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第154回
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Last Update[H29]2017/3/20

青山文平
Aoyama Bumpei
生没年月日【注】 昭和23年/1948年12月3日~
受賞年齢 67歳1ヵ月
経歴 神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学第一政経学部経済学科卒。出版社勤務を経て経済関係のライターとなる。平成4年/1992年に「俺たちの水晶宮」で中央公論新人賞を受賞したが、約10年ほどで小説執筆から離れる。再び筆をとった「白樫の樹の下で」を松本清張賞に応募し、平成23年/2011年に受賞。
受賞歴・候補歴
  • 第18回中央公論新人賞(平成4年/1992年度)「俺たちの水晶宮」影山雄作名義
  • 第18回松本清張賞(平成23年/2011年)「白樫の樹の下で」
  • |候補| 第152回直木賞(平成26年/2014年下期)『鬼はもとより』
  • 第17回大藪春彦賞(平成26年/2014年度)『鬼はもとより』
  • |候補| 第6回山田風太郎賞(平成27年/2015年)『つまをめとらば』
  • 第154回直木賞(平成27年/2015年下期)『つまをめとらば』
  • |候補| 第70回日本推理作家協会賞[長編及び連作短編集部門](平成29年/2017年)『半席』
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小研究-記録(高齢候補)
備考
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直木賞 第152回候補  一覧へ

おに
鬼はもとより』(平成26年/2014年9月・徳間書店刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年9月30日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成26年/2014年11月10日(第2刷)
発行者等 発行者 平野健一 本文印刷所 本郷印刷株式会社 カバー印刷所 真生印刷株式会社 製本所 東京美術紙工協業組合
発行所 株式会社徳間書店(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 大竹彩奈 装幀 芦澤泰偉
総ページ数 325 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
42字
×16行
×1段
本文ページ 3~325
(計323頁)
測定枚数 495
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書誌
>>書下ろし
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候補者 青山文平 男66歳
選考委員 評価 行数 評言
伊集院静
男64歳
24 「私は青山氏の作品とのつき合いは長く、この作者の声高に物語を語らない姿勢が好きで、藤沢周平作品と通じるものを感じる時がある。今回は女性の描き方に腕を上げられていた。」「“藩札”は成功例をみていない。そこを強引に物語にしてやることができれば小説の背骨に肉が付き、脂も滴った気がするが、最後の詰めが甘いように思った。」
林真理子
女60歳
16 「私は高い評価をつけた。」「藩札がこんなにうまくいくはずはない、というのも事実であろうが、青山さんの手にかかると、江戸の金のサイクルがなめらかに動き出すのだ。ただ女たらしであった、主人公のキャラクターがもっと出てくれればと残念でならない。」
北方謙三
男67歳
19 「藩政のコンサルタントのような主人公の役割りは、目新しかった。」「一方、貧窮する藩の状態の描写は、私にはもの足りなかった。いまにも一揆が起きそうな、ひりひりしたものがない。空気がどこか霞んでいるような感じで、そういう中では悪役も類型になってしまわざるを得ないだろう、という気がする。」
宮城谷昌光
男69歳
42 「この作品には、藩札の発行と流通が主題としてすえられており、いわば時代経済小説といってよい体裁になっている。着眼点が常識の外にあるとなれば、既存の時代小説とは一線を画している。あとは作者の知識と情熱が小説的高みで開花すればよいのであるが、残念ながら私の目には、その花が映らなかった。」
高村薫
女61歳
25 「江戸時代版プロジェクトXといった予定調和の世界は、少々器用にまとまり過ぎていて勢いに欠けた。」「(引用者注:「宇喜多の捨て嫁」と共に)時代小説に詳しい選考委員から、基礎知識の不足が厳しく指摘され、」
宮部みゆき
女54歳
35 「今回、個人的には青山文平さんの『鬼はもとより』を推しました。藩札という難しい題材を扱いながらリーダビリティが高いのは、主人公の抄一郎のどこか悟ったようなすっとぼけた魅力と、彼が江戸の経営コンサルタントとして直面する〈貧との戦い〉の苛烈さが、ラストまで絶妙なバランスを保っていたからだと思います。」
東野圭吾
男56歳
23 「△」「藩札の開発話というのは新鮮であり、じつに興味深く読めた。」「難点は、すべてがうまくいきすぎることだ。」「さらに弱いのは、飢饉の時にどう機能するかを検証していない点だ。主人公の命題は、それではなかったのか。最後の最後で推すのを躊躇った所以だ。」
桐野夏生
女63歳
22 「小説にごつごつした手触りを求めるのは私の好みだが、この作品のこなれ具合は度が過ぎている。後半は、あまりにダイジェスト的だ。」「しかし、「武家と金」というテーマは、この作者にしか書けない分野だ。ファンも多く付くだろう。」
浅田次郎
男63歳
18 「今日でいう辣腕の経営コンサルタントが、今日でいう破綻寸前の企業を再建する、という設定はまことユニークで面白い。しかし、(引用者中略)明治維新という国家の大転回は、「今日でいう」ことを許さぬ」「本作ではこの問題を小説的に処理したとは言いがたく、江戸時代と現代とを強引に重ね合わせたとしか私には思えなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成27年/2015年3月号
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大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
しょう 平成27年/2015年1月14日 今回は時間がなくなってしまったのでとり急ぎザックリと予想しマス。

◎青山さん
○西さん
▲大島さん

青山さん、西さんの単独や、青山さん・大島さんの2作とかイロイロ迷ったんですが
この組み合わせの2作で予想しマス。(同時推薦=>西加奈子
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文量
長篇
章立て
「[一]」~「[五]」
時代設定 場所設定
江戸中期[寛延年間~宝暦年間]  江戸~ある藩~島村藩~浦賀など
登場人物
奥脇抄一郎(江戸住まいの浪人、藩札板行指南、ある藩の元・藩札掛)
梶原清明(島村藩の執政兼藩札掛、奥脇への依頼人)
梶原講平(清明の甥、島村藩の御納戸)
深井藤兵衛(旗本、各藩と奥脇の仲介人)
長坂甚八(奥脇の同僚だった藩札掛)
珠絵(松永重蔵家老の末娘、甚八の想い人)




直木賞 第154受賞  一覧へ
『つまをめとらば』(平成27年/2015年7月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成27年/2015年7月10日(第1刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本 DTP組版 言語社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 村田涼平 装丁 大久保明子
総ページ数 253 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×18行
×1段
本文ページ 5~253
(計249頁)
測定枚数 415
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収録作品の書誌
ひともうらやむ
>>初出『オール讀物』平成27年/2015年4月号
つゆかせぎ
>>初出『オール讀物』平成26年/2014年7月号
乳付(ちつけ)
>>初出『オール讀物』平成24年/2012年9月号
ひと夏
>>初出『オール讀物』平成24年/2012年1月号「孤島の夏に」
>>『オール讀物』平成28年/2016年3月号
逢対(あいたい)
>>初出『読楽』平成27年/2015年5月号「こいせよ おとめ」
>>『オール讀物』平成28年/2016年3月号
つまをめとらば
>>初出『オール讀物』平成27年/2015年6月号
>>『オール讀物』平成28年/2016年3月号
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候補者 青山文平 男67歳
選考委員 評価 行数 評言
林真理子
女61歳
22 「この方の文章のうまさというのは感嘆に価する。」「そして女たちの魅力的なことといったらどうだろう。したたかで、ちゃっかりしていて愛らしい。今まで男たちが描いてきた「江戸の女」を鮮やかに裏切っているのだ。」
北方謙三
男68歳
15 「いくらかペダンチックなものを感じさせるが、短篇として切り口が鮮やかで、描かれた心情には無理がない。のびやかである。女の描き方などいささかこわいが、しかし響いてくるものはある。小説はこれでいいのだ、という気がした。(引用者注:「羊と鋼の森」と共に)これも推そう、と私は思った。」
浅田次郎
男64歳
16 「(引用者注:各短篇が)どうにも長編の冒頭部か一部分の抜粋のように思えてならなかった。しかしながら、作品集として全体を俯瞰してみればやはりたたずまいがよく、相対的評価から受賞に異を唱えるところではない。」
宮部みゆき
女55歳
14 「ハイレベルの短編集で、私はとりわけ巻頭の「ひともうらやむ」と表題作が好きです。題材を問わず、優れた小説には、必ずどこかしらに巧まざるユーモアがある。今回の選考で、あらためて実感しました。」
伊集院静
男65歳
27 「文章も安定感があるし、短篇集として上出来である。」「たしかに各短篇にはそれぞれ個性があり、一言で言うと、上手い、のである。」「上手い、名手などという評価は、小説の本質とはまったく違う場所での言葉で、むしろ邪魔になる。あらためて読んでみると、そのことがやはり気になった。」
高村薫
女62歳
24 「よくも悪くも時代小説の定型に沿っている安定感はある。」「本作には男性の造形や女性の会話文、不用意な片仮名の使用など、意が尽くされていない箇所が散見され、評者は積極的には推さなかった。」
桐野夏生
女64歳
30 「達者な書き手であることは確かなのだが、つるりと喉越しのよいゼリーを食べた後のように、読後もまだ物欲しい気持ちが残る。」「気になったのは、どの短編もパターンが似通っていることだ。男二人に、女が一人現れて魔性ぶりを発揮する、というストーリーが多い。女の側の視点が欠落しているために、男たちの魅力が褪せる。」
宮城谷昌光
男70歳
13 「落ち着きのある筆致で書かれてはいるが、内容はそれほど静かなものではない。読み手の意表を衝く機知がそなえられている。藤沢周平作品より基本的に明るいのは、知と情のちがいであろう。この人は、芸術的であるというより哲学的である、と私はおもっている。」
東野圭吾
男57歳
18 「どちらかというと消去法の形で、『つまをめとらば』に○をつけることになった。」「私は、大衆小説というのは、この先どうなるのかと読者の興味を刺激し続けねばならないものだと考えているが、今回の候補作の中で、最もそれを感じられたのが本作だった。六本の短編すべてに工夫が凝らされていた。良い仕事だと思う。」
選評出典:『オール讀物』平成28年/2016年3月号
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文量
短篇集〔6篇〕
ひともうらやむ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[江戸]  本条藩~江戸
登場人物
長倉庄平(本条藩御馬廻り組の番士、釣術師)
長倉克巳(長倉本家の惣領、家老の嫡男)
世津(藩医浅沼一斎の娘)
康江(庄平の妻)
つゆかせぎ
章立て
なし
時代設定 場所設定
江戸[文化年間]  江戸~西脇村
登場人物
私(語り手、旗本家の手代)
朋(私の亡妻、芝居茶屋の娘)
銀(日用取などをして稼ぐ後家)
乳付(ちつけ)
章立て
なし
時代設定 場所設定
江戸[天明年間]  江戸
登場人物
民恵(徒目付の娘)
神尾信明(民恵の夫、旗本)
瀬紀(民恵の息子の乳母)
ひと夏
章立て
なし
時代設定 場所設定
江戸[寛政年間]  柳原藩~杉坂村(飛び地)
登場人物
高林啓吾(武家の次男、部屋住み)
伊能征次郎(前任の杉坂村支配所勤め)
タネ(杉坂村の干鰯屋の娘)
逢対(あいたい)
章立て
なし
時代設定 場所設定
江戸[文政年間]  江戸
登場人物
竹内泰郎(無役の旗本、独学の算学者)
北島義人(泰郎の幼馴染、「逢対」を長年つづける古株)
里(煮売屋の女主人)
長坂備後守秀俊(若年寄)
つまをめとらば
章立て
なし
時代設定 場所設定
江戸[文化年間]  江戸
登場人物
深堀省吾(幕臣、隠居の身)
山脇貞次郎(省吾の幼馴染、広敷添番を勤め隠居)
佐世(深堀家のかつての下女)




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