村上政彦（むらかみまさひこ）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

第104回

＝受賞者＝
小川洋子

Last Update●[R3]2021/2/19

	Murakami Masahiko
	生没年月日【注】	昭和33年/1958年8月23日～
	経歴	三重県津市生まれ。玉川学園大学文学部中退。
	受賞歴・候補歴	第6回海燕新人文学賞（昭和62年/1987年）「純愛」 \|候補\| 第104回芥川賞（平成2年/1990年下期）「ドライヴしない？」 \|候補\| 第105回芥川賞（平成3年/1991年上期）「ナイスボール」 \|候補\| 第106回芥川賞（平成3年/1991年下期）「青空」 \|候補\| 第107回芥川賞（平成4年/1992年上期）「量子のベルカント」 \|候補\| 第109回芥川賞（平成5年/1993年上期）「分界線」
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第104回候補

「ドライヴしない？」（『海燕』平成2年/1990年9月号）

媒体・作品情報

誌名	「海燕」別表記表紙「文芸雑誌　the kaien」併記
巻号	第9巻第9号別表記9月号
印刷/発行年月日	発行平成2年/1990年9月1日
発行者等	編集者根本昌夫　発行者寺田博　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社福武書店（東京都）
総ページ数	292	表記上の枚数	目次 170枚	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	16～67 （計52頁）	測定枚数	163枚

書誌

平成3年/1991年2月・福武書店刊『ドライヴしない？』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　村上政彦　32歳
選考委員		評価	行数	評言
河野多恵子	64歳	●	2	「小説を作る（原文傍点）ことに心を向けすぎ、生きた創造性が封じられている。」
黒井千次	58歳	―	0
田久保英夫	62歳	―	0
大江健三郎	55歳	―	0
日野啓三	61歳	―	0
大庭みな子	60歳	―	0
丸谷才一	65歳	―	0
吉行淳之介	66歳	―	0
古井由吉	53歳	―	0
三浦哲郎	59歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』平成3年/1991年3月号）

第105回候補

「ナイスボール」（『海燕』平成3年/1991年3月号）

媒体・作品情報

誌名	「海燕」別表記表紙「文芸雑誌　the kaien」併記
巻号	第10巻第3号別表記3月号
印刷/発行年月日	発行平成3年/1991年3月1日
発行者等	編集者根本昌夫　発行者寺田博　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社福武書店（東京都）
総ページ数	292	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	16～70 （計55頁）	測定枚数	173枚

書誌

平成3年/1991年8月・福武書店刊『ナイスボール』所収

平成10年/1998年11月・集英社／集英社文庫『ナイスボール』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　村上政彦　32歳
選考委員		評価	行数	評言
吉行淳之介	67歳	■	3	「死んだとおもっていた父親が出現してきたところまでは良くて、期待した。しかし、そのあとの展開が強引になった。」
大庭みな子	60歳	△	3	「だめな男を、女性ではない男性の眼で追いつめる爽やかさが、男性的な生命感になっている。」
三浦哲郎	60歳	―	0
丸谷才一	65歳	―	0
河野多恵子	65歳	―	0
日野啓三	62歳	―	0
黒井千次	59歳	―	0
古井由吉	53歳	―	0
田久保英夫	63歳	―	0
大江健三郎	56歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』平成3年/1991年9月号）

第106回候補

「青空(あおぞら)」（『海燕』平成3年/1991年12月号）

媒体・作品情報

誌名	「海燕」別表記表紙「文芸雑誌　the kaien」併記
巻号	第10巻第12号別表記12月号
印刷/発行年月日	発行平成3年/1991年12月1日
発行者等	編集者根本昌夫　発行者寺田博　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社福武書店（東京都）
総ページ数	356	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	40～71 （計32頁）	測定枚数	100枚

書誌

平成4年/1992年2月・福武書店刊『青空』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　村上政彦　33歳
選考委員		評価	行数	評言
大江健三郎	56歳	―	0
大庭みな子	61歳	―	0
吉行淳之介	67歳	―	0
田久保英夫	63歳	―	0
黒井千次	59歳	―	0
古井由吉	54歳	―	0
河野多恵子	65歳	■	3	「時によい描写がありながら、それが全編への効果を生むに至らない。」
三浦哲郎	60歳	―	0
日野啓三	62歳	―	0
丸谷才一	66歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』平成4年/1992年3月号）

第107回候補

「量子(りょうし)のベルカント」（『文學界』平成4年/1992年6月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第46巻第6号別表記6月号
印刷/発行年月日	発行平成4年/1992年6月1日
発行者等	編集人重松卓　発行人内藤厚　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	424	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	82～133 （計52頁）	測定枚数	158枚

書誌

令和2年/2020年10月・春陽堂書店刊『芥川賞候補傑作選　平成編1　1989-1995』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　村上政彦　33歳
選考委員		評価	行数	評言
大庭みな子	61歳	―	0
大江健三郎	57歳	■	8	「候補作ごとに実力を示してきた。それだけに、どのような素材を書いても水準に達していながら、本当の鉱脈を掘りあてていない不燃焼の思いが残る。」
黒井千次	60歳	―	0
河野多恵子	66歳	―	0
吉行淳之介	68歳	○	10	「以前の候補作の「ナイスボール」が印象に残っていた。」「今回は、全体にわたって力が入っていたが、安定感ができたといえよう。繊細な音の採集からはじまって、複雑な話をよく調べまとめ上げていた。しかし、十分な票が集まらなかった。それにしても、「量子のベルカント」という題名と、頻出する「紗也」という人名とは、どうにかならなかったものか。」
古井由吉	54歳	□	16	「（引用者注：「量子のベルカント」「樹木内侵入臨床士」と共に）従来の小説観からすれば無機的、あるいは非人格的にならざるを得ないと危惧されるような題材、環境、態度をあえてくぐろうとしている。」「私としては、音の脅迫にたいしてずいぶん闊達な態度を守って、救いらしきところへ浮上した「量子のベルカント」に惹かれた」
日野啓三	63歳	■	4	「（引用者注：「樹木内侵入臨床士」と共に）アイディアはおもしろいが、文章が説明的であって文章自体が招き寄せて開く文学的ダイゴ味に欠けるように思った。」
田久保英夫	64歳	△	9	「（引用者注：「運転士」に次いで）注目した。」「音響を通して万象の始源に迫ろうとする。」「生活の中の音に徹底し、小説的イメージに転換する力を感じた。ただ最後の出産シーンで、私は赤ん坊が生れたと見たが、死産なのかどうか、もっと明確に示す必要があろう。」
丸谷才一	66歳	―	0
三浦哲郎	61歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』平成4年/1992年9月号）

第109回候補

「分界線(ぶんかいせん)」（『文學界』平成5年/1993年4月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第47巻第4号別表記4月号
印刷/発行年月日	発行平成5年/1993年4月1日
発行者等	編集人重松卓　発行人内藤厚　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	360	表記上の枚数	表紙・目次 160枚	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	18～69 （計52頁）	測定枚数	157枚

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　村上政彦　34歳
選考委員		評価	行数	評言
大江健三郎	58歳	―	0
日野啓三	64歳	―	0
大庭みな子	62歳	―	0
古井由吉	55歳	―	0
吉行淳之介	69歳	―	0
田久保英夫	65歳	●	3	「（引用者注：「海で三番目に強いもの」と共に）つくる手つきが見えすぎて、持ち前の才能が充分に発揮されていない。」
黒井千次	61歳	―	0
河野多恵子	67歳	―	0
丸谷才一	67歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』平成5年/1993年9月号）