藤崎彩織（ふじさきさおり）-直木賞候補作家｜直木賞のすべて

直木賞のすべて

第158回

＝受賞者＝
門井慶喜

＝候補者＝
彩瀬まる
伊吹有喜
澤田瞳子
藤崎彩織

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Last Update●[R3]2021/7/28

	Fujisaki Saori
	生没年月日【注】	昭和61年/1986年8月31日～
	経歴	東京都生まれ、大阪府出身。四人組バンド「SEKAI NO OWARI」のひとりとして、平成22年/2010年にインディーズデビュー、ピアノ演奏・ライブ演出等を担当する。平成29年/2017年、書下ろし小説『ふたご』で小説家デビュー。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第158回直木賞（平成29年/2017年下期）『ふたご』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全2件

第158回候補

『ふたご』（平成29年/2017年10月・文藝春秋刊）

媒体・作品情報

印刷/発行年月日	発行平成29年/2017年10月30日（第1刷）
発行者等	発行者大川繁樹　印刷所凸版印刷　製本所加藤製本　ＤＴＰ制作言語社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）			形態	四六判　上製
装幀/装画等	装画杉山巧　装丁大久保明子　Special Thanks 畑中雅美・立花葵・池田大
総ページ数	325	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	42字 ×18行 ×1段
本文ページ	7～319 （計313頁）	測定枚数	429枚

書誌

書下ろし

令和2年/2020年9月・文藝春秋／文春文庫『ふたご』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　藤崎彩織　31歳
選考委員		評価	行数	評言
桐野夏生	66歳	■	14	「好きな相手に、「自分たちは、恋人でもなく、友達でもなく、『ふたご』である」と規定された主人公（引用者中略）この依存関係をもっと突き詰めたら面白くなったかもしれない。しかし、バンドの成功話によって、曖昧になってしまった。」
北方謙三	70歳	■	19	「小説的なフィルターを通さないまま書き綴ったというところが感じられ、それが前半の稚拙さを際立たせてしまった。ただ作中で、登場人物たちは少しずつ成長を遂げ、それを描く作者も成長しているという、不思議な感慨を持った。」
林真理子	63歳	●	17	「とまどった。ところどころみずみずしい感性は見られたものの、まだ小説には昇華していない。」
東野圭吾	59歳	■	18	「若者たちの心をスマホから引き戻せるとしたら、もしかしたらこういう小説なのかなと思った。しかしそれは単なる褒め言葉ではなく、わかりやすくて低刺激であることを指摘した苦言でもある。いずれにせよ、自伝的作品かつデビュー作となれば、これ一作で作者の才能を推し量るのは無謀というものであろう。」
伊集院静	67歳	△	31	「数ページ読んだ時、あっ、もしかして私が待っていたものを、この人は背中に背負って、若いいっときを生きてくれていたのでは、と胸がときめいた。」「正直、その時、私は作者が世間で名が知れた音楽のお嬢さんとは知らなかった。」「ただ読み進めて行くうちに、おや、どうしたのか、という状況があらわれた。」「この人はまだ、文学、小説がこんなに素晴らしいものだと、彼女がピアノを習得する上で感じた先達の名曲、すなわち名作と対面していないのではと思った。」
宮部みゆき	57歳	■	27	「文章の随所に光るものがあるのは、他分野の書き手だからこそ「ツールとしての文章」にこだわったからだと思います。」「周囲の期待に慌てずに、じっくりと次の作品を書いていただけたらと思います。」
浅田次郎	66歳	●	20	「「才能のありそうなダメ男」は、ものすごくモテるのである。しかしどうやら作者はそうした当たり前の関係を、何か特別な恋愛の形だと思いこんでいるらしく、大人の読者はみなそのことに気付いたとたん投げ出したくなったであろう。」「少くともそれくらいの大人の小説に候補作を絞るというのは、文学賞の見識ではあるまいか。」
高村薫	64歳	●	11	「題材を用意してみたものの、それを小説に仕立てる手つきが小説家のそれではない。個人的な関心事を連ねただけでは内輪のブログにしかならない。」
宮城谷昌光	72歳	△	28	「読みはじめてすぐに、この人には非凡なものがあると感じた」「この作者は、否定形がつかえる。そこが非凡である、というのは少々飛躍しすぎた説明であるかもしれない。しかしたとえば、私は男である、と書くところを、私は女ではない、と書いたらどうであろうか。この「ない」を書ける作家は多くなく、ほとんどの作家が肯定形を終始させて小説を書いている。」「この小説にある清澄感と誠実さには好感をもった。」
選評出典：『オール讀物』平成30年/2018年3月号

第158回推薦候補

大衆選考会での推薦

推薦者	推薦日	推薦文
まる	平成29年/2017年12月27日	正直あまり面白くなかった。受賞したら少しは出版界が盛り上るという意味で🎵
はし	平成30年/2018年1月15日	素晴らしい名作だと思う。音楽だけでなく、文学まで手を出すのはすごいことだと思う

文量
長篇
章立て
「序章　ふたご」第一部「一　夏の日」「二　ピアノ」「三　図書館」「四　距離感」「五　ふたり」「六　池上線」「七　違和感」「八　涙の味」「九　月島家」「十　最後の」「十一　ほたる」「十二　着信音」「十三　最終日」「十四　ナイフ」「十五　終わり」「十六　夏休み」「十七　波の音」「十八　白い花」「十九　赤い空」「二十　分岐点」第二部「一　地下室」「二　契約書」「三　居場所」「四　初仕事」「五　メイク」「六　バンド」「七　出発点」「八　後向き」「九　リズム」「十　不眠症」「十一　心拍数」「十二　靴の先」「十三　夜明け」「十四　ラジオ」「十五　中華丼」「十六　君の夢」
時代設定	場所設定
［同時代］	東京～アメリカ
登場人物
●私（語り手、西山夏子、中学生～音楽大学生） ●月島悠介（夏子の中学時代の先輩） ●山口凛太郎（通称〈ぐちりん〉、月島の中学時代の同級生、バンドメンバー） ●矢部チャン（月島と山口の友人、バンドメンバー） ●ラジオ（月島の友人、工場勤務）

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