直木賞のすべて
選評の概要
55.
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6667686970.
7172737475.
7677787980.
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919293.
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水上勉
Mizukami Tsutomu
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生没年月日【注】 大正8年/1919年3月8日~平成16年/2004年9月8日
在任期間 第55回~第93回(通算19.5年・39回)
在任年齢 47歳3ヶ月~66歳3ヶ月
経歴 福井県生まれ。立命館大学国文科中退。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第42回直木賞(昭和34年/1959年下期)『霧と影』
  • |候補| 第13回日本探偵作家クラブ賞(昭和35年/1960年)『霧と影』
  • |候補| 第43回直木賞(昭和35年/1960年上期)『海の牙』『耳』
  • 第14回日本探偵作家クラブ賞(昭和36年/1961年)『海の牙』
  • |候補| 第14回日本探偵作家クラブ賞(昭和36年/1961年)『耳』
  • 第45回直木賞(昭和36年/1961年上期)「雁の寺」
  • |候補| 第17回毎日出版文化賞(昭和38年/1963年)『越前竹人形』
  • 第27回文藝春秋読者賞(昭和40年/1965年)「城」
  • 第4回婦人公論読者賞(昭和40年/1965年)「くるま椅子の歌」
  • 第19回菊池寛賞(昭和45年/1970年)『宇野浩二伝』
  • 第7回吉川英治文学賞(昭和48年/1973年)『北国の女の物語』『兵卒の鬃』その他
  • 第11回谷崎潤一郎賞(昭和50年/1975年)『一休』
  • 第4回川端康成文学賞(昭和52年/1977年)「寺泊」
  • 第27回産経児童出版文化賞[推薦](昭和55年/1980年)『平凡社名作文庫』全20巻(共著)
  • 第16回斎田喬戯曲賞(昭和56年/1981年)『あひるの靴』《戯曲》
  • 第25回毎日芸術賞(昭和58年/1983年度)『良寛』
  • 第42回日本藝術院賞[+恩賜賞][文芸](昭和60年/1985年度)"作家としての業績"
  • 第8回東京都文化賞(平成4年/1992年)
  • 文化功労者(平成10年/1998年)
  • 第2回親鸞賞(平成14年/2002年)『虚竹の笛』
処女作 「フライパンの歌」(昭和23年/1948年)
個人全集 『水上勉全集』全26巻(昭和51年/1976年6月~昭和53年/1978年11月・中央公論社刊)
『新編 水上勉全集』全16巻(平成7年/1995年10月~平成9年/1997年1月・中央公論社刊)
直木賞候補歴 第42回候補 『霧と影』(昭和34年/1959年8月・河出書房新社刊)
第43回候補 『海の牙』(昭和35年/1960年4月・河出書房新社刊)
第43回候補 『耳』(昭和35年/1960年5月・光文社/カッパノベルス)
第45回受賞 「雁の寺」(『別冊文藝春秋』75号[昭和36年/1961年3月])
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part3
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 55 昭和41年/1966年上半期   一覧へ
選評の概要 積極プラス積極 総行数50 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男47歳
候補 評価 行数 評言
男40歳
19 「私は終始立原さんへの授賞を主張した。」「立原氏は創る小説の旗手というべきか。私は、この作にも氏の腕を充分みるし、つくられた小説の妙を感じた。」
井出孫六
男34歳
9 「私と大佛さんの二票しかなくて最初に落ちた。」「ヒューマニズムがあって、私は打たれたのである。」
結城昌治
男39歳
25 「もし二作ということになれば、結城氏を入れてもいいのではないかと思った。」「この作家が、すでに地盤をもち、個性的で地道な創作態度を保っているのにも好感をもってきた。」
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年10月号
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直木賞 56 昭和41年/1966年下半期   一覧へ
選評の概要 沈潜した秀作を 総行数41 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男47歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
26 「私も氏の受賞は当然と思う。しかし、もう一つの候補作「GIブルース」は感心しなかった。」「たしかに、心を打つかということになると、いささかの不満は私にもあった。」「しかし、この作家はもはや脂ののり切った感じである。」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年4月号
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直木賞 57 昭和42年/1967年上半期   一覧へ
選評の概要 野坂氏を推す 総行数48 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男48歳
候補 評価 行数 評言
野坂昭如
男36歳
32 「古い文体だが、奇妙な味がある。文体が現代の風俗、人間を描くに適しているように思われて、氏の才能を認めずにはおれなかった。」「あくまで野坂氏一本でゆく決心であった。」
男34歳
10 「文章もキメがこまかく、安心な点はあるけれども、主人公がスーパーマンすぎることが気にかかった。」「受賞作としていくらか、点数があまいという声もあったのはたしかである。」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年10月号
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直木賞 58 昭和42年/1967年下半期   一覧へ
選評の概要 野坂氏に感服 総行数41 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男48歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
19 「出来がよく、野坂氏の怨念も夢もふんだんに詰めこまれて、しかも好短篇の結構を踏み、完全である。感動させられた。」
男37歳
13 「とくに氏の推理的手法が生きて、今日の新しい若者の内部を追跡している。二人の受賞はいずれも強力作家なので、大した反対もなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年4月号
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直木賞 59 昭和43年/1968年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数53 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男49歳
候補 評価 行数 評言
佐木隆三
男31歳
15 「どちらかといえば芥川賞に廻した方がいいと思えたが、とにかく、おもしろく読めた。」「“大将”の出ないのもおもしろいし、“わたし”の立場もよくわかる。この作に固執したのは私ともう一人の委員だけなので早くに落ちた。」
梶野豊三
男48歳
11 「いいと思った。ちょっと変っていて、奇妙な人間関係がおもしろい。しかし、直木賞としてはどうだろうか、といわれると、押しが弱まった。」
  「八作ともいちおうの出来とはいうものの、とくに秀でた個性味のある傑作にめぐりあわなかったのが今回である。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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直木賞 60 昭和43年/1968年下半期   一覧へ
選評の概要 「わが町」の佳さ 総行数50 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男49歳
候補 評価 行数 評言
阪田寛夫
男43歳
27 「もし二人授賞というようなことがあれば、私は(引用者注:陳舜臣と)阪田さんの「わが町」だと思った。」「いい小説だと思う。わかりやすい、清潔な文章だし、これは正しく作者の心田の処産である。」「私はとにかく感心した。」
男44歳
14 「この人の全力量の出たものといえないが、これはこれで好短篇である。」「この人には「阿片戦争」という大作がある。」「それに何回も候補になっていて、ほんのわずかな差で授賞を逸してきた。今回の授賞には、まったく異存はない。」
男43歳
7 「読むのに苦労した。長篇のせいではない。」「文章にひっかかるところがあった。よく調べて書かれる重厚な作風に好感をもったが、ちょっと首をひねった。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年4月号
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直木賞 61 昭和44年/1969年上半期   一覧へ
選評の概要 佐藤愛子さんを 総行数47 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男50歳
候補 評価 行数 評言
女45歳
29 「私はこの二作(引用者注:最後に残った「戦いすんで……」と「ちりめんじゃこ」)のどちらを取るといわれれば、むろん佐藤さんだった。」「佐藤さんのユーモアは、この人の心田のものであった。」「いわゆるありきたりの貧乏物とちがって、胸のすくような、作者独得の痛快な味が文体にある。」「私は、この作家をあくまで推した。」
  「今回は、候補作全体にこれといったきわだったものがない。ひょっとしたら受賞作なしということになるか、といった気持もあった。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年10月号
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直木賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 田中氏を推したが 総行数52 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男50歳
候補 評価 行数 評言
田中穣
男44歳
20 「この稀代の画家について、私は知るところが少なかったので、とにかく、魅入られて読んだ。」「敢えて賞をということになれば、これしかない。そう思って出席した」「ノンフィクションであっても、人物が浮き彫りされておれば小説に迫るのであって、私は「小説」としてこの作をよんだ。」
  「秀れてぬき出ている作品のない時は、読むのがつらい。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年4月号
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直木賞 63 昭和45年/1970年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数55 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男51歳
候補 評価 行数 評言
男43歳
15 「全体を読了すれば、おのずから氏の文底に秘めたこころが感じられた。」「軍隊物の常道を踏まず、自己の土俵にもち来たって、重い記録を完了している。結城氏の諸作の中でも、第一等の作品と私は思う。」
男36歳
24 「今回の作品は「訪れ」「霰」の密度はない。しかし、カルテの置き順によって、人生が書き換えられてゆくという思いつきは卓抜だし、よく二軍人の人生を追跡し、文章も簡略なのがまた効を奏しているようにも思われた。」
林青梧
男40歳
13 「正成一族のことを知らなかったので興味ぶかく読んだ」「私は小説として読み、その力量を感じていた。だが、積極的に推せなかった。授賞二作に比べたせいである。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年10月号
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直木賞 64 昭和45年/1970年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数73 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男51歳
候補 評価 行数 評言
男50歳
36 「豊田穣氏の誠実さと、この人の力量が今回では光るのであった。」「豊田氏の体験のなまなかでなかったことが逆に迫り、「私小説」としても成功していないということにも、かえって、私は好感をもつものである。」「授賞作なしという意見にさからって、この作を推した理由は、「長良川」「伊吹山」「石塔」の三短篇に流れる作者の心根にふれたからで、これが直木賞となることは、運を?んで快事と断じたのである。」
  「松本さんも云われたことだが、「面白い小説」を待つ。だが私は、直木賞はやはり文芸だと思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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直木賞 65 昭和46年/1971年上半期   一覧へ
選評の概要 独創的な物語を 総行数68 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男52歳
候補 評価 行数 評言
  「「該当者なし」の方に私は手をあげた。黒部氏もふくめて独創的な物語性を満足させる作品に接しなかったからである。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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直木賞 66 昭和46年/1971年下半期   一覧へ
選評の概要 田中氏の世界に好感 総行数55 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男52歳
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男46歳
35 「私は魅かれた。」「この作家には独自な眼があり、この人でなければ出せない云いまわしがあって、思わず笑った。単なる云いまわしに終らず、確かな一個の人生がそこにあったと思う。」「独自の視野と文体をもって、従来のドラマ性ある受賞作に挑戦して勝つことの難しさをこの作品で私は知った。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号
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直木賞 67 昭和47年/1972年上半期   一覧へ
選評の概要 井上、綱淵、桂の快作 総行数33 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男53歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
15 「「自分のことば」をもっている。」「軽妙にしてずっしりと重い。おそらく日本文壇は、何年ぶりかで、個性ゆたかな作家を得たといえる。」
男47歳
10 「めぐりあった題材を丹念にしあげて、その重厚さは候補作中で群をぬいたが、たとえば、素伝の心理の書き込みに不足している点が私に不満であった、だが、これとて堂々と受賞していい面目である。」
桂英澄
男54歳
10 「抑制のきいた文体で、歴史の隅に生きた人間に静かな光りをあたえ、その作家的態度に魅かれた。」「私には、忘れがたい作品の一つとなった。」
  「今回は久しぶりに佳作群にめぐりあった感がふかい。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年10月号
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直木賞 68 昭和47年/1972年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数49 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男53歳
候補 評価 行数 評言
滝口康彦
男48歳
36 「氏の簡素な文体は叙事の妙を得ており、こころにくいところがあった。すでに自分の世界、せまくてもこれを持つことは大したことではないか、と思ったりして、迷った末に授賞組にまわったのである。」
  「今回の候補作は低調に思えた。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年4月号
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直木賞 69 昭和48年/1973年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数54 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男54歳
候補 評価 行数 評言
男38歳
18 「好感をもたせ、借りものでないその人の存在をみた」「主人公桃の人生に、作者がそそいだ心のたしかさを見た」「独特の、悠長で、大人の語り口なのがよい。貴重な味だ。」
男45歳
15 「私はいい読者ではなかった。前作の方がいいと思った。」「しかし、この作家は、候補歴もあり、達者である。」「時代小説の軟派というか、そういう世界を耕してほしいと思った。したがって、授賞は将来へのおくり物として賛成である。」
  「候補作みなみな、いささか低調だな、と思った。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年10月号
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直木賞 70 昭和48年/1973年下半期   一覧へ
選評の概要 残念至極である 総行数54 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男54歳
候補 評価 行数 評言
植草圭之助
男63歳
48 「近年にない心を打つ作品と思えた。」「内容のもつ美しいうねりが、最後まで私をひっぱった。土台、いまの世に、こんなに必死で、かなしい恋物語など書く作家はいまい。」「大事な新人の登用は反対者が多くてはばまれた。」「今回は若輩が一人角力をとってみごとに敗けた。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年4月号
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直木賞 71 昭和49年/1974年上半期   一覧へ
選評の概要 「鬼の詩」讃 総行数48 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男55歳
候補 評価 行数 評言
男41歳
22 「候補作品のどれよりもぬきん出て個性的な光りがあった。」「藤本さんの世界が腰をすえて、確りと打ち出された感じで、しかもその出来に妙があった。妙は藤本さんの心田の所産である。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年10月号
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直木賞 72 昭和49年/1974年下半期   一覧へ
選評の概要 井出作品を推す 総行数49 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男55歳
候補 評価 行数 評言
男43歳
14 「全候補作で「アトラス伝説」がぬきん出ていた。」「資料を調べる作者の誠実な眼ざしが何ともいえずよい。これだと思いきめて臨んだ」
男41歳
16 「達者なこの作家はもはや売れっ子の地位にある。この作品は、氏の前作「新宿の男」と比して秀でているとは思えぬ。しかし、力量充分であり、短篇としての仕上りもよいと推す委員の声をきけば、「アトラス伝説」の重厚と組みあわせて、両氏の授賞に手をあげる方に廻った。」
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年4月号
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直木賞 73 昭和50年/1975年上半期   一覧へ
選評の概要 労作「生麦一条」 総行数46 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男56歳
候補 評価 行数 評言
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年10月号
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直木賞 74 昭和50年/1975年下半期   一覧へ
選評の概要 辛苦の試みが成功 総行数55 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男56歳
候補 評価 行数 評言
男38歳
35 「もっとも勝れていた。」「調書を手がかりに、傍証また傍証、執拗な眼と、足の延びに感歎したと同時に、読み終えて、これが現代小説の新しい試みに成功していることを思い、敬意をもった。」「手法の新しさといったのは、主題に迫る簡潔な文体が、ひとりよがりの心理描写を排除した点にこそあると思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年4月号
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直木賞 75 昭和51年/1976年上半期   一覧へ
選評の概要 芯がない 総行数61 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男57歳
候補 評価 行数 評言
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年9月号
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直木賞 76 昭和51年/1976年下半期   一覧へ
選評の概要 温かい心田 総行数64 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男57歳
候補 評価 行数 評言
男45歳
36 「作者の目は、よくゆきとどき、狡くて、かしこくて、おしゃまで、手に負えぬ少女をよく描き、教師夫妻の受け身な心理も、おもしろく納得できた。」「この作者の心田を買った。とにかく温かい。」「東北の寒地にこういう文学が芽をふいたことが嬉しい。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年4月号
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直木賞 77 昭和52年/1977年上半期   一覧へ
選評の概要 描写と視線の妙 総行数63 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男58歳
候補 評価 行数 評言
井口恵之
男48歳
26 「簡潔な文体のなかに、よく今日の庶民の哀歓がにじみ、古いようでも新しいところが見えるのに感心していた。」「ところどころ光る描写、器用にたたきこむ手腕は、充分にこの世界なら、いくらも書ける力を感じさせた。」
色川武大
男48歳
39 「身辺の何でもないことを書いても、視線の妙が光る。「墓」などまことにいい。授賞してもいい作品だと思うが、これも反対者が多く、票数で敗けた。」「この文集も、二どと書けない作者にとって大切なことが刻まれていた。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年10月号
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直木賞 78 昭和52年/1977年下半期   一覧へ
選評の概要 人間を描く 総行数61 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男58歳
候補 評価 行数 評言
高橋昌男
男42歳
19 「私も敗戦前後、新宿かいわいで暮してもいたから、よくその雰囲気が出ていると思った。また女性がよく描けていると思った。」「やや小粒な感じもしないではない。」
小関智弘
男44歳
19 「そこで暮した人のつよみがあり、町工場の内部の人間模様がよくわかるように書かれてある。主人公の心理も、時々光る一行で確かに表現されているところがあって、全候補の中で、もっとも小説らしい、人間を描くことに集中している視線を感じた。」「やや小粒な感じもしないではない。」
  「今回はどの作品もいちおうは書けているがずばぬけてという作ではなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年4月号
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直木賞 79 昭和53年/1978年上半期   一覧へ
選評の概要 二作を選ぶ 総行数49 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男59歳
候補 評価 行数 評言
男49歳
11 「手さばきのよい仕上げぶりに驚いた。人生のにがさが快くしみわたるのが小気味いい。参考作品「三文おけら」にもそれはあって、この作者はもう独壇場の道を歩みはじめている。授賞に賛成である。」
男49歳
24 「候補作品中群をぬく重さである。」「ずしりと持ち重りのする作品というものの少ない季節ゆえ、捨てがたく、最後までのこし、授賞二作を選ぶとなればこれだと、賛成にまわった。」
選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年10月号
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直木賞 80 昭和53年/1978年下半期   一覧へ
選評の概要 宮尾さんの力 総行数57 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男59歳
候補 評価 行数 評言
女52歳
35 「いちばんきめこまかく、力のあるものと思えた。」「語りはこの人の吐く息であり、借りものでないことを証し、誰も真似できぬ芸境を確立しているのである。授賞のおそかったことを恨むものであるが、宮尾さんが、もう少しの文体の簡略化を完成された時、いくつもの名作が生れるだろうことを予言しておく。」
男42歳
18 「達者すぎる文章で、おやと思った。(引用者中略)今回はぬきすぎたほど流暢である。」「松本委員の絶讃もあって家を出る時の考えがかわって、消極的ながら賛成側に廻った。」
選評出典:『オール讀物』昭和54年/1979年4月号
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直木賞 81 昭和54年/1979年上半期   一覧へ
選評の概要 ただただ嬉しい 総行数73 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男60歳
候補 評価 行数 評言
男54歳
38 「最も光っていた」「私はどちらも好きだったが、「ミミのこと」の方につよくひかれた。」「語り手の、さらりとして温かく、飄々として、鋭い独特の視線は、不思議な文芸世界を創りあげている。(引用者中略)一字一字が田中さんの心田からにじみ出てくる。そこに心を打たれた。」「直木賞が、しつこく田中さんをつかんで、今日に至ったことは文学史上の快挙である。」
中山千夏
女31歳
13 「したたかな眼と文体が心にのこり、私は出かける時は、田中さんと中山さんか、と思って会場に入ったのだった。」「文体の要所で光るこのひと独自の表現力である。前半のわずらわしさが少し削られていたら、文句のない好短篇となったろう。」
男44歳
16 「エスプリに富んだ技巧派の文芸といえる。なかには思いつきめいた材料をご自分だけでおもしろがっておられるようにも思える作品もあるが、人生の闇の断面がたくみに切りとらえられて、心を打つ作品に出あうと、やはり、これも阿刀田さんの力だと思い脱帽したのである。」「受賞に異存はない。」
選評出典:『オール讀物』昭和54年/1979年10月号
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直木賞 82 昭和54年/1979年下半期   一覧へ
選評の概要 心田の所産 総行数66 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男60歳
候補 評価 行数 評言
つかこうへい
男31歳
25 「受賞作をと迫られて、つかさんに手をあげたが、二票しかなかった。」「つかさんに執着したのは、独自性をかったのである。読んでいるうちにもの哀しくなっていく、そこがいい。」「重いところがないのが、気にはなる。しかし迫るもの苦しさは、やはりこの人の芸の力である。」
選評出典:『オール讀物』昭和55年/1980年4月号
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直木賞 83 昭和55年/1980年上半期   一覧へ
選評の概要 向田さんを推す 総行数63 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男61歳
候補 評価 行数 評言
女50歳
35 「抜群の出来上りだと思えた。」「確かな世界がここにある。向田さんの同性を見る視線は、男の私などにもちあわせぬ鋭さだ。表現に、独自の云いまわしがあって、納得がゆく。」「向田さんを推す委員は三名で、志茂田景樹氏の「黄色い牙」推薦の四名と激突して、数の上で敗けた。(引用者中略)向田さんを捨て切れない私たちが、二人授賞へもっていった。」
男40歳
27 「この世界は面白かった。」「きけばまったく空想の所産だとか。途方もない作家の出現だろう。」「授賞につよく反対する気はない。ただ向田さんの世界に魅かれたために、私の気持がゆらいだのである。」
選評出典:『オール讀物』昭和55年/1980年10月号
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直木賞 84 昭和55年/1980年下半期   一覧へ
選評の概要 中村さんの仕事 総行数62 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男61歳
候補 評価 行数 評言
男52歳
45 「こんどの候補作中、いちばん心を打たれた」「内容にというよりは、きめのこまかい仕事ぶりにだった。」「それと抑制のきいた文章と、細密描写の腕にだった。」「少々長すぎるかと思えもする、西側の軍事談義などにも、念を入れて読みかえさねばならぬほどの力がみなぎっていた。それで、今回は、この作品だと思って出かけたが、各委員また同じような意見なのでうれしかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和56年/1981年4月号
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直木賞 85 昭和56年/1981年上半期   一覧へ
選評の概要 青島氏に期待 総行数62 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男62歳
候補 評価 行数 評言
男48歳
34 「殆どの委員が票を入れた。私もその一人であった。とにかく、文章にリズムがある。そうして心あたたかい。」「これぐらいのわけ知りがいてくれる議事堂は温かい。」
  「どこにいて、どんなくらしをしていようが、心田ふかきところから産まれた作品は人に感動もよび、ことばも粒立って、文章の妙となるのである。私にはそれ以外のものさしがない。」
選評出典:『オール讀物』昭和56年/1981年10月号
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直木賞 86 昭和56年/1981年下半期   一覧へ
選評の概要 誠実とペーソス 総行数57 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男62歳
候補 評価 行数 評言
男49歳
21 「すぐれていた。文章もしっかりしていて重厚である。」「だが、おもしろい小説といえるかどうか。」「作者が創りだした人間世界を求めるものには、調査の重みだけでは退屈するのだった。誠実でいい仕事だな、と思うがちょっと首をひねった理由はそれである。」
男33歳
25 「私はさきに、「ひも」を強力に推して破れていたので、この作品が最後までのこったのはうれしかった。どちらかといえば、「ひも」の方が密度も濃かったと思う。「蒲田」は「ひも」のように会話が追いこまれてなくて改行の多いせいか、つかさんの語りのオリみたいなものが散ってしまう気分である。」
選評出典:『オール讀物』昭和57年/1982年4月号
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直木賞 87 昭和57年/1982年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数59 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男63歳
候補 評価 行数 評言
男51歳
31 「資料に頼らずあくまで小説にしあげるため、終始一貫、人間描写の姿勢を守る力量は天晴れだ。だがはじめの九十頁ぐらいはつらかった。登場人物が出揃うまでじっくり描写につきあわねばならぬ退屈さである。」「授賞に賛成したのは、わき目もふらず、外地に生きる日本人の世界を描くことに徹する深田さんの孤独作業に敬意を表したからである。」
男42歳
13 「ここには小説づくりの妙がある。登場人物も、そこらあたりにいる人々だが、作者の眼が凡庸でないから、生々している。」「むずかしい現代小説の、村松さんらしい工夫による開扉である。」「授賞に不服はない。」
選評出典:『オール讀物』昭和57年/1982年10月号
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直木賞 88 昭和57年/1982年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数54 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男63歳
候補 評価 行数 評言
高橋治
男53歳
25 「いちばん魅かれた。」「説明が多くて、描写が少ない、という欠点もあった。「伝」を語ることのむずかしさだ。これが小説か、といわれれば、作者も、考えこまざるを得ないだろうが、私は推すつもりでいた。作者の小津さんへの畏敬のふかさに魅かれたからだ。不運にも、賛成委員が少なかった。」
赤瀬川隼
男51歳
13 「仕上りの心地よさがつたわる好短篇だった。」「野球をあまり知らない私も、ひっぱられた。こんな一日の連帯を作者はその心奥で創ってみせたのである。ここには人生があった。」
  「授賞なしは、この他の候補作品の低調も語って、今回はしかたがない。」
選評出典:『オール讀物』昭和58年/1983年4月号
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直木賞 89 昭和58年/1983年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数63 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男64歳
候補 評価 行数 評言
男58歳
41 「他委員の票数も多く、満足したが、多少気にかかった文章の粗さが云々された。」「頁を追うほど興味がつのった。凡手でない。荒語りといっていい。正しくこれは兵卒が地べたから見た俘虜記である。」「ああ、戦争はいやだな、とつくづく思わせるのである。そういう感想は、過去の胡桃沢さんの候補作からは得られなかった。」「長い精進の日日も思われて、授賞に賛成する側にまわった。」
森瑤子
女42歳
12 「達者である。子づれの勝気な女が、亭主と、べつの男とのあいだを揺れてくらす心象とは、こういうものかと納得させられたが、芥川賞の方にまわっていい素質である。房事の前後をじつにうまく描く人だ。」
選評出典:『オール讀物』昭和58年/1983年10月号
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直木賞 90 昭和58年/1983年下半期   一覧へ
選評の概要 それぞれの世界 総行数58 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男64歳
候補 評価 行数 評言
男55歳
20 「切れ味のいい作品、そうでないのもあったが、わずか十八枚で締めあげる職人芸の醍醐味である。」「都会にくらす庶民の哀愁。日常を些細に描きとめて、心にくい世界だ。」「借りものでない心因の所産で、「ブラックバス」以来、こつこつと彫りこんできた手練を感じさせた。」
男54歳
20 「ふたつわずかな註文が生じた。題名にひねりが足りない。それと最後に出てくる深海の巨魚の描写が少しあっけない。」「それにしても、材料がよい。取り組み方も誠実で方言に苦心している。」「「絢爛たる影絵」から、ここに辿りついた氏の小説づくりの真率さに文句はない。」
選評出典:『オール讀物』昭和59年/1984年4月号
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直木賞 91 昭和59年/1984年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数61 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男65歳
候補 評価 行数 評言
男36歳
18 「「恋文」「十三年目の子守唄」に感心した。小説づくりの巧みさでは定評があり、独得の世界である。」「推理をはなれて、人間を描くところにこの人の世界はもっともっとひらけるだろう。」「私はこの人の妖しい感性に関心をもっているのだ。」
男47歳
21 「登場人物も多いのだが、よく書けているようでも、どこか同じ型の人間にみえてくる。だが、読ませた。最後にきて、テレビ会社から、ホテルをあてがわれ、ツインベッドで寝る老コンビの会話はうつくしい。」「一人くらい悪人が出てきても、と某委員の注文に、悪人のいないのがてんのじ村のこの人たちの世界だと黒岩さんがいった。(引用者中略)そこで、負けた。二作授賞ならこれ以外にない、と思った。」
選評出典:『オール讀物』昭和59年/1984年10月号
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直木賞 92 昭和59年/1984年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数44 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男65歳
候補 評価 行数 評言
  「二作授賞をという声に首をひねって、今回は無しに廻った」
選評出典:『オール讀物』昭和60年/1985年4月号
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直木賞 93 昭和60年/1985年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数56 (1行=14字)
選考委員 水上勉 男66歳
候補 評価 行数 評言
女48歳
24 「全候補作中いちばんすぐれていた。」「先の達者すぎた軽みは消え、見るものは見、捨てるものは捨てた眼の確かさがあった。私は「老梅」の方をとった。「演歌」もいいが、男主人公をのっけからもう位置づけてしまっているところが気になった。」「二作授賞にもちろん反対はない。」
  「命がけの金看板をひっさげての登場を夢見る私には、どれも小技の磨きに思えて遠い不満がぬぐえなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和60年/1985年10月号
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