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第133回
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平成17年/2005年上半期
(平成17年/2005年7月14日決定発表/『オール讀物』平成17年/2005年9月号選評掲載)
選考委員  平岩弓枝
女73歳
阿刀田高
男70歳
五木寛之
男72歳
林真理子
女51歳
宮城谷昌光
男60歳
渡辺淳一
男71歳
津本陽
男76歳
北方謙三
男57歳
井上ひさし
男70歳
選評総行数  90 101 111 87 101 51 75 92 158
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
朱川湊人 『花まんま』
456
男42歳
13 35 14 17 50 12 10 15 38
絲山秋子 『逃亡くそたわけ』
245
女38歳
13 26 21 12 4 17 15 10 25
恩田陸 『ユージニア』
693
女40歳
9 5 10 10 3 0 7 7 15
古川日出男 『ベルカ、吠えないのか?』
616
男39歳
12 5 26 13 3 0 13 14 22
三浦しをん 『むかしのはなし』
380
女28歳
15 10 13 6 3 0 7 10 24
三崎亜記 『となり町戦争』
338
男34歳
3 9 13 15 3 0 19 6 22
森絵都 『いつかパラソルの下で』
384
女37歳
7 11 9 10 3 10 4 6 25
                 
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成17年/2005年9月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
平岩弓枝女73歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「花まんま」を推す 総行数90 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
13 「受賞作となったのは、やはりこの作品が他の候補作より二足も三足も前を走っていたことによろう。」「私が感動したのは「トカビの夜」と「摩訶不思議」、前者にはしみじみとした哀感があり、後者は巧みなユーモアが秀逸である。」
絲山秋子
女38歳
13 「会話の妙に感動した。」「病気を持った男女二人の心の通い合いを九州の自然の中にばらまきながらつむいで行った作者の腕は見事という他はなかった。次の機会には必ず直木賞を受ける作家と思っている。」
恩田陸
女40歳
9 「はなばなしく、入り組んで、これでもかと書いたあげく、このラストでは、読者は拍子抜けするのではないか。」
古川日出男
男39歳
12 「構成力に問題があり過ぎた。」「思わせぶりの書き出しも生きていないし、犬と人間を扱ってこのラストはあまりにもお寒くないであろうか。」
三浦しをん
女28歳
15 「無理に昔話にこだわらなくともホストクラブのホストを主人公にした「ラブレス」は好短篇として読める。」「地球に隕石が衝突する話をテーマにした短篇が続くのは種切れの感がしてマイナスになったと思う。」
三崎亜記
男34歳
3 「着想は面白いし、且つ怖しいが、着想を生かし切れなかった。」
森絵都
女37歳
7 「登場人物はよく描けていて好感が持てる。佐渡の旅の部分が全体の構成の中に程よく融け込んでいないような印象を受けた。」
  「今回の候補作品を読み終えて感じたのは、どの作品もこぢんまりとして行儀よくまとまってみえるということであった。」「なかったのは覇気とでもいったらよいのか。」
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他の選考委員
阿刀田高
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
阿刀田高男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
幽霊の動機を求めて 総行数101 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
35 「どれも怖い話ではない。」「霊柩車の話はばからしく、おかしい。しかし、ここにも人生の反映がある。送りん婆は幽霊談ではないが、現代と、あやかしの世界とが、しなやかに混りあって楽しく読めた。大阪という土地柄をうまく捕らえているところもみごとだった。」
絲山秋子
女38歳
26 「強い愛着を覚えた。サラリと書いているが企みは深い。」「貫くユーモアが上質だ。人間の造形も確かである。「精神を病んでいる者のビヘイビアではない」と他の委員から評されそれを認めざるをえなかった。」
恩田陸
女40歳
5 「イマジネーションに独りよがりの弊があったのではなかろうか。」
古川日出男
男39歳
5 「ユニークな着想で書かれた野心作。部分的には凄い表現があった。風呂敷を少し広げ過ぎたのではあるまいか。」
三浦しをん
女28歳
10 「古いものがたりも、現代のエピソードも、近未来の出来事も、みんないつかは“むかしのはなし”になってしまう、という意図で創られているのだろうが、その意図がうまく小説化されていないように思った。」
三崎亜記
男34歳
9 「ユニークな味わいを含んで、味わい深い。しかし、どことなくキャリアの不足、地力の不足を感じないでもない。次の機会を待つのが適切と思われた。」
森絵都
女37歳
11 「レベルを越えているが、よくあるタイプの家庭小説の域に留まっている。もっと卓越したファンタジーを、巧みな寓意性を望むのは私の勝手なのだろうか。」
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他の選考委員
平岩弓枝
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
五木寛之男72歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
『となり町戦争』の不幸と栄光 総行数111 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
14 「(引用者注:授賞に)異論はない。」「私個人としては、(引用者中略)「トカビの夜」という冒頭の一作にことに惹かれるものがあった。」
絲山秋子
女38歳
21 「この作家の方言に対する感性は卓抜なものがある。」「軽い意味でではなく、じつにセンスのある作家である。」
恩田陸
女40歳
10 「それなりの作品だが、『夜のピクニック』と比較すると、やはり弱い。しかし、私は今回はこの作家が受賞するのではないかと思いながら選考会にのぞんだ。小説家としての安定した実力という観点からは、この人だろう。」
古川日出男
男39歳
26 「一読、忘れがたい後味を残す長篇で、最初のうち辟易しながら読みすすんでいくうち、やがてその奇矯な文体に不思議な魅力をおぼえさせられるところがあった。」「軍用犬という思いがけない視点を、ここまで小説のかたちに造型してみせる想像力は、ただものではない。気になるのは物語の枠組みとなる現代史のトピックスが、いささか年表の羅列のような常識的な表層にとどまっていたことだろうか。」
三浦しをん
女28歳
13 「今回の候補作品のなかで、私がもっとも楽しんで読んだ佳作である。」「湿り気のないヒューマンな人物描写に新鮮味がある。失敗は、なにやら民俗学的前説を各章にくっつけたことだろう。」
三崎亜記
男34歳
13 「私はこの作品をつよく推したが、「次作を待ちたい」という意見にしたがわざるをえなかった。これが傑作であるという考えは変らない。しかし、この書き手にはたしてこれを超える次作があるのだろうか。」
森絵都
女37歳
9 「異色作ぞろいの候補作のなかで、どことなく影が薄く感じられたのは、抑制のきいた品の良い文体のせいかも知れない。」
  「今回はこれまでになく個性のつよい作品が候補として登場してきた。直木賞にも、どことなく新しい風が吹きはじめた予感がある。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
林真理子女51歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
大きなハードルを越す力 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
17 「やや無難にまとまり過ぎているきらいもあるが、人の心の機微をこれだけ細やかに掬い上げる手腕はたいしたものである。」「新人の幼なさが目立つ作品の中で、大人の貫禄を見せ堂々の受賞となった。」
絲山秋子
女38歳
12 「作者の才能は認めるものの、小説のダイナミズムを感じることが出来なかった。今どき、純文学が、エンターテイメントがと言うつもりはないが、こういう作品がどうして直木賞候補にラインアップされたのかわからない。違う場所で評価を受ける作品であると思う。」
恩田陸
女40歳
10 「著者の才能がうまく発揮出来なかった作品である。」「主人公の心の暗黒が描けていないことには、この小説は成立しないのではなかろうか。」
古川日出男
男39歳
13 「犬を通じて現代史を描こうという意気込みに圧倒されたし、これを書き下ろしで仕上げたという粘り強さも素晴らしい。ただしあまりにも読みづらく、読者にかなりの努力を強いる。」「練れていない、未完成という印象を持った。」
三浦しをん
女28歳
6 「日常と非日常とがうまく接着出来ていない。地球の滅亡、などということをせずふつうの青春小説でもよかったのではないか。」
三崎亜記
男34歳
15 「大まじめで、ありもしないことが起こるありさまを抑えた筆で描く才気は買うが、授賞ということになるとためらってしまう。」「「作者の才能」ということで作品を判断すれば文句なしで頷くことが出来るのであるが、それは新人賞レベルのこととなり、直木賞という大きなハードルを越す力はまだ不足なのである。」
森絵都
女37歳
10 「「作者の才能」ということで作品を判断すれば文句なしで頷くことが出来るのであるが、それは新人賞レベルのこととなり、直木賞という大きなハードルを越す力はまだ不足なのである。」
  「今年の直木賞はどれも小粒で、どこかの雑誌の新人賞候補を読んでいるような気がした。」「最近の若い人というのは、こうして内へ内へと自分の世界をつくり、小さくまとまった作品を書くのであろうか。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
宮城谷昌光男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
人称の問題 総行数101 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
50 「朱川氏の作品は品が良い。」「前回の候補作品は良家の子女がなにもせずに行儀よく椅子に腰をおろしているような文体であったので、私には不満であったが、今回は挙止が明確になった。愕くべきことに、朱川氏の作品には、そこはかとないユーモアがある。」
絲山秋子
女38歳
4  
恩田陸
女40歳
3  
古川日出男
男39歳
3  
三浦しをん
女28歳
3  
三崎亜記
男34歳
3  
森絵都
女37歳
3  
  「『ベルカ、吠えないのか?』をのぞいて、六作品はすべて一人称を主語としている。」「プロの作家が書く小説では、一人称を主語とすることは、その構造のなかに社会を展開することを拒否する奇形といってよく、作者の恣意を抑制する力があらかじめ排除された世界を提示することになる。」「今回、自分勝手としかおもわれない作品があったので、この傾向が熄むまで、一人称を主語とする候補作品に寛容をしめすことをひかえたい。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
林真理子
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
渡辺淳一男71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
思いつきに終わる 総行数51 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
12 「(引用者注:候補作のなかで)人間にもっとも迫っていた。」「「トカビの夜」が実感的な背景もあってか、もっとも自然で読ませる。他の作品はそれぞれに現代の妖しさ、不思議さに迫ろうとする意欲はかうが、いささかつくりすぎて、作意が見えすぎるところが残念であった。」
絲山秋子
女38歳
17 「題名が騒々しいわりに内容が薄い。」「肝腎の精神病者が普通の健常者にしか見えないし、健常なのに精神病者にされたのだとしたら、その背景をしっかり描くべきである。」「初めの「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」とラストの「くそたわけっ」が、なんらつながらず、空疎な叫びに終わっている。」
恩田陸
女40歳
0  
古川日出男
男39歳
0  
三浦しをん
女28歳
0  
三崎亜記
男34歳
0  
森絵都
女37歳
10 「父親の死後、三人の子供たちが、父との血のつながりを求めていく気持ちが素直に書けていて、最後、バラバラだった三人の気持ちが通じ合うところも自然で、好感が持てた。だが、いかにも小粒で、これだけでは弱すぎる。」
  「候補作は総じて小粒で、ことさらにひねくり廻した、一人よがりの小説が多くて失望した。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
津本陽
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
津本陽男76歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
色彩 総行数75 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
10 「作者の文中には濃厚な色彩がある。」「それはつくろうとしてつくれない、作者の感覚である。いままで感じたことのないふしぎな印象を受けた。」
絲山秋子
女38歳
15 「読ませる腕力がつよかった。」「おもしろい話にも結末が必要である。」「結末の盛りあがりがありそうで引っ張られたが、なかった。」
恩田陸
女40歳
7 「湿潤な霧のなかを、ひたすら歩きつづけたような感じがした。こういう雰囲気を好む読者は、いるだろうが、話の焦点が定まらないので、あまり好ましくない。」
古川日出男
男39歳
13 「秀抜な発想である。」「何代かの子孫に及ぶ犬たちの歴史を書きすすめてゆくうえで、物語は壮大な発展を示すが、もうちょっと現実感の重みをつけたほうがよくなるのではないかと思えた。」
三浦しをん
女28歳
7 「どれもまとまった作品であるが、印象が薄いというか、弱い感じがする。才筆の持主だから、もっと工夫をすればいいと思うのだが。」
三崎亜記
男34歳
19 「変った作品であった。」「戦争のこわさは、現実におこらないかぎり希薄なものであるという意味で、現代への警鐘となるか。」「他の国では、戦争の現実が知られている。日本でのみ若者にうけいれられる物語か。」
森絵都
女37歳
4 「よくまとまった作品であるが、どうにも印象が弱かった。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
北方謙三
井上ひさし
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選考委員
北方謙三男57歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
小説における決意 総行数92 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
15 「前回の候補作と較べるとやや衝撃力に欠けたが、鮮やかなユーモアのセンスを見せてくれた。差別の問題についても、しっかりした決意を持って書いた、と私は思った。二度目の投票で、私はこの作品に丸をつけた。」
絲山秋子
女38歳
10 「しっかりした文章で、方言なども効果的だったが、作者はなにかひとつ切実なものを忘れて、物語を構成したのだという気がした。」
恩田陸
女40歳
7 「前半が秀逸である。」「なぜこういうかたちの収束を作者が選んだのか、私には理解できないままであった。」
古川日出男
男39歳
14 「型を破った文章に、圧倒された。」「犬の血統と近代史を重ね合わせる試みも、壮大なものであった。ただ、世界を拡げすぎて、雑になったという印象も否めない。読む者を押してくる力は、間違いなくある。」
三浦しをん
女28歳
10 「エピグラフと本篇に有機的な繋がりが感じられず、また隕石の衝突による地球の滅亡という設定も、大きな必然性はないという気がした。」「無駄な作為が、足を引っ張ったという感じだった。」
三崎亜記
男34歳
6 「才気は認める。その斬新さも評価するが、もう一作待ちたいという思いが、どうしても拭いきれなかった。」
森絵都
女37歳
6 「父親の像がいまひとつ曖昧で、しっかりした小説の核が感じられなかった。読後、いささか残念であった。」
  「最終候補作のラインアップに、多少の疑義を抱いてしまった」「直木賞は(引用者中略)候補になる時期が、ある程度考慮されていて、そこが他の賞との画然とした違いだった、と私は認識している。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
井上ひさし
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選考委員
井上ひさし男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
作者の知恵 総行数158 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人
男42歳
38 「いろとりどりだが、大切なのは六篇とも佳品であること、一篇の無駄打ちもないところに値打ちがある。」「中でも感心したのは「送りん婆」である。(引用者中略)呪文を知ったわたしたちが、それを使って病者をあの世送りできるかというと、じつはそうは行かない。そうは行かない理屈が揮っていて、そこに作者一流の知恵がある。」
絲山秋子
女38歳
25 「読者は絲山節を堪能するのだが、しかし(引用者注:主人公の)二人を追い詰めているはずの「日常」や「常識」が、まったく書き込まれていない。」「語り口に「狂った誠実さ」が欠けていて、すべてがあんまりあっさりしすぎている。」
恩田陸
女40歳
15 「前半が飛び切りの秀作である。」「しかし核心に近づくにつれて、その核心そのものがぼやけてしまうのは、どうしてなのだろう。韜晦が高じて、なにがなんだかわからなくなり、前半の貯金を後半で一気に吐きだしてしまった。」
古川日出男
男39歳
22 「戦後のアジア史そして世界史を丸ごと、軍用犬の眼から描くという離れ業、そこに作者の逞しい文学的腕力があらわれている。たしかに欠点がないでもないが、全編にみなぎる「小説は言葉で創るものだ」という気合いに、この作者の豊かな未来を視たようにおもう。」
三浦しをん
女28歳
24 「「ラブレス」がいい。緊迫感あふれる傑作である。」「この調子で行ってくれと祈りながら読みつぐうちに、口惜しいことに次第に調子が落ちて行った。各篇の冒頭に掲げられた日本昔話と本体とのつながり具合がよくわからないし、各篇を貫く〈隕石の接近〉という仕掛けも、それほどうまくは活用されていない。」
三崎亜記
男34歳
22 「(引用者注:戦争を公共事業として捉えるという)視点の新鮮さに打たれた。」「この視点を発見しただけでも、作者の手柄は大きい。作中に、「公務によるラブシーン」が現れるが、この場面の透徹した美しさは、作者のすぐれた資質を証し立てている。」
森絵都
女37歳
25 「巧いといっただけでは収まらないような、目覚ましい才筆である。ただし、父の像探しの佐渡旅行で、それまで文章に込められていた気合いのようなものが呆気なく抜けて、ただの平凡な旅行記になってしまったのは意外だった。作品はここでそれまでの貫目を失った。」
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他の選考委員
平岩弓枝
阿刀田高
五木寛之
林真理子
宮城谷昌光
渡辺淳一
津本陽
北方謙三
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受賞者・作品
朱川湊人男42歳×各選考委員 
『花まんま』
短篇集6篇 456
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
13 「受賞作となったのは、やはりこの作品が他の候補作より二足も三足も前を走っていたことによろう。」「私が感動したのは「トカビの夜」と「摩訶不思議」、前者にはしみじみとした哀感があり、後者は巧みなユーモアが秀逸である。」
阿刀田高
男70歳
35 「どれも怖い話ではない。」「霊柩車の話はばからしく、おかしい。しかし、ここにも人生の反映がある。送りん婆は幽霊談ではないが、現代と、あやかしの世界とが、しなやかに混りあって楽しく読めた。大阪という土地柄をうまく捕らえているところもみごとだった。」
五木寛之
男72歳
14 「(引用者注:授賞に)異論はない。」「私個人としては、(引用者中略)「トカビの夜」という冒頭の一作にことに惹かれるものがあった。」
林真理子
女51歳
17 「やや無難にまとまり過ぎているきらいもあるが、人の心の機微をこれだけ細やかに掬い上げる手腕はたいしたものである。」「新人の幼なさが目立つ作品の中で、大人の貫禄を見せ堂々の受賞となった。」
宮城谷昌光
男60歳
50 「朱川氏の作品は品が良い。」「前回の候補作品は良家の子女がなにもせずに行儀よく椅子に腰をおろしているような文体であったので、私には不満であったが、今回は挙止が明確になった。愕くべきことに、朱川氏の作品には、そこはかとないユーモアがある。」
渡辺淳一
男71歳
12 「(引用者注:候補作のなかで)人間にもっとも迫っていた。」「「トカビの夜」が実感的な背景もあってか、もっとも自然で読ませる。他の作品はそれぞれに現代の妖しさ、不思議さに迫ろうとする意欲はかうが、いささかつくりすぎて、作意が見えすぎるところが残念であった。」
津本陽
男76歳
10 「作者の文中には濃厚な色彩がある。」「それはつくろうとしてつくれない、作者の感覚である。いままで感じたことのないふしぎな印象を受けた。」
北方謙三
男57歳
15 「前回の候補作と較べるとやや衝撃力に欠けたが、鮮やかなユーモアのセンスを見せてくれた。差別の問題についても、しっかりした決意を持って書いた、と私は思った。二度目の投票で、私はこの作品に丸をつけた。」
井上ひさし
男70歳
38 「いろとりどりだが、大切なのは六篇とも佳品であること、一篇の無駄打ちもないところに値打ちがある。」「中でも感心したのは「送りん婆」である。(引用者中略)呪文を知ったわたしたちが、それを使って病者をあの世送りできるかというと、じつはそうは行かない。そうは行かない理屈が揮っていて、そこに作者一流の知恵がある。」
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他の候補作
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
恩田陸
『ユージニア』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三浦しをん
『むかしのはなし』
三崎亜記
『となり町戦争』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
絲山秋子女38歳×各選考委員 
『逃亡くそたわけ』
中篇 245
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
13 「会話の妙に感動した。」「病気を持った男女二人の心の通い合いを九州の自然の中にばらまきながらつむいで行った作者の腕は見事という他はなかった。次の機会には必ず直木賞を受ける作家と思っている。」
阿刀田高
男70歳
26 「強い愛着を覚えた。サラリと書いているが企みは深い。」「貫くユーモアが上質だ。人間の造形も確かである。「精神を病んでいる者のビヘイビアではない」と他の委員から評されそれを認めざるをえなかった。」
五木寛之
男72歳
21 「この作家の方言に対する感性は卓抜なものがある。」「軽い意味でではなく、じつにセンスのある作家である。」
林真理子
女51歳
12 「作者の才能は認めるものの、小説のダイナミズムを感じることが出来なかった。今どき、純文学が、エンターテイメントがと言うつもりはないが、こういう作品がどうして直木賞候補にラインアップされたのかわからない。違う場所で評価を受ける作品であると思う。」
宮城谷昌光
男60歳
4  
渡辺淳一
男71歳
17 「題名が騒々しいわりに内容が薄い。」「肝腎の精神病者が普通の健常者にしか見えないし、健常なのに精神病者にされたのだとしたら、その背景をしっかり描くべきである。」「初めの「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」とラストの「くそたわけっ」が、なんらつながらず、空疎な叫びに終わっている。」
津本陽
男76歳
15 「読ませる腕力がつよかった。」「おもしろい話にも結末が必要である。」「結末の盛りあがりがありそうで引っ張られたが、なかった。」
北方謙三
男57歳
10 「しっかりした文章で、方言なども効果的だったが、作者はなにかひとつ切実なものを忘れて、物語を構成したのだという気がした。」
井上ひさし
男70歳
25 「読者は絲山節を堪能するのだが、しかし(引用者注:主人公の)二人を追い詰めているはずの「日常」や「常識」が、まったく書き込まれていない。」「語り口に「狂った誠実さ」が欠けていて、すべてがあんまりあっさりしすぎている。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
恩田陸
『ユージニア』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三浦しをん
『むかしのはなし』
三崎亜記
『となり町戦争』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
恩田陸女40歳×各選考委員 
『ユージニア』
長篇 693
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
9 「はなばなしく、入り組んで、これでもかと書いたあげく、このラストでは、読者は拍子抜けするのではないか。」
阿刀田高
男70歳
5 「イマジネーションに独りよがりの弊があったのではなかろうか。」
五木寛之
男72歳
10 「それなりの作品だが、『夜のピクニック』と比較すると、やはり弱い。しかし、私は今回はこの作家が受賞するのではないかと思いながら選考会にのぞんだ。小説家としての安定した実力という観点からは、この人だろう。」
林真理子
女51歳
10 「著者の才能がうまく発揮出来なかった作品である。」「主人公の心の暗黒が描けていないことには、この小説は成立しないのではなかろうか。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
0  
津本陽
男76歳
7 「湿潤な霧のなかを、ひたすら歩きつづけたような感じがした。こういう雰囲気を好む読者は、いるだろうが、話の焦点が定まらないので、あまり好ましくない。」
北方謙三
男57歳
7 「前半が秀逸である。」「なぜこういうかたちの収束を作者が選んだのか、私には理解できないままであった。」
井上ひさし
男70歳
15 「前半が飛び切りの秀作である。」「しかし核心に近づくにつれて、その核心そのものがぼやけてしまうのは、どうしてなのだろう。韜晦が高じて、なにがなんだかわからなくなり、前半の貯金を後半で一気に吐きだしてしまった。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三浦しをん
『むかしのはなし』
三崎亜記
『となり町戦争』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
古川日出男男39歳×各選考委員 
『ベルカ、吠えないのか?』
長篇 616
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
12 「構成力に問題があり過ぎた。」「思わせぶりの書き出しも生きていないし、犬と人間を扱ってこのラストはあまりにもお寒くないであろうか。」
阿刀田高
男70歳
5 「ユニークな着想で書かれた野心作。部分的には凄い表現があった。風呂敷を少し広げ過ぎたのではあるまいか。」
五木寛之
男72歳
26 「一読、忘れがたい後味を残す長篇で、最初のうち辟易しながら読みすすんでいくうち、やがてその奇矯な文体に不思議な魅力をおぼえさせられるところがあった。」「軍用犬という思いがけない視点を、ここまで小説のかたちに造型してみせる想像力は、ただものではない。気になるのは物語の枠組みとなる現代史のトピックスが、いささか年表の羅列のような常識的な表層にとどまっていたことだろうか。」
林真理子
女51歳
13 「犬を通じて現代史を描こうという意気込みに圧倒されたし、これを書き下ろしで仕上げたという粘り強さも素晴らしい。ただしあまりにも読みづらく、読者にかなりの努力を強いる。」「練れていない、未完成という印象を持った。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
0  
津本陽
男76歳
13 「秀抜な発想である。」「何代かの子孫に及ぶ犬たちの歴史を書きすすめてゆくうえで、物語は壮大な発展を示すが、もうちょっと現実感の重みをつけたほうがよくなるのではないかと思えた。」
北方謙三
男57歳
14 「型を破った文章に、圧倒された。」「犬の血統と近代史を重ね合わせる試みも、壮大なものであった。ただ、世界を拡げすぎて、雑になったという印象も否めない。読む者を押してくる力は、間違いなくある。」
井上ひさし
男70歳
22 「戦後のアジア史そして世界史を丸ごと、軍用犬の眼から描くという離れ業、そこに作者の逞しい文学的腕力があらわれている。たしかに欠点がないでもないが、全編にみなぎる「小説は言葉で創るものだ」という気合いに、この作者の豊かな未来を視たようにおもう。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
恩田陸
『ユージニア』
三浦しをん
『むかしのはなし』
三崎亜記
『となり町戦争』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
三浦しをん女28歳×各選考委員 
『むかしのはなし』
連作7篇 380
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
15 「無理に昔話にこだわらなくともホストクラブのホストを主人公にした「ラブレス」は好短篇として読める。」「地球に隕石が衝突する話をテーマにした短篇が続くのは種切れの感がしてマイナスになったと思う。」
阿刀田高
男70歳
10 「古いものがたりも、現代のエピソードも、近未来の出来事も、みんないつかは“むかしのはなし”になってしまう、という意図で創られているのだろうが、その意図がうまく小説化されていないように思った。」
五木寛之
男72歳
13 「今回の候補作品のなかで、私がもっとも楽しんで読んだ佳作である。」「湿り気のないヒューマンな人物描写に新鮮味がある。失敗は、なにやら民俗学的前説を各章にくっつけたことだろう。」
林真理子
女51歳
6 「日常と非日常とがうまく接着出来ていない。地球の滅亡、などということをせずふつうの青春小説でもよかったのではないか。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
0  
津本陽
男76歳
7 「どれもまとまった作品であるが、印象が薄いというか、弱い感じがする。才筆の持主だから、もっと工夫をすればいいと思うのだが。」
北方謙三
男57歳
10 「エピグラフと本篇に有機的な繋がりが感じられず、また隕石の衝突による地球の滅亡という設定も、大きな必然性はないという気がした。」「無駄な作為が、足を引っ張ったという感じだった。」
井上ひさし
男70歳
24 「「ラブレス」がいい。緊迫感あふれる傑作である。」「この調子で行ってくれと祈りながら読みつぐうちに、口惜しいことに次第に調子が落ちて行った。各篇の冒頭に掲げられた日本昔話と本体とのつながり具合がよくわからないし、各篇を貫く〈隕石の接近〉という仕掛けも、それほどうまくは活用されていない。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
恩田陸
『ユージニア』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三崎亜記
『となり町戦争』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
三崎亜記男34歳×各選考委員 
『となり町戦争』
長篇 338
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
3 「着想は面白いし、且つ怖しいが、着想を生かし切れなかった。」
阿刀田高
男70歳
9 「ユニークな味わいを含んで、味わい深い。しかし、どことなくキャリアの不足、地力の不足を感じないでもない。次の機会を待つのが適切と思われた。」
五木寛之
男72歳
13 「私はこの作品をつよく推したが、「次作を待ちたい」という意見にしたがわざるをえなかった。これが傑作であるという考えは変らない。しかし、この書き手にはたしてこれを超える次作があるのだろうか。」
林真理子
女51歳
15 「大まじめで、ありもしないことが起こるありさまを抑えた筆で描く才気は買うが、授賞ということになるとためらってしまう。」「「作者の才能」ということで作品を判断すれば文句なしで頷くことが出来るのであるが、それは新人賞レベルのこととなり、直木賞という大きなハードルを越す力はまだ不足なのである。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
0  
津本陽
男76歳
19 「変った作品であった。」「戦争のこわさは、現実におこらないかぎり希薄なものであるという意味で、現代への警鐘となるか。」「他の国では、戦争の現実が知られている。日本でのみ若者にうけいれられる物語か。」
北方謙三
男57歳
6 「才気は認める。その斬新さも評価するが、もう一作待ちたいという思いが、どうしても拭いきれなかった。」
井上ひさし
男70歳
22 「(引用者注:戦争を公共事業として捉えるという)視点の新鮮さに打たれた。」「この視点を発見しただけでも、作者の手柄は大きい。作中に、「公務によるラブシーン」が現れるが、この場面の透徹した美しさは、作者のすぐれた資質を証し立てている。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
恩田陸
『ユージニア』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三浦しをん
『むかしのはなし』
森絵都
『いつかパラソルの下で』
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候補者・作品
森絵都女37歳×各選考委員 
『いつかパラソルの下で』
長篇 384
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
7 「登場人物はよく描けていて好感が持てる。佐渡の旅の部分が全体の構成の中に程よく融け込んでいないような印象を受けた。」
阿刀田高
男70歳
11 「レベルを越えているが、よくあるタイプの家庭小説の域に留まっている。もっと卓越したファンタジーを、巧みな寓意性を望むのは私の勝手なのだろうか。」
五木寛之
男72歳
9 「異色作ぞろいの候補作のなかで、どことなく影が薄く感じられたのは、抑制のきいた品の良い文体のせいかも知れない。」
林真理子
女51歳
10 「「作者の才能」ということで作品を判断すれば文句なしで頷くことが出来るのであるが、それは新人賞レベルのこととなり、直木賞という大きなハードルを越す力はまだ不足なのである。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
10 「父親の死後、三人の子供たちが、父との血のつながりを求めていく気持ちが素直に書けていて、最後、バラバラだった三人の気持ちが通じ合うところも自然で、好感が持てた。だが、いかにも小粒で、これだけでは弱すぎる。」
津本陽
男76歳
4 「よくまとまった作品であるが、どうにも印象が弱かった。」
北方謙三
男57歳
6 「父親の像がいまひとつ曖昧で、しっかりした小説の核が感じられなかった。読後、いささか残念であった。」
井上ひさし
男70歳
25 「巧いといっただけでは収まらないような、目覚ましい才筆である。ただし、父の像探しの佐渡旅行で、それまで文章に込められていた気合いのようなものが呆気なく抜けて、ただの平凡な旅行記になってしまったのは意外だった。作品はここでそれまでの貫目を失った。」
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他の候補作
朱川湊人
『花まんま』
絲山秋子
『逃亡くそたわけ』
恩田陸
『ユージニア』
古川日出男
『ベルカ、吠えないのか?』
三浦しをん
『むかしのはなし』
三崎亜記
『となり町戦争』
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