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昭和33年/1958年下半期
(昭和34年/1959年1月20日決定発表/『オール讀物』昭和34年/1959年4月号選評掲載)
選考委員  源氏鶏太
男46歳
海音寺潮五郎
男57歳
中山義秀
男58歳
小島政二郎
男64歳
大佛次郎
男61歳
木々高太郎
男61歳
吉川英治
男66歳
川口松太郎
男59歳
村上元三
男48歳
選評総行数  40 54 29 43 38 53 81 35 56
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
城山三郎 「総会屋錦城」
79
男31歳
6 8 2 0 7 15 24 25 17
多岐川恭 「落ちる」等
152
男39歳
7 9 14 29 10 15 13 12 10
深田祐介 「あざやかなひとびと」
118
男27歳
6 8 0 5 0 0 4 0 8
津田信 『日本工作人』
353
男33歳
2 10 2 6 1 7 6 0 3
池波正太郎 「応仁の乱」
228
男35歳
0 14 0 0 0 8 8 0 8
野口冨士男 『二つの虹』
351
男47歳
12 4 2 0 11 7 10 0 8
福本和也 「泥炭地層」
85
男30歳
0 4 0 0 0 0 4 0 8
草川俊 『長城線』
581
男44歳
7 10 0 0 2 7 2 0 3
              欠席
書面回答
 
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年4月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員
源氏鶏太男46歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「二つの虹」を 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
6 「文句なしに面白かった。が、この面白さに、私は、一抹の疑義を感じたので、積極的に推すことをためらった。」
多岐川恭
男39歳
7 「前回の候補作「氷柱」の方がいい。」「私は「氷柱」を記憶していたので、最後の決戦投票には、これに投じた。」
深田祐介
男27歳
6 「読んでいて、たのしかった。」「が、作者の今後に期待する意味で、残された。」
津田信
男33歳
2 「(引用者注:「長城線」評の、もっと省略すべきということと)同じことがいえた。」
池波正太郎
男35歳
0  
野口冨士男
男47歳
12 「最も推した。」「山陰地方の雨の季節のいんうつさが、この作品で、見事に生かされていた。登場人物も、それぞれ、個性があって、申し分がない。とにかく、うまい。」
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
7 「前回の候補作品「黄色い運河」よりも、格段にうまくなっている。」「全体をもっと省略すべきだとの声もあり、同感せざるを得なかった。」
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他の選考委員
海音寺潮五郎
中山義秀
小島政二郎
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
村上元三
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選考委員
海音寺潮五郎男57歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
古典的均斉美 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
8 「大へん感心した。第一には文章の格調が正しい。第二には書くべきことと書いては効果の減殺されることの区別をよく知っている。」
多岐川恭
男39歳
9 「「落ちる」中の該当作品三篇にもそれぞれに感心した。」「十分に力のある人であることが証明されたわけだ。」
深田祐介
男27歳
8 「ぼくには冗漫な点があるように感ぜられた。」「効果というものは読者の心理を計算に入れるところにあろう。」
津田信
男33歳
10 「第三部の出来がわるかった。この部なからましかばの感があった。」「実力は入賞した人達におとらないと思う。」
池波正太郎
男35歳
14 「これほど多岐にわたっていることをこの短紙幅で書こうというのは無理だ。大長篇にするか、いくつかの短篇小説にして総合して全貌がわかるようにするか、すべきであろう。」
野口冨士男
男47歳
4 「描写力はたしかだが、構成に難があろう。ぼくにはよく筋がたどれなかった。」
福本和也
男30歳
4 「作者の意図はわかるが、追求力が不足なように感じた。」
草川俊
男44歳
10 「第二部の出来がわるく、(引用者中略)この部なからましかばの感があった。」「実力は入賞した人達におとらないと思う。」
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他の選考委員
源氏鶏太
中山義秀
小島政二郎
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
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選考委員
中山義秀男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
才気のある筆致 総行数29 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
多岐川恭
男39歳
14 「私は拵え物を好まないし、読んだ後味も決してよいとは感じなかったが、直木賞の性格として「落ちる」のような推理小説が、受賞するのも悪くはないと思う。」「創作を楽しんでいるような、余裕が感じられたことも頼母しい一つ。」
深田祐介
男27歳
0  
津田信
男33歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
池波正太郎
男35歳
0  
野口冨士男
男47歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
0  
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
小島政二郎
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
村上元三
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選考委員
小島政二郎男64歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
感想 総行数43 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
0  
多岐川恭
男39歳
29 「候補作品三つのうちでは「落ちる」が一番つまらなかった。「ある脅迫」と「笑う男」の方が面白かった。」「この作者のウソを本当に構成して行く腕力と、たれに気兼ねもしない物語力とに若々しい精気の楽しさを私は味わった。」
深田祐介
男27歳
5 「二番目に私が感心したのは、「あざやかな人々」だった。」「こういうのが私は小説だと思うのだが――。」
津田信
男33歳
6 「一番感心した。これだけ多くの男女の性格を彷彿とさせた手腕、柔かな上品な文章、全体の構図の自然な発展、どこにも間然するところがない。」
池波正太郎
男35歳
0  
野口冨士男
男47歳
0  
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
0  
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
中山義秀
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
村上元三
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選考委員
大佛次郎男61歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
新しい時代小説出でよ 総行数38 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
7 「私は皆さんが言うほどいいと思わなかった。」「手腕のある作家に違いない。将来の活躍を期待したい。」
多岐川恭
男39歳
10 「真実さはなく明瞭な作り物として終始している。文学はない。それが私には面白かった。新らしく未来もある行き方だと思う。」
深田祐介
男27歳
0  
津田信
男33歳
1 「「日本工作人」も力作であり、」
池波正太郎
男35歳
0  
野口冨士男
男47歳
11 「きめのこまかい筆致で、内容にも真実が感じられ、候補作品の中で一番文学的だったと言えよう。」
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
2 「「長城線」も面白かったが、」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
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源氏鶏太
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中山義秀
小島政二郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
村上元三
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選考委員
木々高太郎男61歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
探偵小説が一つ入った 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
15 「よく調べてある。」「調べるのをものぐさがったり、調べてかいたら、段々うそが入るといっているようではよくない。」「僕は委員会に出る前に、若し一作おすことになれば、この作品を、(引用者中略)と思って出て行った」
多岐川恭
男39歳
15 「若し二作おしてよいとなれば、多岐川恭「落ちる」をと思って出て行った」「はじめて探偵小説が直木賞に入った。今までは、(引用者中略)てんで人間がかけていないし文章がなっていないという人が多くて、委員諸君が僕の顔をみながらおとしていた」
深田祐介
男27歳
0  
津田信
男33歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
池波正太郎
男35歳
8 「この作家のものは数年前から注目しているのであるが、あまり正直すぎて堅くなり、余裕がないのが欠点である。斯ういう作家はせっついて書かせているうちに必ずよくなると思う。」
野口冨士男
男47歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
中山義秀
小島政二郎
大佛次郎
吉川英治
川口松太郎
村上元三
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選考委員
吉川英治男66歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
寸感 総行数81 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
24 「私はこの作家がその幼稚な無謀さをもって、特異な社会題材を、文学領域にまで持ちこんだ野心と勇とをみとめないでいられない。」
多岐川恭
男39歳
13 「私にはいささか作為のあとにこの種の物としてはこっくりのみ込みきれないものがあった。」「ソツのない構成やタッチの巧さは、この人の仕事ぶりと将来性を保証して余りあるものだが、(引用者中略)もう一つ何か推理の醍醐味らしい陰影と肌理が欲しい。」
深田祐介
男27歳
4 「深田祐介氏には未来があろう。」「ついに今回はもれたが、その才筆は光っている。」
津田信
男33歳
6 「この種のものとして、すでにたくさんな類型作を読んでいる読者にはもう生ぬるい感が先立つのではあるまいか。」
池波正太郎
男35歳
8 「池波正太郎氏の題材負けはどうしたものか。」
野口冨士男
男47歳
10 「おもしろさと確かさにおいて、(引用者中略)群を抜いたものといっていい。これが受賞に入らなかったのは入賞三篇は採れないという理由のほかはない。」
福本和也
男30歳
4 「着眼はいいのにどこか粗雑な書き方がせっかくな意図をつかみ逃がしたといったうらみがある。」
草川俊
男44歳
2 「すこしあまい。」
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
中山義秀
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木々高太郎
川口松太郎
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選考委員
川口松太郎男59歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
快作二篇 総行数35 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
25 「最も好きであった。」「今度のは全体のバランスも好く、しっかりとまとまった作品になった。ただ然し何でも書けるという人ではないようだし材料好みをしすぎると進歩しないように思えて心配だ。」
多岐川恭
男39歳
12 「シンが強くたのもしく感じる。」「踏まれても蹴られても起き上りそうな作家に思えるのが好い。」
深田祐介
男27歳
0  
津田信
男33歳
0  
池波正太郎
男35歳
0  
野口冨士男
男47歳
0  
福本和也
男30歳
0  
草川俊
男44歳
0  
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
中山義秀
小島政二郎
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
村上元三
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選考委員
村上元三男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
直木賞の条件 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎
男31歳
17 「わたしは、日本の小説の中に政治と経済を扱った作品がほとんど無いのを残念に思っているが、(引用者中略)これからは従来の作家に書けなかった経済の面を、三作に一作は書いてほしい。」
多岐川恭
男39歳
10 「近頃では出色の推理小説であった。トリックや謎解きにこだわらず、人間を描こうとしている点を認めたい。」
深田祐介
男27歳
8 「はじめからわたしは落した。」
津田信
男33歳
3 「ここからべつな材料で次の作品が生れるのを期待したい。」
池波正太郎
男35歳
8 「もっと欲張ってスケールの大きな長篇にするか、あるいは焦点を一つに絞って、そこから見た応仁の乱を書いたほうがよかった。」「くさらないで頑張ってほしい。」
野口冨士男
男47歳
8 「はじめからわたしは落した。」
福本和也
男30歳
8 「はじめからわたしは落した。」
草川俊
男44歳
3 「ここからべつな材料で次の作品が生れるのを期待したい。」
  「芥川賞直木賞の銓衡そのものが、近頃こう派手に扱われるのは、日本の文運隆盛の証しだと考えてよろこんでいいのか何うか、わたしなどは戸惑ってしまうし、ひどく責任を感じて、銓衡の前後数日はぐったりとくたびれる。」
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他の選考委員
源氏鶏太
海音寺潮五郎
中山義秀
小島政二郎
大佛次郎
木々高太郎
吉川英治
川口松太郎
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受賞者・作品
城山三郎男31歳×各選考委員 
「総会屋錦城」
短篇 79
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
6 「文句なしに面白かった。が、この面白さに、私は、一抹の疑義を感じたので、積極的に推すことをためらった。」
海音寺潮五郎
男57歳
8 「大へん感心した。第一には文章の格調が正しい。第二には書くべきことと書いては効果の減殺されることの区別をよく知っている。」
中山義秀
男58歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
小島政二郎
男64歳
0  
大佛次郎
男61歳
7 「私は皆さんが言うほどいいと思わなかった。」「手腕のある作家に違いない。将来の活躍を期待したい。」
木々高太郎
男61歳
15 「よく調べてある。」「調べるのをものぐさがったり、調べてかいたら、段々うそが入るといっているようではよくない。」「僕は委員会に出る前に、若し一作おすことになれば、この作品を、(引用者中略)と思って出て行った」
吉川英治
男66歳
24 「私はこの作家がその幼稚な無謀さをもって、特異な社会題材を、文学領域にまで持ちこんだ野心と勇とをみとめないでいられない。」
川口松太郎
男59歳
25 「最も好きであった。」「今度のは全体のバランスも好く、しっかりとまとまった作品になった。ただ然し何でも書けるという人ではないようだし材料好みをしすぎると進歩しないように思えて心配だ。」
村上元三
男48歳
17 「わたしは、日本の小説の中に政治と経済を扱った作品がほとんど無いのを残念に思っているが、(引用者中略)これからは従来の作家に書けなかった経済の面を、三作に一作は書いてほしい。」
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他の候補作
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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受賞者・作品
多岐川恭男39歳×各選考委員 
「落ちる」等
短篇集(一部)3篇 152
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
7 「前回の候補作「氷柱」の方がいい。」「私は「氷柱」を記憶していたので、最後の決戦投票には、これに投じた。」
海音寺潮五郎
男57歳
9 「「落ちる」中の該当作品三篇にもそれぞれに感心した。」「十分に力のある人であることが証明されたわけだ。」
中山義秀
男58歳
14 「私は拵え物を好まないし、読んだ後味も決してよいとは感じなかったが、直木賞の性格として「落ちる」のような推理小説が、受賞するのも悪くはないと思う。」「創作を楽しんでいるような、余裕が感じられたことも頼母しい一つ。」
小島政二郎
男64歳
29 「候補作品三つのうちでは「落ちる」が一番つまらなかった。「ある脅迫」と「笑う男」の方が面白かった。」「この作者のウソを本当に構成して行く腕力と、たれに気兼ねもしない物語力とに若々しい精気の楽しさを私は味わった。」
大佛次郎
男61歳
10 「真実さはなく明瞭な作り物として終始している。文学はない。それが私には面白かった。新らしく未来もある行き方だと思う。」
木々高太郎
男61歳
15 「若し二作おしてよいとなれば、多岐川恭「落ちる」をと思って出て行った」「はじめて探偵小説が直木賞に入った。今までは、(引用者中略)てんで人間がかけていないし文章がなっていないという人が多くて、委員諸君が僕の顔をみながらおとしていた」
吉川英治
男66歳
13 「私にはいささか作為のあとにこの種の物としてはこっくりのみ込みきれないものがあった。」「ソツのない構成やタッチの巧さは、この人の仕事ぶりと将来性を保証して余りあるものだが、(引用者中略)もう一つ何か推理の醍醐味らしい陰影と肌理が欲しい。」
川口松太郎
男59歳
12 「シンが強くたのもしく感じる。」「踏まれても蹴られても起き上りそうな作家に思えるのが好い。」
村上元三
男48歳
10 「近頃では出色の推理小説であった。トリックや謎解きにこだわらず、人間を描こうとしている点を認めたい。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
深田祐介男27歳×各選考委員 
「あざやかなひとびと」
短篇 118
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
6 「読んでいて、たのしかった。」「が、作者の今後に期待する意味で、残された。」
海音寺潮五郎
男57歳
8 「ぼくには冗漫な点があるように感ぜられた。」「効果というものは読者の心理を計算に入れるところにあろう。」
中山義秀
男58歳
0  
小島政二郎
男64歳
5 「二番目に私が感心したのは、「あざやかな人々」だった。」「こういうのが私は小説だと思うのだが――。」
大佛次郎
男61歳
0  
木々高太郎
男61歳
0  
吉川英治
男66歳
4 「深田祐介氏には未来があろう。」「ついに今回はもれたが、その才筆は光っている。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
8 「はじめからわたしは落した。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
津田信男33歳×各選考委員 
『日本工作人』
長篇 353
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
2 「(引用者注:「長城線」評の、もっと省略すべきということと)同じことがいえた。」
海音寺潮五郎
男57歳
10 「第三部の出来がわるかった。この部なからましかばの感があった。」「実力は入賞した人達におとらないと思う。」
中山義秀
男58歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
小島政二郎
男64歳
6 「一番感心した。これだけ多くの男女の性格を彷彿とさせた手腕、柔かな上品な文章、全体の構図の自然な発展、どこにも間然するところがない。」
大佛次郎
男61歳
1 「「日本工作人」も力作であり、」
木々高太郎
男61歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
吉川英治
男66歳
6 「この種のものとして、すでにたくさんな類型作を読んでいる読者にはもう生ぬるい感が先立つのではあるまいか。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
3 「ここからべつな材料で次の作品が生れるのを期待したい。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
池波正太郎男35歳×各選考委員 
「応仁の乱」
中篇 228
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
0  
海音寺潮五郎
男57歳
14 「これほど多岐にわたっていることをこの短紙幅で書こうというのは無理だ。大長篇にするか、いくつかの短篇小説にして総合して全貌がわかるようにするか、すべきであろう。」
中山義秀
男58歳
0  
小島政二郎
男64歳
0  
大佛次郎
男61歳
0  
木々高太郎
男61歳
8 「この作家のものは数年前から注目しているのであるが、あまり正直すぎて堅くなり、余裕がないのが欠点である。斯ういう作家はせっついて書かせているうちに必ずよくなると思う。」
吉川英治
男66歳
8 「池波正太郎氏の題材負けはどうしたものか。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
8 「もっと欲張ってスケールの大きな長篇にするか、あるいは焦点を一つに絞って、そこから見た応仁の乱を書いたほうがよかった。」「くさらないで頑張ってほしい。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
野口冨士男男47歳×各選考委員 
『二つの虹』
長篇 351
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
12 「最も推した。」「山陰地方の雨の季節のいんうつさが、この作品で、見事に生かされていた。登場人物も、それぞれ、個性があって、申し分がない。とにかく、うまい。」
海音寺潮五郎
男57歳
4 「描写力はたしかだが、構成に難があろう。ぼくにはよく筋がたどれなかった。」
中山義秀
男58歳
2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
小島政二郎
男64歳
0  
大佛次郎
男61歳
11 「きめのこまかい筆致で、内容にも真実が感じられ、候補作品の中で一番文学的だったと言えよう。」
木々高太郎
男61歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
吉川英治
男66歳
10 「おもしろさと確かさにおいて、(引用者中略)群を抜いたものといっていい。これが受賞に入らなかったのは入賞三篇は採れないという理由のほかはない。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
8 「はじめからわたしは落した。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
福本和也
「泥炭地層」
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
福本和也男30歳×各選考委員 
「泥炭地層」
短篇 85
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
0  
海音寺潮五郎
男57歳
4 「作者の意図はわかるが、追求力が不足なように感じた。」
中山義秀
男58歳
0  
小島政二郎
男64歳
0  
大佛次郎
男61歳
0  
木々高太郎
男61歳
0  
吉川英治
男66歳
4 「着眼はいいのにどこか粗雑な書き方がせっかくな意図をつかみ逃がしたといったうらみがある。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
8 「はじめからわたしは落した。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
草川俊
『長城線』
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候補者・作品
草川俊男44歳×各選考委員 
『長城線』
長篇 581
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男46歳
7 「前回の候補作品「黄色い運河」よりも、格段にうまくなっている。」「全体をもっと省略すべきだとの声もあり、同感せざるを得なかった。」
海音寺潮五郎
男57歳
10 「第二部の出来がわるく、(引用者中略)この部なからましかばの感があった。」「実力は入賞した人達におとらないと思う。」
中山義秀
男58歳
0  
小島政二郎
男64歳
0  
大佛次郎
男61歳
2 「「長城線」も面白かったが、」
木々高太郎
男61歳
7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
吉川英治
男66歳
2 「すこしあまい。」
川口松太郎
男59歳
0  
村上元三
男48歳
3 「ここからべつな材料で次の作品が生れるのを期待したい。」
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他の候補作
城山三郎
「総会屋錦城」
多岐川恭
「落ちる」等
深田祐介
「あざやかなひとびと」
津田信
『日本工作人』
池波正太郎
「応仁の乱」
野口冨士男
『二つの虹』
福本和也
「泥炭地層」
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