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第81回
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昭和54年/1979年上半期
(昭和54年/1979年7月18日決定発表/『オール讀物』昭和54年/1979年10月号選評掲載)
選考委員  五木寛之
男46歳
水上勉
男60歳
今日出海
男75歳
新田次郎
男67歳
城山三郎
男51歳
村上元三
男69歳
源氏鶏太
男67歳
松本清張
男69歳
司馬遼太郎
男55歳
選評総行数  52 73 60 43 54 53 53    
選評なし 選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
田中小実昌 「浪曲師朝日丸の話」等
140
男54歳
20 38 17 10 0 13 15        
阿刀田高 『ナポレオン狂』
467
男44歳
18 16 27 26 17 16 14        
宗田理 『未知海域』
603
男51歳
0 0 0 0 4 4 0        
滝口康彦 『主家滅ぶべし』
537
男55歳
0 0 0 0 5 6 5        
海老沢泰久 『監督』
572
男29歳
0 0 0 0 0 5 7        
丸元淑生 「鳥はうたって残る」
152
男45歳
0 7 0 0 6 6 0        
帚木蓬生 『白い夏の墓標』
489
男32歳
0 0 0 0 17 9 10        
中山千夏 「子役の時間」
94
女31歳
4 13 0 0 5 4 6        
              欠席 欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和54年/1979年10月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員
五木寛之男46歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
本格派二人の登場 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
20 「マスコミの表面で異色作家ふうの扱いを受けることが少くないようだが、本来おそろしく姿勢の正しいオーソドックスな小説を書く人だ。」「私は受賞作(引用者中略)にも感心したけれども、これらの作品と一緒に「香具師の旅」という本におさめられている「母娘流れ唄」という短篇がとても好きだった。」
阿刀田高
男44歳
18 「受賞と決まった陰には、「つまり、これはエスプリの小説なんだよな」という、今日出海さんの短いひとことが大きかったと思う。」「文壇的感覚からすると異色作のように見られるのかもしれないが、今はこういった作品が主流といっていい時代なのではなかろうか。」「受賞に不足はない。」
宗田理
男51歳
0  
滝口康彦
男55歳
0  
海老沢泰久
男29歳
0  
丸元淑生
男45歳
0  
帚木蓬生
男32歳
0  
中山千夏
女31歳
4 「支持する人が意外に少かったのは、残念だった。」
  「間口がべらぼうに広い、というのが小説というジャンルの面白いところなのだから、今後もますます多様な作品が登場してくることだろう。」「しかし、今回、眉村卓さんの「消滅の光輪」のような超大型小説(変な表現だが)が候補にならなかったあたり、まだまだ選ぶ側の視野が限られているような気がしないでもない。」
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他の選考委員
水上勉
今日出海
新田次郎
城山三郎
村上元三
源氏鶏太
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選考委員
水上勉男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
ただただ嬉しい 総行数73 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
38 「最も光っていた」「私はどちらも好きだったが、「ミミのこと」の方につよくひかれた。」「語り手の、さらりとして温かく、飄々として、鋭い独特の視線は、不思議な文芸世界を創りあげている。(引用者中略)一字一字が田中さんの心田からにじみ出てくる。そこに心を打たれた。」「直木賞が、しつこく田中さんをつかんで、今日に至ったことは文学史上の快挙である。」
阿刀田高
男44歳
16 「エスプリに富んだ技巧派の文芸といえる。なかには思いつきめいた材料をご自分だけでおもしろがっておられるようにも思える作品もあるが、人生の闇の断面がたくみに切りとらえられて、心を打つ作品に出あうと、やはり、これも阿刀田さんの力だと思い脱帽したのである。」「受賞に異存はない。」
宗田理
男51歳
0  
滝口康彦
男55歳
0  
海老沢泰久
男29歳
0  
丸元淑生
男45歳
7 「文章の達者さ(引用者中略)が心にのこり、」「丸元さんには「秋月へ」に見せた真摯な純文芸への挑戦が期待されていい。」
帚木蓬生
男32歳
0  
中山千夏
女31歳
13 「したたかな眼と文体が心にのこり、私は出かける時は、田中さんと中山さんか、と思って会場に入ったのだった。」「文体の要所で光るこのひと独自の表現力である。前半のわずらわしさが少し削られていたら、文句のない好短篇となったろう。」
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他の選考委員
五木寛之
今日出海
新田次郎
城山三郎
村上元三
源氏鶏太
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選考委員
今日出海男75歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
二人の異色作家 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
17 「「香具師の旅」中の二篇を取り立てるより、氏の特異性や持ち味等は既に直木賞に当然値するもので、むしろ遅きに失した感さえある。」
阿刀田高
男44歳
27 「日本ではエスプリの特異性を楽しみ、喜ぶ風が意外に少なく、単に小手先の芸のように思われ勝ちだが、(引用者中略)都会的感覚の重要な要素としてエスプリはもっと大事にされていいので、阿刀田氏は新しい戦慄として推賞して然るべきであろう。」
宗田理
男51歳
0  
滝口康彦
男55歳
0  
海老沢泰久
男29歳
0  
丸元淑生
男45歳
0  
帚木蓬生
男32歳
0  
中山千夏
女31歳
0  
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他の選考委員
五木寛之
水上勉
新田次郎
城山三郎
村上元三
源氏鶏太
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選考委員
新田次郎男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
直木賞に新風 総行数43 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
10 「「ミミのこと」は終戦直後という霧を通して見た、人間の赤裸々な姿を謙虚な筆で描いた哀歓のこもる小説だった。味のある文体に強く牽かれた。」
阿刀田高
男44歳
26 「私は作品集「ナポレオン狂」の中で、「ナポレオン狂」「来訪者」「ゴルフ事始め」「縄」の四作を勝れた作品として取り上げた。特に「ゴルフ事始め」は諧謔と風刺に富んだ頭脳的文学だと感心した。」「阿刀田氏は頭の中で作り上げた人間像に適格な照明を与え、一言半句も無駄のない、よく計算された筋運びの中で、現代社会を風刺している。」
宗田理
男51歳
0  
滝口康彦
男55歳
0  
海老沢泰久
男29歳
0  
丸元淑生
男45歳
0  
帚木蓬生
男32歳
0  
中山千夏
女31歳
0  
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五木寛之
水上勉
今日出海
城山三郎
村上元三
源氏鶏太
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選考委員
城山三郎男51歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
精進を祈る 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
0  
阿刀田高
男44歳
17 「今回は、その先回候補作にくらべ、わたしには必ずしもすぐれているとは思えなかったのに、一転して、多くの選者の強い支持があった。」「宝石細工のような作品だけに、乱作多作を避けての御精進を祈りたい。」
宗田理
男51歳
4 「今日的な微妙な国際情勢をふまえた情報小説プラス冒険小説だが、やや劇画調なのが気になった。」
滝口康彦
男55歳
5 「最後にどんでん返しがあり、おもしろく読んだが、大膳が果してそれだけの大芝居を打てる男として描かれてきているかどうか。」
海老沢泰久
男29歳
0  
丸元淑生
男45歳
6 「ただれた生活をいやな重みに感じさせず、風景描写もいい。うまく仕上りすぎているという感じを抱かされたのはどうしてであろうか。」
帚木蓬生
男32歳
17 「極めて現代的な恐怖に目をすえ、国際的な舞台での人間の運命を追跡する知的で、しかも骨太な作品。それも、眼高手低とならず、構成も描写もみごと。」「わたしには、ほとんど非の打ちどころがないように見えたが、意外に賛同を得られなかった。」「この種の作品を評価することによって、日本の大衆文学の水準はさらに高まると思うのだが……。」
中山千夏
女31歳
5 「したたかな観察と、密度の濃い描写に感心。油絵展の中に、一枚の銅版画がまぎれこんだ感じ。ただ後味はよくない。」
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他の選考委員
五木寛之
水上勉
今日出海
新田次郎
村上元三
源氏鶏太
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選考委員
村上元三男69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
不足はないが 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
13 「素直だが、それだけに弱い。」「わたしの評価は、二人の作家の授賞に不足はないものの、作品は全面的に買ったわけではない。」
阿刀田高
男44歳
16 「好意は持てるが、ガラス細工のような脆さもおぼえる。小味で小器用な作風に終らないでほしい。」「わたしの評価は、二人の作家の授賞に不足はないものの、作品は全面的に買ったわけではない。」
宗田理
男51歳
4 「かえって「こしらえ物」の有りふれたストーリイに終って、あっというようなドンデン返しもない。」
滝口康彦
男55歳
6 「ようやくこの作家が自分で殻を破った、と思った。黒田長之や黒田大膳、倉八十太夫をよく書き分けているが、新しい解釈というのはない。」
海老沢泰久
男29歳
5 「まえがきに登場人物は架空だと断っているが、実在の人物を扱っている以上、読んでいて、かえって矛盾を感じた。」
丸元淑生
男45歳
6 「アメリカ映画に出てくるようなギャンブラーとコールガールを扱っていながら、かえって古風な後味が残った。ストーリイの組立てに、芯がない。」
帚木蓬生
男32歳
9 「わたしには面白かったし、もっと票が集るかと思っていたが、いまだに残念だと思う。亡き柴田錬三郎君のよく言っていた「こしらえ物の面白さ」が、ここにはあった。しかし、この作者のペンネームは、一考も再考もしてほしい。」
中山千夏
女31歳
4 「文学をやろうなどと力まないで、小生意気でいやな子役を、そのまま素直に書いてほしかった。」
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他の選考委員
五木寛之
水上勉
今日出海
新田次郎
城山三郎
源氏鶏太
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選考委員
源氏鶏太男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
感想 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中小実昌
男54歳
15 「読んでいてよくわからぬところがある。(引用者中略)それぞれについて二度読んだのだが、こんどはよくわかったし、悲しみを巧みに笑いにかえたいい作品なのだとわかった。」「私は、受賞が一作なら田中氏、二作の場合は、もう一人阿刀田氏と決めて選考委員会に出席した。」
阿刀田高
男44歳
14 「私は、受賞が一作なら田中氏、二作の場合は、もう一人阿刀田氏と決めて選考委員会に出席した。」「今回の作品集もそれぞれレベルに達しているし、中にはドキッとするような恐怖の落ちがついていたり、笑いがとまらなかったりした。」「直木賞に新しい分野を持ち込んだといえそうである。」
宗田理
男51歳
0  
滝口康彦
男55歳
5 「面白かった。面白過ぎるくらいであるが、新聞小説であったせいか、どっか風格に欠けていた。もっと整理した方がよかったようである。」
海老沢泰久
男29歳
7 「新しい題材をうまくとらえている。実在の広岡監督については、すでに一定の評価が決っているようで、それに寄りかかり過ぎているらしいところにある種の安易さを感じた。」
丸元淑生
男45歳
0  
帚木蓬生
男32歳
10 「私の感じからいうと直木賞向きでないが、かといって、芥川賞にも無理である。そのことは作品にとって損であったが、寧ろ誇るべきであるかもしれない。」
中山千夏
女31歳
6 「恐らくは自分の豊富な経験を書いた物であろうが、すこし書き過ぎてあった。省略にもっと考慮を払ってあったらという気が今もしている。」
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他の選考委員
五木寛之
水上勉
今日出海
新田次郎
城山三郎
村上元三
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受賞者・作品
田中小実昌男54歳×各選考委員 
「浪曲師朝日丸の話」等
短篇集(一部)2篇 140
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
20 「マスコミの表面で異色作家ふうの扱いを受けることが少くないようだが、本来おそろしく姿勢の正しいオーソドックスな小説を書く人だ。」「私は受賞作(引用者中略)にも感心したけれども、これらの作品と一緒に「香具師の旅」という本におさめられている「母娘流れ唄」という短篇がとても好きだった。」
水上勉
男60歳
38 「最も光っていた」「私はどちらも好きだったが、「ミミのこと」の方につよくひかれた。」「語り手の、さらりとして温かく、飄々として、鋭い独特の視線は、不思議な文芸世界を創りあげている。(引用者中略)一字一字が田中さんの心田からにじみ出てくる。そこに心を打たれた。」「直木賞が、しつこく田中さんをつかんで、今日に至ったことは文学史上の快挙である。」
今日出海
男75歳
17 「「香具師の旅」中の二篇を取り立てるより、氏の特異性や持ち味等は既に直木賞に当然値するもので、むしろ遅きに失した感さえある。」
新田次郎
男67歳
10 「「ミミのこと」は終戦直後という霧を通して見た、人間の赤裸々な姿を謙虚な筆で描いた哀歓のこもる小説だった。味のある文体に強く牽かれた。」
城山三郎
男51歳
0  
村上元三
男69歳
13 「素直だが、それだけに弱い。」「わたしの評価は、二人の作家の授賞に不足はないものの、作品は全面的に買ったわけではない。」
源氏鶏太
男67歳
15 「読んでいてよくわからぬところがある。(引用者中略)それぞれについて二度読んだのだが、こんどはよくわかったし、悲しみを巧みに笑いにかえたいい作品なのだとわかった。」「私は、受賞が一作なら田中氏、二作の場合は、もう一人阿刀田氏と決めて選考委員会に出席した。」
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他の候補作
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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受賞者・作品
阿刀田高男44歳×各選考委員 
『ナポレオン狂』
短篇集13篇 467
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
18 「受賞と決まった陰には、「つまり、これはエスプリの小説なんだよな」という、今日出海さんの短いひとことが大きかったと思う。」「文壇的感覚からすると異色作のように見られるのかもしれないが、今はこういった作品が主流といっていい時代なのではなかろうか。」「受賞に不足はない。」
水上勉
男60歳
16 「エスプリに富んだ技巧派の文芸といえる。なかには思いつきめいた材料をご自分だけでおもしろがっておられるようにも思える作品もあるが、人生の闇の断面がたくみに切りとらえられて、心を打つ作品に出あうと、やはり、これも阿刀田さんの力だと思い脱帽したのである。」「受賞に異存はない。」
今日出海
男75歳
27 「日本ではエスプリの特異性を楽しみ、喜ぶ風が意外に少なく、単に小手先の芸のように思われ勝ちだが、(引用者中略)都会的感覚の重要な要素としてエスプリはもっと大事にされていいので、阿刀田氏は新しい戦慄として推賞して然るべきであろう。」
新田次郎
男67歳
26 「私は作品集「ナポレオン狂」の中で、「ナポレオン狂」「来訪者」「ゴルフ事始め」「縄」の四作を勝れた作品として取り上げた。特に「ゴルフ事始め」は諧謔と風刺に富んだ頭脳的文学だと感心した。」「阿刀田氏は頭の中で作り上げた人間像に適格な照明を与え、一言半句も無駄のない、よく計算された筋運びの中で、現代社会を風刺している。」
城山三郎
男51歳
17 「今回は、その先回候補作にくらべ、わたしには必ずしもすぐれているとは思えなかったのに、一転して、多くの選者の強い支持があった。」「宝石細工のような作品だけに、乱作多作を避けての御精進を祈りたい。」
村上元三
男69歳
16 「好意は持てるが、ガラス細工のような脆さもおぼえる。小味で小器用な作風に終らないでほしい。」「わたしの評価は、二人の作家の授賞に不足はないものの、作品は全面的に買ったわけではない。」
源氏鶏太
男67歳
14 「私は、受賞が一作なら田中氏、二作の場合は、もう一人阿刀田氏と決めて選考委員会に出席した。」「今回の作品集もそれぞれレベルに達しているし、中にはドキッとするような恐怖の落ちがついていたり、笑いがとまらなかったりした。」「直木賞に新しい分野を持ち込んだといえそうである。」
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
宗田理男51歳×各選考委員 
『未知海域』
長篇 603
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
0  
水上勉
男60歳
0  
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
4 「今日的な微妙な国際情勢をふまえた情報小説プラス冒険小説だが、やや劇画調なのが気になった。」
村上元三
男69歳
4 「かえって「こしらえ物」の有りふれたストーリイに終って、あっというようなドンデン返しもない。」
源氏鶏太
男67歳
0  
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
滝口康彦男55歳×各選考委員 
『主家滅ぶべし』
長篇 537
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
0  
水上勉
男60歳
0  
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
5 「最後にどんでん返しがあり、おもしろく読んだが、大膳が果してそれだけの大芝居を打てる男として描かれてきているかどうか。」
村上元三
男69歳
6 「ようやくこの作家が自分で殻を破った、と思った。黒田長之や黒田大膳、倉八十太夫をよく書き分けているが、新しい解釈というのはない。」
源氏鶏太
男67歳
5 「面白かった。面白過ぎるくらいであるが、新聞小説であったせいか、どっか風格に欠けていた。もっと整理した方がよかったようである。」
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
海老沢泰久男29歳×各選考委員 
『監督』
長篇 572
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
0  
水上勉
男60歳
0  
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
0  
村上元三
男69歳
5 「まえがきに登場人物は架空だと断っているが、実在の人物を扱っている以上、読んでいて、かえって矛盾を感じた。」
源氏鶏太
男67歳
7 「新しい題材をうまくとらえている。実在の広岡監督については、すでに一定の評価が決っているようで、それに寄りかかり過ぎているらしいところにある種の安易さを感じた。」
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
丸元淑生男45歳×各選考委員 
「鳥はうたって残る」
中篇 152
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
0  
水上勉
男60歳
7 「文章の達者さ(引用者中略)が心にのこり、」「丸元さんには「秋月へ」に見せた真摯な純文芸への挑戦が期待されていい。」
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
6 「ただれた生活をいやな重みに感じさせず、風景描写もいい。うまく仕上りすぎているという感じを抱かされたのはどうしてであろうか。」
村上元三
男69歳
6 「アメリカ映画に出てくるようなギャンブラーとコールガールを扱っていながら、かえって古風な後味が残った。ストーリイの組立てに、芯がない。」
源氏鶏太
男67歳
0  
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
帚木蓬生男32歳×各選考委員 
『白い夏の墓標』
長篇 489
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
0  
水上勉
男60歳
0  
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
17 「極めて現代的な恐怖に目をすえ、国際的な舞台での人間の運命を追跡する知的で、しかも骨太な作品。それも、眼高手低とならず、構成も描写もみごと。」「わたしには、ほとんど非の打ちどころがないように見えたが、意外に賛同を得られなかった。」「この種の作品を評価することによって、日本の大衆文学の水準はさらに高まると思うのだが……。」
村上元三
男69歳
9 「わたしには面白かったし、もっと票が集るかと思っていたが、いまだに残念だと思う。亡き柴田錬三郎君のよく言っていた「こしらえ物の面白さ」が、ここにはあった。しかし、この作者のペンネームは、一考も再考もしてほしい。」
源氏鶏太
男67歳
10 「私の感じからいうと直木賞向きでないが、かといって、芥川賞にも無理である。そのことは作品にとって損であったが、寧ろ誇るべきであるかもしれない。」
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
中山千夏
「子役の時間」
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候補者・作品
中山千夏女31歳×各選考委員 
「子役の時間」
短篇 94
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男46歳
4 「支持する人が意外に少かったのは、残念だった。」
水上勉
男60歳
13 「したたかな眼と文体が心にのこり、私は出かける時は、田中さんと中山さんか、と思って会場に入ったのだった。」「文体の要所で光るこのひと独自の表現力である。前半のわずらわしさが少し削られていたら、文句のない好短篇となったろう。」
今日出海
男75歳
0  
新田次郎
男67歳
0  
城山三郎
男51歳
5 「したたかな観察と、密度の濃い描写に感心。油絵展の中に、一枚の銅版画がまぎれこんだ感じ。ただ後味はよくない。」
村上元三
男69歳
4 「文学をやろうなどと力まないで、小生意気でいやな子役を、そのまま素直に書いてほしかった。」
源氏鶏太
男67歳
6 「恐らくは自分の豊富な経験を書いた物であろうが、すこし書き過ぎてあった。省略にもっと考慮を払ってあったらという気が今もしている。」
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他の候補作
田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」等
阿刀田高
『ナポレオン狂』
宗田理
『未知海域』
滝口康彦
『主家滅ぶべし』
海老沢泰久
『監督』
丸元淑生
「鳥はうたって残る」
帚木蓬生
『白い夏の墓標』
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