上級篇
図書館で全集を読む。
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今回は、書影がありません。それぞれ図書館で借り受けて読んだので、それぞれ該当ページのコピーは取ったけれど、表紙までは撮影していないからです。あしからずご了解ください。 図書館は素晴らしい。全集は、なかなかに高価なものだし、街の書店でひょいと目にするようなものではないのですが、その内容は、直木賞追跡者にとっては貴重なものがよくあります。そういった全集は図書館に行けば見つかる可能性があります。 とくに、"ぎょうせい"という、その名も行政関係の書籍を数多く出版している版元が、平成に入って刊行した『ふるさと文学館』は、ありがたい全集です。詩、小説、随筆などが、硬軟・ジャンルを問わずに収録されていて、直木賞の受賞作・候補作(しかも、現在はほとんど目にできる機会がないものまで)を数多く読むことができます。そのうちの2篇が左に挙げてありますが、さらに次回以降も登場するでしょう。 個人全集ならまだしも、個人全集が刊行されていない作家の場合、全集に載る作品は、たいてい短篇・中篇が多くなってしまいます。昔は、今ほど新人の作品が湯水のごとく沸いて出版される状況になかったからでしょう、商業誌、同人誌に掲載された短い作品が候補になったり受賞したりしていましたから、ン十年たった現在、それらを読もうと思うと、もはや全集を頼らざるを得ません。 参考のために、図書館サイトへのリンクを挙げておきます。ワタクシ自身が東京在住なので、東京の図書館を主に利用していますが、ウェブ上での蔵書検索サービスはほんとうに助かります。全国のありとあらゆる図書館が、蔵書情報をオープンにしてくれる日がくることを、夢見ているところです。 国立国会図書館 Web-OPAC http://webopac2.ndl.go.jp/ 東京都立図書館 http://www.library.metro.tokyo.jp/ 神奈川近代文学館 http://www.kanabun.or.jp/ ちなみに上の三館(都立図書館は日比谷図書館以外)は貸し出し不可です。でも、ワタクシは左の諸全集のいずれも、近くの区立図書館で見つけて借りましたので、みなさんもどうぞお近くで探してみてください。 ●
ちなみに、左の7作品のうち、サイト管理者(P.L.B.)が独断と偏見で、お勧めを選ぶとするなら、小山いと子氏「執行猶予」検事から弁護士に転職した男の話なんですが、これ、書かれたのが戦後まもなく、というのが驚きです。現代に書かれたと言われても、少しも違和感がなく(それだけ日本の法曹制度は成長してないのでしょうか……)、また駆け出し弁護士の主人公が、またたくまに仕事いっぱい抱えて、愛妻を放ったらかして、天狗になってゆく様なんて、胸に詰まります。 Part8は、秘境篇「戦前の作品を探す」です。 [H13]2001/3/16にUploadしました。 Part8へ |