麻布競馬場（あざぶけいばじょう）-直木賞候補作家｜直木賞のすべて

直木賞のすべて

第171回

＝受賞者＝
一穂ミチ

＝候補者＝
青崎有吾
麻布競馬場
岩井圭也
柚木麻子

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Last Update●[R6]2024/9/26

	Azabukeibajo
	生没年月日【注】	平成3年/1991年～
	経歴	慶應義塾大学卒。会社員として勤めるかたわらTwitter等で小説を発表。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第171回直木賞（令和6年/2024年上期）『令和元年の人生ゲーム』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全2件

第171回候補

『令和元年(れいわがんねん)の人生(じんせい)ゲーム』（令和6年/2024年2月・文藝春秋刊）

媒体・作品情報

作品名別表記	奥付ルビ有り「れいわがんねん」「じんせい」
印刷/発行年月日	発行令和6年/2024年2月25日（第1刷）
発行者等	発行者花田朋子　印刷所大日本印刷　製本所大日本印刷
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）			形態	四六判　並製
装幀/装画等	装丁佐藤亜沙美　装画ＫＵＲＯ
総ページ数	207	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	45字 ×20行 ×1段
本文ページ	5～207 （計203頁）	測定枚数	400枚

書誌

初出『別冊文藝春秋』令和5年/2023年3月号・5月号・9月号・11月号

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　麻布競馬場　32歳
選考委員		評価	行数	評言
京極夏彦	61歳	□	24	「一人称で語られる地の文は語り手の内面を饒舌に描くが、そこで語られる心情と語り手の行動原理の間には少なからず齟齬がある。その齟齬にこそ本質があるように感じる。」「言語化できない領域を書かずに表現するというのは、普遍的な技法として捉えていいと思うのだが、どうだろう。」
角田光代	57歳	■	26	「あたらしいけれど、じつはさほどあたらしくないのかも、という点は、わざわざタイトルに「令和」と入れた作者のねらいでもあると思う。そうであってこそこの小説は、普遍的な作品になり得ると私は思うのだが、普遍的であるには強さに今ひとつ欠けるように私には思える。」
三浦しをん	47歳	○	50	「（引用者注：「地雷グリコ」と共に）丸をつけた。」「なぜ、（引用者注：本作で描かれる）かれらがいままで、あまり小説に書かれてこなかったのかと考えるに、一見「陽キャ」だからではないか。」「これまで小説からすらも存在を無視（軽視）され、搾取に薄々勘づきながらももがくしかないかれらを描いた本作は、現代のプロレタリア文学なのだと思う。」「読んでいて胸が苦しくなりつつ、やっぱり爆笑してしまうシーンも多々あり、安易にだれかを英雄にしたり救いをもたらしたりしない展開といい、バランスが非常にすぐれている。」
林真理子	70歳	◎	35	「強く推した。」「優れた小説がそうであるように、この作品は作者の意図を超え、そして作者が計画したことよりもさらに大きな世界をつくり上げたのではないか。」「一流私大に通う、意識の高い大学生たちのサークルから物語は始まる。」「やがて社会に出た彼らには「ソーシャルグッド」や「地域活性」などというものが開かれていくが、そうしたものに、相変わらず価値を見出そうとする彼らは、空疎で悲しい。」
宮部みゆき	63歳	■	10	「私はどうもトンチンカンな読み方しかできず、未だに消化できないところが残っています。ただ、この作品について選考会でかわされた議論はスリリングで、得るものが多々ありました。」
浅田次郎	72歳	●	14	「最も理解に苦しんだ作品」「小説の骨格たる「文体」を欠く。よって文学作品として読むことが難しい。それでも選者としては精読しなければならぬのだが、読後には言語的閉塞感と社会的閉塞感がともに残った。」
高村薫	71歳	△	30	「本作にあるのは趣向を凝らした物語ではなく、令和の東京に生きる二十代の男女の等身大の生態の精密な描写だけである。」「しかしそこに、ほかのどの候補作よりも鮮やかに同時代の空気が浮かび上がる。これぞ小説空間というものであり、氏は生来の小説家なのだろう。ただし本作には、未だ職業作家の自覚には至っていないゆえの筆の滑りや粗さが散見される」
桐野夏生	72歳	■	16	「確かに「意識高い系」と呼ばれる若い人たちの価値観や意識を、ポジティブにもネガティブにも活写している。」「だが、「Ｚ世代」という曖昧な塊の枠内に留まっていて、批評性が感じられないように思う。むしろ、世代論というものの危うさを感じた。」
選評出典：『オール讀物』令和6年/2024年9・10月合併号

文量

連作短篇集〔4篇〕

章立て

「第１話　平成28年」「第２話　平成31年」「第３話　令和4年」「第４話　令和5年」

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