直木賞のすべて
第85回
直木賞-選評の概要 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
候補作家の群像
選考委員の群像
小研究
大衆選考会
マップ

ページの最後へ
Last Update[H26]2014/6/22

85   一覧へ 84前の回へ 後の回へ86
昭和56年/1981年上半期
(昭和56年/1981年7月16日決定発表/『オール讀物』昭和56年/1981年10月号選評掲載)
選考委員  村上元三
男71歳
源氏鶏太
男69歳
阿川弘之
男60歳
山口瞳
男54歳
水上勉
男62歳
城山三郎
男53歳
五木寛之
男48歳
今日出海
男77歳
選評総行数  49 51 46 57 62 70 49 57
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
青島幸男 『人間万事塞翁が丙午』
460
男48歳
7 11 36 15 34 21 41 20
村松友視 「セミ・ファイナル」
103
男41歳
6 5 0 6 7 0 4 0
森田誠吾 『曲亭馬琴 遺稿』
440
男55歳
6 6 3 3 0 22 3 16
神吉拓郎 「ブラックバス」等
80
男52歳
3 9 0 21 4 18 3 0
胡桃沢耕史 「ロン・コン」等
151
男56歳
6 6 7 3 0 0 4 0
栗山良八郎 『宝塚海軍航空隊』
711
男(52歳)
4 9 0 8 7 25 3 0
山下惣一 「減反神社」等
157
男45歳
4 5 3 0 13 0 4 0
篠田達明 「大御所の献上品」
102
男43歳
2 4 0 0 0 0 0 0
          欠席
書面回答
   
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和56年/1981年10月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員
村上元三男71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
群をぬく面白さ 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
7 「群をぬいて面白かったし、登場人物も一人ひとりがいきいきと描かれていた。作者の経歴や肩書は選考の場合、問題にはならないし、審査会場の空気もそうであった。」
村松友視
男41歳
6 「持ってまわったような文章に、どうもついて行けなかった。それに終末が、作者としてはひねったつもりだろうが、素直に書いてほしかった。」
森田誠吾
男55歳
6 「よく調べてあるが、読み終って、素材だけをならべて読まされたような気がした。小説としての燃焼が不足があり、この素材をこなして書くのが小説だと思う。」
神吉拓郎
男52歳
3 「「ブラックバス」と「二ノ橋柳亭」は、どちらもわたしは買わないし、直木賞の作品ではない。」
胡桃沢耕史
男56歳
6 「読んでいるうちは面白かったが、読後になにも残らないのが不満であった。この作者は作家歴も古いし、達者な筆を持つ人なのだから、次作を期待したい。」
栗山良八郎
男(52歳)
4 「後半になってから面白くなった。前半は三分の一ぐらいに削ったほうがよかったのではないか。」
山下惣一
男45歳
4 「前者(引用者注:「父の寧日」ではなく「減反神社」)のほうを採るが、これから小説になるというところで、この作品は終ってしまっている。」
篠田達明
男43歳
2 「材料の目新しさだけにすぎない。」
  「何べんも候補になった人の中から、直木賞を出すという形が、一ばん自然で望ましいことだが、前回も今回もそうは行かなかった。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
源氏鶏太
阿川弘之
山口瞳
水上勉
城山三郎
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
源氏鶏太男69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
感想 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
11 「文句なしに面白かった。」「戦中から戦後にかけての下町の人情、習俗が髣髴としてくる。ところどころに文章の乱れがあるが、それが却ってこの小説をより活かしているようであった。」
村松友視
男41歳
5 「いいところがあったが、ある物足りなさが残った。」
森田誠吾
男55歳
6 「当時のジャーナリストの世界を綿密な調査によって活写している。が、小説として読むと、馬琴像が十分に描かれているとはいえないようである。」
神吉拓郎
男52歳
9 「第一等の作品として推す選者もあったが、私にはわからなかった。」「が、「二ノ橋柳亭」は、面白かった。小説というよりも随筆風な作品であるが、最後の数行で見事に盛り上げている。」
胡桃沢耕史
男56歳
6 「調査がゆきとどいていて、スリルがあり、主人公の生きざまが爽やかである。一切の感傷をおさえて描いてあるところもよかった。」
栗山良八郎
男(52歳)
9 「調べて書いたのだと聞いて、いっそう感心した。私にもこれに近い経験があり、当時の恐怖感がよみがえった。この小説にはそういう実感がそなわっていて、しめくくりは感動的である。」
山下惣一
男45歳
5 「「減反神社」は、諷刺が利いていて笑わせる。が、私は、「父の寧日」の方に好感を持った。何んともいえぬおかしみと悲しみがある。」
篠田達明
男43歳
4 「いいところがあったが、ある物足りなさが残った。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
阿川弘之
山口瞳
水上勉
城山三郎
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
阿川弘之男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
古典落語の素養 総行数46 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
36 「誰もが自分の母親をテーマに「女の一生」を書けるものではむろんなく、これだけの作品に仕立てたのは青島氏の才であり手柄である。」「戦争中の世相や政治に対して、今の眼で見た批判解釈をさしはさんでゐないのもよかつた。さういふ要らざる色気は作品の味を損なふことを、既成の文士がとかく忘れ勝ちであるのに、現職議員の青島氏がきちんと守つてゐた。」
村松友視
男41歳
0  
森田誠吾
男55歳
3 「心に残つた。」
神吉拓郎
男52歳
0  
胡桃沢耕史
男56歳
7 「書き出しからしてキビキビした面白い物語で、起承転結もととのつてゐて、ラオス、タイの風物政情も充分知つてゐる筆づかひで、青島氏の作品に次ぐものと私は思つた。」
栗山良八郎
男(52歳)
0  
山下惣一
男45歳
3 「心に残つた。」
篠田達明
男43歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
山口瞳
水上勉
城山三郎
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
山口瞳男54歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
残念 総行数57 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
15 「どうしてもこれが書きたかったという作者の熱気が直かに伝わってくる。また、ストーリーは平凡だが、エピソードがいちいち面白かった。ただし、文章には気負い過ぎがあって案外に読み辛い。最初の作品だから仕方がないが――。」
村松友視
男41歳
6 「もっと書けるはずの人で、青島さんのように、自分のよく知っている世界を徹底的に書きこむという方向のほうが良かったと思っている。」
森田誠吾
男55歳
3 「洒落本の研究であって、文学(小説)ではない。」
神吉拓郎
男52歳
21 「「ブラックバス」は(引用者中略)発表当時、清潔で不気味な詩情を湛えた名作だと思ったが、今回読みなおして一層の強い感動があった。むろん、これを第一に推したが大方の賛同が得られなかったのが残念だった。神吉さんは、東京の上流階級、中流階級、特にその女性心理の描ける得難い作家だと思っている。」
胡桃沢耕史
男56歳
3 「面白さでは一番だったが胸に迫る一行がない。」
栗山良八郎
男(52歳)
8 「一気に読んだ。こういう作品は資料的にも残したいという気持が強かったが、小説としてイマイチと言われれば、引きさがらざるをえない。」
山下惣一
男45歳
0  
篠田達明
男43歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
阿川弘之
水上勉
城山三郎
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
水上勉男62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
青島氏に期待 総行数62 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
34 「殆どの委員が票を入れた。私もその一人であった。とにかく、文章にリズムがある。そうして心あたたかい。」「これぐらいのわけ知りがいてくれる議事堂は温かい。」
村松友視
男41歳
7 「悪いヤツらを描く手さばきは図抜けていたが、後半の処理があらかった。いずれ頭角を見せる新人である。」
森田誠吾
男55歳
0  
神吉拓郎
男52歳
4 「「ブラックバス」(引用者中略)個性のつよい作品だが、神吉さんに省略の妙と独自な才質を見た。」
胡桃沢耕史
男56歳
0  
栗山良八郎
男(52歳)
7 「いい風景のはさまれた作品だった。だが、少し長すぎた。省略がきいておれば、もっと感動をうけたかもしれない。ていねいばかりでもいけない。小説のむずかしさである。」
山下惣一
男45歳
13 「「減反神社」(引用者中略)個性のつよい作品だが、(引用者中略)大げさな物言いが気になった。」「今日の農民のペーソスを描く作家は少ない。貴重な人と思うが、どこか浅い。」「むしろ、お父さんを描かれた「父の寧日」に(引用者中略)好感をもった。」
篠田達明
男43歳
0  
  「どこにいて、どんなくらしをしていようが、心田ふかきところから産まれた作品は人に感動もよび、ことばも粒立って、文章の妙となるのである。私にはそれ以外のものさしがない。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
阿川弘之
山口瞳
城山三郎
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
城山三郎男53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
粒ぞろいの四作品 総行数70 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
21 「突拍子もない人間たちが、家の内も外もないような落語長屋風の舞台ににぎやかに出入りし、話にはずみが出てくる」「庶民にとってのひとつの戦中戦後を、さりげなく、しかし的確にとらえようという作者の思い入れの深さにもよるものなのであろう。」
村松友視
男41歳
0  
森田誠吾
男55歳
22 「わたし自身の個人的な感懐や体験を重ね合わせ、身につまされて読んだ。」「描き出された馬琴とその周辺の人物たちの姿は、そのまま現代の物書きや出版人の姿を思わせ、さらにまた人間そのものの生き方や運命について考えさせるものがあった。」「読み方によっては抵抗を感じる向きもあろうが、森田氏はそれも承知の上で、描き切っている感じである。」
神吉拓郎
男52歳
18 「話の展開の軽妙さ。虚が実になり、実が虚になるおもしろさ。」「味があり、気分のやすまる思いもして、しみじみと小説を読むたのしみを、いちばん感じさせてくれる作品であった。」
胡桃沢耕史
男56歳
0  
栗山良八郎
男(52歳)
25 「わたし自身の個人的な感懐や体験を重ね合わせ、身につまされて読んだ。」「身につまされるだけでなく、読むのにつらかった。それだけよく調べ、海軍の裏の裏といったところにまでふみこんで描いている、ということでもあろう。」「感動も生れるのだが、一方、わずかに後味のわるさが残る気がしたのは、どうしたものであろう。」
山下惣一
男45歳
0  
篠田達明
男43歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
阿川弘之
山口瞳
水上勉
五木寛之
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
五木寛之男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「この一作」の場で 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
41 「今回はほぼ満票に近いかたちで青島氏が選ばれることになった」「文筆の道ただ一つに夢を託する者たちには、小説という世界はもはや遠いエスタブリッシュメントになってしまったのだろうか。(引用者中略)そんな感慨をおさえきれず、臨席の水上勉氏に、「もう中退生や落伍者の時代じゃなくなったんですね」ともらした」
村松友視
男41歳
4 「簡単に見過ごすわけにはいかない何かを感じた。」
森田誠吾
男55歳
3 「私は(引用者中略)強く推し、」
神吉拓郎
男52歳
3 「私は(引用者中略)「ブラックバス」を強く推し、」
胡桃沢耕史
男56歳
4 「簡単に見過ごすわけにはいかない何かを感じた。」
栗山良八郎
男(52歳)
3 「取材のゆきとどいた力作である。」
山下惣一
男45歳
4 「(引用者注:「曲亭馬琴遺稿」「ブラックバス」の)つぎに山下惣一氏の「減反神社」など一連の農村を背景にした作品を支持した。」
篠田達明
男43歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
阿川弘之
山口瞳
水上勉
城山三郎
今日出海
  ページの先頭へ

選考委員
今日出海男77歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
楽しく読む 総行数57 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青島幸男
男48歳
20 「その経歴の示す通り様々な能力を持っていて、殊に才筆は読者の興趣をそそるものを持って居り、選考委員概ねの賛成を得た。」「しかし才筆は筆の走るに任せることが往々あるが、どうせ走るならもっと文学に突き進んでもらいたい。文学がブレーキになり、作品を締めて行くだろうと思われる点もあったからだ。」
村松友視
男41歳
0  
森田誠吾
男55歳
16 「作者は調べることに熱心で、馬琴の人間や作品にもっとぶつかって欲しかった。」「作者は今更馬琴について書くなら、もっと鋭く曖昧な世評にこれまた若い人らしく立ち向かって欲しかった。」
神吉拓郎
男52歳
0  
胡桃沢耕史
男56歳
0  
栗山良八郎
男(52歳)
0  
山下惣一
男45歳
0  
篠田達明
男43歳
0  
  「嘗ては四の五の言わせぬ決定的な作品があったものだが、近年の作品はどれも質や技巧が長足の進歩を遂げていると思わざるを得ないほどそれぞれ特質を持っている。」「筆が達者になるよりも、言いたいことを判然と主張する情熱が一般に欲しいという印象を強く持った。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
村上元三
源氏鶏太
阿川弘之
山口瞳
水上勉
城山三郎
五木寛之
  ページの先頭へ


受賞者・作品
青島幸男男48歳×各選考委員 
『人間万事塞翁が丙午』
長篇 460
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
7 「群をぬいて面白かったし、登場人物も一人ひとりがいきいきと描かれていた。作者の経歴や肩書は選考の場合、問題にはならないし、審査会場の空気もそうであった。」
源氏鶏太
男69歳
11 「文句なしに面白かった。」「戦中から戦後にかけての下町の人情、習俗が髣髴としてくる。ところどころに文章の乱れがあるが、それが却ってこの小説をより活かしているようであった。」
阿川弘之
男60歳
36 「誰もが自分の母親をテーマに「女の一生」を書けるものではむろんなく、これだけの作品に仕立てたのは青島氏の才であり手柄である。」「戦争中の世相や政治に対して、今の眼で見た批判解釈をさしはさんでゐないのもよかつた。さういふ要らざる色気は作品の味を損なふことを、既成の文士がとかく忘れ勝ちであるのに、現職議員の青島氏がきちんと守つてゐた。」
山口瞳
男54歳
15 「どうしてもこれが書きたかったという作者の熱気が直かに伝わってくる。また、ストーリーは平凡だが、エピソードがいちいち面白かった。ただし、文章には気負い過ぎがあって案外に読み辛い。最初の作品だから仕方がないが――。」
水上勉
男62歳
34 「殆どの委員が票を入れた。私もその一人であった。とにかく、文章にリズムがある。そうして心あたたかい。」「これぐらいのわけ知りがいてくれる議事堂は温かい。」
城山三郎
男53歳
21 「突拍子もない人間たちが、家の内も外もないような落語長屋風の舞台ににぎやかに出入りし、話にはずみが出てくる」「庶民にとってのひとつの戦中戦後を、さりげなく、しかし的確にとらえようという作者の思い入れの深さにもよるものなのであろう。」
五木寛之
男48歳
41 「今回はほぼ満票に近いかたちで青島氏が選ばれることになった」「文筆の道ただ一つに夢を託する者たちには、小説という世界はもはや遠いエスタブリッシュメントになってしまったのだろうか。(引用者中略)そんな感慨をおさえきれず、臨席の水上勉氏に、「もう中退生や落伍者の時代じゃなくなったんですね」ともらした」
今日出海
男77歳
20 「その経歴の示す通り様々な能力を持っていて、殊に才筆は読者の興趣をそそるものを持って居り、選考委員概ねの賛成を得た。」「しかし才筆は筆の走るに任せることが往々あるが、どうせ走るならもっと文学に突き進んでもらいたい。文学がブレーキになり、作品を締めて行くだろうと思われる点もあったからだ。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
村松友視男41歳×各選考委員 
「セミ・ファイナル」
短篇 103
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
6 「持ってまわったような文章に、どうもついて行けなかった。それに終末が、作者としてはひねったつもりだろうが、素直に書いてほしかった。」
源氏鶏太
男69歳
5 「いいところがあったが、ある物足りなさが残った。」
阿川弘之
男60歳
0  
山口瞳
男54歳
6 「もっと書けるはずの人で、青島さんのように、自分のよく知っている世界を徹底的に書きこむという方向のほうが良かったと思っている。」
水上勉
男62歳
7 「悪いヤツらを描く手さばきは図抜けていたが、後半の処理があらかった。いずれ頭角を見せる新人である。」
城山三郎
男53歳
0  
五木寛之
男48歳
4 「簡単に見過ごすわけにはいかない何かを感じた。」
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
森田誠吾男55歳×各選考委員 
『曲亭馬琴 遺稿』
長篇 440
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
6 「よく調べてあるが、読み終って、素材だけをならべて読まされたような気がした。小説としての燃焼が不足があり、この素材をこなして書くのが小説だと思う。」
源氏鶏太
男69歳
6 「当時のジャーナリストの世界を綿密な調査によって活写している。が、小説として読むと、馬琴像が十分に描かれているとはいえないようである。」
阿川弘之
男60歳
3 「心に残つた。」
山口瞳
男54歳
3 「洒落本の研究であって、文学(小説)ではない。」
水上勉
男62歳
0  
城山三郎
男53歳
22 「わたし自身の個人的な感懐や体験を重ね合わせ、身につまされて読んだ。」「描き出された馬琴とその周辺の人物たちの姿は、そのまま現代の物書きや出版人の姿を思わせ、さらにまた人間そのものの生き方や運命について考えさせるものがあった。」「読み方によっては抵抗を感じる向きもあろうが、森田氏はそれも承知の上で、描き切っている感じである。」
五木寛之
男48歳
3 「私は(引用者中略)強く推し、」
今日出海
男77歳
16 「作者は調べることに熱心で、馬琴の人間や作品にもっとぶつかって欲しかった。」「作者は今更馬琴について書くなら、もっと鋭く曖昧な世評にこれまた若い人らしく立ち向かって欲しかった。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
神吉拓郎男52歳×各選考委員 
「ブラックバス」等
短篇集(一部)2篇 80
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
3 「「ブラックバス」と「二ノ橋柳亭」は、どちらもわたしは買わないし、直木賞の作品ではない。」
源氏鶏太
男69歳
9 「第一等の作品として推す選者もあったが、私にはわからなかった。」「が、「二ノ橋柳亭」は、面白かった。小説というよりも随筆風な作品であるが、最後の数行で見事に盛り上げている。」
阿川弘之
男60歳
0  
山口瞳
男54歳
21 「「ブラックバス」は(引用者中略)発表当時、清潔で不気味な詩情を湛えた名作だと思ったが、今回読みなおして一層の強い感動があった。むろん、これを第一に推したが大方の賛同が得られなかったのが残念だった。神吉さんは、東京の上流階級、中流階級、特にその女性心理の描ける得難い作家だと思っている。」
水上勉
男62歳
4 「「ブラックバス」(引用者中略)個性のつよい作品だが、神吉さんに省略の妙と独自な才質を見た。」
城山三郎
男53歳
18 「話の展開の軽妙さ。虚が実になり、実が虚になるおもしろさ。」「味があり、気分のやすまる思いもして、しみじみと小説を読むたのしみを、いちばん感じさせてくれる作品であった。」
五木寛之
男48歳
3 「私は(引用者中略)「ブラックバス」を強く推し、」
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
胡桃沢耕史男56歳×各選考委員 
「ロン・コン」等
短篇集(一部)2篇 151
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
6 「読んでいるうちは面白かったが、読後になにも残らないのが不満であった。この作者は作家歴も古いし、達者な筆を持つ人なのだから、次作を期待したい。」
源氏鶏太
男69歳
6 「調査がゆきとどいていて、スリルがあり、主人公の生きざまが爽やかである。一切の感傷をおさえて描いてあるところもよかった。」
阿川弘之
男60歳
7 「書き出しからしてキビキビした面白い物語で、起承転結もととのつてゐて、ラオス、タイの風物政情も充分知つてゐる筆づかひで、青島氏の作品に次ぐものと私は思つた。」
山口瞳
男54歳
3 「面白さでは一番だったが胸に迫る一行がない。」
水上勉
男62歳
0  
城山三郎
男53歳
0  
五木寛之
男48歳
4 「簡単に見過ごすわけにはいかない何かを感じた。」
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
栗山良八郎男(52歳)×各選考委員 
『宝塚海軍航空隊』
長篇 711
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
4 「後半になってから面白くなった。前半は三分の一ぐらいに削ったほうがよかったのではないか。」
源氏鶏太
男69歳
9 「調べて書いたのだと聞いて、いっそう感心した。私にもこれに近い経験があり、当時の恐怖感がよみがえった。この小説にはそういう実感がそなわっていて、しめくくりは感動的である。」
阿川弘之
男60歳
0  
山口瞳
男54歳
8 「一気に読んだ。こういう作品は資料的にも残したいという気持が強かったが、小説としてイマイチと言われれば、引きさがらざるをえない。」
水上勉
男62歳
7 「いい風景のはさまれた作品だった。だが、少し長すぎた。省略がきいておれば、もっと感動をうけたかもしれない。ていねいばかりでもいけない。小説のむずかしさである。」
城山三郎
男53歳
25 「わたし自身の個人的な感懐や体験を重ね合わせ、身につまされて読んだ。」「身につまされるだけでなく、読むのにつらかった。それだけよく調べ、海軍の裏の裏といったところにまでふみこんで描いている、ということでもあろう。」「感動も生れるのだが、一方、わずかに後味のわるさが残る気がしたのは、どうしたものであろう。」
五木寛之
男48歳
3 「取材のゆきとどいた力作である。」
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
山下惣一
「減反神社」等
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
山下惣一男45歳×各選考委員 
「減反神社」等
短篇集(一部)2篇 157
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
4 「前者(引用者注:「父の寧日」ではなく「減反神社」)のほうを採るが、これから小説になるというところで、この作品は終ってしまっている。」
源氏鶏太
男69歳
5 「「減反神社」は、諷刺が利いていて笑わせる。が、私は、「父の寧日」の方に好感を持った。何んともいえぬおかしみと悲しみがある。」
阿川弘之
男60歳
3 「心に残つた。」
山口瞳
男54歳
0  
水上勉
男62歳
13 「「減反神社」(引用者中略)個性のつよい作品だが、(引用者中略)大げさな物言いが気になった。」「今日の農民のペーソスを描く作家は少ない。貴重な人と思うが、どこか浅い。」「むしろ、お父さんを描かれた「父の寧日」に(引用者中略)好感をもった。」
城山三郎
男53歳
0  
五木寛之
男48歳
4 「(引用者注:「曲亭馬琴遺稿」「ブラックバス」の)つぎに山下惣一氏の「減反神社」など一連の農村を背景にした作品を支持した。」
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
篠田達明
「大御所の献上品」
  ページの先頭へ

候補者・作品
篠田達明男43歳×各選考委員 
「大御所の献上品」
短篇 102
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
村上元三
男71歳
2 「材料の目新しさだけにすぎない。」
源氏鶏太
男69歳
4 「いいところがあったが、ある物足りなさが残った。」
阿川弘之
男60歳
0  
山口瞳
男54歳
0  
水上勉
男62歳
0  
城山三郎
男53歳
0  
五木寛之
男48歳
0  
今日出海
男77歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
青島幸男
『人間万事塞翁が丙午』
村松友視
「セミ・ファイナル」
森田誠吾
『曲亭馬琴 遺稿』
神吉拓郎
「ブラックバス」等
胡桃沢耕史
「ロン・コン」等
栗山良八郎
『宝塚海軍航空隊』
山下惣一
「減反神社」等
  ページの先頭へ



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像候補作家の群像
選考委員の群像小研究大衆選考会マップ