松井雪子（まついゆきこ）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

芥川賞のすべて・のようなもの

第128回

＝受賞者＝
大道珠貴

＝候補者＝
小野正嗣
島本理生
中村文則
松井雪子
和田ゆりえ

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Last Update●[H26]2014/6/20

	Matsui Yukiko
	生没年月日【注】	昭和42年/1967年1月5日～
	経歴	東京都武蔵野市出身。共立女子大学家政学部生活美術科卒。大学在学中に漫画家デビュー。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第128回芥川賞（平成14年/2002年下期）「イエロー」 \|候補\| 第131回芥川賞（平成16年/2004年上期）「日曜農園」 \|候補\| 第133回芥川賞（平成17年/2005年上期）「恋蜘蛛」 \|候補\| 第137回芥川賞（平成19年/2007年上期）「アウラ　アウラ」

第128回候補

「イエロー」（『群像』平成14年/2002年12月号）

媒体・作品情報

誌名	「群像」別表記表紙「GUNZO」併記
巻号	第57巻第14号別表記12月号
印刷/発行年月日	印刷平成14年/2002年11月5日　発行平成14年/2002年12月1日
発行者等	編集人石坂秀之　発行人宮田昭宏　印刷人足立直樹　印刷所凸版印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社講談社（東京都）
総ページ数	388	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×25行 ×2段
本文ページ	40～73 （計34頁）	測定枚数	109枚

書誌

平成15年/2003年7月・講談社刊『イエロー』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　松井雪子　36歳
選考委員		評価	行数	評言
黒井千次	70歳	●	5	「パソコンの対話に魅力が欠け、結局ナルシスムの枠を出られずに終ってしまった、との不満が残った。」
三浦哲郎	71歳	―	0
宮本輝	55歳	―	0
古井由吉	65歳	―	0
高樹のぶ子	56歳	―	0
石原慎太郎	70歳	―	0
河野多恵子	76歳	●	3	「小説というものを勘違いしたまま書かれた作品である。」
村上龍	50歳	○	42	「もっとも面白く読んだ。」「だが受賞には至らないだろうと思った。ある意味で稚拙だったからだ。本当は単に稚拙というわけではなく、ポップなのだが、そのことを他の選考委員に理解してもらうのは無理だろうとあきらめた。他の選考委員にポップへの理解がないというわけではない。近代化がそう刷り込まれているか、その違いによって、ポップへの評価は分かれる。」
池澤夏樹	57歳	△	9	「文体という点では（引用者中略）最も優れていた。」「しかしこの化粧論の本質は常識的で、ハムレットのあの科白となんら変わらない。」
選評出典：『文藝春秋』平成15年/2003年3月号

第131回候補

「日曜農園(にちようのうえん)」（『群像』平成16年/2004年5月号）

媒体・作品情報

誌名	「群像」別表記表紙「GUNZO」併記
巻号	第59巻第5号
印刷/発行年月日	印刷平成16年/2004年4月5日　発行平成16年/2004年5月1日
発行者等	編集人石坂秀之　発行人宮田昭宏　印刷人足立直樹　印刷所凸版印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社講談社（東京都）
総ページ数	420	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	100～144 （計45頁）	測定枚数	141枚

書誌

平成19年/2007年9月・講談社刊『日曜農園』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　松井雪子　37歳
選考委員		評価	行数	評言
古井由吉	66歳	―	0
石原慎太郎	71歳	■	9	「こぢんまりまとまってはいるが、崩壊している主人公の家庭や他の家族にとっての、ある媒体としての農園の意味がもっと鮮やかにそれぞれ対比的に描かれていればと思う。しょせん作者のフットワーク、力量の問題だろう。」
河野多恵子	78歳	■	5	「材料が詰め込みすぎ。興味深い事柄も幾つかあるが、その事柄を書き切らないで、途中で放り投げてしまう場合がある。」
黒井千次	72歳	●	5	「父親探しと農園作業との間の緊張関係が希薄であり、いささか冗漫であるとの印象を拭えなかった。」
高樹のぶ子	58歳	△	11	「農園の作物のみずみずしさ、あっけらかんとした切なさが好印象だった。この作者は本質的に健康である。」「だが少々、小説として粘りが足りないというか細切れである。場面場面が鮮やかなだけに、勿体ない。」
宮本輝	57歳	―	0
山田詠美	45歳	■	8	「暗いユーモアがにじみ出ている。しかしながら、あまりにも、文章や構成が整理されておらず散漫な印象を受ける。」
池澤夏樹	59歳	■	5	「（引用者注：「弔いのあと」と共に）シームレスに上手なのだが、どうしてもこの話を書きたいという動機が希薄に思われた。」
選評出典：『文藝春秋』平成16年/2004年9月号

第133回候補

「恋蜘蛛(こいぐも)」（『文學界』平成17年/2005年6月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第59巻第6号別表記6月号
印刷/発行年月日	発行平成17年/2005年6月1日
発行者等	編集人大川繁樹　発行人重松卓　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	392	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×25行 ×2段
本文ページ	66～99 （計34頁）	測定枚数	109枚

書誌

平成18年/2006年2月・文藝春秋刊『刺繍天国』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　松井雪子　38歳
選考委員		評価	行数	評言
黒井千次	73歳	●	3	「形に捉われて形が崩れている不満を覚える。」
石原慎太郎	72歳	―	0
山田詠美	46歳	●	4	「恋と蜘蛛（の巣）の組み合わせは当り前過ぎる。幽霊と墓場みたいなもんだろう。あるいは妊娠と嘔吐とか？」
村上龍	53歳	―	0
河野多恵子	79歳	■	4	「（引用者注：「この人と結婚するかも」と共に）無難な作ながら、主題に深みが感じられない。」
宮本輝	58歳	―	0
池澤夏樹	60歳	―	0
高樹のぶ子	59歳	―	0
選評出典：『文藝春秋』平成17年/2005年9月号

第137回候補

「アウラ　アウラ」（『文學界』平成19年/2007年3月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第61巻第3号別表記3月号
印刷/発行年月日	発行平成19年/2007年3月1日
発行者等	編集人大川繁樹　発行人重松卓　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	328	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×25行 ×2段
本文ページ	19～51 （計33頁）	測定枚数	105枚

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　松井雪子　40歳
選考委員		評価	行数	評言
小川洋子	45歳	―	0
川上弘美	49歳	■	5	「語り手の、「なんだかわからないものを孕んでいる体感」が、足りない。」
池澤夏樹	62歳	―	0
石原慎太郎	74歳	●	9	「自分が苦労？して書いた作品を表象する題名も付けられぬ者にどんな文章が書けるものかと思わざるをえない。」
高樹のぶ子	61歳	△	4	「ケータイを通じて響き合う女同士の孤独な善意が、妙に美しい。」
村上龍	55歳	―	0
黒井千次	75歳	■	5	「（引用者注：「主題歌」「グレート生活アドベンチャー」と共に）それぞれのモチーフは窺われても、結局は自閉の環から外へ身を乗り出さぬ物足りなさが残った。」
宮本輝	60歳	□	19	「最も高い点をつけた」「さりとて受賞作として強く支持するには何かが足りない。」「扱われている素材はまことに切ないものであるのに、主人公の真の哀しみに筆が届いていないのだ。」「しかし、松井氏は以前の作品と比べると、地に足がついてきた。」
山田詠美	48歳	●	8	「大仰な言いまわしが多過ぎる。想像妊娠って、そんなに御大層なものなの？」
選評出典：『文藝春秋』平成19年/2007年9月号

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