芥川賞のすべて・のようなもの
第68回
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Last Update[H26]2014/10/18

郷静子
Go Shizuko
生没年月日【注】 昭和4年/1929年4月20日~平成26年/2014年9月30日
受賞年齢 43歳8ヵ月
経歴 本名=山口三千子。神奈川県生まれ。鶴見高等女学校(現・鶴見大学附属鶴見女子中学校・高校)卒。アルバイトのかたわら、創作を始め『横浜文学』の創刊に参加。
受賞歴・候補歴
  • 第68回芥川賞(昭和47年/1972年下期)「れくいえむ」
備考
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芥川賞 第68受賞  一覧へ
「れくいえむ」(『文學界』昭和47年/1972年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第26巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 昭和47年/1972年12月1日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 304 表記上の枚数 目次 280枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 18~104
(計87頁)
測定枚数 264
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書誌
>>昭和48年/1973年2月・文藝春秋刊『れくいえむ』所収
>>『文藝春秋』昭和48年/1973年3月号
>>昭和50年/1975年7月・文藝春秋/文春文庫『れくいえむ』所収
>>昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第9巻』所収
>>平成2年/1990年10月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『れくいえむ』所収
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候補者 郷静子 女43歳
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫
男61歳
11 「推しました。素人くさい粗雑さが構成にも文章にも指摘され、リアリズムの観点から見れば、破綻だらけといってよいのですが、結局読ます力を持ち、最後まで読めば、強い感銘をうけます。」「こういう混沌とした強さは、とくに新人に望ましいのですが、近ごろはこれと反対の傾向が幅をきかせています。」「ともかく、欠点がそのまま魅力になったような、この一作は珍重すべきでしょう。」
永井龍男
男68歳
5 「読ませる迫力のあるのは、作者が多年題材を育ててきた結果であり、戦争体験がわれわれに刻まれているからでもあろう。席上舟橋委員が、主人公の死で完結したのが惜しいと指摘したのは名評だと思った。」
安岡章太郎
男52歳
18 「題名を見たときから困った作品だと思った。弱点をかぞえ上げればキリもない。」「にもかかわらず、この作品には他には見られない感動があった。ひとくちに言えば、それは戦争という共通体験のせいであろうか、単に罹災者の個人的なおもいで話というものではない。」「職業作家として立って行けるかどうかときかれれば、首をかしげざるを得ない。しかしこの作品は、いわばそういう素人の、怕いもの知らずの強さがなければ書けなかったものであろう。」
吉行淳之介
男48歳
9 「戦争にたいする見方も納得できて、親愛感をもったが、私自身の体験や想像を上まわる部分がなく、ギョッとさせられるところがないのが物足らなかった。」「結局ういういしいところが好感をもたれ、さんざん銓衡会が揉めているうちに、すうっと二作授賞にきまってしまった。」
瀧井孝作
男78歳
11 「反戦小説の長篇で、戦争悪がよくわかり、私は感心した。」「少女の友だちの父の反戦教授一家や、少女の兄の友人の反戦主義者なども、よく描きこんであり、少女の手紙の往復も、しまいの反戦主義者との会話なども、奔放な手法でなかなか好かった。」「戦争悪をこれほどまでハッキリと示した手腕は大きいと思った。」
大岡昇平
男63歳
9 「本土空襲という題材自身に切実さがあるが、それを時間をわざと混乱させながら、その混乱に陥ることなく、テーマの持つ力が増幅されているのは見事である。」「最初からこの二作(引用者注:「ベティさんの庭」と「れくいえむ」)にほぼ同数の過半数票が集中し、最後までその比率はかわらなかった。」
舟橋聖一
男68歳
23 「二八〇枚の力作だが、芥川賞の銓衡内規では、枚数超過で、寛くみてもスレスレのところにある。長すぎることが、この作品をより素人っぽくしていることは否み難い。」「あくまで戦中の体験と事実に立脚した小説であるのに、主人公節子を殺すことが嘘だと言っては過酷なら、小説作りのための御都合主義だという点が、私がすっきり出来なかった理由である。」
丹羽文雄
男68歳
2 「偶然と感傷がすこし気になったが、力作である。」
井上靖
男65歳
8 「作品に対する坐り方を変えてしまえば、これはこれで他の二作(引用者注:「ベティさんの庭」「窓の向うに動物が走る」)の持たぬ強さがあると言えよう。初心だけしか生み出せぬものが、多少もたれっぽく読む者の心に迫ってくる。私はこの作品は推さなかったが、推す人の推す理由は判らないではなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第九巻』昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和48年/1973年3月号)
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