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第127回
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Last Update[H26]2014/6/20

中山可穂
Nakayama Kaho
生没年月日【注】 昭和35年/1960年☆月☆日~
経歴 愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒。劇団の主宰後、会社員を経て、作家に。
受賞歴・候補歴
  • TOKYO FMショート・ストーリー・グランプリ(平成4年/1992年)
  • 第6回朝日新人文学賞(平成7年/1995年)「天使の骨」
  • |候補| 第20回野間文芸新人賞(平成10年/1998年)『サグラダ・ファミリア―聖家族』
  • |候補| 第22回野間文芸新人賞(平成12年/2000年)『感情教育』
  • 第14回山本周五郎賞(平成12年/2000年度)『白い薔薇の淵まで』
  • |候補| 第127回直木賞(平成14年/2002年上期)『花伽藍』
備考
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しろ ばら ふち
白い 薔薇の 淵まで』(平成13年/2001年2月・集英社刊)
書誌
>>書下ろし
>>平成15年/2003年10月・集英社/集英社文庫『白い薔薇の淵まで』
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他文学賞 山本周五郎賞 14受賞 一覧へ
候補者 中山可穂 女40歳
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄
男66歳
123 5点「自分が平凡な人間であるからなのかもしれませんけど、ここに書かれている女性同士の愛の生活というのは、私にとっては非常に新鮮でしたね。」「無駄なことがほとんど書いてない。ほぼ全部の文章が生きている。イメージがまことに鮮明です。」「「破滅型」というのを最近これほどヴィヴィッドに描いた小説はないというような気がしました。」「日常的なこと、ディテールがちゃんと書かれているものは、僕は小説として面白いというふうに思うわけですよ。」
北原亞以子
女63歳
24 3.5点「この方は大変うまい、したたかな手腕の持ち主だと思いました。」「おしまいがどうしても納得できないんです。」「白日夢の中にいるような、こちらも酔っているような気分で読んでいるのに、そこで目が醒めてしまうんです。」
久世光彦
男66歳
32 4点→4.5点「おしまいのあれがなんで必要なんだろうかなと思いました。」「少し尺と短くして、百枚ぐらい削ってもいいから、女と女だけをこのタッチで書けば、もっと素敵だったんじゃないかな。」「結末の部分がレズと言いますか、女と女の間のこととの有機的な関わりがないように思えるんですね。」
花村萬月
男46歳
56 4点「俺はかなり楽しく読みました。」「ただし、これだけの話を作るには、あまりにも枚数が少なかったのか、(印象者中略)非常な無理があるというか納得できないものを感じました。」「俺はこの作品を心底から推したいと思います。」「ただ、エイズとか、そういうものに頼るなって言いたいんだよね。」
山田詠美
女42歳
41 2.5点「都合が悪くなると外国に移動して、それでその逃げた恋人を外国に追っていくっていうのはあまりにもありきたりだし、もしも、そこの部分がなくて、すっぱりその前で切っていたら、たぶんこれを推したんじゃないかなと思うんですけど、あの最後で、全部を台無しにしてしまっています。」「もっと完璧に近いものを書いて賞を取ったほうが、私はいいと思うんだけどな。」
選評出典:『小説新潮』平成13年/2001年7月号
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直木賞 第127回候補  一覧へ

はながらん
花伽藍』(平成14年/2002年2月・新潮社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背・奥付 ルビ有り「はながらん」
印刷/発行年月日 発行 平成14年/2002年2月20日
発行者等 発行者 佐藤隆信 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 加藤製本株式会社
発行所 株式会社新潮社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 水口理恵子 装幀 新潮社装幀室
総ページ数 243 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×17行
×1段
本文ページ 5~240
(計236頁)
測定枚数 364
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書誌
>>平成16年/2004年10月・新潮社/新潮文庫『花伽藍』
>>平成22年/2010年5月・角川書店/角川文庫、角川グループパブリッシング発売『花伽藍』
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収録作品の書誌
>>初出『小説新潮』平成12年/2000年11月号
七夕
>>初出『小説新潮』平成13年/2001年4月号
花伽藍
>>初出『小説新潮』平成13年/2001年8月号
偽アマント
>>初出『小説新潮』平成13年/2001年11月号
燦雨
>>初出『小説新潮』平成13年/2001年12月号
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候補者 中山可穂 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男78歳
8 「冒頭の作品が新鮮だっただけに、鮮度が落ちると魅力がない。伊都子の便を排泄させる場面など、男女ならもっと感動的に描けるのではないかと感じた。」
林真理子
女48歳
31 「中山さんのデビュー作は、私が選考委員をつとめていたある新人賞であった。(引用者中略)この時の中山さんの小説は、キラキラとした輝きに溢れ、同時にガラス細工のような脆さを持っていた。」「久しぶりに読んだ中山さんの小説は、既に「売り」を前面に押し出していた。」「私を驚かせうならせた、あのガラス細工の趣は失くなっていた。(引用者中略)私はとてもがっかりしている。」
津本陽
男73歳
6 「全篇に作者の精力が満ちわたり、大輪の花弁をひらいた花のような派手な感じがする。つよさというか、いさぎよさというか、その点は買う。」
渡辺淳一
男68歳
18 「わたしは面白く読んだ。基本的にレズビアンの小説で、そのリアリティの濃密さは当然のことだが、同時に転がりこんできたヒロシや、「偽アマント」の中年の男などもよく描けている。しかし、これらさまざまな事件のあとに、「やはりあいつでなくては駄目なのだ」と呟くだけでは、いかにも弱すぎる。」
阿刀田高
男67歳
10 「端倪すべからざる筆力を感じた。」「厚化粧に映る表現もないではないけれど文章への関心とセンスのよさが頼もしい。いずれしなやかな名文を次々に示してくれることだろう。」
田辺聖子
女74歳
11 「面白い小説集だけど、何かをどっかへ取り落したような、前のページをめくり返して捜すような気のする本だ。文章も明晰だけれど。レズ小説とはそういうものかもしれない。」
宮城谷昌光
男57歳
45 「非現実が、現実以上に現実であるというのが、卓越した小説なのであろうが、ここでは非現実がそのままの形と力で残っている。」「もっとも読みやすかったのは、「偽アマント」である。(引用者中略)ほかの作品は作者の意欲の旺盛さと表現の熟成に差があることは明瞭である。」「作者が小説に用いる語句を凝視する時間が短すぎるということではないか。」
五木寛之
男69歳
10 「興味ぶかく読んだ」「非常に惹かれる部分と、首をかしげる部分とがあったが、(引用者中略)才能のある書き手だと思う。」
北方謙三
男54歳
17 「私は普通の恋愛小説として読んだ。」「少数派としての意見が生のまま出されているところは、うるさく感じた。作者は、構えず、もっとさりげなく書いた方がよかったのではないだろうか。文体は新鮮で鋭敏であったが、ところどころ穴が見えた。」
平岩弓枝
女70歳
4 「才筆はうかがわれるが、これだけ似た設定が続くといささか退屈する。」
井上ひさし
男67歳
30 「作者が小説的膂力を十分に備えた書き手であることにはまちがいない。五篇のなかでは、「鶴」がとくに興味深い。」「しかし、この主題で長いもの、物語性に富むものを書くのはむずかしそうだ。その好例が「燦雨」で、物語が紙切れのように薄っぺらになっている。」
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年9月号
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大衆選考会 127回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
とまこ 平成14年/2002年5月22日 中山可穂先生は素晴らしい作家です。とても力のある作家だと思います。
なぜにいまいち注目されないのか?
直木賞でもとって、バーンと表舞台に出てきて欲しいと思います。そんでもって、ジャンジャン作品を発表して欲しいです。
あっゴメン推薦文ですね。
ビアン小説ばかりだった可穂先生ですが、この短編集ではノーマルにも挑戦。どの作品もキレがあって読みやすい。そして、可穂先生の表現はとても的を得ていてグーです。どの作品も、ドラマチックでひき込まれてしまいます。
まあとにかく読んでみてね。
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文量
短篇集〔5篇〕
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
わたし(語り手、デモンストレーターのアルバイト)
田鶴子(ノン気の主婦)
七夕
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
わたし(語り手、近藤、ホテル勤め)
曽我孝太郎(週刊誌記者)
千草(わたしの恋人、ビアン)
花伽藍
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~奈良
登場人物
わたし(語り手、公子、雑貨チェーン店勤務)
ヒロシ(わたしの別れた夫、輸入雑貨店の跡取り)
ユリ(ヒロシの姉)
偽アマント
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
わたし(語り手、かおり、会社員)
仁子(わたしの同棲相手、社員食堂の調理師)
アマント(わたしの飼い猫)
燦雨
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]~1973年  ある町
登場人物
吉村ゆき乃(元・主婦、老女同士でふたり暮らし)
阿部伊都子(ゆき乃のパートナー、元・美術教師)
丸尾(青年ホームヘルパー)





しんじゅう
『マラケシュ 心中』(平成14年/2002年10月・講談社刊)
書誌
>>平成17年/2005年15月・講談社/講談社文庫『マラケシュ心中』
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大衆選考会 128回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ジュジュ 平成14年/2002年10月27日 前回の直木賞候補にも挙がっていた中山可穂氏の最新作ですが、個人的にはこちらの方が数段いい。すごく引き込まれ、目が離せなかった。読んだ後もすごく心に残っている。何度も読み返したいと思う。
もっともっと色んな人に読んでもらうためにも是非、受賞してもらいたいと思う。
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よろぼし
弱法師』(平成16年/2004年3月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成19年/2007年2月・文藝春秋/文春文庫『弱法師』
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収録作品
「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」
 
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大衆選考会 131回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ハヤシ 平成16年/2004年6月18日 これしかないでしょ?
haru 平成16年/2004年6月22日 この人に賞を与えないと
今の文学賞は陳腐だと
さらけだしてるような
ものです。
類まれな作家は、実は数少ないのです。
ゆか 平成16年/2004年7月2日 「弱法師」は本当によかった!今期もっとも感動に震えた作品。文句ナシ!ぜひ受賞してほしい。(後文=>東野圭吾
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『ケッヘル』(上)(下)(平成18年/2006年6月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成21年/2009年5月・文藝春秋/文春文庫『ケッヘル』(上)(下)
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大衆選考会 136回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
しの 平成18年/2006年12月22日 (なし)
藤河和泉 平成18年/2006年12月26日 (なし)
納富初音 平成19年/2007年1月1日 物語の初っ端に出てくる人物が、『ドーバー海峡に向かって指揮を振る男』である。なんという異端。私はここですっかり作品の中にするりと入っていってしまった。すでに『中山可穂調』となりつつある、読み応えのある文体に、『新境地』とくれば、後は寝食を忘れ読み続けるしかない。
これほどのめりこんで読んだ本は、昨今でいうならば、鈴木力衛氏訳のA・デュマ『ダルタニャン物語全11巻』くらいだ。
作品の最後には、かすかな希望の光を残してくれる所が、中山氏の作品に惹かれる理由のひとつである。今回も魂の救済が描かれてあった。中には、主人公の恋人の犯した罪は問われないのかと捉えた方もいたようだが、その罪の動機をわが身に置き換えれば、さもありなんと思ってくれるであろう。小説のラストに現実問題を持ち込んできたこの方もつまりはケッヘルの中にどっぷり浸かっていた証拠とも言えよう。
中山氏の『ケッヘル』は、確かに彼女の新境地である。そこを「ミステリー」と取り、物足りないという声がしばしば聞こえる。しかし、忘れていただきたくないのは、中山氏は「恋愛小説家」なのである。ケッヘルには、これまでの作品にはなかった様々な形の恋と愛で満ち溢れている。新境地としてミステリー作品を書いた訳ではなかろう。
(管理人注:上記同日に3度にわたって投稿がありました)
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