直木賞のすべて
第157回
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Last Update[H29]2017/9/1

佐藤正午
Sato Shogo
生没年月日【注】 昭和30年/1955年8月25日~
受賞年齢 61歳10ヵ月
経歴 長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部国文科中退。アルバイト生活をしながら小説を書き、昭和58年/1983年にすばる文学賞を受賞して作家デビュー。
受賞歴・候補歴
サイト内リンク 特集-第157回候補の詳細
備考
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こじんきょうじゅ
個人教授』(昭和63年/1988年12月・角川書店刊)
書誌
>>平成3年/1991年9月・角川書店/角川文庫『個人教授』
>>平成14年/2002年3月・角川書店/角川文庫『個人教授』[改版]
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他文学賞 山本周五郎賞 2回候補 一覧へ
候補者 佐藤正午 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男54歳
17 3点「教授が最初に出てきた時は、さてどういうふうに面白くなるかと思ったのですが、基本的に乗りにくかったのは、作者が主人公を甘やかしすぎるところです。」「都合がよすぎるという印象が最後まで残りました。」
田辺聖子
女61歳
13 3点「書き出しはすごくうまいですね。」「竜頭蛇尾、だんだん尻つぼみになっていったという感じでした。」「一流の新聞社に勤める主人公の男の子を、なぜ休職という扱いにしたのかも分かりません。」
野坂昭如
男58歳
21 0点「全く存在感のない人間が、ふわふわしているだけです。」「仕掛けやら何やら全部ひっくるめて、僕にはこの小説は分からない。」
藤沢周平
男61歳
19 3点「この人、細部はわりにうまく書いているんですが、全体に何を書いているのかという、大状況みたいなものが芳しくないんですね。」「もっと刈り込んで主題をはっきりさせないと、賛成出来ない小説だと思いました。」
山口瞳
男62歳
24 2点「主人公は四十万円のお手当てで、なんとか夫人の男妾みたいになるんだけれど、それに対する痛みとか、思い入れとかが全然感じられません。」「こういう作品は、どこかで笑えないといやなんですね、だけど僕、一か所も笑えませんでした。」
最終投票      
選評出典:『小説新潮』平成1年/1989年7月号
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直木賞 第157受賞  一覧へ

つき
月の 満ち 欠け』(平成29年/2017年4月・岩波書店刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成29年/2017年4月5日(第1刷)
発行者等 発行者 岡本 厚 印刷 精興社 製本 牧製本
発行所 株式会社岩波書店(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装丁 桂川 潤 ジャケット装画 宝珠光寿(「何もない空いっぱいに」)
総ページ数 322 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
45字
×18行
×1段
本文ページ 1~322
(計322頁)
測定枚数 558
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書誌
>>書下ろし
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候補者 佐藤正午 男61歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男65歳
34 「熟練の小説である。抜き差しならぬ話のわりには安心して読める大人の雰囲気をまとっており、文章も過不足なくていねいで、どれほど想像力が翔いてもメイン・ストーリーを損うことがない。」「私見によると、他の候補作とのちがいは相当に歴然としていた。」
伊集院静
男67歳
74 「それにしても奇妙な物語である。まあ本来、小説には奇妙、摩訶不思議な所が備わっているものであるが、これを平然と、こともなげに書きすすめられる所に、作者の力量、体力を見せられた気がする。」「この作品のテーマは、人の死のかたちなのだろう。死のかたちが広過ぎるなら、死の余韻でもいいかもしれない。」「登場する少女たちが彼女のたちの内に宿ったものに対して、必死に声を上げようとすればするほど、その声が音律を持ち、切ない鎮魂歌に私は聞こえた。」
北方謙三
男69歳
43 「私は、最後の一行というか一場面というか、本来ならば切れ味と言われるところに、微妙な作為を感じてしまったのだが、それが欠点だという確信は持てなかった。」「私はこの作品を第一に推し、ほかに推すものを持たなかった。平明で抑制があり簡潔な文章で、しかも作品の持つ底力が、私を押してくる。」
林真理子
女63歳
35 「群を抜いていた。佐藤さんの作品の中では、必ずしも最良のものとは思えないが、構成の巧みさ、何よりも淡々と物語を運んでいく文章力はさすがであった。」「とはいうものの、後味の悪い小説である。」「多分に文学少女的発想だと思われそうだが、この物語を「嵐が丘」と見た。ヒースクリフは他のすべてを破局に向かわせながら、ひたすらキャサリンの幽霊を待っている。男女の愛の究極の自分勝手さ、理不尽さを描こうとしたなら「月の満ち欠け」は成功している。」
桐野夏生
女65歳
34 「人間の個性や人格というものを敢えて無視して成立させる、ダークなファンタジーといったところか。」「死んだはずの瑠璃が少女に憑依して、常に哲彦の元に戻ろうとする設定は、その執着ゆえに薄気味悪さを伴う。実に奇妙な小説である。」「構成は怖ろしく凝っていて巧みだ。」
宮部みゆき
女56歳
23 「輪廻転生という仕掛けを使って、当事者の二人以外は誰も幸せにしない恋愛というものの暴力性と理不尽さを描いた小説だと私は思っています。」「そういう読み方をするのは私の性格が歪んでいるからだろうかと密かに怯えつつ選考会に臨みましたら、各委員から「小説としての完成度は素晴らしいが、物語としては薄気味悪い」というお声を聞いて安堵しました。」
東野圭吾
男59歳
30 「超常現象に直面した人々の反応に疑問が残った。」「生まれ変わった本人の戸惑いが描かれていない点にも不満が残る。」「また、最後の章は不要だったのではないか、と思っている。とはいえ、それ以外の場面では登場人物一人一人のドラマにリアリティと味わいがあった。もっとも楽しんで読めたのは本作である。」「もちろん佐藤正午さんの受賞を祝うことに些かの躊躇いもない。」
宮城谷昌光
男72歳
45 「人は生まれかわることができる。それがテーマである。この小説はそれを事例化したにすぎない。生きては死に、死んでは生きる、ということをくりかえすとなれば、氏名は変わってもおなじ人間しかそこに存在しない。(引用者中略)最後には、その退屈さに、読み手は厭きるであろう。」「文章の巧さは、ほかの作品にまさっており、選考委員諸氏の賛意をうける器は、この作品だけがととのっていた印象であった」
高村薫
女64歳
22 「いかにも小説的な文体のわりに意外なほど人間の体温に乏しい。生まれ変わりという主題がそのまま小説の動力になり、躯体になる一方で、自分が生まれ変わりだと知った人間の驚きや苦悩が一切描かれていないことに因るが、ベテラン作家のこの企みの目的は奈辺にあるのだろうか。」「技巧的で、かなり不気味なこの作りものの世界は、作者の真骨頂ではあるのだろうが――。」
選評出典:『オール讀物』平成29年/2017年9月号
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文量
長篇
章立て
「午前十一時」「1」~「4」「午前十一時半」「5」~「8」「午後〇時」「9」~「11」「午後〇時半」「12」「午後一時」「13」
時代設定 場所設定
[同時代]~1980年代  東京~福岡~千葉~仙台など
登場人物
小山内堅(元・石油会社勤務)
梢(旧姓・藤宮、小山内の妻)
小山内瑠璃(堅と梢の娘)
三角哲彦(大手ゼネコン総務部長、梢の友人の弟)
正木瑠璃(旧姓・奈良岡、三角が大学生のとき出会った女性)
正木竜之介(正木瑠璃の夫、大手工務店勤務、のち「小沼工務店」勤務)
小沼希美(小沼工務店社長の娘)
荒谷みずき(中学生、小山内の知合いの娘)
緑坂ゆい(女優)
るり(ゆいの娘、7歳の小学生)




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