生没年月日【注】 | 昭和36年/1961年9月5日~ | |
経歴 | 北海道深川市出身。東京大学医学部卒。 | |
受賞歴・候補歴 |
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「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」
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誌名 | 「海燕」 別表記表紙・目次 「kaien」併記 | ||||
巻号 | 第12巻 第8号 別表記8月号 | ||||
印刷/発行年月日 | 発行 平成5年/1993年8月1日 | ||||
発行者等 | 編集者 根本昌夫 発行者 寺田 博 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都) | ||||
発行所 | 福武書店(東京都) | ||||
総ページ数 | 324 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
34字 ×39行 ×1段(横組み) |
本文ページ | 201~237 (計37頁) |
測定枚数 | 115枚 |
書誌
平成6年/1994年5月・福武書店刊『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに、』所収
候補者 石黒達昌 32歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
大江健三郎 | 58歳 |
○ | 5 | 「小説の技法として意図されたものと、そうでないものと、未熟な混交を表わしているが、「ハネネズミ」の発明、文体、細部こぞってもっとも刺戟的だった。」 |
大庭みな子 | 63歳 |
△ | 4 | 「受賞にはならなかったが、さまざまな視点、角度から議論の対象になった。科学分野の人らしいが、どのような形で伸びるか愉しみである。」 |
丸谷才一 | 68歳 |
― | 0 | |
吉行淳之介 | 69歳 |
△ | 4 | 「題名をつけないシロウト写真十六枚入り横組みの作品」「その悪趣味を跳ね飛ばすだけの力はなかったが、次作を読みたい。」 |
日野啓三 | 64歳 |
○ | 9 | 「私は底深い悲しみと恐れをもって読んだ。」「最後の二匹が仄かに光りながら死んでゆく箇所に、私は涙を流しかけた。人類という種の最期を思った。多分全くの虚構の物語を、緊迫して支え続ける科学論文調の特異な文体の“静かな力”はほとんど美しい。」 |
田久保英夫 | 65歳 |
◎ | 23 | 「スリリングなのは、明寺がハネネズミは「永遠に近い寿命を持つが、生殖と死が同時」など、さまざまな仮説を立て、それを検証していく経過だ。」「ここにはハネネズミの死滅が、外からの感染症なのか、内からの生態系なのか、という問いがあって、冒頭の明寺と榊原の「急逝」という言葉に、現代文明の恐怖に通じるメッセージも、潜んでいるように思われる。人物写真の挿入など、作者のプレイのしすぎもあるが、私はこれを推した。」 |
黒井千次 | 61歳 |
△ | 5 | 「種の絶滅のテーマを小動物とそれを扱う医学者のドラマとして描いた報告書の形式に注目した。」 |
三浦哲郎 | 62歳 |
■ | 5 | 「無題とはどういうことであろうか。ほかに、いくつかの点で読む者の意表を突く労作だが、行間に不用の気取りがちらついて邪魔だった。それでも、次作が待たれる作者ではある。」 |
河野多恵子 | 67歳 |
― | 0 | |
古井由吉 | 56歳 |
△ | 2 | 「無表題作の、偽書の緊張には、私も大いに関心をもった。」 |
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年3月号) |
「真夜中の方へ」(『文學界』平成13年/2001年10月号)媒体・作品情報
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「目をとじるまでの短かい間」(『文學界』平成16年/2004年12月号)媒体・作品情報
書誌 平成18年/2006年6月・早川書房/ハヤカワSFシリーズJコレクション『冬至草』所収
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