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Last Update[H28]2016/11/2

伊集院静
Ijuin Shizuka
生没年月日【注】 昭和25年/1950年2月9日~
在任期間 第144回~(通算6年・12回)
在任年齢 60歳10ヶ月~
経歴 本名=西山忠来(ニシヤマ・タダキ)。山口県生まれ。立教大学文学部卒。
受賞歴・候補歴
処女作 エッセイ『あの子のカーネーション』(平成1年/1989年7月・文藝春秋刊)
直木賞候補歴 第107回受賞 『受け月』(平成4年/1992年5月・文藝春秋刊)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part2
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 144 平成22年/2010年下半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数101 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男60歳
候補 評価 行数 評言
男35歳
34 「大人の私たちが忘れかけていたもの、喪失したものを少年、少女の視点で実にあざやかに呼び覚ませてくれた。」「これまで氏の少年を描いた一連の作品ではストーリーテールに依り過ぎて人間の葛藤・内実から筆が逸れがちだった。しかし本作品はそれを見事クリアーしている。作者の成長であろう。」「私はこの作品の表現に先鋭的なものを感じた。」
女43歳
37 「視点のたしかさと胆の座り方は作者の筆力とともに今後、受賞にかなう作品を生み出してくれるはずだ。木内さんにしかないものが明白にある。一点気になる点を挙げると、人間の行動を理屈でおさめて済ませるところが感じられた。」
選評出典:『オール讀物』平成23年/2011年3月号
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直木賞 145 平成23年/2011年上半期   一覧へ
選評の概要 作品の潔さ 総行数110 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男61歳
候補 評価 行数 評言
島本理生
女28歳
21 「候補作の中でもっとも好きな作品だった。読んでいて、センスの良い小説だと感心した。このセンスが才気としたら、“タレント”より“ギフト”ではないかと思った。小説家の大切な資質だ。北関東の小都市の街の風土、湿っぽさ、人の肌合い。そこで苦悩する一人の少女が女性へと変わる姿が島本さんにしか生み出せない世界で描かれている。」「私は本作品を推したが受賞におよばなかった。」
葉室麟
男60歳
13 「私は推した。これまでのキャリアも十分に思えたし、蕪村という題材も氏の作品の幅のひろがりに思えた。選考で俳句の扱いに関して安易ではないかと指摘され、佳い導入俳句もある点を強調したが他委員の賛同を得られなかった。」
男48歳
31 「下町のエンジン部品メーカーの社長が仰ぎ見ている夢に周囲の人々が、自分たちもかつて抱いていた夢を託しはじめる。夢、望みは希望である。この希望が物語の力となっている。人々の希望を繋ぐ爽快な作品だ。」「直木賞の受賞作にふさわしい作品であると同時に、さまざまな事情を抱えた今夏の日本に活力を与える小説である。」
選評出典:『オール讀物』平成23年/2011年9月号
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直木賞 146 平成23年/2011年下半期   一覧へ
選評の概要 修練の技 総行数102 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男61歳
候補 評価 行数 評言
男60歳
37 「冒頭の数頁にこの物語に不可欠な人物、時代背景、風土、臨場といったものがすべて出揃っている。それが何の気負いもなく語られている。若い作家ではこうはいかない。」「葉室氏の作品を読んでいると静かな水のほとりに立っているような錯覚にとらわれる時がある。その水面に、遠い昔の日本人が立ち動いている。かすかな気配とともに風音がし、やがてさざなみたつように物語が立ち上がってくる。修練を積んだ作家の技と言ってよかろう。」
桜木紫乃
女46歳
22 「小説を読んでいるというより情話をせつせつと聞かされている快楽のようなものがあった。」「読んでいて作中人物の生涯を描きながらも作家の祈りのようなものにふれていた気がした。」
選評出典:『オール讀物』平成24年/2012年3月号
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直木賞 147 平成24年/2012年上半期   一覧へ
選評の概要 ふさわしき成長 総行数133 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男62歳
候補 評価 行数 評言
女32歳
37 「力作短篇集であった。」「「美弥谷団地の逃亡者」は永井龍男の短篇を読んでいる錯覚がした。辻村さんは日常の中の深い溝をテーマにしてきたが、その設定が奇異に見えるところがあった。ところが本作はありきたりに思える日常が平然と扱われ、その分だけ人間の業欲、凄みが出てきている。書くべきテーマと世界にぶち当たった感がある。」
  「今回の候補作は初めて名前を知り、作品も初めて読む作家が数人いた。普段、折があれば新しい人の作品にふれているつもりだったが新鮮で良かった。時代が移ろうとしているのかもしれない。」
選評出典:『オール讀物』平成24年/2012年9月号
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直木賞 148 平成24年/2012年下半期   一覧へ
選評の概要 喪失なのか? 総行数100 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男62歳
候補 評価 行数 評言
男23歳
51 「一読、凡庸な作品では? と思った。それでも妙な気分が残り、私の小説の基準を除いて読み返し、登場人物を並べてみると、皆の顔が見えてこない。面白い。」「それでもやはりわからぬまま私はこの作品を推した。かつて小説とは何ぞやと喘いで、それでも手探っていた頃にゴツゴツしているだけのものが残った、あの感触をこの作品に感じたのが推した理由である気もする。」
男57歳
22 「長谷川等伯は狩野派に対して異端の存在であるが、このような歴史上の人物を描くと必要以上に奇異なキャラクターをつけてしまいがちだが、安部氏は長い経験がそれを上手くこしらえている。さすがだと思った。他の選考委員よりこの数年本賞から輩出した歴史小説と比べて遜色なくむしろ上との見解に最後に票を入れた。」
選評出典:『オール讀物』平成25年/2013年3月号
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直木賞 149 平成25年/2013年上半期   一覧へ
選評の概要 雲間から見事な光 総行数82 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男63歳
候補 評価 行数 評言
宮内悠介
男34歳
33 「小説の可能性という点で(引用者中略)推した。」「テーマへの挑戦がまず大前提にあり、民族衝突、人種差別、テロリズム、格差社会といったテーマと日本人、日本という国家がどう関っているのかを近未来という設定で挑んだ点を私は評価した。」「全体は行きつ戻りつ手探りの感はあるが、私たちが安易に目指している社会が壊れるという予兆は描けていると思った。」
女48歳
49 「桜木紫乃さんの作品を初めて読んだのは十一、二年前の某小説誌の新人応募の中の一篇だった。」「新人賞は取れたが、問題は作品に通底する“暗さ”だった。」「桜木作品の鉛色の街は彼女の原風景のように思えて果して雲を突き破って光を手に入れられるのだろうかと思った。」「今回『ホテルローヤル』と題した映画で言えば“グランドホテル形式”の洒落た作品を一読し、私は思わず唸りそうになった。これが苦悩の創作の時間が与える“きらめき”かと思い、頭が下がった。」
  「直木賞は或る程度の実績を持つ新しい作家を対象にしているが、小説の可能性を一気に高めてくれ、つまらぬ既成概念を打ち破ってくれる人ならまったくの無名の作家でもかまわぬと思う。それほど現代社会は新しい小説を待ち望んでいるのだ。何か新しい、ときめくものが作品から強く伝わる。それが新しい作品、作家だ。」
選評出典:『オール讀物』平成25年/2013年9月号
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直木賞 150 平成25年/2013年下半期   一覧へ
選評の概要 一途の化身 総行数47 (1行=27字)
選考委員 伊集院静 男63歳
候補 評価 行数 評言
女54歳
17 「縁あって私は朝井さんのデビュー時の作品を読む機会を得た。まだ彼女はサナギの時代であったが、人間、人情をよく観察され、特に女性のこまやかな感情を描くことに長じていらした。その分物語の骨格、線の細さを感じた。ところが今回『恋歌』を一読して、物語の強靭さに感動した。人はさまざまな事情をかかえても平然と生きているものだと再認識した。」
女55歳
17 「私は最初、この作品を読んだ時、きわめて私小説的に展開していく作法が果して一般の読者に迎えられるだろうかと懸念したが、さにあらず、作者は見事に普遍を捉えていた。これほどセンスの良い現代小説の書き手がいたことに驚いた。何よりも小説に品性があった。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年3月臨時増刊号
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直木賞 151 平成26年/2014年上半期   一覧へ
選評の概要 最上級のペーソス 総行数109 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男64歳
候補 評価 行数 評言
男65歳
29 「この作者が永い歳月をかけて見てきた社会(世間、浪花の浮き世と言った方がいいが)の哀切が見事に描き出されていた。」「この作品を裏社会の世界の特殊な物語とくくるのは間違っている。現実はもっと辛酸に満ち、哀しいものだ。哀しいものを面白く、愚かなことを懸命に、という一級のペーソスを書いてきた作家のようやくの受賞である。」
  「小説が、文学が危機の時代とこの頃耳にするが、文学が安泰などという時代はこれまで一度だってあったことはない。いつの時代も文学は危機を孕んでいたし、今も同じである。」「昨今の新しい創作者の作品で首をかしげることがある。それは登場人物がいかなる人間かの基準を、幼少期、思春期の、それも通っていた学校、学園での優劣で平然と決定していたり、若者にとってのすべての問題がさも学校での過ごし方にあるかのように描かれている点である。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年9月号
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直木賞 152 平成26年/2014年下半期   一覧へ
選評の概要 まぶしい人 総行数101 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男64歳
候補 評価 行数 評言
女37歳
34 「新しいもの、新しい人はまぶしいのである。まぶしさに思わず、目を細めても何やらどんどんページをめくる力がある。こんなにふうにまぶしくて力強い小説を読んだのはひさしぶりだ。新しい人は、新しい世界と、まぶしい光を背負ってあらわれるらしい。」
選評出典:『オール讀物』平成27年/2015年3月号
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直木賞 153 平成27年/2015年上半期   一覧へ
選評の概要 天性の語り部 総行数107 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男65歳
候補 評価 行数 評言
男46歳
38 「嘗て物語は語り部のものだった。その巧みな語り口によって伝承され生き続けた。『流』の声は熱く、豊かな声質であった。或る時は叫び、或る時は囁き、或る時は沈黙さえしていても常に耳の底に作者の声がしていた。」「日本人にとって歴史上も大きな関りがある国の物語に文学が明確に見えた点も嬉しかった。」
  「一度目の投票で選考委員の全員が支持するという作品があらわれた。どこからともなく吐息が零れた。これほどの支持とは、という各委員の感慨が零れたのだと思った。」
選評出典:『オール讀物』平成27年/2015年9月号
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直木賞 154 平成27年/2015年下半期   一覧へ
選評の概要 みずみずしい文章と戦争観 総行数111 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男65歳
候補 評価 行数 評言
深緑野分
女32歳
35 「(引用者注:「羊と鋼の森」と共に)私が推した作品」「選考委員から、日本人の若い作家が、なぜ第二次大戦のアメリカ兵士を描いたのかと日本人の戦争観に話がおよんだ。若い人に限らず人の戦争観の論議は、私にはナンセンスに思えた。よく見た戦争映画を下に書き上げたのではという評もあったが、これからの若い作家が映像を見て感動し、それが作品の想起になるのは自然なことで、映像を見ての感情が、作品の軸になった方が斬新なものを生むのではないか。」
宮下奈都
女49歳
25 「(引用者注:「戦場のコックたち」と共に)私が推した作品」「私は常日頃から、みずみずしい文章の作品を書きたいと思っているが、なかなかそういう文章は書けない。宮下さんの小説には、そのみずみずしさが失せることがなかった。」「他選考委員から作品の世界がやや小振りだという評が出たが、そんなことはない。こんなに悠久を感じる作品はない。」
男67歳
27 「文章も安定感があるし、短篇集として上出来である。」「たしかに各短篇にはそれぞれ個性があり、一言で言うと、上手い、のである。」「上手い、名手などという評価は、小説の本質とはまったく違う場所での言葉で、むしろ邪魔になる。あらためて読んでみると、そのことがやはり気になった。」
  「今回は候補に上がった作品は、作家の名前を含めて、初めて読むものが多かった。そのせいか、どの作品にもみずみずしさを感じた。」
選評出典:『オール讀物』平成28年/2016年3月号
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直木賞 155 平成28年/2016年上半期   一覧へ
選評の概要 おだやかで鋭利 総行数114 (1行=12字)
選考委員 伊集院静 男66歳
候補 評価 行数 評言
男60歳
50 「すべての候補作を読んで、作品の世界、文章が一番安定していた」「荻原さんのおだやかな語り口は才覚と言うより、途絶えることなく書き続けた作家だけが手にする鍛錬がなした技量だと思う。おだやかでいて鋭い。まさにプロの文体である。再投票で選考委員満票の受賞であった。」
  「今回、あらためて文学賞の選考会の難しさを再認識した。」
選評出典:『オール讀物』平成28年/2016年9月号
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