第58回

第57回第59回

昭和42年/1967年下半期 昭和43年/1968年1月22日決定発表／『オール讀物』昭和43年/1968年4月号選評掲載

選考委員　 石坂洋次郎 67歳 源氏鶏太 55歳 海音寺潮五郎 66歳 川口松太郎 68歳 水上勉 48歳 松本清張 58歳 大佛次郎 70歳 柴田錬三郎 50歳 今日出海 64歳 中山義秀 67歳 村上元三 57歳 選評総行数　 40 76 83 37 41 46 45 49 45 34 73 評 評 評 評 評 評 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 野坂昭如　「アメリカひじき」等 136枚 37歳 評 □ 24 ◎ 11 ◎ 16 △ 19 ◎ 19 ◎ 16 ○ 24 ◎ 15 △ 16 ○ 7 ○ 10 三好徹　「聖少女」 136枚 37歳 評 □ 18 ○ 17 ◎ 19 ◎ 18 ○ 13 ○ 10 ○ 13 ◎ 7 △ 16 ○ 5 □ 9 筒井康隆　「ベトナム観光公社」 54枚 33歳 評 ― 0 ● 3 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ◎ 8 △ 8 ― 0 ― 0 ● 5 姫野梅子　「首謀者」 152枚 （不明） 評 ― 0 ■ 5 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ● 3 原田八束　「風塵」 127枚 46歳 評 ・ 4 □ 3 ○ 16 ― 0 △ 4 ― 0 ― 0 □ 9 ○ 14 △ 6 □ 11 豊田穣　「あるスパルタの敗北」 102枚 47歳 評 ― 0 ■ 6 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 8 ― 0 ― 0 ● 6 渡辺淳一　「訪れ」 130枚 34歳 評 ― 0 ■ 4 ■ 3 ― 0 ■ 7 ― 0 ― 0 ■ 7 ― 0 ○ 16 ■ 8 加藤葵　「残り火」 48枚 (40歳) 評 ○ 6 ■ 4 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 7 ― 0 ― 0 △ 5 早乙女貢　「叛臣伝」 135枚 42歳 評 ・ 4 ○ 15 △ 28 ― 0 △ 4 ● 10 ― 0 □ 9 ― 0 △ 6 ■ 10       欠席 書面回答               年齢/枚数の説明   見方・注意点

石坂洋次郎67歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題“手ごたえ”を感じさせる作家　総行数40　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 □ 24 「二作のうち、私は「火垂るの墓」がいいと思った。」「こう短くきれぎれに書かないで、この題材で長篇を書かれたら――と残念に思った。ともかく多才の人であり、底に手ごたえのあるものを感じさせる作家だ。」 三好徹 37歳 全 □ 18 「題名が象徴的でいいと思うし、内容も感覚的に新鮮だが、デッサンが少し弱いような気がした。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ・ 4 「原田八束氏の「風塵」（引用者中略）などが最終審査の対象になった。」 豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ― 0   加藤葵 (40歳) 全 ○ 6 「私自身は（引用者中略）一番好きだったが、直木賞――つまり大衆向きではないせいか支持者があんがい少かった。」 早乙女貢 42歳 全 ・ 4 「早乙女貢氏の「叛臣伝」などが最終審査の対象になった。」

他の選考委員 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

源氏鶏太55歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題二人に賛成　総行数76　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ◎ 11 「今回の二作については文句のつけようがなかった。」「私の感じからいうと今回の授賞は、はじめから野坂氏に決っていたような雰囲気であった。」 三好徹 37歳 全 ○ 17 「今がちょうど授賞の潮どきであり、」「一種の風格がそなわって来て、従来の推理小説から抜け出る意欲が見えているし、現代風俗を巧みにとらえている。」 筒井康隆 33歳 全 ● 3 「着想の妙に感心したが、それだけに終っているような気がした。」 姫野梅子 （不明） 全 ■ 5 「胸を打つが、やや冗長でなかったろうか。また、最後にＫ君を自動車事故にあわせているが、却って作品を軽くしているようだ。」 原田八束 46歳 全 □ 3 「面白かった。なかなか雄大な物語で、しめくくりもよく利いていた。」 豊田穣 47歳 全 ■ 6 「過度な感傷を排して描いてあるのもいい。が、この作品に限っていえば、もうすこしいい意味での面白さがほしかった。」 渡辺淳一 34歳 全 ■ 4 「うまかったのだが、どうして芥川賞でなく、直木賞候補になったのだろうかと思った。」 加藤葵 (40歳) 全 ■ 4 「うまかったのだが、どうして芥川賞でなく、直木賞候補になったのだろうかと思った。」 早乙女貢 42歳 全 ○ 15 「前々回の候補作より非常な進歩である。」「登場人物も生きているし、一種の推理小説めいた興味も感じられた。」「が、この作家の今後に希望したいことは、もっと読みやすく、ということでなかろうか。」

他の選考委員 石坂洋次郎 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

海音寺潮五郎66歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題描写に卑しさがない　総行数83　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ◎ 16 「大坂ことばの長所を利用しての冗舌は、縦横無尽のようでいながら、無駄なおしゃべりは少しもない。十分な計算がある。見事というほかはない。」「描写に少しもいやしさがなく、突飛な効果が笑いをさそう。感心した。」 三好徹 37歳 全 ◎ 19 「社会に生きて行く人間の約束を教えられなかった、無道徳な、一種な明るさと空しさを持つ少年と少女が生き生きと書かれている。驚嘆した。」「望蜀を言えば、伏線のおき方が少々弱い。」「しかし、十分に授賞に値する作である。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ○ 16 「物語を作る力は十分である。」「設定は、図式的ではあるが見事である。他の場合だったら受賞作に選ばれたろう。」 豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ■ 3 「よいものだが、直木賞のものではない。」 加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 △ 28 「十分におもしろくもあった。しかし、稲田騒動にはもっと根本がある。（引用者中略）少くとも、この小説は稲田家の歴史を知るものには食い足りない。」   「授賞を二人にする時は、いつも気おくれを感ずるのだが、こんどはそれがない。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

川口松太郎68歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題力量を信頼　総行数37　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 △ 19 「直木賞作家の本命とはいい難く、君の技量は逆手だ。文章のアヤの面白さに興味があって事件人物の描写説得は二の次になっている。」「野坂君が独特の文躰の上に、豊かな内容をもり込む作家になってくれたらそれこそ鬼に金棒だ。」 三好徹 37歳 全 ◎ 18 「基礎がしっかり固まっているくせに取材が不馴れで面白みが足りず、苦心して書く割合に読後の感銘が薄い。」「自分は三好君の力量を信頼して推したが、反対の委員もあった。（引用者中略）受賞後は委員諸氏を首肯せしむるに足る作品を書いてくれることを望む。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ― 0   豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ― 0   加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 ― 0

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

水上勉48歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題野坂氏に感服　総行数41　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ◎ 19 「出来がよく、野坂氏の怨念も夢もふんだんに詰めこまれて、しかも好短篇の結構を踏み、完全である。感動させられた。」 三好徹 37歳 全 ○ 13 「とくに氏の推理的手法が生きて、今日の新しい若者の内部を追跡している。二人の受賞はいずれも強力作家なので、大した反対もなかった。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 △ 4 「私には、もう一作見せてほしい気持がした。」 豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ■ 7 「医者らしい冷徹な眼がよく人間を瞶め、文章もたくみでわかりやすい。だが直木賞にはどうか。この意見に私もうなずいた。芥川賞の方だろう。」 加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 △ 4 「私には、もう一作見せてほしい気持がした。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

松本清張58歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題清新な筆致　総行数46　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ◎ 16 「前回からの推薦者としては同慶に堪えない。私の好みとしては「アメリカひじき」よりも「火垂るの墓」をとりたい。だが、野坂氏独特の粘こい、しかも無駄のない饒舌体の文章は現在を捉えるときに最も特徴を発揮するように思う。」 三好徹 37歳 全 ○ 10 「今回の「聖少女」が推理小説でなかったことは私としてはいささか残念だが、しかし、氏はこれによって異なった分野にも才能のあることを示した。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ― 0   豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ― 0   加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 ● 10 「もう少し変った視点がほしかった。」「文体は硬筆のようだが、所々に通俗的な表現が目立ち、雑多な感じをうける。」   「従来の二人受賞というのは、弱い作品を抱き合せて一本にしたという感のものがないでもなかったが、今度のは両方とも強かったので一方を捨てがたくなったのである。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

大佛次郎70歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題読んだ後に　総行数45　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ○ 24 「この装飾の多い文体で、裸の現実を襞深くつつんで、むごたらしさや、いやらしいものから決して目を背向けていない。」「作りごとでない力が、底に横たわって手強い。この作家の将来が楽しみである。」 三好徹 37歳 全 ○ 13 「不道徳なことも、こう純粋に透明に書くと美しく見えるのだ。」「やはり私には書けないものだと気づき、新鮮な風に吹かれる思いであった。」 筒井康隆 33歳 全 ◎ 8 「面白いと思い推したが、味方してくれる者がなかった。これも垢のつかない透明な気品を持った小篇で成功している。」 姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ― 0   豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ― 0   加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 ― 0	他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀 村上元三

柴田錬三郎50歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題鮮やかな手腕　総行数49　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ◎ 15 「さまざまの話題をマスコミにまきちらし乍ら、とにもかくにも、文壇へふみ込んで来たその雑草的な強さは、敬服にあたいする。私は、「火垂るの墓」に感動した。」 三好徹 37歳 全 ◎ 7 「現代を描いて、これほど鮮やかである手腕のなみなみならぬ冴えは、選者たちを感服させた。」「この作者の新しい方向を示すものとして、記念すべき作品である、といえる。」 筒井康隆 33歳 全 △ 8 「私には、面白かった。ただＳＦ小説の欠点は、諷刺になりそこねて、安っぽい笑いを呼んでしまうところにある。」「才能のある作家であることは、充分みとめられる。」 姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 □ 9 「直木賞を受けても、すこしもはずかしからぬ作品だと、思う。」「格調高い構成（引用者中略）は、高く評価されてよい。」 豊田穣 47歳 全 ■ 8 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 渡辺淳一 34歳 全 ■ 7 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 加藤葵 (40歳) 全 ■ 7 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 早乙女貢 42歳 全 □ 9 「直木賞を受けても、すこしもはずかしからぬ作品だと、思う。」「きめこまかな配慮ぶりは、高く評価されてよい。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 今日出海 中山義秀 村上元三

今日出海64歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題次作を期待する　総行数45　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 △ 16 「何も野坂、三好両氏の名前に授賞したのではなく、やはり作品の出来栄えを主体に銓考したのだから、新人は新人らしい精進を期待するのみである。」 三好徹 37歳 全 △ 16 「何も野坂、三好両氏の名前に授賞したのではなく、やはり作品の出来栄えを主体に銓考したのだから、新人は新人らしい精進を期待するのみである。」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 ○ 14 「「風塵」に興味を持った。」「原田氏は宦官の宿命的ともいえる性格をよく描いている。が、それだけにやや観念的にその性格をつくった嫌いもないではない。次作を期待する作家である。」 豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ― 0   加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 ― 0     「入選しない作品の中でも、捨て難い思いをいまだに残しているものもある。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 中山義秀 村上元三

中山義秀67歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題片言　総行数34　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ○ 7 「文芸作品はつねに時代を、最も敏感に反映する、とされているとおり、（引用者中略）異色ある文体に、シニカルな老練さを味わった。」 三好徹 37歳 全 ○ 5 「文芸作品はつねに時代を、最も敏感に反映する、とされているとおり、（引用者中略）時勢の流行を感じ、」 筒井康隆 33歳 全 ― 0   姫野梅子 （不明） 全 ― 0   原田八束 46歳 全 △ 6 「苦心の努力作のよう受けとられた。効果がそれに比例しなかったよう思われたのは、構成や表現手法に遺憾とされるところでも存するのであろうか。」 豊田穣 47歳 全 ― 0   渡辺淳一 34歳 全 ○ 16 「死と愛との格闘は、かなり見事に描きだされているようである。」「老校長の死とその妻との関係に、何かただならぬ、真剣さをおぼえたのは、この一篇だけであった。」 加藤葵 (40歳) 全 ― 0   早乙女貢 42歳 全 △ 6 「苦心の努力作のよう受けとられた。効果がそれに比例しなかったよう思われたのは、構成や表現手法に遺憾とされるところでも存するのであろうか。」   「此度の選考は、まことに適切だったようである。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 村上元三

村上元三57歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題読みやすい文章を　総行数73　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 野坂昭如 37歳 全 ○ 10 「「火垂るの墓」よりも、「アメリカひじき」のほうがわたしには面白かった。はじめは取っつきにくく、気障なとまで思った文章も、こうなると芸のうちであろう。」 三好徹 37歳 全 □ 9 「推理作家の中ですぐれて文章がたしかだし、的確に書く対象をつかんでいる一人だろう。わたしの願いだが、三好氏がこれからこういう傾向の作品に手を染めて行くのも結構だが、推理小説を捨てるようなことはしないでほしい。」 筒井康隆 33歳 全 ● 5 「わたしは買わない。日本のＳＦの中には、フィクションがあって、サイエンスのない作品が多い、と思う。」 姫野梅子 （不明） 全 ● 3 「珍しい材料でもないし持って廻った文章がどうにも気になった。」 原田八束 46歳 全 □ 11 「面白かったし、素直に読めたが、次作を期待したい。」「この作品のように、読みやすい作品に出会うと、ほっとする。」 豊田穣 47歳 全 ● 6 「自分の体験の部分だけがいきいきしているように読めるのは、わたしだけだろうか。この一作だけで言えば、無駄が多い。」 渡辺淳一 34歳 全 ■ 8 「引きずられて読んだが、読後感はいいものではない。医者でなくては書けない作品、というのが、かえってこの作者の将来を窮屈にしそうな気がする。」 加藤葵 (40歳) 全 △ 5 「うまい小品だが、この人も次作を期待したい。最後は、こういう事件で片づけずに、もっと押し切ったほうがいいと思う。」 早乙女貢 42歳 全 ■ 10 「こういう題名をつけるところに、従来の時代小説から抜け切れないこの作者の固さと弱さがあるように思える。構成も、どんでん返しなどを使わず、真正面から書き切ったほうがいい。」

他の選考委員 石坂洋次郎 源氏鶏太 海音寺潮五郎 川口松太郎 水上勉 松本清張 大佛次郎 柴田錬三郎 今日出海 中山義秀

野坂昭如37歳×各選考委員　 「アメリカひじき」等 短篇2篇 136枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 □ 24 「二作のうち、私は「火垂るの墓」がいいと思った。」「こう短くきれぎれに書かないで、この題材で長篇を書かれたら――と残念に思った。ともかく多才の人であり、底に手ごたえのあるものを感じさせる作家だ。」 源氏鶏太 55歳 全 ◎ 11 「今回の二作については文句のつけようがなかった。」「私の感じからいうと今回の授賞は、はじめから野坂氏に決っていたような雰囲気であった。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ◎ 16 「大坂ことばの長所を利用しての冗舌は、縦横無尽のようでいながら、無駄なおしゃべりは少しもない。十分な計算がある。見事というほかはない。」「描写に少しもいやしさがなく、突飛な効果が笑いをさそう。感心した。」 川口松太郎 68歳 全 △ 19 「直木賞作家の本命とはいい難く、君の技量は逆手だ。文章のアヤの面白さに興味があって事件人物の描写説得は二の次になっている。」「野坂君が独特の文躰の上に、豊かな内容をもり込む作家になってくれたらそれこそ鬼に金棒だ。」 水上勉 48歳 全 ◎ 19 「出来がよく、野坂氏の怨念も夢もふんだんに詰めこまれて、しかも好短篇の結構を踏み、完全である。感動させられた。」 松本清張 58歳 全 ◎ 16 「前回からの推薦者としては同慶に堪えない。私の好みとしては「アメリカひじき」よりも「火垂るの墓」をとりたい。だが、野坂氏独特の粘こい、しかも無駄のない饒舌体の文章は現在を捉えるときに最も特徴を発揮するように思う。」 大佛次郎 70歳 全 ○ 24 「この装飾の多い文体で、裸の現実を襞深くつつんで、むごたらしさや、いやらしいものから決して目を背向けていない。」「作りごとでない力が、底に横たわって手強い。この作家の将来が楽しみである。」 柴田錬三郎 50歳 全 ◎ 15 「さまざまの話題をマスコミにまきちらし乍ら、とにもかくにも、文壇へふみ込んで来たその雑草的な強さは、敬服にあたいする。私は、「火垂るの墓」に感動した。」 今日出海 64歳 全 △ 16 「何も野坂、三好両氏の名前に授賞したのではなく、やはり作品の出来栄えを主体に銓考したのだから、新人は新人らしい精進を期待するのみである。」 中山義秀 67歳 全 ○ 7 「文芸作品はつねに時代を、最も敏感に反映する、とされているとおり、（引用者中略）異色ある文体に、シニカルな老練さを味わった。」 村上元三 57歳 全 ○ 10 「「火垂るの墓」よりも、「アメリカひじき」のほうがわたしには面白かった。はじめは取っつきにくく、気障なとまで思った文章も、こうなると芸のうちであろう。」

他の候補作 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

三好徹37歳×各選考委員　 「聖少女」 短篇 136枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 □ 18 「題名が象徴的でいいと思うし、内容も感覚的に新鮮だが、デッサンが少し弱いような気がした。」 源氏鶏太 55歳 全 ○ 17 「今がちょうど授賞の潮どきであり、」「一種の風格がそなわって来て、従来の推理小説から抜け出る意欲が見えているし、現代風俗を巧みにとらえている。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ◎ 19 「社会に生きて行く人間の約束を教えられなかった、無道徳な、一種な明るさと空しさを持つ少年と少女が生き生きと書かれている。驚嘆した。」「望蜀を言えば、伏線のおき方が少々弱い。」「しかし、十分に授賞に値する作である。」 川口松太郎 68歳 全 ◎ 18 「基礎がしっかり固まっているくせに取材が不馴れで面白みが足りず、苦心して書く割合に読後の感銘が薄い。」「自分は三好君の力量を信頼して推したが、反対の委員もあった。（引用者中略）受賞後は委員諸氏を首肯せしむるに足る作品を書いてくれることを望む。」 水上勉 48歳 全 ○ 13 「とくに氏の推理的手法が生きて、今日の新しい若者の内部を追跡している。二人の受賞はいずれも強力作家なので、大した反対もなかった。」 松本清張 58歳 全 ○ 10 「今回の「聖少女」が推理小説でなかったことは私としてはいささか残念だが、しかし、氏はこれによって異なった分野にも才能のあることを示した。」 大佛次郎 70歳 全 ○ 13 「不道徳なことも、こう純粋に透明に書くと美しく見えるのだ。」「やはり私には書けないものだと気づき、新鮮な風に吹かれる思いであった。」 柴田錬三郎 50歳 全 ◎ 7 「現代を描いて、これほど鮮やかである手腕のなみなみならぬ冴えは、選者たちを感服させた。」「この作者の新しい方向を示すものとして、記念すべき作品である、といえる。」 今日出海 64歳 全 △ 16 「何も野坂、三好両氏の名前に授賞したのではなく、やはり作品の出来栄えを主体に銓考したのだから、新人は新人らしい精進を期待するのみである。」 中山義秀 67歳 全 ○ 5 「文芸作品はつねに時代を、最も敏感に反映する、とされているとおり、（引用者中略）時勢の流行を感じ、」 村上元三 57歳 全 □ 9 「推理作家の中ですぐれて文章がたしかだし、的確に書く対象をつかんでいる一人だろう。わたしの願いだが、三好氏がこれからこういう傾向の作品に手を染めて行くのも結構だが、推理小説を捨てるようなことはしないでほしい。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

筒井康隆33歳×各選考委員　 「ベトナム観光公社」 短篇 54枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ― 0   源氏鶏太 55歳 全 ● 3 「着想の妙に感心したが、それだけに終っているような気がした。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ― 0   川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 ― 0   松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ◎ 8 「面白いと思い推したが、味方してくれる者がなかった。これも垢のつかない透明な気品を持った小篇で成功している。」 柴田錬三郎 50歳 全 △ 8 「私には、面白かった。ただＳＦ小説の欠点は、諷刺になりそこねて、安っぽい笑いを呼んでしまうところにある。」「才能のある作家であることは、充分みとめられる。」 今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 ― 0   村上元三 57歳 全 ● 5 「わたしは買わない。日本のＳＦの中には、フィクションがあって、サイエンスのない作品が多い、と思う。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

姫野梅子（不明）×各選考委員　 「首謀者」 中篇 152枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ― 0   源氏鶏太 55歳 全 ■ 5 「胸を打つが、やや冗長でなかったろうか。また、最後にＫ君を自動車事故にあわせているが、却って作品を軽くしているようだ。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ― 0   川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 ― 0   松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 ― 0   今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 ― 0   村上元三 57歳 全 ● 3 「珍しい材料でもないし持って廻った文章がどうにも気になった。」	他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

原田八束46歳×各選考委員　 「風塵」 短篇 127枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ・ 4 「原田八束氏の「風塵」（引用者中略）などが最終審査の対象になった。」 源氏鶏太 55歳 全 □ 3 「面白かった。なかなか雄大な物語で、しめくくりもよく利いていた。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ○ 16 「物語を作る力は十分である。」「設定は、図式的ではあるが見事である。他の場合だったら受賞作に選ばれたろう。」 川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 △ 4 「私には、もう一作見せてほしい気持がした。」 松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 □ 9 「直木賞を受けても、すこしもはずかしからぬ作品だと、思う。」「格調高い構成（引用者中略）は、高く評価されてよい。」 今日出海 64歳 全 ○ 14 「「風塵」に興味を持った。」「原田氏は宦官の宿命的ともいえる性格をよく描いている。が、それだけにやや観念的にその性格をつくった嫌いもないではない。次作を期待する作家である。」 中山義秀 67歳 全 △ 6 「苦心の努力作のよう受けとられた。効果がそれに比例しなかったよう思われたのは、構成や表現手法に遺憾とされるところでも存するのであろうか。」 村上元三 57歳 全 □ 11 「面白かったし、素直に読めたが、次作を期待したい。」「この作品のように、読みやすい作品に出会うと、ほっとする。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

豊田穣47歳×各選考委員　 「あるスパルタの敗北」 短篇 102枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ― 0   源氏鶏太 55歳 全 ■ 6 「過度な感傷を排して描いてあるのもいい。が、この作品に限っていえば、もうすこしいい意味での面白さがほしかった。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ― 0   川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 ― 0   松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 ■ 8 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 ― 0   村上元三 57歳 全 ● 6 「自分の体験の部分だけがいきいきしているように読めるのは、わたしだけだろうか。この一作だけで言えば、無駄が多い。」	他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

渡辺淳一34歳×各選考委員　 「訪れ」 短篇 130枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ― 0   源氏鶏太 55歳 全 ■ 4 「うまかったのだが、どうして芥川賞でなく、直木賞候補になったのだろうかと思った。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ■ 3 「よいものだが、直木賞のものではない。」 川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 ■ 7 「医者らしい冷徹な眼がよく人間を瞶め、文章もたくみでわかりやすい。だが直木賞にはどうか。この意見に私もうなずいた。芥川賞の方だろう。」 松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 ■ 7 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 ○ 16 「死と愛との格闘は、かなり見事に描きだされているようである。」「老校長の死とその妻との関係に、何かただならぬ、真剣さをおぼえたのは、この一篇だけであった。」 村上元三 57歳 全 ■ 8 「引きずられて読んだが、読後感はいいものではない。医者でなくては書けない作品、というのが、かえってこの作者の将来を窮屈にしそうな気がする。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 加藤葵 「残り火」 早乙女貢 「叛臣伝」

加藤葵(40歳)×各選考委員　 「残り火」 短篇 48枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ○ 6 「私自身は（引用者中略）一番好きだったが、直木賞――つまり大衆向きではないせいか支持者があんがい少かった。」 源氏鶏太 55歳 全 ■ 4 「うまかったのだが、どうして芥川賞でなく、直木賞候補になったのだろうかと思った。」 海音寺潮五郎 66歳 全 ― 0   川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 ― 0   松本清張 58歳 全 ― 0   大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 ■ 7 「水準を抜いている。ただ、直木賞ともなると、水準を抜いた出来ばえの上に、もうひとつ、作者の意気込みを示している必要があろうか、と思う。」 今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 ― 0   村上元三 57歳 全 △ 5 「うまい小品だが、この人も次作を期待したい。最後は、こういう事件で片づけずに、もっと押し切ったほうがいいと思う。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 早乙女貢 「叛臣伝」

早乙女貢42歳×各選考委員　 「叛臣伝」 短篇 135枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 石坂洋次郎 67歳 全 ・ 4 「早乙女貢氏の「叛臣伝」などが最終審査の対象になった。」 源氏鶏太 55歳 全 ○ 15 「前々回の候補作より非常な進歩である。」「登場人物も生きているし、一種の推理小説めいた興味も感じられた。」「が、この作家の今後に希望したいことは、もっと読みやすく、ということでなかろうか。」 海音寺潮五郎 66歳 全 △ 28 「十分におもしろくもあった。しかし、稲田騒動にはもっと根本がある。（引用者中略）少くとも、この小説は稲田家の歴史を知るものには食い足りない。」 川口松太郎 68歳 全 ― 0   水上勉 48歳 全 △ 4 「私には、もう一作見せてほしい気持がした。」 松本清張 58歳 全 ● 10 「もう少し変った視点がほしかった。」「文体は硬筆のようだが、所々に通俗的な表現が目立ち、雑多な感じをうける。」 大佛次郎 70歳 全 ― 0   柴田錬三郎 50歳 全 □ 9 「直木賞を受けても、すこしもはずかしからぬ作品だと、思う。」「きめこまかな配慮ぶりは、高く評価されてよい。」 今日出海 64歳 全 ― 0   中山義秀 67歳 全 △ 6 「苦心の努力作のよう受けとられた。効果がそれに比例しなかったよう思われたのは、構成や表現手法に遺憾とされるところでも存するのであろうか。」 村上元三 57歳 全 ■ 10 「こういう題名をつけるところに、従来の時代小説から抜け切れないこの作者の固さと弱さがあるように思える。構成も、どんでん返しなどを使わず、真正面から書き切ったほうがいい。」

他の候補作 野坂昭如 「アメリカひじき」等 三好徹 「聖少女」 筒井康隆 「ベトナム観光公社」 姫野梅子 「首謀者」 原田八束 「風塵」 豊田穣 「あるスパルタの敗北」 渡辺淳一 「訪れ」 加藤葵 「残り火」