山田稔（やまだみのる）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

第59回

Last Update●[H29]2017/12/15

	Yamada Minoru
	生没年月日【注】	昭和5年/1930年10月17日～
	経歴	福岡県門司市（現・北九州市）生まれ。京都大学文学部フランス文学科卒。フランス文学を専門とし、京都大学教養部教授を務める。
	受賞歴・候補歴	\|転載\| 『文學界』同人雑誌推薦作（昭和43年/1968年3月号）「幸福へのパスポート」 \|候補\| 第59回芥川賞（昭和43年/1968年上期）「幸福へのパスポート」 \|候補\| 第60回芥川賞（昭和43年/1968年下期）「犬のように」第32回芸術選奨文部大臣賞［文学部門］（昭和56年/1981年度）『コーマルタン界隈』 \|候補\| 第9回川端康成文学賞（昭和57年/1982年）「犬を連れた女」 \|候補\| 第23回川端康成文学賞（平成8年/1996年）「リサ伯母さん」第45回日本エッセイスト・クラブ賞（平成9年/1997年）『ああ、そうかね』第6回日仏翻訳文学賞（平成11年/1999年）「フラゴナールの婚約者」その他《翻訳》
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全8件同人雑誌評の記録▼全12件

第59回候補

媒体・作品情報

誌名	「ＶＩＫＩＮＧ」別表記表紙「VIKING CLUB 神戸・東京」併記
巻号	第204号/第21巻第11号
副題等	目次「―フランスメモ（最終回）―」　本文「―フランス・メモ（最終回）―」
印刷/発行年月日	発行昭和42年/1967年12月30日
発行者等	編集人北川荘平　発行人桑原昭　印刷人本伍郎（神戸刑務所）（明石市）
発行所	（桑原昭方）（芦屋市）
総ページ数	88	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	30字 ×25行 ×2段
本文ページ	2～21 （計20頁）	測定枚数	70枚

書誌

『文學界』昭和43年/1968年3月号再録

昭和44年/1969年1月・河出書房新社刊『幸福へのパスポート』所収

昭和56年/1981年1月・講談社／講談社文庫『幸福へのパスポート』所収

平成13年/2001年7月・編集工房ノア／ノアコレクション『幸福へのパスポート』所収

選評の概要

候補者　山田稔　37歳
選考委員		評価	行数	評言
三島由紀夫	43歳	―	0
石川達三	63歳	―	0
井上靖	61歳	△	4	「素直にけれんなく書かれていたと思った。作品としては破綻もあり、ひとりよがりのところもあるが、作品の底に見える作者の眼は澄んでいた。」
石川淳	69歳	―	0
川端康成	69歳	―	0
丹羽文雄	63歳	―	0
舟橋聖一	63歳	■	7	「書き出しがギクシャクして調わない。」「フランスの結婚紹介所へ申込み、それが詐欺であったという話題は、ユーモラスで面白い。むしろそこを中心に追及したらどうだったろうか。」
瀧井孝作	74歳	―	0
大岡昇平	59歳	△	4	「よいと思った。」「設定自身に面白味があるのだが、作者は主題を十分こなせなかったようである。劇人物の扱いが少し粗末である。」
永井龍男	64歳	△	2	「とにかく私は選に残した。」
中村光夫	57歳	■	5	「興味をもってよみましたが、材料に自信を持ちすぎているか、小説の型に頭をつっこみすぎているかで、」
選評出典：『芥川賞全集　第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和43年/1968年9月号）

第60回候補

媒体・作品情報

誌名	「文芸」
巻号	第7巻第9号別表記12月号
印刷/発行年月日	発行昭和43年/1968年12月1日
発行者等	編集者寺田博　発行者中島隆之　印刷者高橋武夫　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社河出書房新社（東京都）
総ページ数	264	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	40～59 （計20頁）	測定枚数	58枚

書誌

昭和44年/1969年1月・河出書房新社刊『幸福へのパスポート』所収

昭和56年/1981年1月・講談社／講談社文庫『幸福へのパスポート』所収

選評の概要

候補者　山田稔　38歳
選考委員		評価	行数	評言
石川淳	69歳	―	0
三島由紀夫	44歳	■	10	「押せばズブズブと指がはまる豆腐のような文章だが、犬がバスに乗って来て又下りてしまうエピソードは、巧みであり、記憶に残る。」「しかしこのけだるいような、淡い灰いろの孤独の清潔さは、やはり一種の知的抽象化で、日本と日本人のなかに包まれていたら忽ち浮いてしまうものが、たまたまフランスのおかげで活きたというものであろう。」
石川達三	63歳	―	0
瀧井孝作	74歳	―	0
中村光夫	57歳	―	0
井上靖	61歳	■	3	「素直で、汚れのない筆だが、小説としては物足らなかった。」
丹羽文雄	64歳	―	0
舟橋聖一	64歳	△	8	「授賞作に推すにはなんとしても力が足りない。が、前作「幸福へのパスポート」より進境が見られた。」
永井龍男	64歳	■	2	「悪びれた処がなく好意を持ったが、授賞作ではない。」
大岡昇平	59歳	―	0
川端康成	69歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号）