芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
12345.
678910.
1112131415.
16.
選考委員の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
候補作家の群像
選評の概要
マップ

選考委員の一覧へ
Last Update[H26]2014/6/20

久米正雄
Kume Masao
このページの情報は「直木賞のすべて」内の「選考委員の群像 久米正雄」と同じものです。
生没年月日【注】 明治24年/1891年11月23日~昭和27年/1952年3月1日
在任期間 第1回~第16回(通算8年・16回)
在任年齢 43歳7ヶ月~51歳1ヶ月
経歴 長野県生まれ。東京帝大英文科卒。
第三次『新思潮』に参加、大正4年/1915年に漱石の門下生になる。
次第に新聞、婦人雑誌に多くの通俗的な作品を連載、流行作家となる。
戦後、川端康成たちと鎌倉文庫をはじめ、社長就任。
代表作に小説では「受験生の手記」「螢草」「破船」、戯曲に「牛乳屋の兄弟」などがある。
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 1 昭和10年/1935年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数19 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男43歳
候補 評価 行数 評言
男30歳
12 「推す事にした。」「心理の推移の描き足りなさや、稍々粗野な筆致など、欠点はハッキリしているが、完成された一個の作品として、構成もがっちりしているし、単に体験の面白さとか、素材の珍しさで読ませるのではなく、作家としての腰は据っている。」「新しい作風、新人の作品というものでないのが心残りだが、いささかの危けも感じさせない作風が今後の制作に相当期待を持たせる。」
  「(引用者注:候補作の)五作共にそれぞれの特徴を持ち充分レベルに達した作品である事を首肯した」
選評出典:『芥川賞全集 第一巻』昭和57年/1982年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和10年/1935年9月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 2 昭和10年/1935年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数43 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男44歳
候補 評価 行数 評言
檀一雄
男24歳
8 「結局、僕にとっては、悪趣味と云われればそれ迄だが、檀一雄君の「個性」に、一番魅力を感じた。これは新らしいデカダンだ。新らしい野獣派(ルビ:フォーブ)だ、少くとも力強い。」「私としては、やはり、この人を第一候補者に推そう。」
選評出典:『芥川賞全集 第一巻』昭和57年/1982年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和11年/1936年4月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 4 昭和11年/1936年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数4 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男45歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
2 「富沢有為男が無名又はそれに準ずる「新人」ということであれば問題なく「地中海」だ。」
男37歳
2 「(引用者注:「地中海」と)同時に「普賢」にも一票を投じる。」
  「詳しく感想を書く気だったが相憎昨夜から発熱して今はこれだけを口述する。」
選評出典:『芥川賞全集 第一巻』昭和57年/1982年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和12年/1937年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 6 昭和12年/1937年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数84 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男46歳
候補 評価 行数 評言
男31歳
16 「私は一読、此の作家を目して、「新泡鳴」と呼んだ。」「出征中と云う政治的条件すら、申分無かった。地方の文芸雑誌に載ったのなぞ、更に錦上花を添うるものだった。只此の材料が、通俗的に甘い私には、絶対には受入れ得なかっただけだ、読者も恐らくは、そうだろうと思う。」「強いて材料を、こう云う汚ない所に求めずに、自然と深刻な味を出せたら、相当異色ある作家に、成るに違いないと思う。或いは凄惨な戦場なども、恰好の題目かも知れない。そう云う意味で、思い切って吾々は此の授賞に、双手を挙げて賛成した。」
  「今度の芥川賞候補に上った人々は、割合に中年の、既に一家を成したような作家が多かった。」「ここに於て、昨今の芥川賞の銓衡は、一つの危機に際会し、佐藤春夫君の提議もあって、改めて其授賞の定義を限定したいと云う事になり、大体曖昧ながら、外形としては「新作家の短篇小説」と云うような所に定った。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和13年/1938年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 7 昭和13年/1938年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数33 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男46歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
21 「最も感心し、第一回会合の時から、敢て是を推奨し通した。結局、遅くなってから行使した私の一票が、菊池の賛成と共に、賞を此人に決定させた形に成った。」「読んだ時、深い感動に打たれて、暫らく芥川賞銓衡なぞの俗事を忘れ得たのは、正直のところ、此の作品だけだった。室生君が、老人は書き易く、その易きについて、陳套だと言う意味の批難をしたが、その批難は当っているにしても、是だけ書ける人はそうザラに無いと考えた。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和13年/1938年9月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 8 昭和13年/1938年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数37 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男47歳
候補 評価 行数 評言
女29歳
15 「閨秀画家の水彩を見るように、鮮かで綺麗だ。綺麗ごと過ぎるかも知れない。苺入りのクリーム菓子のようでもある。只フレッシュな事は間違いない。」「ここで中里さんが受賞したに就ては、私は同じ鎌倉仲間の川上喜久子さんに、あの時やらなかったばかりに、やる機会を失しそうな後悔が、此人に恵まれたような気がしてならない。」
  「時代の奔濤と、身辺の匆忙とに煩わされて、殆んど文壇的な小説の、一篇をも読まなかった私は、今回の銓衡に関しては、殆んど発言権が無いと云ってよかった。只、与えられた候補の四篇を、一瞥したに止まった。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和14年/1939年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 9 昭和14年/1939年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数27 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男47歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
17 「長篇の一部のようでもあり、又教員の手記と、客観描写との交錯に依る、創作効果も少しく「瞳孔散大」の気味に終ってはいるが、兎に角素材に興味もあり、描写もしっかりし乍ら、相当の潤おいを見せている。」「但し此の授賞に依って、海内の小学校教員諸氏を余り刺戟しては――適度に刺戟するのはいいと思う。――児童教育上少しく困るとも思う。」
男28歳
12 「意外にユーモラスな人間味に富んだものではあった。但し、題名につき纏う「ハッタリ」は充分描写にもあって、老婆の食慾のエゲツナさや、鶏の行軍など、面を背けながら、引張り込まれる所が、此の作者の善悪ともに特長だと思った。是を遠慮なく発達させたら、確に異色のある作家になる。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 10 昭和14年/1939年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数43 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男48歳
候補 評価 行数 評言
男32歳
24 「私はゆくりなくも、二十五年前芥川龍之介が「鼻」をひっさげて、夏目先生に見えた時分の事を思い出した。」「文壇出世作の興奮、それを感じさせた濃度では、芥川賞第一回受賞作「蒼氓」以上であり、「コシャマイン記」を抜く。」「仕立は所謂冒険小説に近いが、その通俗の領域を突き抜けて、どうやら、高級な浪曼派作品に迫っている」「此の力勁い「新時代の跫音」が、どんな反響を呼ぶかは、非常な興味である。」
金史良
男25歳
10 「是(引用者注:「密猟者」)に比べると、候補第二席作品「光の中に」は、実はもって私の肌合に近く、親しみを感じ、且つ又朝鮮人問題を捉えて、其示唆は寧ろ国家的重大性を持つ点で、尤に授賞に価するものと思われ、私は極力、此の二作に、それぞれ違った意味での、推薦をすべきだと思ったが、不幸なるかな、此の沁々とした作品は、「密猟者」の雄勁さに圧倒され、又、成るべくならば其期の優秀作家一人と云う建前から、授賞に洩れて了った。」
  「今度の芥川賞候補作品は、近来にない佳作揃いで、銓衡委員たるの欣びを、久しぶりで満喫し得た。」
選評出典:『芥川賞全集 第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和15年/1940年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 13 昭和16年/1941年上半期   一覧へ
選評の概要 (電報回答) 総行数3 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男49歳
候補 評価 行数 評言
男28歳
2 「テフコウデ ルタヲゲンチブンガクノメバエトシテスイセンス」
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和16年/1941年9月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 14 昭和16年/1941年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数27 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男50歳
候補 評価 行数 評言
女27歳
19 「相当に感心した。しっかりした筆で、しかも素直に描いてあり、小説になっている。現在の時局に照らして見て、若干の危険性を感じはしたが、是は、決して一個の、世相批判ではない。」「賢明なる文化政策を執る人々は、恐らく此の作品を、充分許さるべき民の声として、真面目に聴いて呉れるだろう。――そう考えつつ、私は敢て是を推賞する。」
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 15 昭和17年/1942年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数47 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男50歳
候補 評価 行数 評言
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和17年/1942年9月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

芥川賞 16 昭和17年/1942年下半期   一覧へ
選評の概要 総行数24 (1行=26字)
選考委員 久米正雄 男51歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
  「新聞記録文学から出発した中間読物に終っていない点だけを、私は力説すれば足りる。作の背後にある開戦当初の事実も、割合に正確である。稍ニュース映画の解説口調が気にはなるが、巧みに捌いたと云うべきだと思う。」
金原健児
男(37歳)
  「少し古いかも知れないが、小説道の本格的な作品として、「連絡員」に劣らず買う」「適度な時局性と、愛すべき人間描写に、私は尠からず感心した。」
  「今期の芥川賞候補作品は、近来に無く充実しているような気がした。」「日本文学報国会常務理事として一言御報告して置きたいが、日本文学報国会は、正式に会の名に於て、芥川賞直木賞の在来の実績と、財団法人日本文学振興会の公共性を認め、選定委員を信頼して、――一応は此方の審査機関の査定をも経るが、――此の賞を公認する意味から、略賞金と同額の副賞を呈する事に決定した。」
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和18年/1943年3月号)
ページの先頭へ
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像候補作家の群像
選評の概要マップ || 選考委員の一覧へ