芥川賞のすべて・のようなもの
第23回
  • =受賞者=
  • 辻 亮一
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Last Update[H26]2014/6/20

辻亮一
Tsuji Ryoichi
生没年月日【注】 大正3年/1914年9月28日~平成25年/2013年3月6日
受賞年齢 35歳11ヵ月
経歴 滋賀県神崎郡五個荘町生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。早稲田第二高等学院在学中に、多田裕計八木義徳らと同人誌『黙示』を創刊。大学卒業後、東満洲産業に入社、満州に渡り琿春県庁傭人となる。昭和23年/1948年に帰国、長浜ゴム工業(のちの三菱樹脂)に勤務するかたわら創作を続ける。
受賞歴・候補歴
  • 第23回芥川賞(昭和25年/1950年上期)「異邦人」
  • |候補| 第23回芥川賞(昭和25年/1950年上期)「木枯国にて」
備考
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芥川賞 第23受賞  一覧へ

いほうじん
異邦人」(『新小説』昭和25年/1950年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「新小
巻号 第5巻 第2号  別表記2月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和25年/1950年1月25日 発行 昭和25年/1950年2月1日
発行者等 編集人 山田靜 発行人 和田利 印刷所 鐵弘濟會印刷所(東京都)
発行所 春陽堂(東京都)
総ページ数 132 表記上の枚数 表紙・目次 130枚 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 5~40
(計36頁)
測定枚数 128
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』昭和25年/1950年10月号
>>昭和25年/1950年10月・文藝春秋新社刊『異邦人』所収
>>昭和25年/1950年10月・大日本雄弁会講談社刊『創作代表選集 第6巻 昭和25年前期』所収
>>昭和31年/1956年10月・修道社刊『芥川賞作品集 第1巻』所収
>>昭和31年/1956年11月・長嶋書房刊『戦後芥川賞作品集 I』所収
>>昭和38年/1963年10月・現代芸術社刊『芥川賞作品全集 第3巻』所収
>>昭和47年/1972年☆月・あすなろ社刊『異邦人』所収
>>昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第4巻』所収
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候補者 辻亮一 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男56歳
17 「「異邦人」は、(引用者中略)題材がまず面白いと思いました。」「庶民と共に浮世のドン底に入って、精神のやすらぎを得ようとする、脱落した心持がこの小説のテーマらしく、この意味では一種の思想小説ともとれました。亦、思想小説としても、主張のない何気ない点が好もしいと思いました。」「デッサンの確かりした、線のするどい筆つきで、これにユーモラスのやわらか味もあって、一種の持味のある好い作家のように思われました。」「それで私は、この「異邦人」を推しました。」
石川達三
男45歳
16 「(引用者注:授賞が)「異邦人」になるとは思わなかった。」「危険を感じる。「木枯国にて」というもう一つの作品は問題にならなかった。これで相当に減点された位で、人柄の良い作家らしいが、その人柄を頼りに書いてあるような所がある。」
舟橋聖一
男45歳
14 「坂口安吾が、口を極めて、「異邦人」を推すので、あいまい(原文傍点)な気持の私は、坂口の熱っぽさに捲きこまれ、坂口があんなに言うのでは、坂口を信用したいような気分になった。」「結論として、私は坂口のムキになった顔にのみ興味があり、「異邦人」イットセルフには、やっぱり興味がなかった。」
丹羽文雄
男45歳
11 「難はあるが、深刻な環境にあって、木枯国人とまじわり、素直に、あそこまであたたかく描き出したのはみごとだと思った。」「坂口君が推すほど私は買ってはいないにしろ、この持味は珍しいものである。小説技術で女の味を出しているのでなく、作者の人柄が滲み出ているという点で、今までの日本文学ではユニイクではないかと思った。」「「木枯国にて」は、「異邦人」の二番煎である。」
坂口安吾
男43歳
7 「「異邦人」という作品の価値判断は、読者におまかせした方がいいだろう。これは理窟のいらない作品だ。読んで感動した人が、それだけ得をした、というそういう性質の作品なのだから。最も大衆的な作品でもある。この作品には一つの生命が具っているだけだ。」
宇野浩二
男59歳
20 「私は、第一回の会のときも、第二回の会のときも、『異邦人』をみとめなかったが、今、ていねいに、よみかえしてみて、このくらいなら、おしてもよいか、と、思いなおした。」
川端康成
男51歳
14 「「木枯国にて」と「異邦人」とは、前後連絡がある。」「「木枯国にて」は感傷で手薄いようだ。しかし私はこの感傷もそう悪いとは思わないし、これが「異邦人」の善意に通じるところもあろう。「異邦人」の素朴な善意は第一に人を打つのだが、敗戦によって共産主義国に抑留されて服役するという、異常で最低の生活にあって、生命として流れる善意であるから、諧謔も悲哀も生じて、そう簡単ではない。」
岸田國士
男59歳
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佐藤春夫
男58歳
23 「人生に対処する、この作者の態度、あの素材に向っての作者の目の角度にある特色とあの独特なスタイルに出来上っている表現力は珍重すべく当選に値するものでしょう。」「云わば実直な戯作(原文傍点)とでもいう観で、自然主義風の純客観や描写万能から一歩突きぬけた境地(これを邪道とする人もあるかも知れないが、自分は一詩情と思う)この点、多分坂口君あたりの共鳴が多かったろうか。」
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和25年/1950年10月号)
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芥川賞 第23回候補  一覧へ

こがらしこく
木枯国にて」(『新小説』昭和25年/1950年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「新小
巻号 第5巻 第4号  別表記創刊六十一周年記念4月特別号
作品名 別表記 「木枯國にて」
印刷/発行年月日 印刷 昭和25年/1950年3月25日 発行 昭和25年/1950年4月1日
発行者等 編集人 山田靜 発行人 和田利 印刷所 鐵弘濟會印刷所(東京都)
発行所 春陽堂(東京都)
総ページ数 140 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 13~34
(計22頁)
測定枚数 75
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和25年/1950年10月・文藝春秋新社刊『異邦人』所収
>>昭和47年/1972年☆月・あすなろ社刊『異邦人』所収
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候補者 辻亮一 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男56歳
17 「「異邦人」は、(引用者中略)題材がまず面白いと思いました。」「庶民と共に浮世のドン底に入って、精神のやすらぎを得ようとする、脱落した心持がこの小説のテーマらしく、この意味では一種の思想小説ともとれました。亦、思想小説としても、主張のない何気ない点が好もしいと思いました。」「デッサンの確かりした、線のするどい筆つきで、これにユーモラスのやわらか味もあって、一種の持味のある好い作家のように思われました。」「それで私は、この「異邦人」を推しました。」
石川達三
男45歳
16 「(引用者注:授賞が)「異邦人」になるとは思わなかった。」「危険を感じる。「木枯国にて」というもう一つの作品は問題にならなかった。これで相当に減点された位で、人柄の良い作家らしいが、その人柄を頼りに書いてあるような所がある。」
舟橋聖一
男45歳
14 「坂口安吾が、口を極めて、「異邦人」を推すので、あいまい(原文傍点)な気持の私は、坂口の熱っぽさに捲きこまれ、坂口があんなに言うのでは、坂口を信用したいような気分になった。」「結論として、私は坂口のムキになった顔にのみ興味があり、「異邦人」イットセルフには、やっぱり興味がなかった。」
丹羽文雄
男45歳
11 「難はあるが、深刻な環境にあって、木枯国人とまじわり、素直に、あそこまであたたかく描き出したのはみごとだと思った。」「坂口君が推すほど私は買ってはいないにしろ、この持味は珍しいものである。小説技術で女の味を出しているのでなく、作者の人柄が滲み出ているという点で、今までの日本文学ではユニイクではないかと思った。」「「木枯国にて」は、「異邦人」の二番煎である。」
坂口安吾
男43歳
7 「「異邦人」という作品の価値判断は、読者におまかせした方がいいだろう。これは理窟のいらない作品だ。読んで感動した人が、それだけ得をした、というそういう性質の作品なのだから。最も大衆的な作品でもある。この作品には一つの生命が具っているだけだ。」
宇野浩二
男59歳
20 「私は、第一回の会のときも、第二回の会のときも、『異邦人』をみとめなかったが、今、ていねいに、よみかえしてみて、このくらいなら、おしてもよいか、と、思いなおした。」
川端康成
男51歳
14 「「木枯国にて」と「異邦人」とは、前後連絡がある。」「「木枯国にて」は感傷で手薄いようだ。しかし私はこの感傷もそう悪いとは思わないし、これが「異邦人」の善意に通じるところもあろう。「異邦人」の素朴な善意は第一に人を打つのだが、敗戦によって共産主義国に抑留されて服役するという、異常で最低の生活にあって、生命として流れる善意であるから、諧謔も悲哀も生じて、そう簡単ではない。」
岸田國士
男59歳
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佐藤春夫
男58歳
23 「人生に対処する、この作者の態度、あの素材に向っての作者の目の角度にある特色とあの独特なスタイルに出来上っている表現力は珍重すべく当選に値するものでしょう。」「云わば実直な戯作(原文傍点)とでもいう観で、自然主義風の純客観や描写万能から一歩突きぬけた境地(これを邪道とする人もあるかも知れないが、自分は一詩情と思う)この点、多分坂口君あたりの共鳴が多かったろうか。」
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和25年/1950年10月号)
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