取材して丁寧に描写され、相当の労作なのだと思えたが、ベタ塗りと感じられる部分も多く、それが作品からダイナミズムを奪ったのではないだろうか。」「料理の描写も、ただうまいものを作るというのではなく、完成までにさまざまな言葉が費されていて、結局はそれが味を落としてしまった、という気がした。」
林真理子
女63歳
14 「肝心の「なぜ殺人を犯したか」に全く到達出来ておらず、だらだらと病んでいく女たちの話が続く。知的で客観性にとんでいるはずの週刊誌編集者が、これほど安易に洗脳されるとはとても思えないのだ。」
桐野夏生
女65歳
18 「核となる「梶井真奈子」の悪の引力が足りない。」「社会のミソジニー傾向を指摘するなど、作者は相変わらず鋭いのだが、今回は残念ながら、少し散らかった印象がある。」
宮部みゆき
女56歳
39 「作中に登場する食べ物と、それを食べるシーンは臨場感があって、たらこパスタなどはすぐに作って食べたくなりました。」「残念だったのは、カジマナの犯罪の中身があまりにも具体性を欠き、物証もなく状況証拠の積み上げもないまま、「検察側のいびつな精神論」だけで一審で無期懲役の判決を受けたという設定が、どうしても納得できなかったことです。」
東野圭吾
男59歳
24 「「検察側のいびつな精神論」だけで有罪になることなどありえない。ところが主人公は、それらの裁判材料に全く触れようとしない。誰が考えても明白な状況証拠、つまり主人公にも否定できない証拠が存在すると、その後の話の展開に困るという作者の都合からではないか。」
宮城谷昌光
男72歳
5 「以前、その作風に多少なりとも言及したことがある。」
高村薫
女64歳
10 「興味深い人間像に迫ろうとして見事に失敗した作品である。人間に迫ろうにも、男性三人を殺害した事件の設定が杜撰すぎて、殺人犯が殺人犯になり得ていないからだが、志や良し、と思う。」
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他の候補作
佐藤正午
『月の満ち欠け』
木下昌輝
『敵の名は、宮本武蔵』
佐藤巖太郎
『会津執権の栄誉』
宮内悠介
『あとは野となれ大和撫子』
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