芥川賞のすべて・のようなもの
第16回
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昭和17年/1942年下半期
(昭和18年/1943年2月2日決定、2月3日発表/『文藝春秋』昭和18年/1943年3月号選評掲載)
選考委員  宇野浩二
男51歳
佐佐木茂索
男48歳
久米正雄
男51歳
川端康成
男43歳
瀧井孝作
男48歳
佐藤春夫
男50歳
横光利一
男44歳
小島政二郎
男49歳
室生犀星
男53歳
菊池寛
男54歳
谷崎潤一郎
男56歳
山本有三
男55歳
選評総行数  32 10 24 14 15 15 8 16 5 「話の屑籠」より    
選評なし 選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
倉光俊夫 「連絡員」
116
男34歳
14 7   6 5 11 8 7 5          
金原健児 「愛情」
119
男(37歳)
5 2   3 2 4 0 2 0          
稲葉真吾 「炎と倶に」
77
男33歳
7 3 0 3 3 3 0 4 0          
橋本英吉 「柿の木と毛虫」
50
男44歳
6 1   1 3 0 0 0 0          
埴原一亟 「翌檜」
50
男35歳
4 2 0 2 3 0 0 3 0          
山田多賀市 「生活の仁義」
297
男35歳
1 0 0 0 0 0 0 0 0          
八甕きよ 「山陰挽歌」
不明(不明)
2 0 0 0 0 0 0 0 0          
徳永知夫 「ひと老いき」
59
男(不明)
1 0 0 2 0 0 0 0 0          
                    欠席 欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和18年/1943年3月号)
1行当たりの文字数:26字

このページの「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和18年/1943年3月号)


選考委員
宇野浩二男51歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数32 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
14 「安心は出来ないが、主人公の風変りな性格や生活も、ある程度まで、書かれている上に、他の人物も、まずまず面白く、現わされているし、背景になっている支那事変も、もっと別な書き方はあると思うが、わりに都合よく書かれている。」「「このくらい」ならという程度で、私は、「連絡員」を買う。」
金原健児
男(37歳)
5 「すこし軽いが、明るくて、上手に出来ているけれど、この作家の最近作「志賀高原は日本晴」とあまり同じ調子であり過ぎるので安心が出来ない。」
稲葉真吾
男33歳
7 「題材も面白く、ところどころ、感心させられるところはあるが、小説になり切っていない」
橋本英吉
男44歳
6 「この作家のものとして、変っていて、何ともいえぬ面白く楽しいものではあるが、これでは物足りない」
埴原一亟
男35歳
4 「変った面白味はあるが、後味がわるくこの作家のものとしては、欠点があり過ぎる。」
山田多賀市
男35歳
1  
八甕きよ
不明(不明)
2  
徳永知夫
男(不明)
1  
  「推薦候補作品を、予選するために、二十四五篇よんだが、「これは」というものは、殆どなかった」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
佐佐木茂索男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数10 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
7 「点綴された事変の記録も過不及なく三個三様の連絡員、就中主人公彪助の描出は殆ど成功している。」「僕は五篇の候補作品の、そのどれに決定しても、多数決なら異議のないつもりでいたが、「連絡員」に決着したので一番不服がない。」
金原健児
男(37歳)
2 「捨て難いが、「連絡員」を措いてという訳にもゆくまい。」
稲葉真吾
男33歳
3 「消防の厳格な責務を知らせてくれるが、その方がどうも先に立って、作品があとからついてくる気がした。」
橋本英吉
男44歳
1 「手練の作品であるが、これは別物」
埴原一亟
男35歳
2 「捨て難いが、「連絡員」を措いてという訳にもゆくまい。」
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
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他の選考委員
宇野浩二
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
久米正雄男51歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数24 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
  「新聞記録文学から出発した中間読物に終っていない点だけを、私は力説すれば足りる。作の背後にある開戦当初の事実も、割合に正確である。稍ニュース映画の解説口調が気にはなるが、巧みに捌いたと云うべきだと思う。」
金原健児
男(37歳)
  「少し古いかも知れないが、小説道の本格的な作品として、「連絡員」に劣らず買う」「適度な時局性と、愛すべき人間描写に、私は尠からず感心した。」
稲葉真吾
男33歳
0  
橋本英吉
男44歳
  「君の如き新中堅作家の傑作には、別に賞の設定を見る事が、更に必要だと考えた。」
埴原一亟
男35歳
0  
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
  「今期の芥川賞候補作品は、近来に無く充実しているような気がした。」「日本文学報国会常務理事として一言御報告して置きたいが、日本文学報国会は、正式に会の名に於て、芥川賞直木賞の在来の実績と、財団法人日本文学振興会の公共性を認め、選定委員を信頼して、――一応は此方の審査機関の査定をも経るが、――此の賞を公認する意味から、略賞金と同額の副賞を呈する事に決定した。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
川端康成男43歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数14 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
6 「一人の反対もなく決定を見た」「長年の辛労にもかかわらず、鋭敏で新鮮な面も失っていない。また、かなり複雑な材料の「連絡員」を纏めるのに、作者の心情の流れが行き渡り、また引きしめられている。手腕、素質、共に推奨する。」
金原健児
男(37歳)
3 「地味な小説の道を歩いて、作中人物も生きているが、少ししまりのない古さである。」
稲葉真吾
男33歳
3 「奉仕的な建設的な文学として、清爽な同情も湧くが、この一作ではまだ信じ難い。」
橋本英吉
男44歳
1 「芥川賞以上の作家である。」
埴原一亟
男35歳
2 「認めるが、「翌檜」は前作の「塵埃」や「下職人」より弛み、低調である。」
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
2 「私は予選に入れてもよいかと思った。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
瀧井孝作男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数15 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
5 「幾分このような不満の点(引用者注:創作小説としては力も弱く品位も低いきらいがある所、素材の報告に止っている所)もあると思った。」
金原健児
男(37歳)
2 「明るい小説らしい感じが買われた。」
稲葉真吾
男33歳
3 「消防の世界は、目新しいものだと思った。」
橋本英吉
男44歳
3 「単に読物ではない美しい文学だと思ったが、橋本氏は今更芥川賞でもあるまいと云われた。」
埴原一亟
男35歳
3 「これまで佳作「塵埃」「店員」「下職人」など書き、入選したかったが、こんどの「翌檜」も、もう少し品の高い感じがあれば申分ないがと思った。」
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
  「何篇かは相当読みごたえがあり、亦面白く読めた。しかし、それは大方、雑誌の中間読物と云うような感じの作品が多くて、創作小説としては、力も弱く品位も低いきらいがあった。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
佐藤春夫男50歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数15 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
11 「二篇(引用者注:「愛情」と「炎と倶に」)とは断然貫禄が違うと思う。」「主人公川島彪助の悲しく愉快に勇ましくおかしな風貌や戦場の活動など活写されていて相当に感心させられた。」「蘆溝橋附近の風物もよく写され、現地報告的記述と小説との結合も効果がよい。新鮮なあわれ(原文傍点)がある。これに限ると大いに力瘤を入れて決めた。」
金原健児
男(37歳)
4 「上手だと思うが新鮮さが尠い、これはまた手だれすぎるという感じが好もしくない。」
稲葉真吾
男33歳
3 「素朴で厭味のないまた建設的なものを感じさせて悪くはないがやはり素朴すぎる。」
橋本英吉
男44歳
0  
埴原一亟
男35歳
0  
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
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他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
横光利一
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
横光利一男44歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数8 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
8 「支那事変の発端から、石家荘占領までの北支の拡がりを、連絡させた記事の扱いに新しさがある。」「慾を云えば、作者がいま少しわれわれ読者との間の連絡に、注意を用いたらと思わす所もあるが、そんなことなどしている暇がないと、突っ放している文章にも、さばさばした無芸の芸の面白さを感じた。」
金原健児
男(37歳)
0  
稲葉真吾
男33歳
0  
橋本英吉
男44歳
0  
埴原一亟
男35歳
0  
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
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他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
小島政二郎
室生犀星
菊池寛
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選考委員
小島政二郎男49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数16 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
7 「前線と天津間の生活が、不明瞭が彼等(引用者注:登場人物たち)の前生活と共に実によく性格的に書けている。不明瞭なところがこの作品に人生そのもののような魅力を与えている不思議さ。」
金原健児
男(37歳)
2 「多数の人物の性格を描き分けている点感服した。が、底が浅い。」
稲葉真吾
男33歳
4 「消防署員の生活記録として面白い。」「文章も力強くてよい。但し、結末が尻切トンボで、あっけなかった。」
橋本英吉
男44歳
0  
埴原一亟
男35歳
3 「紙屑屋の立て場へ、珍本を掘り出しに行く生活の記録として面白い。但し赤三の性格が一向彷彿として来ない。」
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
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他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
室生犀星
菊池寛
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選考委員
室生犀星男53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
総行数5 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
5 「候補作品中でも無難であった。この他には当選作はない。菊池君をのぞく諸家の説も悉く一致した。」
金原健児
男(37歳)
0  
稲葉真吾
男33歳
0  
橋本英吉
男44歳
0  
埴原一亟
男35歳
0  
山田多賀市
男35歳
0  
八甕きよ
不明(不明)
0  
徳永知夫
男(不明)
0  
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他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
菊池寛
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選考委員
菊池寛男54歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
(話の屑籠より) 
候補 評価 行数 評言
倉光俊夫
男34歳
  「全委員ほとんど一致した。」
金原健児
男(37歳)
   
稲葉真吾
男33歳
  「僕は「新作家」という同人雑誌に出ている稲葉真吾という人の「炎と倶に」という作品を支持した。これは帝都の消防隊の世人に知られない苦労を書いたもので、描写も明朗で建設的で、広く読まれていいものだと思ったが、賛成者がなかった。」
橋本英吉
男44歳
   
埴原一亟
男35歳
   
山田多賀市
男35歳
   
八甕きよ
不明(不明)
   
徳永知夫
男(不明)
   
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他の選考委員
宇野浩二
佐佐木茂索
久米正雄
川端康成
瀧井孝作
佐藤春夫
横光利一
小島政二郎
室生犀星
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受賞者・作品
倉光俊夫男34歳×各選考委員 
「連絡員」
短篇 116
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
14 「安心は出来ないが、主人公の風変りな性格や生活も、ある程度まで、書かれている上に、他の人物も、まずまず面白く、現わされているし、背景になっている支那事変も、もっと別な書き方はあると思うが、わりに都合よく書かれている。」「「このくらい」ならという程度で、私は、「連絡員」を買う。」
佐佐木茂索
男48歳
7 「点綴された事変の記録も過不及なく三個三様の連絡員、就中主人公彪助の描出は殆ど成功している。」「僕は五篇の候補作品の、そのどれに決定しても、多数決なら異議のないつもりでいたが、「連絡員」に決着したので一番不服がない。」
久米正雄
男51歳
  「新聞記録文学から出発した中間読物に終っていない点だけを、私は力説すれば足りる。作の背後にある開戦当初の事実も、割合に正確である。稍ニュース映画の解説口調が気にはなるが、巧みに捌いたと云うべきだと思う。」
川端康成
男43歳
6 「一人の反対もなく決定を見た」「長年の辛労にもかかわらず、鋭敏で新鮮な面も失っていない。また、かなり複雑な材料の「連絡員」を纏めるのに、作者の心情の流れが行き渡り、また引きしめられている。手腕、素質、共に推奨する。」
瀧井孝作
男48歳
5 「幾分このような不満の点(引用者注:創作小説としては力も弱く品位も低いきらいがある所、素材の報告に止っている所)もあると思った。」
佐藤春夫
男50歳
11 「二篇(引用者注:「愛情」と「炎と倶に」)とは断然貫禄が違うと思う。」「主人公川島彪助の悲しく愉快に勇ましくおかしな風貌や戦場の活動など活写されていて相当に感心させられた。」「蘆溝橋附近の風物もよく写され、現地報告的記述と小説との結合も効果がよい。新鮮なあわれ(原文傍点)がある。これに限ると大いに力瘤を入れて決めた。」
横光利一
男44歳
8 「支那事変の発端から、石家荘占領までの北支の拡がりを、連絡させた記事の扱いに新しさがある。」「慾を云えば、作者がいま少しわれわれ読者との間の連絡に、注意を用いたらと思わす所もあるが、そんなことなどしている暇がないと、突っ放している文章にも、さばさばした無芸の芸の面白さを感じた。」
小島政二郎
男49歳
7 「前線と天津間の生活が、不明瞭が彼等(引用者注:登場人物たち)の前生活と共に実によく性格的に書けている。不明瞭なところがこの作品に人生そのもののような魅力を与えている不思議さ。」
室生犀星
男53歳
5 「候補作品中でも無難であった。この他には当選作はない。菊池君をのぞく諸家の説も悉く一致した。」
菊池寛
男54歳
  「全委員ほとんど一致した。」
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他の候補作
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
金原健児男(37歳)×各選考委員 
「愛情」
短篇 119
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
5 「すこし軽いが、明るくて、上手に出来ているけれど、この作家の最近作「志賀高原は日本晴」とあまり同じ調子であり過ぎるので安心が出来ない。」
佐佐木茂索
男48歳
2 「捨て難いが、「連絡員」を措いてという訳にもゆくまい。」
久米正雄
男51歳
  「少し古いかも知れないが、小説道の本格的な作品として、「連絡員」に劣らず買う」「適度な時局性と、愛すべき人間描写に、私は尠からず感心した。」
川端康成
男43歳
3 「地味な小説の道を歩いて、作中人物も生きているが、少ししまりのない古さである。」
瀧井孝作
男48歳
2 「明るい小説らしい感じが買われた。」
佐藤春夫
男50歳
4 「上手だと思うが新鮮さが尠い、これはまた手だれすぎるという感じが好もしくない。」
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
2 「多数の人物の性格を描き分けている点感服した。が、底が浅い。」
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
稲葉真吾男33歳×各選考委員 
「炎と倶に」
短篇 77
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
7 「題材も面白く、ところどころ、感心させられるところはあるが、小説になり切っていない」
佐佐木茂索
男48歳
3 「消防の厳格な責務を知らせてくれるが、その方がどうも先に立って、作品があとからついてくる気がした。」
久米正雄
男51歳
0  
川端康成
男43歳
3 「奉仕的な建設的な文学として、清爽な同情も湧くが、この一作ではまだ信じ難い。」
瀧井孝作
男48歳
3 「消防の世界は、目新しいものだと思った。」
佐藤春夫
男50歳
3 「素朴で厭味のないまた建設的なものを感じさせて悪くはないがやはり素朴すぎる。」
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
4 「消防署員の生活記録として面白い。」「文章も力強くてよい。但し、結末が尻切トンボで、あっけなかった。」
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
  「僕は「新作家」という同人雑誌に出ている稲葉真吾という人の「炎と倶に」という作品を支持した。これは帝都の消防隊の世人に知られない苦労を書いたもので、描写も明朗で建設的で、広く読まれていいものだと思ったが、賛成者がなかった。」
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
橋本英吉男44歳×各選考委員 
「柿の木と毛虫」
短篇 50
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
6 「この作家のものとして、変っていて、何ともいえぬ面白く楽しいものではあるが、これでは物足りない」
佐佐木茂索
男48歳
1 「手練の作品であるが、これは別物」
久米正雄
男51歳
  「君の如き新中堅作家の傑作には、別に賞の設定を見る事が、更に必要だと考えた。」
川端康成
男43歳
1 「芥川賞以上の作家である。」
瀧井孝作
男48歳
3 「単に読物ではない美しい文学だと思ったが、橋本氏は今更芥川賞でもあるまいと云われた。」
佐藤春夫
男50歳
0  
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
0  
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
埴原一亟男35歳×各選考委員 
「翌檜」
短篇 50
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
4 「変った面白味はあるが、後味がわるくこの作家のものとしては、欠点があり過ぎる。」
佐佐木茂索
男48歳
2 「捨て難いが、「連絡員」を措いてという訳にもゆくまい。」
久米正雄
男51歳
0  
川端康成
男43歳
2 「認めるが、「翌檜」は前作の「塵埃」や「下職人」より弛み、低調である。」
瀧井孝作
男48歳
3 「これまで佳作「塵埃」「店員」「下職人」など書き、入選したかったが、こんどの「翌檜」も、もう少し品の高い感じがあれば申分ないがと思った。」
佐藤春夫
男50歳
0  
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
3 「紙屑屋の立て場へ、珍本を掘り出しに行く生活の記録として面白い。但し赤三の性格が一向彷彿として来ない。」
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
山田多賀市男35歳×各選考委員 
「生活の仁義」
中篇 297
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
1  
佐佐木茂索
男48歳
0  
久米正雄
男51歳
0  
川端康成
男43歳
0  
瀧井孝作
男48歳
0  
佐藤春夫
男50歳
0  
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
0  
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
八甕きよ
「山陰挽歌」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
八甕きよ不明(不明)×各選考委員 
「山陰挽歌」
不明 ―
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
2  
佐佐木茂索
男48歳
0  
久米正雄
男51歳
0  
川端康成
男43歳
0  
瀧井孝作
男48歳
0  
佐藤春夫
男50歳
0  
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
0  
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
徳永知夫
「ひと老いき」
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候補者・作品
徳永知夫男(不明)×各選考委員 
「ひと老いき」
短篇 59
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宇野浩二
男51歳
1  
佐佐木茂索
男48歳
0  
久米正雄
男51歳
0  
川端康成
男43歳
2 「私は予選に入れてもよいかと思った。」
瀧井孝作
男48歳
0  
佐藤春夫
男50歳
0  
横光利一
男44歳
0  
小島政二郎
男49歳
0  
室生犀星
男53歳
0  
菊池寛
男54歳
   
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他の候補作
倉光俊夫
「連絡員」
金原健児
「愛情」
稲葉真吾
「炎と倶に」
橋本英吉
「柿の木と毛虫」
埴原一亟
「翌檜」
山田多賀市
「生活の仁義」
八甕きよ
「山陰挽歌」
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