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第73回
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昭和50年/1975年上半期
(昭和50年/1975年7月17日決定発表/『オール讀物』昭和50年/1975年10月号選評掲載)
選考委員  川口松太郎
男75歳
石坂洋次郎
男75歳
柴田錬三郎
男58歳
源氏鶏太
男63歳
村上元三
男65歳
今日出海
男71歳
水上勉
男56歳
松本清張
男65歳
司馬遼太郎
男51歳
選評総行数  60 27 46 51 53 55 46 138  
選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
赤江瀑 「金環食の影飾り」
357
男42歳
2 0 6 6 6 0 0 11    
井口恵之 「ふれあい」
64
男46歳
2 5 5 3 3 0 0 4    
素九鬼子 「ひまやきりしたん」
94
女38歳
4 0 6 4 5 10 12 8    
白石一郎 「一炊の夢」
85
男43歳
5 0 5 5 3 0 0 4    
楢山芙二夫 「ニューヨークのサムライ」
106
男27歳
14 0 12 10 8 4 0 4    
武田八洲満 『生麦一条』
707
男48歳
17 8 18 16 15 7 33 94    
難波利三 「天を突く喇叭」
163
男38歳
14 20 5 7 7 9 0 12    
                欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年10月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員
川口松太郎男75歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
残念な結果 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
2 「水準へ来なかったのではないか。」
井口恵之
男46歳
2 「水準へ来なかったのではないか。」
素九鬼子
女38歳
4 「前回の「大地の子守歌」ほどの迫力がなくストオリイも魅力うすく残念だった。」
白石一郎
男43歳
5 「小ぢんまりとまとまってはいるが、過去の大衆作品によく見る形式が古臭い。前作「火炎城」に劣る事数段。」
楢山芙二夫
男27歳
14 「今回の諸作中最も新鮮味を感じさせる作品だったが、これも亦小説として肝心のものが不足していた。何を書こうとしているのか中心がはっきりしていない、ニューヨークのサムライを描くというだけでは直木賞作品になり得ない、」
武田八洲満
男48歳
17 「あの詳細な調査と記述とには敬意を表するが、どれほど努力しようとも所詮は一種のルポルタージュだ。」「単なる読物賞であれば「生麦一条」を推薦するに吝かではないが小説では棄権だ。」
難波利三
男38歳
14 「面白かったし、描写力もあり構想も悪くないと思ったが、全体のバランスには難点があった。ムダが多いという事、東条英機のような人物をなぜ持ち出したのか、実名で書くと作品に気品がなくなる。」
  「今回は作品に恵まれなかった。受賞者なしは淋しいが已むを得ない。」
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他の選考委員
石坂洋次郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
水上勉
松本清張
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選考委員
石坂洋次郎男75歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
三篇を推す 総行数27 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
0  
井口恵之
男46歳
5 「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
素九鬼子
女38歳
0  
白石一郎
男43歳
0  
楢山芙二夫
男27歳
0  
武田八洲満
男48歳
8 「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
難波利三
男38歳
20 「ラッパ手の力を士官の東条英機に認められ、東条が処刑されるまで、東条のその時々の立場に触れていることが、作品に特殊性を滲ませている。」「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
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他の選考委員
川口松太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
水上勉
松本清張
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選考委員
柴田錬三郎男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
才能の片鱗 総行数46 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
6 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
井口恵之
男46歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
素九鬼子
女38歳
6 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
白石一郎
男43歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
楢山芙二夫
男27歳
12 「今回、救われたのは、「ニューヨークのサムライ」の新鮮さと、才能の片鱗を看たことだけであった。この若い作者は、こん後、視点のさだめ様によっては、新しい旗手になる希望が、かけられる。」
武田八洲満
男48歳
18 「小説ではなく、資料をならべただけで、作者不在である。」「あとがきに、おびただしい参考資料をならべているが、作者は、その資料の中にうずもれて、自分を全く見失った模様である。」
難波利三
男38歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
  「純文学の題材のくだらなさは、目を掩わしむるものがあるが、一般大衆を対象としているはずの「直木賞候補作品」もまた、ほとんど退屈きわまるストーリイを、陳腐に展開している。」
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
水上勉
松本清張
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選考委員
源氏鶏太男63歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
後味の悪さ 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
6 「先ずその特異で豊かな才能に感心した。ただ、せっかくの才能が作品としてうまく成熟していないようだ。」
井口恵之
男46歳
3 「うまいが地味過ぎて、もう一つ、新味に欠けている。」
素九鬼子
女38歳
4 「敢ていうと、観念の遊戯に終っている。自分の骨身をけずって貰いたい。」
白石一郎
男43歳
5 「私の好きな作品であったが、どうもよけいな事が書き過ぎてあって、せっかくの主人公がうまく活かされていないようである。」
楢山芙二夫
男27歳
10 「何んとしても一作だけではという声に負けた。しかし、その才能については誰も疑ぐっていないようであった。」
武田八洲満
男48歳
16 「大方の意見は、要するに資料の寄せ集めであり、小説になっていないし、資料を見る眼に疑問があるということで落ちた。」「私は、ちゃんとした小説として読んだし、それなら資料について、それほど大袈裟にいう必要があるのだろうかと思った。」「選考委員会は、資料についての選考会でないのだと、今でもその後味の悪さを感じている。」
難波利三
男38歳
7 「私には、可もなし不可もなし程度にしか思えなかった。ある話をあるがままに書いているに過ぎぬとの印象を残すからである。」
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
柴田錬三郎
村上元三
今日出海
水上勉
松本清張
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選考委員
村上元三男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
次作を期待する 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
6 「様子ありげな書出しに似ず、読み終って、がっかりした。長々と作中に出てくる歌舞伎仕立ての戯曲が、なんともつまらなくて、損をしている。」
井口恵之
男46歳
3 「小味で、好感は持てたが、直木賞には弱い。」
素九鬼子
女38歳
5 「これまで候補になった三作のうち、一ばんおとなの作品だと思うが、このひよわさから、もう抜けてほしい。」
白石一郎
男43歳
3 「ねらいも古いし、もっと文章を大切にしなければいけない。」
楢山芙二夫
男27歳
8 「久しぶりに二十代の新人が出てきて、うれしかった。文章も歯ぎれがいいが、この一作だけで将来を云々する、というのは気が早いような気がする。」
武田八洲満
男48歳
15 「史料の寄せ集めという酷評も出たが、史料を自分で消化して作品化している努力は認めたい。」「努力を認めて直木賞にしてもよい、と思った。だが、作者をよく知りすぎているだけに、強く推せば、やはり私情が出てくる。源氏委員とわたしだけの票では、なんとも弱かった。」
難波利三
男38歳
7 「最後まで残ると思っていたが、支持者は少かった。候補になるごとに、この作者は地力を増しているし、確実に自分の作風を身につけた、と言えるだろう。」
  「今回は受賞作あり、と意気込んで会場へ行ったが、案外な結果になった。」
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
今日出海
水上勉
松本清張
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選考委員
今日出海男71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
粒が揃い過ぎた 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
0  
井口恵之
男46歳
0  
素九鬼子
女38歳
10 「リズムで文章を書いてでもいるようだ。これが氏の一つの特質ならば、読者をそれに乗せなければならぬ。うまく乗せてくれないと作品全体に響く瑕瑾になってしまう恐れさえある。」
白石一郎
男43歳
0  
楢山芙二夫
男27歳
4 「通俗だが才筆で、次作を期待させるものがあった。」
武田八洲満
男48歳
7 「量からいっても一番の力作ではあった。資料の渉猟も綿密で、読み応えはあったが、全編に力が入りすぎて、作品の感動よりも、人を疲れさせる緩急を欠いた憾みがある。」
難波利三
男38歳
9 「私は面白く読んだ。」「前作「イルティッシュ号の来た日」を想起した。そして今回の作品の方がいいと思ったが、そのよさがもっと垢抜けたよさに進んでもよかったのにと、望蜀の望みをつい抱いてしまった。」
  「賞に値する作品がなかったというのではない。どれか一つ傑出した出来栄えだと、そちらに傾くが、各作品が同じように鼻を揃えてゴールに入ると、判定はむずかしくなる。」
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
水上勉
松本清張
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選考委員
水上勉男56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
労作「生麦一条」 総行数46 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
0  
井口恵之
男46歳
0  
素九鬼子
女38歳
12 「あいかわらずの氏の語りにめぐりあえて嬉しかった。」「素氏の世界は、直木賞に値する分野だと思う。しかし、そんなことはどっちでもよい。どしどしこの調子で物語をやってほしい。あなたの語りはあなたでしか語れぬ。」
白石一郎
男43歳
0  
楢山芙二夫
男27歳
0  
武田八洲満
男48歳
33 「候補作の中で最もぬきん出た」「ところが、委員中に歴史事実の問題点、疑問点があると意見が出て、「歴史そのまま」ともいえない判定が出てくると、どこかに嘘があるなら、むしろ、もっと作者の空想や創造をひろげて、面白く語ってくれた方が、という気もして、労作は認めながらも受賞作に推すのを控えた。」
難波利三
男38歳
0  
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
松本清張
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選考委員
松本清張男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「ニューヨーク」が救い 総行数138 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑
男42歳
11 「破綻が多い。」「戯曲が小説と機能し合っていない。」「それに戯曲そのものが平凡だから、いくら作中で役者がこの戯曲に惚れたとあっても説得性がない。最後のドンデン返しも無理。」
井口恵之
男46歳
4 「すなおな小説で好感がもてる。しかし、迫力が足りない。枚数が少いせいであろう。」
素九鬼子
女38歳
8 「凡作。この作者はこうした借りものの「原始性」の世界をもう脱いだほうがいい。」「カッコなしの会話で運べば「純文学」になると思う錯覚があるなら、それも捨てるべきである。」
白石一郎
男43歳
4 「とくに破綻もない代り凡庸な作以上に出ていない。」
楢山芙二夫
男27歳
4 「楢山芙二夫氏に才能の萠芽を見たのは、今期の唯一の明るい救いだった。」
武田八洲満
男48歳
94 「力作がかならずしも秀作ではないという見本のようなもの。」「いちばん大事な作者の眼がない。」「重大な事実の書き落しや間違いがある。」「(引用者注:私が間違いを指摘するのは)作者が江戸時代の商人について描ける才能を持っていると思うからである。それに、こんどの作では、文章が格段によくなっている。」
難波利三
男38歳
12 「前候補作よりはよい。が、この作者がいつも有名事件や有名人を筋に使うのは、よほどその関連が密接してないと、単に人の眼を惹く手段としか思われなくなる。今回のは、その密接があった。が、作品の平板はどうしようもない。」
  「今期は低調である。」
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他の選考委員
川口松太郎
石坂洋次郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
水上勉
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候補者・作品
赤江瀑男42歳×各選考委員 
「金環食の影飾り」
長篇 357
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
2 「水準へ来なかったのではないか。」
石坂洋次郎
男75歳
0  
柴田錬三郎
男58歳
6 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
源氏鶏太
男63歳
6 「先ずその特異で豊かな才能に感心した。ただ、せっかくの才能が作品としてうまく成熟していないようだ。」
村上元三
男65歳
6 「様子ありげな書出しに似ず、読み終って、がっかりした。長々と作中に出てくる歌舞伎仕立ての戯曲が、なんともつまらなくて、損をしている。」
今日出海
男71歳
0  
水上勉
男56歳
0  
松本清張
男65歳
11 「破綻が多い。」「戯曲が小説と機能し合っていない。」「それに戯曲そのものが平凡だから、いくら作中で役者がこの戯曲に惚れたとあっても説得性がない。最後のドンデン返しも無理。」
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他の候補作
井口恵之
「ふれあい」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
白石一郎
「一炊の夢」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
武田八洲満
『生麦一条』
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
井口恵之男46歳×各選考委員 
「ふれあい」
短篇 64
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
2 「水準へ来なかったのではないか。」
石坂洋次郎
男75歳
5 「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
柴田錬三郎
男58歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
源氏鶏太
男63歳
3 「うまいが地味過ぎて、もう一つ、新味に欠けている。」
村上元三
男65歳
3 「小味で、好感は持てたが、直木賞には弱い。」
今日出海
男71歳
0  
水上勉
男56歳
0  
松本清張
男65歳
4 「すなおな小説で好感がもてる。しかし、迫力が足りない。枚数が少いせいであろう。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
白石一郎
「一炊の夢」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
武田八洲満
『生麦一条』
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
素九鬼子女38歳×各選考委員 
「ひまやきりしたん」
短篇 94
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
4 「前回の「大地の子守歌」ほどの迫力がなくストオリイも魅力うすく残念だった。」
石坂洋次郎
男75歳
0  
柴田錬三郎
男58歳
6 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
源氏鶏太
男63歳
4 「敢ていうと、観念の遊戯に終っている。自分の骨身をけずって貰いたい。」
村上元三
男65歳
5 「これまで候補になった三作のうち、一ばんおとなの作品だと思うが、このひよわさから、もう抜けてほしい。」
今日出海
男71歳
10 「リズムで文章を書いてでもいるようだ。これが氏の一つの特質ならば、読者をそれに乗せなければならぬ。うまく乗せてくれないと作品全体に響く瑕瑾になってしまう恐れさえある。」
水上勉
男56歳
12 「あいかわらずの氏の語りにめぐりあえて嬉しかった。」「素氏の世界は、直木賞に値する分野だと思う。しかし、そんなことはどっちでもよい。どしどしこの調子で物語をやってほしい。あなたの語りはあなたでしか語れぬ。」
松本清張
男65歳
8 「凡作。この作者はこうした借りものの「原始性」の世界をもう脱いだほうがいい。」「カッコなしの会話で運べば「純文学」になると思う錯覚があるなら、それも捨てるべきである。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
井口恵之
「ふれあい」
白石一郎
「一炊の夢」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
武田八洲満
『生麦一条』
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
白石一郎男43歳×各選考委員 
「一炊の夢」
短篇 85
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
5 「小ぢんまりとまとまってはいるが、過去の大衆作品によく見る形式が古臭い。前作「火炎城」に劣る事数段。」
石坂洋次郎
男75歳
0  
柴田錬三郎
男58歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
源氏鶏太
男63歳
5 「私の好きな作品であったが、どうもよけいな事が書き過ぎてあって、せっかくの主人公がうまく活かされていないようである。」
村上元三
男65歳
3 「ねらいも古いし、もっと文章を大切にしなければいけない。」
今日出海
男71歳
0  
水上勉
男56歳
0  
松本清張
男65歳
4 「とくに破綻もない代り凡庸な作以上に出ていない。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
井口恵之
「ふれあい」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
武田八洲満
『生麦一条』
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
楢山芙二夫男27歳×各選考委員 
「ニューヨークのサムライ」
短篇 106
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
14 「今回の諸作中最も新鮮味を感じさせる作品だったが、これも亦小説として肝心のものが不足していた。何を書こうとしているのか中心がはっきりしていない、ニューヨークのサムライを描くというだけでは直木賞作品になり得ない、」
石坂洋次郎
男75歳
0  
柴田錬三郎
男58歳
12 「今回、救われたのは、「ニューヨークのサムライ」の新鮮さと、才能の片鱗を看たことだけであった。この若い作者は、こん後、視点のさだめ様によっては、新しい旗手になる希望が、かけられる。」
源氏鶏太
男63歳
10 「何んとしても一作だけではという声に負けた。しかし、その才能については誰も疑ぐっていないようであった。」
村上元三
男65歳
8 「久しぶりに二十代の新人が出てきて、うれしかった。文章も歯ぎれがいいが、この一作だけで将来を云々する、というのは気が早いような気がする。」
今日出海
男71歳
4 「通俗だが才筆で、次作を期待させるものがあった。」
水上勉
男56歳
0  
松本清張
男65歳
4 「楢山芙二夫氏に才能の萠芽を見たのは、今期の唯一の明るい救いだった。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
井口恵之
「ふれあい」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
白石一郎
「一炊の夢」
武田八洲満
『生麦一条』
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
武田八洲満男48歳×各選考委員 
『生麦一条』
長篇 707
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
17 「あの詳細な調査と記述とには敬意を表するが、どれほど努力しようとも所詮は一種のルポルタージュだ。」「単なる読物賞であれば「生麦一条」を推薦するに吝かではないが小説では棄権だ。」
石坂洋次郎
男75歳
8 「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
柴田錬三郎
男58歳
18 「小説ではなく、資料をならべただけで、作者不在である。」「あとがきに、おびただしい参考資料をならべているが、作者は、その資料の中にうずもれて、自分を全く見失った模様である。」
源氏鶏太
男63歳
16 「大方の意見は、要するに資料の寄せ集めであり、小説になっていないし、資料を見る眼に疑問があるということで落ちた。」「私は、ちゃんとした小説として読んだし、それなら資料について、それほど大袈裟にいう必要があるのだろうかと思った。」「選考委員会は、資料についての選考会でないのだと、今でもその後味の悪さを感じている。」
村上元三
男65歳
15 「史料の寄せ集めという酷評も出たが、史料を自分で消化して作品化している努力は認めたい。」「努力を認めて直木賞にしてもよい、と思った。だが、作者をよく知りすぎているだけに、強く推せば、やはり私情が出てくる。源氏委員とわたしだけの票では、なんとも弱かった。」
今日出海
男71歳
7 「量からいっても一番の力作ではあった。資料の渉猟も綿密で、読み応えはあったが、全編に力が入りすぎて、作品の感動よりも、人を疲れさせる緩急を欠いた憾みがある。」
水上勉
男56歳
33 「候補作の中で最もぬきん出た」「ところが、委員中に歴史事実の問題点、疑問点があると意見が出て、「歴史そのまま」ともいえない判定が出てくると、どこかに嘘があるなら、むしろ、もっと作者の空想や創造をひろげて、面白く語ってくれた方が、という気もして、労作は認めながらも受賞作に推すのを控えた。」
松本清張
男65歳
94 「力作がかならずしも秀作ではないという見本のようなもの。」「いちばん大事な作者の眼がない。」「重大な事実の書き落しや間違いがある。」「(引用者注:私が間違いを指摘するのは)作者が江戸時代の商人について描ける才能を持っていると思うからである。それに、こんどの作では、文章が格段によくなっている。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
井口恵之
「ふれあい」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
白石一郎
「一炊の夢」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
難波利三
「天を突く喇叭」
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候補者・作品
難波利三男38歳×各選考委員 
「天を突く喇叭」
中篇 163
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男75歳
14 「面白かったし、描写力もあり構想も悪くないと思ったが、全体のバランスには難点があった。ムダが多いという事、東条英機のような人物をなぜ持ち出したのか、実名で書くと作品に気品がなくなる。」
石坂洋次郎
男75歳
20 「ラッパ手の力を士官の東条英機に認められ、東条が処刑されるまで、東条のその時々の立場に触れていることが、作品に特殊性を滲ませている。」「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
柴田錬三郎
男58歳
5 「どこにも新鮮味はなく、どこかで借りて来たような文章で、ストーリイのつじつまを合せているだけであった。」
源氏鶏太
男63歳
7 「私には、可もなし不可もなし程度にしか思えなかった。ある話をあるがままに書いているに過ぎぬとの印象を残すからである。」
村上元三
男65歳
7 「最後まで残ると思っていたが、支持者は少かった。候補になるごとに、この作者は地力を増しているし、確実に自分の作風を身につけた、と言えるだろう。」
今日出海
男71歳
9 「私は面白く読んだ。」「前作「イルティッシュ号の来た日」を想起した。そして今回の作品の方がいいと思ったが、そのよさがもっと垢抜けたよさに進んでもよかったのにと、望蜀の望みをつい抱いてしまった。」
水上勉
男56歳
0  
松本清張
男65歳
12 「前候補作よりはよい。が、この作者がいつも有名事件や有名人を筋に使うのは、よほどその関連が密接してないと、単に人の眼を惹く手段としか思われなくなる。今回のは、その密接があった。が、作品の平板はどうしようもない。」
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他の候補作
赤江瀑
「金環食の影飾り」
井口恵之
「ふれあい」
素九鬼子
「ひまやきりしたん」
白石一郎
「一炊の夢」
楢山芙二夫
「ニューヨークのサムライ」
武田八洲満
『生麦一条』
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