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第139回
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Last Update[H28]2016/7/25

和田竜
Wada Ryo
生没年月日【注】 昭和44年/1969年12月☆日~
経歴 大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。番組制作会社を経て、繊維業界紙記者を務めるかたわら平成15年/2003年に「忍ぶの城」で城戸賞を受賞。平成19年/2007年に同作を小説化した『のぼうの城』を出版。
受賞歴・候補歴
  • 第29回城戸賞(平成15年/2003年)「忍ぶの城」
  • |候補| 第139回直木賞(平成20年/2008年上期)『のぼうの城』
  • |候補| 第14回中山義秀文学賞(平成20年/2008年)『のぼうの城』
  • |候補| 第30回吉川英治文学新人賞(平成20年/2008年度)『忍びの国』
  • |第2位| 第6回2009年本屋大賞(平成21年/2009年)『のぼうの城』
  • |候補| 第23回山本周五郎賞(平成21年/2009年度)『小太郎の左腕』
  • 第35回吉川英治文学新人賞(平成25年/2013年度)『村上海賊の娘』
  • 第11回2014年本屋大賞(平成26年/2014年)『村上海賊の娘』
  • |候補| 第27回山本周五郎賞(平成25年/2013年度)『村上海賊の娘』
  • 第8回親鸞賞(平成26年/2014年)『村上海賊の娘』
備考
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直木賞 第139回候補  一覧へ

しろ
『のぼうの 城』(平成19年/2007年12月・小学館刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成19年/2007年12月3日(初版第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成20年/2008年6月3日(第8刷)
発行者等 発行者 佐藤正治 DTP 株式会社昭和ブライト 印刷所 文唱堂印刷株式会社 製本所 牧製本印刷株式会社
発行所 株式会社小学館(東京都) 形態 四六判 並製
装幀/装画等 装画 オノ・ナツメ 装幀 山田満明
総ページ数 333 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 1~333
(計333頁)
測定枚数 619
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書誌
>>平成22年/2010年10月・小学館/小学館文庫『のぼうの城』(上)(下)
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候補者 和田竜 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女76歳
22 「今回、珍らしく歴史小説が候補に上った点で注目された。」「魅力は荒削りの迫力と独特のテンポの良さであろうか。但し、文章のほうは評価出来ない。小説の要件の中に文章力の占める分量は大きい。」
林真理子
女54歳
12 「「のぼうの城」の、破天荒な魅力も捨てがたいものがあった。このスピードとダイナミズムは、まさに新しい時代小説であろう。」「私はとても面白く読んだ。」
渡辺淳一
男74歳
18 「ユニークな面白い武将をつくろうとする意企はよくわかるが、その気持ちが先行しすぎてリアリティーに欠ける。」「小説としては、この軽さでは説得力に欠けるし、それ以前に文章が甘すぎる。また各々の挿話のあとに、もっともらしく資料を付加するのは、むしろ逆効果でしらける。」
五木寛之
男75歳
10 「時代小説も変ってきたな、としみじみ思う。テンポもあり、キャラクターも際立ち、抜群の好読物といえるが、結末がやや型どおりで意外性に欠けるといっては欲ばりすぎかもしれない。」
浅田次郎
男56歳
10 「引きこもりの読者を日ざかりの庭に叩き出すような物語で、市井を賑わせた理由はそうした効果によるのであろう。それもまた小説のもたらすあらたかな福音にはちがいないけれど、そもそも社会的効果と文学的価値は無縁である。」
宮城谷昌光
男63歳
6 「問題点は、地の文のうすさである。歴史小説の地の文は、交響的でなければならない。」
北方謙三
男60歳
26 「ちょっと芝居がかってはいるが、関東武士の奮戦記である忍城戦を、人間臭い物語に仕立てあげていて、読後感がよかった。」「三作(引用者注:「切羽へ」「のぼうの城」「千両花嫁」)の決戦では、迷わず『切羽へ』と『のぼうの城』に票を投じた。」
阿刀田高
男73歳
6 「おもしろく読んだが、小説としての創り方に荒っぽいところが目立ち、一途な挑戦を評価しながらも、次の作品を待とうという判断に傾いた。」
井上ひさし
男73歳
21 「語り口には張り扇の音が聞こえてきそうなほど調子がよくてリズムがある。調子がよすぎて「読物」へ堕ちかけてもいるが、袋小路に入ってしまった体のある現代の小説を、もう一度、読者の方へ引き付けるには、この調子のよさは貴重であるとおもい、最初の一票をこの作に投じた。」
選評出典:『オール讀物』平成20年/2008年9月号
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文量
長篇
章立て
「序」「1」~「4」「終」
時代設定 場所設定
戦国  備中~武州~小田原など
登場人物
成田長親(忍城成田家当主の従兄弟、愛称「のぼう様」)
正木丹波守利英(成田家の家老)
酒巻靭負(成田家の家老、自称「毘沙門天の生まれ変わり」)
柴崎和泉守(成田家の家老、巨漢)
石田三成(治部少輔)
成田泰季(長親の父)
成田氏長(成田家当主)
甲斐姫(氏長の娘)
かぞう(忍城下の百姓)





しの くに
忍びの 国』(平成20年/2008年5月・新潮社刊)
書誌
>>平成23年/2011年3月・新潮社/新潮文庫『忍びの国』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 30回候補 一覧へ
候補者 和田竜 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男57歳
8 「いつの時代にもひとつだけ定められている大衆文学作家の指定席を、今まさに占めつつある人だと感じた。ただし史料や考証がかえって枷になって、作者本来の自由な想像力を制約しているように思えた。」
伊集院静
男59歳
9 「主人公の無門が安芸から連れてきた女、お国との関係、交わす会話に魅力があった。」「文章も読み易く、これまでの時代小説の型にとらわれていないことも斬新だった。」「なのにどうして受賞にいたらなかったのか、私にもよくわからない。」
大沢在昌
男52歳
9 「スピーディでそのおもしろさは無類だが、登場人物への感情移入をどこか拒むところがあり、それは作者の意図からくるものではない。なぜだろうと理由を考え、この作品がよくできた映画のノベライズのようなだからだと思いいたった。」
高橋克彦
男61歳
0  
宮部みゆき
女48歳
14 「人物の造形が(脚本的で)浅いという指摘はわかりますけれど、それがいけないとは思いません。和田さんは、従来どうしても敷居が高かった歴史小説へと読者を誘う、新しい道を発見して均しているところです。その先は未舗装なので、外からは荒っぽく見えるのかもしれない。でも私は、この道がずうっと出来あがってゆくのを、今後もわくわくして見ています。」
選評出典:『小説現代』平成21年/2009年5月号
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こたろう ひだりうで
小太郎の 左腕』(平成21年/2009年10月・小学館刊)
書誌
>>平成23年/2011年9月・小学館/小学館文庫『小太郎の左腕』加筆改稿
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他文学賞 山本周五郎賞 23回候補 一覧へ
候補者 和田竜 男40歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男58歳
19 「たとえば、登場人物の心情を( )で括って表わすというはまことに安直な方法で、これを多用するのは他に技がないと言うているも同じである。」「「守破離」という剣の訓えがある。まず師の技を守り、次に破り、そして離れるのである。この剣客は「司馬流」と「風太郎流」を修めているはずだが、すでに「守」の段階を過ぎ、今は「破」の壁に挑んでいるところと見た。」
北村薫
男60歳
13 「大胆に顔を出す作者の意見。おおらかともいえる展開。必殺の狙撃者や、忍法シリーズから出て来たような人物。(引用者中略)この大胆さが、賞にふさわしい小説的達成となっているかどうか。その点で、肯定的になれなかった。」
小池真理子
女57歳
21 「余計なものをすべて削ぎ落したリズミカルな文体と、簡素な文章の中にわきあがってくる瑞々しい描写力に目を惹かれた。」「私はこの作者は、非のうちどころのないエンタテインメント小説が書ける人だと思った。」「とはいえ、小説的な深まりは今ひとつである。面白く読んでしまえばそれで終わり、という、物語としての軽さと薄さがいささか気になる。」
重松清
男47歳
28 「当時の特異な価値観や美学に貫かれた本作は、そのことだけでも高く評価したい作品だった。」「だが、せっかくの武将たちの価値観や美学を読者に伝えるのがすべて説明調、しかも何度となく繰り返されるというのは、どうなのだろう。また、括弧で処理される心内語の多用も気になった。」
篠田節子
女54歳
44 「私はこの作品に高得点をつけながら、受賞に反対するという矛盾した態度を取った。」「読み物としての魅力を過剰なほどに備えながら、小説としての品位をあらゆる点で欠いている。」「禁じ手だらけの作品を、時代小説の権威を唸らせる小説に作り直すことなど、この作家の力量をもってすれば、おそらくたやすいことだろう。しかしそのとき作品からは格調と引き替えに活力が失われる。『小太郎の左腕』については、受賞を逃したのではなく、作品が賞を蹴飛ばしたのだ、と私は思う。」
選評出典:『小説新潮』平成22年/2010年7月号
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むらかみかいぞく むすめ
村上海賊の 娘』(上)(下)(平成25年/2013年10月・新潮社刊)
書誌
>>平成28年/2016年7月~8月・新潮社/新潮文庫『村上海賊の娘』(一)~(四)
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 35受賞 一覧へ
候補者 和田竜 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
19 「たしかに総合的な力量が抜きん出ていた。」「しかし、どうにも強くは推せぬ理由が三点あった。第一は専門的な史料の提示である。」「第二は、作品全体を被う戯画性と映像性である。」「第三には、感情不在の戦闘場面が長すぎる。」
伊集院静
男64歳
25 「エンターテインメント小説の大切な要素のひとつである、読んで面白い、醍醐味があって楽しい、という点では候補作の中で群を抜いていた。」「一読後、十分に賞にかなうと票を投じた。」「私はこの作家の小説を史実をベースにした歴史小説とは見ていない。むしろ山田風太郎、隆慶一郎の譜系に続く、和田流の痛快な時代小説と評すべきであろう。主人公の景の感情表現などはいじらしいほどである。」
大沢在昌
男57歳
14 「長すぎるという謗りを免れないであろうと思いながらも、その合戦シーンは、かつてイギリスの冒険小説に熱狂した十代の頃の興奮を私に思いおこさせた。」「ときにアニメーションのような登場人物の言葉づかいやハリウッド映画のごときアクションシーンに批判があるやもしれない。しかし作者は確信犯である。これでもかというサービス精神が全篇を貫いている。」
恩田陸
女49歳
15 「選考委員であることを忘れて、一読者としてわくわくしながら読んだ。」「これまでの作品をみるに、きっと「ゲームみたいだ」とか「こういうのは歴史小説じゃない」と言われてきただろうと推察する。しかし、これほどまでに読む喜びを与えてくれ、楽しませてくれる小説を書けるのなら、エンターテインメント作家としてこれ以上何を望むというのか。」
京極夏彦
男50歳
26 「随所に資料(史実とされるものごと)を挿入し、作品を外側から補強していくという、歴史小説の一手法を採用している。しかし、読み味は同じスタイルで書かれた旧来の歴史小説のそれとは大きく違っている。本来、「事実に見せかける」ために編み出された手法が、「虚構部分を際立たせる」ために貢献しているからである。」「選考過程に於ては様々な疑義も呈されたが、これはひとつの発明であると考える。」
高橋克彦
男66歳
27 「(引用者注:「金色機械」「友罪」と共に)授賞の水準に達していると思えた」「うるさすぎると思えるほどの資料提示という傷はあるものの、物語を読ませる力は抜群だ。」「これは歴史小説に見せかけた嘘八百の立川文庫なのだ。それを嘘と見破られまいとして登場人物のリアリティを資料で補完している。となると大量の資料は傷なのではなく、必要不可欠な武器だったことになる。思わず唸ってしまうほどの大発明ではないか。」
選評出典:『小説現代』平成26年/2014年5月号
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他文学賞 山本周五郎賞 27回候補 一覧へ
候補者 和田竜 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男54歳
44 「ストーリーはサブで、吸引力が最も強烈なアクションシーンを作品全体の背骨にする。スケール感をあげるために必要以上の大長篇に仕上げる。『パイレーツ・オブ・瀬戸内海』って感じの豪華大作だった。」「だから乗れる人と乗れない人にはっきりと分かれたんだな。」「後半の戦闘シーンはいくらなんでも長すぎないか。誰と誰がどこで闘っているのか、まるでわからなくなった。」
角田光代
女47歳
27 「登場人物のキャラクターが鮮明で、ストーリーが実にシンプルである。こうなるだろうと予測したとおりに展開していっても、退屈させない勢いがある。」「けれども読み終えて思うのは、この小説は、小説でなくてもいいのではないか。映像にしたらさぞやおもしろいだろうとどうしても思ってしまうのだ。それがなぜなのか、神の視点で描かれながらもそれが徹底していない、という他の選考委員の言葉で、理解できた。」
佐々木譲
男64歳
48 「候補作中、もっとも読み進めるのに苦労したのが本作である。」「よく言えば自由奔放な本作の叙述の形式にはついになじめなかった。」「実作者としての感覚で言えば、この物語はいまの半分の文章量で語り得たはずである。本作はスラップスティック歴史コメディの小説部分と、薀蓄や解説部分とのバランスが悪すぎる。」
白石一文
男55歳
84 「(引用者注:「昨夜のカレー、明日のパン」「わたしをみつけて」「ミッドナイト・バス」と共に)まだまだ小説の手ごわさ、困難さには手が届いていないという印象が強かった。」「こう書いたら、きっとこう伝わる――という言葉選びだけで何かを書こうとしているのではないかという不安がどの作品からも抜けなかった。」「本来、表現不可能と思われるものを無理にでも表現しようと努力し、そうやって努力して紡ぎ出されたあくまで不全な文章をどうにかして読者の側が読み取ろうと努力する――そうした作家と読者の交渉事を省いてしまうと、小説はどこまでもありきたりで通俗的な読み物に落ちていく。」
唯川恵
女59歳
45 「何より、キャラクターの在り方に度肝を抜かれた。今までのヒロイン・ヒーローとはまったく毛色が違っている。それぞれ欲望丸出しで、豪快で、破天荒で、愛嬌があり、魅力的だ。」「ただ、そんな魅力的なキャラクターではあるが、人物を思い浮かべようとすると、どうにも生身の人間ではなくなってしまう。」「本書は、すでに多くの読者の心を掴んでいる。役割は十分に果たしている。それは誰もが納得し、認めていて、証明されている。それでいいではないか、最後はそんな思いに至った。」
選評出典:『小説新潮』平成26年/2014年7月号
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