このページの情報は「芥川賞のすべて・のようなもの」内の「候補作家の群像 宮内悠介」と同じものです。 | ||
生没年月日【注】 | 昭和54年/1979年1月☆日~ | |
経歴 | 東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。海外放浪などを経て、プログラマー職に就く。平成22年/2010年「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞の選考委員特別賞である山田正紀賞を受賞。 | |
受賞歴・候補歴 |
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『盤上の夜』(平成24年/2012年3月・東京創元社/創元日本SF叢書)媒体・作品情報
書誌 平成26年/2014年4月・東京創元社/創元SF文庫『盤上の夜』 収録作品の書誌 盤上の夜
初出平成22年/2010年12月・東京創元社/創元SF文庫『原色の想像力』
人間の王
初出『ミステリーズ!』45号[平成23年/2011年2月]
清められた卓
初出『Webミステリーズ!』平成23年/2011年6月
象を飛ばした王子
初出『Webミステリーズ!』平成24年/2012年2月
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『ヨハネスブルグの天使たち』
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印刷/発行年月日 | 印刷 平成25年/2013年5月20日(初版) 発行 平成25年/2013年5月25日(初版) | ||||
発行者等 | 発行者 早川浩 印刷所 精文堂印刷株式会社 製本所 大口製本印刷株式会社 | ||||
発行所 | 株式会社早川書房(東京都) | 形態 | 四六判変形 並製 | ||
装幀/装画等 | Cover Direction & Design Tomoyuki Arima Illustration Takumi Yoza | ||||
総ページ数 | 261 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
43字 ×17行 ×1段 |
本文ページ | 5~261 (計257頁) |
測定枚数 | 394枚 |
書誌
平成27年/2015年8月・早川書房/ハヤカワ文庫JA『ヨハネスブルグの天使たち』
収録作品の書誌
ヨハネスブルグの天使たち
初出『SFマガジン』平成24年/2012年2月号
ロワーサイドの幽霊たち
初出『SFマガジン』平成24年/2012年8月号
ジャララバードの兵士たち
初出『SFマガジン』平成24年/2012年11月号
ハドラマウトの道化たち
初出『SFマガジン』平成25年/2013年2月号
北東京の子供たち
書き下ろし
候補者 宮内悠介 34歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
阿刀田高 | 78歳 |
△ | 16 | 「とても読みづらい。」「私は読みにくさゆえに直木賞にふさわしくないと考えたが、選考会でこの作品を高く評価する声を聞き、――小説としては不足があるが、志は尊いな――と判断が少し変わった。」 |
伊集院静 | 63歳 |
◎ | 33 | 「小説の可能性という点で(引用者中略)推した。」「テーマへの挑戦がまず大前提にあり、民族衝突、人種差別、テロリズム、格差社会といったテーマと日本人、日本という国家がどう関っているのかを近未来という設定で挑んだ点を私は評価した。」「全体は行きつ戻りつ手探りの感はあるが、私たちが安易に目指している社会が壊れるという予兆は描けていると思った。」 |
林真理子 | 59歳 |
■ | 7 | 「二度読み直したが、やはりよくわからなかった。イメージは素晴らしいが、よくこなれていない印象を持った。」 |
浅田次郎 | 61歳 |
● | 12 | 「よほど用心しいしい読んだつもりだが、理解不能というのが本音である。もしや新世代の作品を読む力がないのか、と怖くもなったが、やはり世代にかかわらず普遍的な理解度を持たぬ作品を評価することはできなかった。」 |
宮部みゆき | 52歳 |
◎ | 86 | 「DX9は、楽器として流通させるために〈歌う〉機能を持たされ、少女の外見をし、甘ったるい声で舌っ足らずにしゃべる量産型のロボットです。」「人間が神に問いかけるように、DX9が人間に、「かほどの試練を与えるならば、なぜ我らを創り賜うたか」と問いかけてきても、何の不思議もありません。」「その問いへの答えを、私は見出せませんでした。この作品は、答えを求めて読むものではない。「我々は何者で、どこへ行こうとしているのか」を考えるためにあるのです。直木賞にこういう受賞作があってもいい――むしろあるべきだと思いましたので、強く支持しました。」 |
宮城谷昌光 | 68歳 |
■ | 10 | 「(引用者注:「夜の底は柔らかな幻」とともに)ひとりよがりの印象がつよい。」「可視と不可視をもっと峻烈に描きわける必要があると感じた。」 |
渡辺淳一 | 79歳 |
■ | 7 | 「(引用者注:「巨鯨の海」「ジヴェルニーの食卓」などとともに)それなりに目を引く作品」「一篇の小説としての安定感や説得力ではいささかもの足りないというのが、正直な実感であった。」 |
桐野夏生 | 61歳 |
□ | 23 | 「面白い読書というのは、作者によって読者が試される経験でもあるのだ。この候補作は連作短編集と銘打ってはいるが、DX9というロボットを巡る長い旅の物語でもある。」「世界の移り変わりを「今」見ている者として、「今」この世に生きている者として、この作品は一番難しい仕事に挑戦している。」 |
北方謙三 | 65歳 |
□ | 25 | 「読者の対象を自ら狭くしている、という印象があった。」「ただ精読していると、そこここに鮮やかな情景が立ちあがり、的確な文章でそれを描き出していると感じた。」「結論を言えば、私はこれをハードボイルドふうの小説として読み、その点では受賞に同意してもいいという気持になった。この文章で本格ハードボイルドを読みたいというのは、註文というわけでなく、読後に私が抱いた願望である。」 |
選評出典:『オール讀物』平成25年/2013年9月号 |
大衆選考会での推薦
推薦者 | 推薦日 | 推薦文 |
マリ本D | 平成25年/2013年6月12日 | 受賞をすれば、「ハヤカワJコレクション」として、初の直木賞受賞作となるだけに、期待値は高い。 何より、前期『盤上の夜』で候補になっているという実力と実績がある。 受賞はともかく、候補作入りの可能性は高いかと。 |
マテラス・ヒミコ | 平成25年/2013年6月22日 | エンターテイメントでありながら、広い世界性と、深い芸術、思想性を持った、ジャンルを超えた現代の小説。 |
マリ本D | 平成25年/2013年7月5日 | すいません。ちょっとミスしてしまいました。 見事、「ヨハネスブルグの天使たち」候補入りということで。 次点で「夜の底は柔らかな幻」(恩田陸)と「望郷」(湊かなえ)を。 ただ、この3つの中から選ばれるのだったら、「望郷」が一番確率高いかも。 |
文量 |
連作短篇集〔5篇〕 |
ヨハネスブルグの天使たち | |
章立て | |
「1」~「4」 | |
時代設定 | 場所設定 |
[未来] | 南アフリカ・ヨハネスブルグ |
登場人物 | |
●スティーブ(戦争孤児) ●シェリル(オランダ系白人、スティーブの彼女) ●ンコボ(情報工学のエンジニア) ●PP2713(日本製ホビーロボット〈DX9〉の一機) |
ロワーサイドの幽霊たち | |
章立て | |
「1」~「5」 | |
時代設定 | 場所設定 |
2001年~[未来] | アメリカ・ニューヨークなど |
登場人物 | |
●ビンツ(ウクライナからの移民、エンジニア) ●父親(ビンツの父、行動分析学者) ●モハメド・アタ(エジプト出身のアラブ人) |
ジャララバードの兵士たち | |
章立て | |
「1」~「4」 | |
時代設定 | 場所設定 |
[未来] | アフガニスタン |
登場人物 | |
●ルイ(本名・隆一) ●ザカリー(アメリカ兵、ルイの護衛) ●ナオミ・ヴァレンティン(犯罪捜査司令部〈CID〉准士官) |
ハドラマウトの道化たち | |
章立て | |
「1」~「6」 | |
時代設定 | 場所設定 |
[未来] | イエメン |
登場人物 | |
●アキト(兵士) ●ジャリア・ウンム・サイード(新宗教の女性教祖) ●タヒル(DX9に人格転写したゲリラ組織幹部) |
北東京の子供たち | |
章立て | |
「1」~「4」 | |
時代設定 | 場所設定 |
[未来] | 東京 |
登場人物 | |
●誠(セイ、中学生) ●璃乃(誠の幼馴染み) |
『エクソダス症候群』(平成27年/2015年6月・東京創元社/創元日本SF叢書)
書誌 平成29年/2017年7月・東京創元社/創元SF文庫『エクソダス症候群』 |
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『アメリカ最後の実験』(平成28年/2016年1月・新潮社刊)
書誌 平成30年/2018年8月・新潮社/新潮文庫『アメリカ最後の実験』
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「カブールの園」(『文學界』平成28年/2016年10月号)
媒体・作品情報
書誌 平成29年/2017年1月・文藝春秋刊『カブールの園』所収
平成29年/2017年4月・講談社刊『文学2017』所収
令和2年/2020年1月・文藝春秋/文春文庫『カブールの園』所収
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『彼女がエスパーだったころ』(平成28年/2016年4月・講談社刊)
書誌 平成30年/2018年4月・講談社/講談社文庫『彼女がエスパーだったころ』 収録作品 「百匹目の火神」「彼女がエスパーだったころ」「ムイシュキンの脳髄」「水神計画」「薄ければ薄いほど」「佛点」
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『あとは野となれ大和撫子』(平成29年/2017年4月・KADOKAWA刊)媒体・作品情報
書誌 初出『文芸カドカワ』平成27年/2015年11月号~平成28年/2016年8月号
令和2年/2020年11月・KADOKAWA/角川文庫『あとは野となれ大和撫子』
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「ディレイ・エフェクト」
(『たべるのがおそい』vol.4[平成29年/2017年10月]) 媒体・作品情報
書誌 平成30年/2018年2月・文藝春秋刊『ディレイ・エフェクト』所収
平成30年/2018年6月・東京創元社/創元SF文庫『プロジェクト:シャーロック 年刊日本SF傑作選』所収
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『ラウリ・クースクを探して』(令和5年/2023年8月・朝日新聞出版刊)媒体・作品情報
書誌 初出『小説トリッパー』令和5年/2023年夏季号
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