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第117回
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Last Update[H27]2015/8/26

篠田節子
Shinoda Setsuko
生没年月日【注】 昭和30年/1955年10月23日~
受賞年齢 41歳8ヵ月
経歴 東京都生まれ。東京学芸大学学校教育科卒。
受賞歴・候補歴
処女作 『絹の変容』(平成3年/1991年1月・集英社刊)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part2
リンク集
備考
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せいいき
聖域』(平成6年/1994年4月・講談社刊)
書誌
>>平成9年/1997年8月・講談社/講談社文庫『聖域』
>>平成20年/2008年7月・集英社/集英社文庫『聖域』
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他文学賞 山本周五郎賞 8回候補 一覧へ
候補者 篠田節子 女39歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男60歳
54 3点「非常に書きにくい、論理的には説明しにくい領域を、それなりの説得力のある形で小説にまとめているというところは、評価してよいと思います。」「この作品は、少し作者のご都合で話を運んでいき過ぎているという感じがします。」「もう少し丁寧に書いといてくれないと、最後のだましのところが納得できるものにならないと思います。」
井上ひさし
男60歳
35 3点「途中まで、未完の傑作小説の作者を探すという謎に吸い寄せられてとても面白く読みました。」「ところが、作者を突き止めてから、力が落ちてくる。」「作者の篠田さんは、作中の作者水名川泉とは交渉しているが、水名川泉の書いた作品とは、ほとんど切り結んでいない。」
逢坂剛
男51歳
32 4点「作中作の「聖域」(引用者中略)自体が、抜粋しか書かれてない。粗筋を読まされても、その作品がどれだけ傑作か、読者には伝わってこないわけです。(引用者中略)この欠点がどうしても、最後までつきまとってしまいました。」「イタコとかそういうテーマを扱って、一応ホラー的ではあるが、おどろおどろしさやばかばかしさがほとんどみられないし、ユーモア感覚が結構ある。」
長部日出雄
男60歳
40 3点「大変に力のある書き手だと思いました。」「この人は非常に近代的な感覚の持主だと思います。土着的なものとかどろどろしたものを書くには、あまり向いている感じがしない。」「この作品はずっと引き込まれて読んでいった読者が納得する説得性というものを、最後には結局持ち得なかったんじゃないかと思います。」
山田太一
男60歳
25 4点「編集者の実藤が、「聖域」という作品以外の現代の日本の作家の作品はみんなだめだというのは、気持ちは分かるけど、病的で強引な感じがするんです。」「力作で凄いところもある作品で、しかし「傑作」にまつわる小説の困難に後半打ち負かされてしまったような印象を受けました。」
選評出典:『小説新潮』平成7年/1995年7月号
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直木賞 第113回候補  一覧へ

なつ さいやく
夏の 災厄』(平成7年/1995年3月・毎日新聞社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背 「The Calamity In Summer」併記 目次 ルビ有り「さいやく」 奥付 ルビ有り「なつ」「さいやく」
印刷/発行年月日 印刷 平成7年/1995年3月10日 発行 平成7年/1995年3月25日
発行者等 編集人 田俊平 発行人 田中正延 印刷 精興社 製本 大口製本
発行所 発行 毎日新聞社(東京都・大阪市・北九州市・名古屋市) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 亀海昌次
総ページ数 381 表記上の枚数  900枚 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×21行
×2段
本文ページ 5~380
(計376頁)
測定枚数 961
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>書下ろし
>>平成10年/1998年6月・文藝春秋/文春文庫『夏の災厄』
>>平成27年/2015年2月・KADOKAWA/角川文庫『夏の災厄』
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候補者 篠田節子 女39歳
選考委員 評価 行数 評言
山口瞳
男68歳
8 「私は小説は男女のことを書くものだと思っている。もっとセクシーでなければ話にならない。キッチリ書き込んであるのにドラマ性に乏しい。」
渡辺淳一
男61歳
16 「よく勉強して書き上げられた小説のようだが、初めに事件というか推理ありきで、それに人物が添えものになっている。」「この種の小説があっていいし、好きな人がいることもわかるが、文学賞の対象となるものではないだろう。」
平岩弓枝
女63歳
20 「読み進む中にどんどん怖しくなって眠れなくなる。」「たまたまオウム事件などというものとぶつかったせいで、変にリアリティのある身近な話のように感じられて、楽しみたくても楽しめない結果になったのは、この作品にとって不運であった。」
津本陽
男66歳
7 「想像力を刺戟されるほどの、緊迫感がないままに終ってしまった。描写は巧みであるが、さほどおどろかなかった。」
田辺聖子
女67歳
17 「新機軸をうち出した点、また、感染源探索の推理も面白かったのだが、やはり人間的魅力を具えた主人公の登場をまって、はじめて小説の要が出来、作品が引き緊まるのではないか。将来性ある作者なので期待できる。」
黒岩重吾
男71歳
8 「まだ作者が小説をよく理解していないような気がする。パニックに襲われた人間がやたらに動き廻るだけでは、小説とはいえない。」
阿刀田高
男60歳
29 「精力的な取材を背後に感じ、また的確な表現力にも感心したが、小説として楽しむことができなかった。」「パニックだけが目立ち、人間が立って迫って来ない。」「新しいものへの挑戦をこころよく感じながらも、この作品を強く推すことができなかった。」
井上ひさし
男60歳
20 「登場人物全員にそれぞれとぼけた味があり、中でも市の保健センターの永井係長は秀逸で、人間くさくてじつにいい。もっとも話の先行きはたやすく読める。しかも読んだ通りに事件が進展する。これは物語に一つも二つも「ひねり」が欠けているせいだ。」
五木寛之
男62歳
14 「デビュー作の『絹の変容』以来、小説を作って(原文傍点)いこうという強い志向が篠田氏の作風にはある。この国の小説風土のなかに新しい世界をもたらす可能性を感じるといえば好意的すぎるだろうか。」
選評出典:『オール讀物』平成7年/1995年9月号
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文量
長篇
章立て
「プロローグ」「第一章 予防法第七条」「第二章 感染環」「第三章 呪われた島」「第四章 最終出口」
時代設定 場所設定
[同時代]  インドネシア~埼玉県昭川市[架空]
登場人物
小西誠(保健センター職員)
堂元房代(保健センター看護婦)
鵜川日出臣(診療所の医師)
青柳(保健センターの事務員、ラブホテル経営者の愛人)
辰巳秋水(富士大学付属病院の医師)




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『カノン』(平成8年/1996年4月・文藝春秋/文春エンターテインメント)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背 「Kanon」併記 奥付 「KANON」併記
印刷/発行年月日 発行 平成8年/1996年4月25日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成8年/1996年8月25日(第3刷)
発行者等 発行者 和田 宏 印刷所 理想社 付物印刷 大日本印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 樋上公実子 装幀 坂田政則
総ページ数 342 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×20行
×1段
本文ページ 3~342
(計340頁)
測定枚数 665
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書誌
>>書下ろし
>>平成11年/1999年4月・文藝春秋/文春文庫『カノン』
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候補者 篠田節子 女40歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男72歳
0  
津本陽
男67歳
8 「好感を持った。密度の高い出来ばえである。音楽の知識がないままに、納得させられた。」「人の感情をひたすら探ってゆく、このような緻密な作風にひきこまれる。」
田辺聖子
女68歳
21 「音楽を文字に定着するのは難事だが、この作品の透徹した硬質の文体はよくそれに堪えたと思う。」「登場人物が作者の操り人形になってしまったからだろうか、みな、その場その場でソツなく動きすぎて、人物に共感や愛着をもちにくい。」
渡辺淳一
男62歳
18 「この人は前に、科学恐怖小説とでもいうべきものを書いていたが、それよりはるかに、今回の作品のほうが内的必然性があり、ようやく本来の鉱脈を見つけたような気がする。部分的欠点はいくつかあるが、今度の候補作のなかでは、最も人間を直視し、文学的感興を感じることができた。」
阿刀田高
男61歳
28 「音楽でしか語れない異能者を登場させ、そのコミュニケーションを通じて愛と人生とを描こうとする狙いは、なかば成功し、なかば不足のものとなった、と私には思えた。」「亡霊的なものを登場させたために狙いが散漫となり、主題が曖昧になってしまった。」
平岩弓枝
女64歳
0  
五木寛之
男63歳
27 「期待して読み、いささかがっかりした」「『カノン』のテーマは内向的にすぎる。人間の内側を描くためにこそ外部にこだわる、といった視線もあるのではないか。クラシック音楽に対する視点にも十九世紀的ロマンティシズムの残影が色濃く漂っていて、この作者の乾いた資質が生かされていないと感じた。」
井上ひさし
男61歳
9 「力感がみなぎっていたが、人物、筋立て、ともに理詰めで観念的、全体に冷えている。」
選評出典:『オール讀物』平成8年/1996年9月号
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文量
長篇
章立て
「1」~「9」
時代設定 場所設定
[同時代]~20年前  東京~長野県松本など
登場人物
小牧瑞穂(小学校音楽教師、元チェロ奏者)
小田嶋正寛(国際弁護士、瑞穂の大学時代の友人)
香西康臣(瑞穂と正寛の友人、天才的ヴァイオリニスト、自殺)
奥山周(香西の悪友)




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かみ
『ゴサインタン―― 神の 座』(平成8年/1996年9月・双葉社刊)
媒体・作品情報
副題等 表紙・背・扉・奥付 「――神の座――」
発行者等 発行者 井上功夫 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 株式会社若林製本工場
発行所 株式会社双葉社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装丁 柿木 栄 装画 門坂 流
総ページ数 405 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
24字
×21行
×2段
本文ページ 3~405
(計403頁)
測定枚数 1016
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書誌
>>初出『小説推理』平成7年/1995年11月号~平成8年/1996年2月号
>>平成12年/2000年6月・双葉社/双葉文庫『ゴサインタン 神の座』
>>平成14年/2002年10月・文藝春秋/文春文庫『ゴサインタン 神の座』
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候補者 篠田節子 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
渡辺淳一
男63歳
18 「前作の「カノン」以来、自らのツボを得て、一段と成長した人で、今回もなかなかの力作であった。」「ラストの、男が女の生地へ入っていくところも、魅力的で美しいが、いささかつくりすぎた嫌いがある。とくに女が予言者的な能力をもちすぎるところは問題で、今回は著者の意図するところが、ややあからさまに見えすぎたようである。」
阿刀田高
男62歳
34 「あと一歩が足りなかった。」「私は、この作者の超現実の扱い方にはいつも違和感を覚えてしまう。(引用者中略)厳重な金庫が手を触れただけでポンと本当に開いてしまっては説明のつけようがない。」「とはいえ、この作者の力量は今回の候補作で充分に納得できた。」
津本陽
男67歳
23 「私は、作者の前期候補作の、心の内部へひそやかに下りてゆくような叙述がいいと思っていたが、今回の作品はどうにも納得できなかった。現実感が乏しい。」「話の後味は薄い。」
田辺聖子
女68歳
58 「最も感銘を受けた」「一種のホラー小説とも読めるが、ラストはもろもろの思念が吹き払われて限りなくやさしくすがすがしい。」「リアリティある構成と、緊迫感にみちたたるみのない簡潔な文章がまことにみごとだ。」「篠田氏のお作品の中では一ばんのものと思った。」
黒岩重吾
男72歳
13 「アイデアの作品といえよう。読み易く前作より優れているが、この作品が持つ面白さはストーリーに頼っており、深みがない。」「彼女(引用者注:ネパールの女性)が神力を得て、夫を驚かせたり、信者を治したりするくだりは、小説としての密度が薄れてしまっている。」
平岩弓枝
女64歳
15 「着想が奇抜で、力の入った作品と思う。ただ、ネパールの奥地からやって来たらしいヒロインが生き神様になるくだりは余分ではないかと感じた。」
井上ひさし
男62歳
8 「新しい宗教集団が成立するまで、つまり前半は大傑作である。だが、その集団の核となる女主人公の失踪の理由がやや不分明であり、それを境に物語の質も文章の質も粗くなってしまったようだ。」
五木寛之
男64歳
20 「前回の候補作『カノン』とくらべると、『ゴサインタン』ははるかに大きな可能性を感じさせる小説で、私に一票を投じさせる魅力があった。」
選評出典:『オール讀物』平成9年/1997年3月号
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他文学賞 山本周五郎賞 10受賞 一覧へ
候補者 篠田節子 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男62歳
35 4.5点「非常に大きなモチーフを据えて書かれていて、その志を評価したいなという気がいたしました。」「この人が使っていらっしゃる超自然というものは、この小説になじまないと思うんです。(引用者中略)ただ、バーンと手を叩いたら金庫が開いちゃうのは、僕はやっぱりいかんと思う。」
井上ひさし
男62歳
49 4点「これは五分の四のところまでたいへんな傑作だと思います。」「なぜ大自然に行くとそこに神がいるのか。この考えはもう破産したと思うので、そこが引っかかったのです。」「最後の五分の一の話の運びが段取りになってしまった。(引用者中略)文章の密度は粗くなる、作者の気概も弱くなる。」
逢坂剛
男53歳
42 4.5点「主たるテーマではないんですけれども、自然破壊に対する批判とか、農村の共同体への憧れなどという視点が見られて、これはただのエンターテインメントではない、という感じがしました。」「ただ、読んでいて楽しい、という感じがあまりしないのが欠点と言えば欠点」
長部日出雄
男62歳
94 5点「女から見て、この男(引用者注:主人公輝和)がいかに魅力がないかということが実にうまく書かれていますね。」「ネパールへ行ってから、あのまるで魅力のない、異文化について何ひとつ知らなかった男が、人生と世界の真実に目覚めて変わっていく。」
山田太一
男62歳
48 4.5点「旧家の財産を、淑子という女の人が入ってくることで、どんどん失っていくあたりはほんとに面白かったですね。」「(引用者注:主人公の輝和が)ごく普通の感覚を保っていることが、読者を置き去りにしないための非常な力になっているのではないでしょうか。」「終り部分について(引用者中略)ステレオタイプじゃないか、と思いました。」
選評出典:『小説新潮』平成9年/1997年7月号
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文量
長篇
章立て
「1」~「20」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京郊外~山梨~ネパールなど
登場人物
結木輝和(農地主の跡取り)
カルバナ・タミ(通称淑子、ネパール山岳民族の娘、輝和の妻)
母(輝和の母親、封建的な良母)
尾崎淑子(輝和の中学時代の同級生)
徳山(郵便局員、輝和の友人)
市川清美(天正奉誠会の会員、淑子の崇拝者)




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おんな
女たちのジハード』(平成9年/1997年1月・集英社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「おんな」
印刷/発行年月日 発行 平成9年/1997年1月30日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成9年/1997年10月6日(第8刷)
発行者等 発行者 小島民雄 印刷所 凸版印刷株式会社 製本所 文勇堂製本工業株式会社
発行所 株式会社集英社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装丁 藤村雅史 装画 関 彩子
総ページ数 469 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×20行
×1段
本文ページ 7~469
(計463頁)
測定枚数 872
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書誌
>>初出『小説すばる』平成6年/1994年7月号~平成8年/1996年8月号
>>平成12年/2000年1月・集英社/集英社文庫『女たちのジハード』
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候補者 篠田節子 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
田辺聖子
女69歳
39 「このタイトルは一考を要す。」「いつも負の札を引き当てて苦戦するところに女の人生の詩情もロマンもあるのだが、巻末近いあたりの短篇群は、冒頭の作品群の文学性を失う。しかし〈女の子〉の立身マニュアル、と読めば、文学性の代りに面白さがサービスされたといっていい。氏の危うげのない才能が、立証されたといえよう。」
黒岩重吾
男73歳
33 「迫力には圧倒された。作者は数人のOL達に自己投入し、彼女達と共にのたうち廻ったような気がする。」「惹かれたのは男顔負けの強腕ではなく、恐怖に慄えながら前進する姿にリアリティを感じたからである。」「今回の氏の作品には、これまでの壁を突き破った強靭な小説の核が間違いなく存在している。」
阿刀田高
男62歳
30 「もっともおもしろく読んだ作品であった」「連作短篇集として統一性を欠いているように読んだが、その一方で、一切がこの作家の腕力の前では、許されて魅力となってしまう。」「「ゴサインタン」のような力技も持っている方だ。期待はとても大きい。」
平岩弓枝
女65歳
21 「良いと思った。」「登場人物はみな威勢よく、力強く、いきいきと呼吸してまことに快い。」「女たちがよく描けているから、男たちもそれを反映するかのように存在感があって各々に面白く読めた。」
渡辺淳一
男63歳
28 「全体として連作風であるが、個々には独立した短篇になっていて、そこにはおのずから出来、不出来がある。」「後半の短篇は小説的ふくらみが失せて平板になり、ジハード(聖戦)というには、いささか常套的である。」「この作家は前回の「ゴサインタン」前々回の「カノン」と、常に水準以上の作品を発表して惜しくも賞を逸してきた。この意欲的なエネルギーと安定感を合わせたら、すでに受賞に価する充分な力をもっている作家と見て間違いないであろう。」
津本陽
男68歳
15 「作者よりもながく生きてきた私の知らなかった、社会の機構を綿密に取材し、現代に生きる女性のたたかいの様相を教えてくれた。」「作品の出来ばえについてはとりたてて疵がなく、切れ味がいい。最後のページまで読者をはなさない迫力がある。」
井上ひさし
男62歳
35 「粒選りの中でも、さらに高い質を誇っていた。」「なにより感心するのは、現代女性が自分の人生をどう選ぶのか、あるいは選んでしまうのかを、人生の関頭に立つその姿を、もっと云えば、彼女たちの人生の大切な瞬間を、生き生きとしたリズムを内蔵する文章と弾みに弾む会話と軽やかなユーモアをもって描き出したことで、そこにこの作品の栄光がある。」
五木寛之
男64歳
23 「いまさら言うまでもない当然の受賞と思う。」「今回の「女たちのジハード」は、優れた作家は常にオールラウンド・プレイヤーであることを示している。作中の女たちへの温かい目と、冷徹な目とが見事に共存して、複眼というか、対位法的な作品の構造に舌を巻く思いがあった。」
選評出典:『オール讀物』平成9年/1997年9月号
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文量
連作長篇〔13篇〕
章立て
「ナイーヴ」「アダムの背中1」「シャトレーヌ(城主)」「アダムの背中2」「コースアウト」「扉を開けて」「ファーストクラスの客」「上昇気流」「それぞれの春」「二百五十個のトマトの夜」「離陸」「タッチ アンド ゴー」「三十四歳のせみしぐれ」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~アメリカ~山梨など
登場人物
斉藤康子(勤務11年のOL)
浅沼紗織(私立大学出のOL、アメリカへ留学)
三田村リサ(広報部勤務のOL、医師と結婚してネパールへ)
紀子(結婚退職、暴力亭主と結婚)
みどり(既婚のOL)




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