芥川賞のすべて・のようなもの
第9回
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Last Update[H26]2014/6/20

長谷健
Hase Ken
生没年月日【注】 明治37年/1904年10月17日~昭和32年/1957年12月21日
受賞年齢 34歳9ヵ月
経歴 本名=藤田正俊、旧姓=堤。福岡県山門郡東宮永村生まれ。福岡師範学校卒。小学校教諭のかたわら、同人誌にて創作を始める。昭和16年/1941年、教職を退き、文筆生活に入る。
受賞歴・候補歴
  • 第9回芥川賞(昭和14年/1939年上期)「あさくさの子供」
備考
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芥川賞 第9受賞  一覧へ

こども
「あさくさの 子供」(『虚実』2号[昭和14年/1939年4月])
媒体・作品情報
誌名 「虚実」  別表記實」 表紙 「文藝雜誌」併記
巻号 第1巻 第2号  別表記第2号
印刷/発行年月日 印刷納本 昭和14年/1939年4月6日 発行 昭和14年/1939年4月12日
発行者等 編輯兼発行人 藤田正俊 印刷人 奈良直一 印刷所 株式会社常磐印刷所(東京市)
発行所 實社(東京市)
総ページ数 80 表記上の枚数 編輯後記 135枚 基本の文字組
(1ページ当り)
54字
×19行
×1段
本文ページ 1~57
(計57頁)
測定枚数 127
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号
>>昭和15年/1940年1月・改造社刊『あさくさの子供』所収
>>昭和24年/1949年8月・小山書店刊『芥川賞全集 第3巻』所収
>>昭和33年/1958年3月・筑摩書房刊『現代日本文学全集87 昭和小説集(二)』所収
>>昭和42年/1967年7月・教師の友社刊『あさくさの子供』[新版]所収
>>昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第2巻』所収
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候補者 長谷健 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男45歳
14 「小学児童の心持とその行動とがこまかく観察してあって、それを描く筆つきが軽快にすらすらとよく筆が廻って、スッキリと写生してあった。渋滞なく筆の廻っている点で、立派な手腕のある人だと思った。」「最近、早稲田文学の八月号に「子供の倫理」というのが出てから、これも読んでみた。」「この二篇を読んで、ぼくは安心してこの初めての人を推選しようと思った。」
横光利一
男41歳
9 「(引用者注:「鶏騒動」と共に)批評をしようとすれば、難は限りなく出て来る作品である。」「しかし、飜って読む忍耐のある人なら、面白さは自然に頭の一角に生じて来ると思う。」「ここには、浅草という特殊区域の小学生の生徒の伝統的不良ぶりと、それに悩む真面目な先生の近代的な頭の中がのぞけるだろう。」
佐藤春夫
男47歳
7 「稚拙ではあるが未熟ではない。水におぼれる子供のあたりなど悪くないではないか。何よりもその真率な作風に好意を寄せて授賞に賛成した。」「(引用者注:半田義之と)どちらか一つと言われると困るような気がした。支持者がはっきりと二人とも同数になったのも偶然ではあるまい。」
佐佐木茂索
男44歳
11 「「あさくさの子供」を推す人があれば強いてそれに反対しなくてもいいと思った。」「「あさくさの子供」の筆力も捨てがたい。委員会の空気も、先ず(引用者注:「あさくさの子供」と「鶏騒動」と)半々でひどくなごやかであった。結局二作に授賞ということに落着した。」
室生犀星
男49歳
9 「(引用者注:「鶏騒動」と共に)小説としての向側が見え透いているが、見えていても別々にいいところを持っている。」「何度もその素材の上で読んだことのある小説のような気がするが、それでいて又別な味がする。」「(引用者注:旅行先から)電報で一票を入れた。」
川端康成
男40歳
11 「(引用者注:授賞に)あくまで反対というものではなかった。」「少し未成なところがあって、その真面目さも浅い。よい意味の文学的思考の鍛錬が、将来に必要であろう。」
小島政二郎
男45歳
40 「私は始めから「あさくさの子供」が好きで、これに一票を投じた」「一票の差で「鶏騒動」に極まり掛けた。が「鶏騒動」に極まって「あさくさの子供」が次点に落ちるのがどうにも惜しく思われて、私は最後まで食い下った。」「小説としては最後が物足りなく思われたけれども、その物足りなさを償って余りあるくらい「あさくさの子供」達の特殊な不良性の愛らしさがヴィヴィッドに描かれていると思う。」「不良少女の嬌態と云うか媚態と云うか、私は嫩い女の肉体の香をさえ嗅いだ思いがした。」
久米正雄
男47歳
17 「長篇の一部のようでもあり、又教員の手記と、客観描写との交錯に依る、創作効果も少しく「瞳孔散大」の気味に終ってはいるが、兎に角素材に興味もあり、描写もしっかりし乍ら、相当の潤おいを見せている。」「但し此の授賞に依って、海内の小学校教員諸氏を余り刺戟しては――適度に刺戟するのはいいと思う。――児童教育上少しく困るとも思う。」
宇野浩二
男48歳
22 「着実で糞真面目なようなところがある。」「この作者の取得は筆致が堅実でしっかりしているように見えるところであるが、しかし「見えるだけ」であるところ――一事が万事――そういうところをこの作者が今後切り開くかどうか。」
菊池寛
男50歳
  「文章に滋味があり、描写も達者であるが、小説の構成がぼやけているし、こうした少年物以外の作品が書けるかどうかという疑問も感じられた。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号)
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