芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
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Last Update[H26]2014/6/20

菊池寛
Kikuchi Kan
このページの情報は「直木賞のすべて」内の「選考委員の群像 菊池寛」と同じものです。
生没年月日【注】 明治21年/1888年12月26日~昭和23年/1948年3月6日
在任期間 第1回~第16回(通算8年・16回)
在任年齢 46歳6ヶ月~54歳0ヶ月
経歴 本名=菊池寛(キクチ・ヒロシ)。
香川県生まれ。京都帝大文科大学英文科卒。
一高在学中に芥川龍之介らに接し、大正3年第3次『新思潮』、大正5年第4次『新思潮』に参加。
同誌に戯曲「屋上の狂人」「父帰る」などを発表した。
大学卒業後に、時事新報社入社。「無名作家の日記」「忠直卿行状記」「恩讐の彼方に」などの小説で、作家として認められる。
大正12年/1923年、文藝春秋社を創立し『文藝春秋』創刊。
大正15年/1926年、劇作家協会と小説家協会を合併するかたちで日本文芸家協会を組織し、昭和11年/1936年に初代会長に就任した。
戦時中、日本文学報国会や大東亜文学者大会の役員を務め、戦後、公職追放をうけたまま逝去。
また、言うまでもないが、昭和10年/1935年の芥川龍之介賞・直木三十五賞両賞の創設者でもある。
受賞歴・候補歴
個人全集 『菊池寛文学全集』全10巻(文藝春秋新社)
備考 菊池寛は、『文藝春秋』誌のなかに「話の屑籠」という
自分の考えを発表する欄を持っていたためか、
選評はほとんど書かず、受賞作品についての感想などを「話の屑籠」に書いている。
そこで、当サイトの「選評の概要」では、菊池寛に限って、
「話の屑籠」も参照にして引用している。
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 1 昭和10年/1935年上半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男46歳
候補 評価 行数 評言
男30歳
  「芥川賞の石川達三君は、まず無難だと思っている。この頃の新進作家の題材が、結局自分自身の生活から得たような千篇一律なものであるのに反し、一団の無知な移住民を描いてしかもそこに時代の影響を見せ、手法も堅実で、相当の力作であると思う。」「石川君は、審査員は誰も知らない人である。」
  「芥川賞の選定のため、久しぶりに新進作家の作品を、少し読んでみたが、しかし自分は失望した。末梢的な新しさでごまかしているだけで、実際は十年前に比して、少しも進歩していないと思った。ことに、新奇を装っている表現は、新進作家の作品を、いよいよ仲間的にして、一般の読書階級から離れさせるものではないかと思う。大衆に読まれるということは、大衆文学にとって必要なことである。純文学も、大衆に読まれれば読まれるほど、いいのである。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和10年/1935年9月号)
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芥川賞 2 昭和10年/1935年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男47歳
候補 評価 行数 評言
  「芥川賞は授賞を中止するのやむなきに至った。審査員の意見がまちまちであり、一頭地を抜いた作家が見当らないのである。せめて、過半数の賛成があればいいのであるが、各人各説で、どうにもできないのである。」「候補者たちに、百円ずつ分けようなどという説もあったが、それはかえって前途ある人々を侮辱することだというので、沙汰止みにした。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和11年/1936年4月号)
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芥川賞 3 昭和11年/1936年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数14 (1行=26字)
選考委員 菊池寛 男47歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
8 「一番「コシャマイン記」に感心した。」「古いとか新しいとか云う事を離れて、立派な文学的作品であると思った。」「殆んど満場一致で入選したことは、嬉しかった。」
高木卓
男29歳
3 「(引用者注:一番感心した「コシャマイン記」の)その次は、「遣唐船」」「テーマが雄大で、書き足りていないが、しかし相当の力作で、あると思った。」
男36歳
4 「第三(引用者注:に感心したの)は「城外」であった。」「現代物の中では、一番自分の心に残った。」
  「第二回の芥川賞銓衡に、僕は一篇も読んでいなかったので、終始黙っていたが、今度はその償いで候補に上ったものは、全部眼を通した。」
選評出典:『芥川賞全集 第一巻』昭和57年/1982年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和11年/1936年9月号)
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芥川賞 5 昭和12年/1937年上半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男48歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
  「僕としては朗らかな貧乏小説として、一種の風格のあるのを選んだのである。」
  「今度の芥川賞も適当な候補者が少なく、」「この頃、純文学者の歴史小説を、三、四読んだが、描写にしろ説話にしろ、老練なる大衆作家に及ばない。現代小説でも、女性などを書いて、本当に姿態までを描写できる純文学方面の作家というものはほとんどない。みんな心理描写と会話で、ごまかしてあるのだ。本当に情景が活写できないから、いよいよ純文学というものがつまらなくなるのだ。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和12年/1937年9月号)
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芥川賞 6 昭和12年/1937年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男49歳
候補 評価 行数 評言
男31歳
  「無名の新進作家に贈り得たことは、芥川賞創設の主旨にも適し、我々としても欣快であった。作品も、題は汚らしいが、手法雄健でしかも割合に味が細く、一脈の哀感を蔵し、整然たる描写といい、立派なものである。しかも、作者が出征中であるなどは、興行価値百パーセントで、近来やや精彩を欠いていた芥川賞の単調を救い得て十分であった。この作品を、委員会に推薦してくれたやはり芥川賞の鶴田知也君に改めて感謝する。」「我々は火野君から、的確に新しい戦争文学を期待してもいいのではないかと思う。」
  「文学賞の決定は、あくまで公平無私でなければならない。一度でも公明を欠くと、たちまちその賞金の権威が無くなってしまうのである。人間のやることだから、価値判定の過ちはあってもよいが、情実だけは絶対に排斥しなければならない。芥川賞、直木賞の委員は、怠惰で往々ずぼらをきめるが、情実や縁故で動く人が一人もいないことは、はなはだ欣ばしいことである。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和13年/1938年3月号)
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芥川賞 7 昭和13年/1938年上半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男49歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
  「特異な性格を創造したところが、作者の功績であると思った。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和13年/1938年9月号)
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芥川賞 8 昭和13年/1938年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男50歳
候補 評価 行数 評言
女29歳
  「題材が珍しいのと、少したどたどしいところもあるが、文章に気品と落ち着きがあり、死んで行く外国婦人が、弟子兼女中の菊代というあいのこに、自分の生命の後継者を見出すところなどに、作者の明るさも感じられるので、ある程度の不満もあったが、この人を推薦することにした。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和14年/1939年3月号)
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芥川賞 9 昭和14年/1939年上半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男50歳
候補 評価 行数 評言
男28歳
  「いちばん感心した。筆致が少し晦渋で、最初は、とっつきにくいが、読んで行くに従って、だんだん面白くなり、最後の「ドナさんや」というところなどは、読んでいて嬉しくなった。小説の構成に、相当の手腕があり、もう少し洗練されたら、相当な作家になれる人だと思った。」
男34歳
  「文章に滋味があり、描写も達者であるが、小説の構成がぼやけているし、こうした少年物以外の作品が書けるかどうかという疑問も感じられた。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号)
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芥川賞 10 昭和14年/1939年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男51歳
候補 評価 行数 評言
男32歳
  「ほとんど全委員の一致するところであった。」「(引用者注:「光の中に」を読んだ)すぐその後で、「密猟者」(寒川光太郎)を読んで、すぐそれに決めてしまった。」「久米が、「コンラッドの名短篇」に比すべしといったが、これぐらいの面白い小説は、外国の短篇小説にも、なかなかないのである。僕は各国の「一九三八年度傑作集」などいうものは読んでいるが、いい短篇などいうものは容易にはないものである。」「ある人は芥川賞創設以来だという人もいたが、とにかく相当な作家で、石川、火野系の力量豊満な人だと思う。進出期待すべしである。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和15年/1940年3月号)
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芥川賞 11 昭和15年/1940年上半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男51歳
候補 評価 行数 評言
高木卓
男33歳
  「今度は、授賞中止説が多かったが、自分は高木卓氏の前作「遣唐船」が授賞に値したものであったと思うので、今度の作品は不十分であるが、歴史小説として「遣唐船」と共に上古日本の世界に取材してある点を買って、授賞を主張したのである。審査の正不正、適不適は審査員の責任であり、受賞者が負うべきものではない。活字にして発表した以上、貶誉は他人にまかすべきで、褒められて困るようなら、初めから発表しない方がいいと思う。」
  「受賞者に擬せられた高木卓氏が受賞を辞退したので、中止することにした。」「ことに芥川賞などは、授賞が内定した以上その受くる名誉は同じで、あとは賞金だけの問題である。辞退して謙譲の徳を発揮したつもりでも、受くるものはちゃんと受けているのである。」「こんなものは素直に受けてくれないと、審査をするものは迷惑である。受賞者の辞退によって、審査貝が鼎の軽重などを問われてはやり切れない。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和15年/1940年9月号)
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芥川賞 13 昭和16年/1941年上半期   一覧へ
選評の概要 (電報回答) 総行数1 (1行=26字)
選考委員 菊池寛 男52歳
候補 評価 行数 評言
男28歳
1 「デ ルタモカンシンセヌ」(以下「話の屑籠」より)「題目は面白いが、中国人の姉妹が、十分によく描けているとは思えなかった。」
  (以下「話の屑籠」より)「自分は樺太旅行のため、精読できながったが、「長江デルタ」も「山彦」も、両方とも、あまり感心しなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和16年/1941年9月号)
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芥川賞 14 昭和16年/1941年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男53歳
候補 評価 行数 評言
女27歳
   
  「別に意見がない。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号)
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芥川賞 16 昭和17年/1942年下半期   一覧へ
選評の概要 (話の屑籠より)
選考委員 菊池寛 男54歳
候補 評価 行数 評言
稲葉真吾
男33歳
  「僕は「新作家」という同人雑誌に出ている稲葉真吾という人の「炎と倶に」という作品を支持した。これは帝都の消防隊の世人に知られない苦労を書いたもので、描写も明朗で建設的で、広く読まれていいものだと思ったが、賛成者がなかった。」
男34歳
  「全委員ほとんど一致した。」
「話の屑籠」出典:昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集 第七巻』(初出:『文藝春秋』昭和18年/1943年3月号)
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