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第137回
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Last Update[H29]2017/1/7

万城目学
Makime Manabu
生没年月日【注】 昭和51年/1976年2月27日~
経歴 大阪府生まれ。京都大学法学部卒。在学中から小説を書き始め、化学繊維会社勤務を経て、平成17年/2005年『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第30回歴史文学賞(平成17年/2005年)「阿修羅記」
  • 第4回ボイルドエッグズ新人賞(平成17年/2005年)「鴨川ホルモー」
  • |第6位| 第4回2007年本屋大賞(平成19年/2007年)『鴨川ホルモー』
  • |候補| 第137回直木賞(平成19年/2007年上期)『鹿男あをによし』
  • |第8位| 第5回2008年本屋大賞(平成20年/2008年)『鹿男あをによし』
  • |候補| 第141回直木賞(平成21年/2009年上期)『プリンセス・トヨトミ』
  • 第27回咲くやこの花賞[文芸その他部門・小説](平成21年/2009年度)
  • |候補| 第9回センス・オブ・ジェンダー賞(平成21年/2009年度)『プリンセス・トヨトミ』
  • |候補| 第143回直木賞(平成22年/2010年上期)『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
  • |第9位| 第9回2012年本屋大賞(平成24年/2012年)『偉大なる、しゅららぼん』
  • |候補| 第150回直木賞(平成25年/2013年下期)『とっぴんぱらりの風太郎』
  • |第5位| 第11回2014年本屋大賞(平成26年/2014年)『とっぴんぱらりの風太郎』
  • |候補| 第5回山田風太郎賞(平成26年/2014年)『悟浄出立』
  • |候補| 第152回直木賞(平成26年/2014年下期)『悟浄出立』
  • |候補| 第7回山田風太郎賞(平成28年/2016年)『バベル九朔』
備考
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直木賞 第137回候補  一覧へ

しかおとこ
鹿男あをによし』(平成19年/2007年4月・幻冬舎刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背 ルビ有り「しかおとこ」 裏表紙 「The fantastic Deer-Man」
印刷/発行年月日 発行 平成19年/2007年4月10日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成19年/2007年4月30日(第2刷)
発行者等 発行者 見城 徹 印刷・製本所 株式会社光邦
発行所 株式会社幻冬舎(東京都) 形態 四六判 並製
装幀/装画等 Illustration 石居麻耶 Design 岩瀬 聡
総ページ数 394 表記上の枚数 帯・奥付前頁 590枚 基本の文字組
(1ページ当り)
42字
×18行
×1段
本文ページ 4~394
(計391頁)
測定枚数 674
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書誌
>>書下ろし
>>平成22年/2010年4月・幻冬舎/幻冬舎文庫『鹿男あをによし』
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候補者 万城目学 男31歳
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男74歳
5 「(引用者注:森見登美彦とともに)平成の新興芸術派とでもいうべき新風の到来を感じたのは事実である。」
浅田次郎
男55歳
19 「破綻のない小説である。」「もし接吻によって浄身が成るという大団円から、帰納的にストーリーを構築したのだとすれば、いよいよ安易な作法であると私は思う。前途有望な才能であると思えばこそ、小説の冒険を試みてほしいと願わずにはおられない。」
渡辺淳一
男73歳
4 「部分的に良質な感性が垣間見えるが、鹿との会話は安易すぎる。」
平岩弓枝
女75歳
15 「風変りな面白さで印象に残った」「発想は上出来で、ゆったりした書き方も好もしい。作者は意識的に軽快な作風をねらったと思うが、万人向きではなかったのかも知れない。」
阿刀田高
男72歳
11 「才筆である。」「結構なファンタジーだが、私はこういう作品は現代の社会や人間に対する寓意性がなければたわいないものになってしまう、と考える立場なので積極的には推せなかった。」
北方謙三
男59歳
14 「描写力があり、面白く読めた。ただ、私が面白いと感じて引きこまれた主人公の現実が、すべてファンタジー的な要素から起因してくるとなると、物語の都合だけではない必然性が要る、と思わざるを得ない。私にとっては、剣道の試合の迫真力の方が、はるかにリアリティのあるものであった。」
宮城谷昌光
男62歳
9 「大いに関心をもった。かくれた工夫がなされているのに、顕現されたものが品格の高さを保持できていないのは、残念である。」
林真理子
女53歳
21 「面白いことは面白いのであるが、途中からいっきにだれてくる。」「読み手よりもまず書き手が楽しんでいるのは、最近の若い作家によく見られる傾向である。自分が真先に面白がり楽しんで、この輪の中に入ってくる読者だけを迎え入れる。」「ありきたりな言い方であるが、(引用者中略)あまりご自分の才に溺れないでほしい。」
井上ひさし
男72歳
22 「作者のしたたかな知的膂力を感じた。またこのごろ大流行の「高校運動部の感動小説」への風刺もあるし、なによりも、『坊つちやん』譲りのテンポのいい文章にずいぶん笑わせられた。」「こういう愉快な作品は顕彰する値打ちがある……と思ったが、(引用者中略)最終的には票を投じなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年9月号
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大衆選考会 137回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
P.L.B. 平成19年/2007年6月10日 このまま誰も投票しないで放置しておくのも寂しいので、いろいろなところで評判の高いマキメさんを、推しておきます。
『血と骨』でも『永遠の仔』でも『コンセント』でも駄目だった高い高い直木賞受賞の壁を、幻冬舎がついに越えることができるのか!? なんて興味はあまりにもゲスに過ぎて口にするのも恥ずかしいんですけど、たくさん賞をとちゃった人に遅まきながら受賞させるとか、そんなことばかりやる前に、マキメさんに直木賞もらってもらえば、少しは直木賞復権への道に近づくと思うのです。
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文量
長篇
章立て
「はじめに」「第一章 葉月(八月)」「第二章 長月(九月)」「第三章 神無月(十月)」「第四章 霜月(十一月)」
時代設定 場所設定
[同時代]  奈良~京都など
登場人物
おれ(語り手、大学院研究生、奈良女学館高校の代休教師)
堀田イト(奈良女学館一年生)
小治田(奈良女学館の教頭、綽名・リチャード)
長岡(京都女学館の剣道部顧問、綽名・マドンナ)
南場(大阪女学館の剣道部顧問)
藤田(奈良女学館の歴史教師、綽名・かりんとう)
鹿(春日大社辺りに棲む雌鹿)





ろっけい
『ホルモー 六景』(平成19年/2007年11月・角川書店刊)
書誌
>>平成22年/2010年11月・角川書店/角川文庫、角川グループパブリッシング発売『ホルモー六景』
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収録作品
「第一景 鴨川(小)ホルモー」「第二景 ローマ風の休日」「第三景 もっちゃん」「第四景 同志社大学黄龍陣」「第五景 丸の内サミット」「第六景 長持の恋」
 
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大衆選考会 138回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
omi 平成19年/2007年12月18日 (なし)
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『プリンセス・トヨトミ』(平成21年/2009年3月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成21年/2009年3月1日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成21年/2009年3月15日(第2刷)
発行者等 発行者 庄野音比古 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 並製
装幀/装画等 イラストレーション 石居麻耶 デザイン 岩瀬聡
総ページ数 504 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 7~504
(計498頁)
測定枚数 925
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書誌
>>初出『別冊文藝春秋』平成20年/2008年1月号~平成21年/2009年1月号
>>平成23年/2011年4月・文藝春秋/文春文庫『プリンセス・トヨトミ』
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候補者 万城目学 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男57歳
15 「たいへん面白く読んだのだが、奇抜な発想に基く一種のナンセンス小説にあえて知的整合性を持たせようとする機制が働いてしまう。」「嘘をつくことのうしろめたさをかなぐり捨てるか、さもなくばここまでの嘘をつかずにすむ作風に転換するか、壁を突き破る方法は二つに一つである。」
井上ひさし
男74歳
55 「独立国家の中にもう一つ小国家があるという発想は魅力的だが、しかしこの壮大なホラを成立させるためには、あらゆる細部をいちいち、もっともらしいものに作り上げなければならない。本作ではその工夫が足りなかった。」「いっそ、あの阪神タイガースさえもじつは大阪国の国立野球チームだったとでも大ホラを吹いて、その大ホラを無数の、まことしやかでもっともらしい細部で支えるぐらいの気組みと手練が必要だ。」
北方謙三
男61歳
18 「この発想の必然性が、私にはわからない。ここに暗喩があるのなら、独立国の普遍性が必要であったと思う。」「物語としては面白く読めるのに、読後に空漠とした印象が残るのは、作者の方が読者より面白がっているから、と思えなくもない。」
平岩弓枝
女77歳
0  
阿刀田高
男74歳
13 「この途方もないイマジネーションを私は高く評価したい。」「とはいえ、細かいところは疵だらけである。こういう作品にはさらに周到な企みが必要なのではあるまいか。」
渡辺淳一
男75歳
0  
宮部みゆき
女48歳
16 「「おかしい」と異議を唱えたくなる大風呂敷の破れ目が多々ありました。」「〈国家〉も〈歴史〉も、書き手を圧倒する強大な題材です。奔放な想像力だけを武器に戦うのは、さすがの万城目さんも分が悪かったように思えます。」
林真理子
女55歳
9 「もっと面白い小説になったはずなのに、という意見が多かったが全く同感だ。ホラ話なら、もっと大きく拡げた方がいい。」
五木寛之
男76歳
16 「今回の候補作は残念ながら評価できなかった。大阪城の歴史をたどるなら、蓮如が荒涼たるこの地に石山本願寺をきずき、やがて特異な寺内町が形成されたことを無視することはできないはずだ。参考資料の使いかたにも、物足りなさを感じるところがあった。」
宮城谷昌光
男64歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成21年/2009年9月号
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大衆選考会 141回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ぽー 平成21年/2009年7月10日 万城目学さんの筆力に魅せられています。久々の大型作家の予感。2度目の候補作。ぜひとも受賞して欲しいです。面白さ200%!
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第五章」「終章」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~大阪
登場人物
松平元(会計検査院第六局副長)
鳥居(松平の部下)
旭・ゲーンズブール(松平の部下、フランス人と日本人のハーフ)
真田大輔(大阪市立空堀中学校の二年生)
橋場茶子(大輔の同級生)
真田幸一(大輔の父、お好み焼き屋「太閤」主人)
蜂須賀勝(中学三年生、蜂須賀組組長の息子)




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ふじん
『かのこちゃんとマドレーヌ 夫人』
(平成22年/2010年1月・筑摩書房/ちくまプリマー新書)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「ふじん」
印刷/発行年月日 発行 平成22年/2010年1月25日(初版第1刷)
発行者等 発行者 菊池明郎 印刷・製本 株式会社精興社
発行所 株式会社筑摩書房(東京都) 形態 新書判 並製
装幀/装画等 装幀 クラフト・エヴィング商會 扉デザイン クラフト・エヴィング商會
総ページ数 234 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
41字
×15行
×1段
本文ページ 9~234
(計226頁)
測定枚数 319
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書誌
>>書下ろし
>>平成25年/2013年1月・角川書店/角川文庫、角川グループパブリッシング発売『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
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候補者 万城目学 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男58歳
13 「擬人化という手法を用いるにあたっては、哲学なり社会風刺なりを相当の覚悟で表現しなければならぬ。ならぬ(原文傍点)というのは、文学の定石という意味である。定石を踏まぬ進歩はどの表現にもありえず、どれほど先鋭なアバン・ギャルドでも例外はない。」
阿刀田高
男75歳
8 「少年少女向けの文学ではあるまいか。これが候補となったこと自体、この多才な作家にとってよいことであったかどうか、お気の毒のような気がしてならない。」
北方謙三
男62歳
5 「この作者の次作に期待する、と述べるに留めておこうと私は思う。」
林真理子
女56歳
8 「これがどうして直木賞の候補になったのかよくわからない。大人に通じる寓意性がまるで伝わってこないのだ。」
宮城谷昌光
男65歳
23 「ひと工夫はある。(引用者中略)ただしこの工夫に進展性はなく、とくにそのことが人間界へ照射されないことに不満がある。」
宮部みゆき
女49歳
0  
渡辺淳一
男76歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成22年/2010年9月号
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文量
長篇
章立て
「プロローグ」「第一章 かのこちゃん」「第二章 マドレーヌ夫人」「第三章 かのこちゃんとすずちゃん」「第四章 かのこちゃんとマドレーヌ夫人」「エピローグ」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
マドレーヌ夫人(メス猫)
玄三郎(年老いた柴犬、マドレーヌ夫人の夫)
かのこ(小学生、マドレーヌ夫人と玄三郎の飼主)
けやきすず(かのこの同級生)




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ぷうたろう
『とっぴんぱらりの 風太郎』(平成25年/2013年9月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年9月30日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成25年/2013年10月15日(第2刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 中川 学 装幀 関口信介
総ページ数 746 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×20行
×1段
本文ページ 7~746
(計740頁)
測定枚数 1402
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書誌
>>『週刊文春』平成23年/2011年6月23日号~平成25年/2013年5月30日号
>>平成28年/2016年9月・文藝春秋/文春文庫『とっぴんぱらりの風太郎』(上)(下)
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候補者 万城目学 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
5 「長大な紙数を費してしまった理由は、ひとえに週刊誌連載という発表形式にとまどったせいではあるまいか。しかし作者は、思いもよらぬ過酷な仕事の中で多くを学んだはずである。」
阿刀田高
男79歳
4 「力作ではあるけれど作品の中に入りにくい。なんでも可能な幻術は主人公がすてきで、感情移入が充分に果せないとつらい。」
伊集院静
男63歳
5 「作品全体の構成でもうひとつ、ふたつ練りがあれば、この長さでも十分に楽しめたのではないか。それでも才能、資質は目を見張るものがあった。」
北方謙三
男66歳
6 「筆力が空転し、同じ場所で足踏みを続けている、という印象が強かった。惜しいと思うが、幻術、妖術の類いに必然性を持たせる努力がなされていない気もする。」
桐野夏生
女62歳
6 「中盤になるまで、なかなか話が進まない。」「とはいえ、蹴鞠の場面や、ひょうたんの生育に関する記述など、要らないシーンだとは思わなかった。この塩梅が難しい。」
高村薫
女60歳
7 「この作者の饒舌な語り口はときに軽妙さを生み、ときに活劇を活き活きと描き出してみせるが、それが同時に語りのための語り、活劇のための活劇への陥穽となっていることに、作者は気づいてほしい。」
林真理子
女59歳
5 「とにかく長過ぎる。」「成長物語としてじっくり読むべきなのだろう。とにかくこれほどの長篇を書くのならば、読者を「のめり込ませる」ものにしなければならなかった。」
東野圭吾
男55歳
6 「まず、起承転結の起だけであんなに枚数を使っちゃいけません、といっておきたい。また肝心な場面で、作者の都合によって人物が動かされているように感じた。」
宮城谷昌光
男68歳
7 「またしても豊臣氏への愛があり、その点ではかれの志向にぶれはない。が、伊東氏とちがって、小説的ふくらみがありすぎたことに懸念をもった。だが、かれの想像力を推進する大胆さは、買える。」
宮部みゆき
女53歳
19 「ファンタジーの魔法は強力で、作家の頼もしい味方です。」「しかしこの味方は獅子身中の虫でもあり、特に部分的に(いいとこ取りで)使う場合には、怖い副作用があらわれてきます。あまりに便利なので、書き手が、進行中の作品のプロットの弛みや、人物の心理の齟齬、話運びのペース配分の不均衡、ついには魔法そのものの用法・用量の間違いにさえ気づきにくくなってしまうという、麻痺毒のような副作用です。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年3月臨時増刊号
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第九章」「終章」
時代設定 場所設定
戦国[慶長年間]  伊賀~京~大坂など
登場人物
俺(語り手、風太郎、柘植屋敷で育った伊賀の忍び)
黒弓(南蛮生れの忍び)
常世(大坂城の奥勤めの忍び)
蝉左右衛門(風太郎とともに育った伊賀の忍び)
百市(同)
残菊(かぶき者連中「月次組」の頭目)
芥下(「瓢六」で働く女)
秀頼(太閤秀吉の子、大坂城主)
因心居士(ひょうたん)




直木賞 第152回候補  一覧へ

ごじょうしゅったつ
悟浄出立』(平成26年/2014年7月・新潮社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙 「ごじょうしゅったつ」併記 奥付 ルビ有り「ごじょうしゅったつ」
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年7月20日
発行者等 発行者 佐藤隆信 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 大口製本印刷株式会社
発行所 株式会社新潮社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 ホセ・フランキー 装幀 新潮社装幀室
総ページ数 206 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
39字
×16行
×1段
本文ページ 5~206
(計202頁)
測定枚数 276
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書誌
>>平成28年/2016年12月・新潮社/新潮文庫『悟浄出立』
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収録作品の書誌
悟浄出立
>>初出『yomyom』10号[平成21年/2009年2月]
趙雲西航
>>初出『yomyom』13号[平成21年/2009年11月]
虞姫寂静
>>初出『yomyom』30号[平成25年/2013年11月]
法家孤憤
>>初出『yomyom』31号[平成26年/2014年2月]
父司馬遷
>>初出『yomyom』32号[平成26年/2014年5月]
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候補者 万城目学 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
伊集院静
男64歳
26 「勿論、中島敦を越えてくれなどと愚言は発せぬが、万城目氏にしては珍しく慎重になり過ぎた気がした。それに準備期間がなかったのではとも感じた。センスの良い作家ゆえに惜しい気がした。」
林真理子
女60歳
17 「新しいテーマに挑戦なさった意欲は素晴らしいが、こういう古代中国に材をとったものは、先達がいくらでもいる。万城目さんならではのユニークな視点が成功していないと残念でならない。」「中島敦のオマージュとしても、少しお行儀がよすぎたような気がする。」
北方謙三
男67歳
20 「考証の点からは突っこみどころが満載だが、私はおやと思った。長篇の、描写の塗り重ねが、その場で足踏みするようで私の感興を削いできたが、短篇ではそれがきれいに消えている。」「この人に、こういう切り口があるというのは、新しい発見であった。」
宮城谷昌光
男69歳
13 「悟浄ときけば、すぐに中島敦の作品を憶いだしてしまうが、氏はそこからもっと離れたほうがよかった。たとえばシェイクスピアの『ハムレット』をもとに、ラフォルグは『ハムレット』を書いたが、そこまでの深みが欲しい。」
高村薫
女61歳
18 「中国史の大家である選考委員から歴史資料の使い方が中途半端という指摘がなされたが、それ以前に、有名な史実の脇役を主人公にもってくる手法がいずれも成功していない。」
宮部みゆき
女54歳
6 「万城目さんが今いろいろな方向を模索していることが伝わってきました。短編を積み上げてゆくのはいい試みだと思います。」
東野圭吾
男56歳
11 「この着想は先人のもので、それを拝借するならば、さらに上回るもの、奇想に満ちたものにする必要がある。」「やるなら『八戒歎異』とか『玄奘出世』とかだろう。しかも長編で。」
桐野夏生
女63歳
15 「表題作は、ややありきたりに感じられた。個人的には「虞姫寂静」が一番面白かった。」「飛躍する物語の方が作者には合っている気がする。」
浅田次郎
男63歳
17 「どうしても、表題作に得心ゆかない。中島敦の作品に対するオマージュであるのか、あるいはほかに何かしら意味があるのか、そのあたりが判然としないのである。そのほかの短篇については、中国の古典に対する斬新なロマネスクとして評価できたのだが、さほど遠い人ではない中島敦との関連については、納得せずに看過することができなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成27年/2015年3月号
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大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
オヌヌメさん 平成26年/2014年12月23日 繰り返し読むごとに感動しています。燃え滾る感情を淡々と描いているという印象です。
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文量
連作短篇集〔5篇〕
悟浄出立
章立て
なし
時代設定 場所設定
[ある時代]  ある土地
登場人物
俺(語り手、悟浄、三蔵法師の旅の供)
八戒(豚の妖怪、元「天蓬元帥」)
悟空(悟浄と八戒の兄弟子)
趙雲西航
章立て
なし
時代設定 場所設定
[三国時代]  中国・長江
登場人物
趙雲(劉備傘下の宿将、字「子竜」)
諸葛亮(劉備の軍師)
張飛(劉備傘下の将軍)
虞姫寂静
章立て
なし
時代設定 場所設定
[戦国時代]  中国・ある丘~咸陽
登場人物
虞美人(項羽の寵姫)
項羽(楚の大王)
范増(項羽の老臣)
法家孤憤
章立て
なし
時代設定 場所設定
[戦国時代末期]  中国・咸陽~邯鄲
登場人物
俺(語り手、京科、秦の官吏)
荊軻(燕の上卿、刺客)
李斯(秦の廷尉[司法長官])
父司馬遷
章立て
なし
時代設定 場所設定
[前漢時代]  中国・長安
登場人物
私(語り手、栄、司馬遷の娘)
司馬遷(太史令、宮刑を受けて出獄した罪人)




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