芥川賞のすべて・のようなもの
第93回
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Last Update[H27]2015/2/11

石和鷹
Isawa Taka
生没年月日【注】 昭和8年/1933年11月6日~平成9年/1997年4月22日
経歴 本名=水城顕。埼玉県生まれ。早稲田大学卒。在学中より同人誌『新早稲田文学』に参加。卒業後、集英社入社、のち『すばる』編集長。昭和60年/1985年より作家デビュー。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第93回候補  一覧へ

てのひら ごふ
掌の 護符」(『早稲田文学』昭和60年/1985年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「早稲田文学」  別表記表紙 「THE WASEDA BUNGAKU」併記
巻号 第105号(第8次)  別表記2月号
作品名 別表記 目次・本文 ルビ有り「てのひら」
印刷/発行年月日 発行 昭和60年/1985年2月1日
発行者等 編集兼発行人 平岡篤頼 編集所 早稲田文学編集室(東京都) 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 早稲田文学会(東京都) 発売元 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 114 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 84~107
(計24頁)
測定枚数 89
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書誌
>>『文學界』昭和60年/1985年5月号再録
>>『文藝春秋』昭和60年/1985年9月号
>>昭和61年/1986年3月・文藝春秋刊『果つる日』所収
>>昭和61年/1986年4月・講談社刊『文学1986』所収
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候補者 石和鷹 男51歳
選考委員 評価 行数 評言
三浦哲郎
男54歳
10 「打ちひしがれてはまた奮い立っておのれの家庭にのしかってくる〈目に見えぬ何ものかの意志〉に立ち向う家長の姿に、人間というもののけなげさと哀しさが滲み出ている。」「ただ、普通の病妻物にしたくないばかりに凝らした工夫が、結果的にわかりにくい個所を生じたのは不運であった。私自身はそこのところを無理なく読めたのでこれを推したが、わずかに及ばなかった。」
安岡章太郎
男65歳
13 「出来栄えはともかく、書きたいものを持っていると思われる」「じつは私は、これを当選作にしてもいいかと思っていた。」「とにかく主題は明確で、描写力もあり、ちょっと小気味のいい短編小説であった。ただし、街で知り合った一人の青年を自分の娘にいたずらした痴漢であると断定するあたり、主人公の動揺した気分もさることながら、そのへんをもっと客観的に捉える第三者の眼が欲しかった。」
吉行淳之介
男61歳
11 「痛切な作品であるが、その痛切さのために二つの弱点ができている。一つは、過剰な部分が文章にできた。」「もう一つは、主人公と作者とがまったく重なり合ってしまったために、作品にたいして十分の計算をおこなうゆとりが失われた。」「この作品は主人公の造形にもう一工夫あってしかるべきだが、そのためには作者が主人公をくぐり抜けてその外側に出ていることが必要である。」
開高健
男54歳
10 「得点数がもっとも高かった」「何故書かれなければならなかったかが手につたわってくるのでありがたかった。」「“南無妙法蓮華経”という一語を書きつけて終っているが、その強烈さが全体の効果からすると浮いてしまって、作品を流してしまった。残念である。あちらこちらに、固有で、いいリアリティーがある作品なので、惜しまれてならない。」
丸谷才一
男59歳
18 「見るからに古風で無器用な作柄だが、一種の素朴な力がある。その野性がところどころで巧みに抑制されていることに、わたしは好感を持った。」「しかしこの短篇小説は、後半の学生のあつかい方、というよりもむしろ学生に対する主人公の誤解のあつかい方に重大な欠点がある。主人公が、偶然に知り合った学生が犯人だと理不尽に誤解する逆上ぶりを、作者は冷静に見ていない。」「芥川賞受賞作たるにはふさわしくない、と判断した。」
中村光夫
男74歳
6 「妻の生命を癌で奪われる過程を描いたもので、(引用者注:「黄色い斥候」より)この方がよほど強い文学的感銘を与えると思われました。」「しかしこの種の材料は新鮮味に乏しく、積極的に推す気持になれませんでした。」
遠藤周作
男62歳
3 「私は「黄色い斥候」と「掌の護符」とがまだ佳作に入ると思ったが、いわゆる新人賞ならとも角、芥川賞に値するにはまだ一歩と感じ「受賞作なし」を主張した。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和60年/1985年9月号)
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芥川賞 第94回候補  一覧へ

果つる 日」(『三田文學』昭和60年/1985年秋季号[11月])
媒体・作品情報
誌名 「三田文學」  別表記表紙 「季刊」「MITA BUNGAKU」「A Literary Magazine」併記 目次 「季刊・文芸雑誌」併記  「季刊 文芸雑誌 MITA BUNGAKU」併記 裏表紙 「三田文学」
巻号 第64巻 第3号  別表記秋季号/11月秋季号
印刷/発行年月日 発行 昭和60年/1985年11月1日
発行者等 編集人 高橋昌男 発行人 安岡章太郎 印刷所 株式会社精興社(東京都)
発行所 三田文学会(東京都) 発売元 岩波ブックセンター 信山社(東京都)
総ページ数 212 表記上の枚数 目次 90枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 112~143
(計32頁)
測定枚数 96
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書誌
>>昭和61年/1986年3月・文藝春秋刊『果つる日』所収
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候補者 石和鷹 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男61歳
5 「前作につづく切実な作品である。私としては、作品のあちこちに出てくる「軽み」に疑問を持った。これは深刻さを中和させ、さらには際立たせようという狙いとおもったが、有効に働かず浮いてしまっている。」
水上勉
男66歳
7 「好感をもった」「奥さんを癌でうしなう悲痛な話を、(引用者中略)淡々と描いたところがいいのだが、少し……。結末の歌に無理があるようにも思えて、強く推せなかった。」
田久保英夫
男57歳
6 「並なみならぬ筆力が見えるが、そのシリアスな面と、もう一人の女とかかわる時などの筆致の軽みが、根底で背き合っている。どこか一点、それを調和する方法を見出せば、感銘はまったく違ってきたろう。」
安岡章太郎
男65歳
11 「(引用者注:「過越しの祭」と共に)安心して読めた」「両者とも五十歳過ぎ、(引用者中略)とにかく他の若い人たちと違って文章は堅固で、鑑賞に耐えるのである。」
古井由吉
男48歳
0  
中村光夫
男74歳
2 「小説としての完成度は、(引用者中略)数段上でしょう。」
遠藤周作
男62歳
10 「好感をもった」「人間のどうにもならぬ心の動きがつかまえられていた。その心の奥をもっと書きこめば、とこれも惜しいと思った。」「私の気持としてはこれら四作(引用者注:「過越しの祭」「ベッドタイムアイズ」「エチオピアからの手紙」「果つる日」)はほんの僅かの差しかない。」
三浦哲郎
男54歳
13 「私は(引用者中略)最も有力だと思っていた。」「一読して確かに打ってくるものがある。今度は病妻の死を中心に据えているだけに、前作よりも引き締まって完成度の高い作品になっている。」「これだけを切り離して完全に独立した一篇として見た場合の評価は多少違ったものになるかもしれないという不安はあった。連作小説というものの厄介なところである。」
開高健
男55歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年3月号)
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