芥川賞のすべて・のようなもの
第42回
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昭和34年/1959年下半期
(昭和35年/1960年1月21日決定発表/『文藝春秋』昭和35年/1960年3月号選評掲載)
選考委員  石川達三
男54歳
中村光夫
男48歳
佐藤春夫
男67歳
瀧井孝作
男65歳
川端康成
男60歳
丹羽文雄
男55歳
井上靖
男52歳
永井龍男
男55歳
井伏鱒二
男61歳
舟橋聖一
男55歳
宇野浩二
男68歳
選評総行数  29 32 29 32 11 31 19 10 10 45 74
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
川上宗薫 「シルエット」
75
男35歳
3 0 3 2 0 4 5 0 0 16 3
右遠俊郎 「無傷の論理」
98
男33歳
5 3 3 4 0 5 2 0 0 4 5
古田芳生 「孤児」
104
男39歳
4 8 0 2 0 2 2 0 0 0 5
谷恭介 「行賞規程第六条」
91
男(29歳)
3 0 0 2 0 3 0 0 0 0 6
坂上弘 「ある秋の出来事」
97
男23歳
3 8 0 3 0 4 5 0 0 0 6
吉田紗美子 「感情のウェイヴ」
124
女33歳
3 4 17 16 2 4 3 0 0 9 5
小堺昭三 「基地」
92
男32歳
5 4 0 4 0 8 3 0 0 4 4
なだいなだ 「海」等
54
男30歳
4 5 2 3 0 2 2 0 0 0 6
                     
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和35年/1960年3月号)
1行当たりの文字数:26字


選考委員
石川達三男54歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
低調ではない 総行数29 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
3 「以前の作品とくらべて見て、何か迷って居るように察せられた。悪く言えば慾が見える。初心に帰ることをすすめたい。」
右遠俊郎
男33歳
5 「惜しい作品だと思う。同質の被害をうけた三人の女が、その悲劇の中でどう生きて行ったか、その三人の相違をもっと書き切ったら、良い作品になったと思う。しかしこの人の歩いている道はまちがって居ない。」
古田芳生
男39歳
4 「前半はわかりにくい所があり、不条理の思想かなにかをひねったような所が気になるが、後半には冴えたものが見られる。」
谷恭介
男(29歳)
3 「これだけでは足りない。ひと昔まえの左翼文学の型に止まって居るようで、そこからの前進がこの作者の課題であろうと思う。」
坂上弘
男23歳
3 「読者の理解をもり上げて行かないで、却って理解をはぐらかすような所があり、努力の効果がうすれている。」
吉田紗美子
女33歳
3 「作者のわがままが見える。瀧井さんは推して居られたが、私は採らない。」
小堺昭三
男32歳
5 「達者な筆ですらすらと一つの風景を描いているが、そこに作者の警戒すべきものがあるようだ。いくら書いても芸術に接近しないで、芸術の周囲をまわって居る……妙な言い方だが、そんな風な物足りなさを感じた。」
なだいなだ
男30歳
4 「「海」はやや弱いが、汚れた小説が流行しているような今日、こんな綺麗な作品は貴重である。」「「帽子を……」は、かたちは古いが規格正しい立派なコントだ。」
  「当選作は無しときまったが、予選に残った作品がみな低調だったとは思わない。」
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選考委員
中村光夫男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
収穫なし 総行数32 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
0  
右遠俊郎
男33歳
3 「よい材料を、書き方で台なしにしている小説で、書きだしがとくにひどいと思われました。」
古田芳生
男39歳
8 「構成が支離滅裂で、「三十六号室」よりずっと不出来な作品ですが、第二章の「ヒラ子の手記」だけは、ともかくちゃんとしていて、」「「三十六号室」より作者の資性のよい面がでているところもあります。」
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
8 「フォークナーの「響と怒」の一部に似すぎているという噂でしたが、僕が読みくらべた感じでは、道具立てはたしかに借りたところがあっても、換骨奪胎で、完全に坂上氏の作品になっていると思われました。」「ただしそういう問題を度外視しても、この小説は高く買えません。」
吉田紗美子
女33歳
4 「ひと通り人物が描けていますが、題名からひどく古風で稚拙な感じで、主人公の感情の波に作者自身がのりすぎているようです。」
小堺昭三
男32歳
4 「いわゆる基地ものの型をでない上、主人公が犬儒派を気どりながら実ははなはだ甘いいい気な青年で、作者の彼にたいする批評が少しも見られません。」
なだいなだ
男30歳
5 「「海」より参考作品の「帽子」に感心しました。軽すぎる難はあっても才気にあふれたコントで、或る爽やかな才能の芽があるように思われました。」「我国では伸びにくい性質の才能ですが、もしうまく育てば芥川の名にふさわしい作品を生む人かも知れません。」
  「席上で、いくらか問題になった作品は三篇だけでしたが、そのどれもが受賞に値しないというのが、大多数の一致した意見で、実に寂しい会でした。」
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選考委員
佐藤春夫男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選後感 総行数29 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
3 「今まで二度だか候補になった人だが、(引用者中略)今までのものよりは品さがるものである。何か見当違いの努力をしているのではあるまいか。」
右遠俊郎
男33歳
3 「面白いテーマをつかんでいるが、この力量でこれを料理しようというのはけなげながら無理であろう。」
古田芳生
男39歳
0  
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
0  
吉田紗美子
女33歳
17 「多少の興味を持てた」「文章としては一番稚拙かも知れないが、初心の愛すべきものがありハツラツたる生活感情に他のどの作品にも見られないものがある。」「強いて採ればこれであろうが、今までの賞の水準から見てどうであろうか。」「この作者は授賞してブームになったらもみくちゃになりそうで、かえって気の毒である。など余計なことを考えながらも、今度の僕の候補作品はこれより外はないと決めて会場に出た。」
小堺昭三
男32歳
0  
なだいなだ
男30歳
2 「他の作者とは全然別途の手法で試作しているのは頼もしいが、作品そのものはまだまだの感がある。」
  「資料として送られるだけの見どころは何かあっても、近ごろのは一読しただけでは意味も通じにくい文章ばかり。八篇読むのに半徹夜二晩がかりの努力であった。」
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選考委員
瀧井孝作男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「感情のウェイヴ」 総行数32 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
2 「図案か図式の小説のようで、生き生きしたものがない。」
右遠俊郎
男33歳
4 「(引用者注:「基地」と共に)外人関係のかなりの素材を、安易な中間小説に仕立て上げたもので、色事の小説にしては、浅薄でつまらない。」
古田芳生
男39歳
2 「孤児園の孤児の手記で、精神薄弱児童の手記か何かトボケた、奇形な偏したものだ。」
谷恭介
男(29歳)
2 「鉄道機関士の職場小説で、堅実な方だが、もう少しうまいとよいのだが……。」
坂上弘
男23歳
3 「一寸よい所もあるが、中央公論新人賞になったものを、更にまた採り上げる必要はないと思った。」
吉田紗美子
女33歳
16 「一番よいと思った。」「人妻のヨロメキの小説とも見られやすいが、これは男女の色事の小説ではなく、女の目覚めがテーマだ。女の自覚をこれだけ精細に見詰めた、読み応えのある小説はそう沢山はない。文章はまだ少し硬いようだが、まともでテキパキして、風景描写も遠近が出て空気が描けて、かなりの技倆だ。」「この作がこんど当選しなかったのは、一寸ふしぎだ。」
小堺昭三
男32歳
4 「(引用者注:「無傷の論理」と共に)外人関係のかなりの素材を、安易な中間小説に仕立て上げたもので、色事の小説にしては、浅薄でつまらない。」
なだいなだ
男30歳
3 「「海」は、書き出しは不明瞭で拙いが、後半は一寸佳い。」「「帽子を……」は、気の利いた短篇と云える。」
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石川達三
中村光夫
佐藤春夫
川端康成
丹羽文雄
井上靖
永井龍男
井伏鱒二
舟橋聖一
宇野浩二
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選考委員
川端康成男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
新しい作品を 総行数11 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
0  
右遠俊郎
男33歳
0  
古田芳生
男39歳
0  
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
0  
吉田紗美子
女33歳
2 「瀧井氏が(引用者中略)やや推された」
小堺昭三
男32歳
0  
なだいなだ
男30歳
0  
  「候補作品を読んでみても、銓衡委員会に出てみても、今回ほど張合いのないことはなかった。」「候補作品一つ一つの悪口を言ってみたりするのが芥川賞の趣旨でもあるまいから省略する。」
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中村光夫
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選考委員
丹羽文雄男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「基地」について 総行数31 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
4 「八篇の中でいちばん上手な小説ということができる。ますます上手になっていく人のようである。が、何かかんじんなものをわすれてはいないだろうか。」
右遠俊郎
男33歳
5 「最後までこのテーマを押しとおすべきだった。」「そうでなかったら、このテーマによらないことである。妥協はいけない。」
古田芳生
男39歳
2 「前回の「三十六号室」より弱すぎる。」
谷恭介
男(29歳)
3 「小説というものはこの小説がおわったところから始まるものだということをもう一度考えなおしてほしい。」
坂上弘
男23歳
4 「家族というものにきびしい目を向けているのはいいのだが、その裏打がされていない。父も母もひどく概念的である。兄や妹も、近ごろの小説にその類似を多く見うける。」
吉田紗美子
女33歳
4 「大げさに構えすぎて失敗している。もっと何気なく書きだした方がよい。漢字に対しても感覚が古風すぎる。あとになるほどよくなっている。」
小堺昭三
男32歳
8 「主人公の立場が、私には興味があり、またある点はよく描かれていた。作者と主人公がつきすぎているという評も出たが、客観性をこれ以上もたせることも果してどうか。」「文章に欠点がある。それに結末を作者があつかいかねているのも、残念であった。が、(引用者中略)いちばんまともなものだった。」
なだいなだ
男30歳
2 「「海」は、小説家でないひとの小説である。そのよさも悪さも、あらわしている。」
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中村光夫
佐藤春夫
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選考委員
井上靖男52歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
佳作なし 総行数19 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
5 「レベルに達した作品ではあるが、積極的に推す気にはなれなかった。」「大変難しいところで仕事をしており、それだけに野心的ではあるが、よほどぴったりと焦点が合わぬ限り失敗作になりがちである。」
右遠俊郎
男33歳
2 「いい材料だが、折角のいい材料をもっと素直に取扱ったらよかったと思う。」
古田芳生
男39歳
2 「前作「三十六号室」に較べると見劣りがした。」
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
5 「レベルに達した作品ではあるが、積極的に推す気にはなれなかった。」「大変難しいところで仕事をしており、それだけに野心的ではあるが、よほどぴったりと焦点が合わぬ限り失敗作になりがちである。」
吉田紗美子
女33歳
3 「克明な書き方には好感を持つが、説得調の文章が作品を古くしているように思った。」
小堺昭三
男32歳
3 「あぶな気のない筆で、米軍基地の生態を達者に書いているが、謂ってみれば、まあそれだけのもの」
なだいなだ
男30歳
2 「コントとしては一応面白かったが、これだけでは推せなかった。」
  「積極的に推せる作品はなかった。新しい古いは別にして、いい作品なら必ず、それがいかなる形であれ、ある感動を読む者の胸に伝えるものだが、不思議にそうした悦びを感じさせてくれる作品はなかった。」
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石川達三
中村光夫
佐藤春夫
瀧井孝作
川端康成
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永井龍男
井伏鱒二
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選考委員
永井龍男男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
無い 総行数10 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
0  
右遠俊郎
男33歳
0  
古田芳生
男39歳
0  
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
0  
吉田紗美子
女33歳
0  
小堺昭三
男32歳
0  
なだいなだ
男30歳
0  
  「候補作としてふところに入れて行く作品は今度はないと思った。」「心もとなくて仕様がなかったが、委員会に出席してみて、他の委員諸氏も同様なのを知った。みんな、張りがなかった。」「記述そのものや、印象のつかみ難い作品は、数度読み返した。残念である。」
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石川達三
中村光夫
佐藤春夫
瀧井孝作
川端康成
丹羽文雄
井上靖
井伏鱒二
舟橋聖一
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選考委員
井伏鱒二男61歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
皮肉なもの 総行数10 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
0  
右遠俊郎
男33歳
0  
古田芳生
男39歳
0  
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
0  
吉田紗美子
女33歳
0  
小堺昭三
男32歳
0  
なだいなだ
男30歳
0  
  「今度は票を入れたい作品がなかった。」「以前、私が直木賞の銓衡委員をしていた頃は、芥川賞の候補作品にはいいものが相当にあったという話である。」「ところが今度、私が芥川賞の方にまわると、直木賞の候補作品には面白いものが相当にあるという話であった。どうも皮肉なものである。」
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他の選考委員
石川達三
中村光夫
佐藤春夫
瀧井孝作
川端康成
丹羽文雄
井上靖
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
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選考委員
舟橋聖一男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
水準との距離 総行数45 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
16 「これまで何回も候補作になっているので、功労賞という話も出た。とにかく読ませる力があるので、作家的力量としては、他の七人とは格違いの感はある。然し、却って初期のものの素直さが失われて、悪く伸びたと見る人もあったが、私は昔の素直さより、ここへ曲ることは、必ずしも悪いことではないと思う。」「今回は、男に青酸をのませる前後から、構成に無理が見えてき、こしらえもの過ぎて、見送りとなった。」
右遠俊郎
男33歳
4 「四作(引用者注:「シルエット」「感情のウェイヴ」「無傷の論理」「基地」)のうちから、授賞作を選びたいと思った。が、四作とも、授賞作品となるには、いろいろな欠点があった。」
古田芳生
男39歳
0  
谷恭介
男(29歳)
0  
坂上弘
男23歳
0  
吉田紗美子
女33歳
9 「一番無事なのが、「感情のウェイヴ」だが、この題が、大味で鈍い感じのする如く、内容も説明的なので、今回としては点が集っているが、今までの芥川賞の水準には、遠く及ばない、と云うことで否決された。」
小堺昭三
男32歳
4 「四作(引用者注:「シルエット」「感情のウェイヴ」「無傷の論理」「基地」)のうちから、授賞作を選びたいと思った。が、四作とも、授賞作品となるには、いろいろな欠点があった。」
なだいなだ
男30歳
0  
  「この賞の水準も、その時々で動いている。井上君の「猟銃」のときの水準と、その後の水準では、大分差があるわけで、厳選の時もあれば、ひどく寛裕のときもある。」「銓衡とても、人間の仕事だから、機械的にはゆかないのも、仕方がない。」「漠然たる水準ではあるが、大分距離のある今回のような場合は、ムリに授賞作を作るにも当らないと思って、最終的には各委員揃って、該当者ナシとなった判定に、私も異存はなかった。」
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他の選考委員
石川達三
中村光夫
佐藤春夫
瀧井孝作
川端康成
丹羽文雄
井上靖
永井龍男
井伏鱒二
宇野浩二
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選考委員
宇野浩二男68歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
骨のをれる選評 総行数74 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
川上宗薫
男35歳
3 「ちょっと面白く書けて器用に出来てはいるが、それだけのものである。」
右遠俊郎
男33歳
5 「ほんの少し異色もあり手に入ったところもあるけれど、「まとまり」がなく、下手すぎる。」
古田芳生
男39歳
5 「この前に候補になった『三十六号室』は或る程度まで出来ていたが、この小説には、破綻はあるけれど、しいて云うと、ちょっぴり特色もあり野心もうかがわれる。」
谷恭介
男(29歳)
6 「まあ作者の真面目を買うとしても、落第である。」
坂上弘
男23歳
6 「一気に息もつかさず読めるようなところがあるけれど、それは、小説がすぐれているからでなく、作者が設定した事を気負って書いているからであり、平凡な事をちょいと捻ったところもあるので、面白いように思われるだけである。」
吉田紗美子
女33歳
5 「これはこれで異色はあるが、全体がごたごたし、妙な味はあるけれど、表現があまりに稚拙であり、はっきり云うと、下手である。」
小堺昭三
男32歳
4 「一と口に云えば、しゃれた面白味のある作品であるが、唯それだけのものである。」
なだいなだ
男30歳
6 「『海』は、気のきいた短篇であるけれど、形はありきたりで、小説としても弱い。」「『帽子を……』は、これも気のきいた小品ではあるが、調子が低すぎる。」
  「殆んど皆、どれもこれも、読みづらいのは辛抱するとして、芥川賞に推せるだけの物ではなかった」「(引用者注:候補作の)半分以上が、その作品の随処に、殊更に、男女の「まじわり」か、それに似たものが、いたずらに、際どく書かれてあるのに、私は、妙な気がした。私には、こういうところだけを、作者が、いい気(原文傍点)になって、力をいれて、書いているように思われて、大へん気に入らないのである。」「芥川賞の候補作品にこういう傾向の小説が圧倒的に多くなった悪弊はこの五年来から現れはじめたようである。」
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他の選考委員
石川達三
中村光夫
佐藤春夫
瀧井孝作
川端康成
丹羽文雄
井上靖
永井龍男
井伏鱒二
舟橋聖一
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候補者・作品
川上宗薫男35歳×各選考委員 
「シルエット」
短篇 75
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
3 「以前の作品とくらべて見て、何か迷って居るように察せられた。悪く言えば慾が見える。初心に帰ることをすすめたい。」
中村光夫
男48歳
0  
佐藤春夫
男67歳
3 「今まで二度だか候補になった人だが、(引用者中略)今までのものよりは品さがるものである。何か見当違いの努力をしているのではあるまいか。」
瀧井孝作
男65歳
2 「図案か図式の小説のようで、生き生きしたものがない。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
4 「八篇の中でいちばん上手な小説ということができる。ますます上手になっていく人のようである。が、何かかんじんなものをわすれてはいないだろうか。」
井上靖
男52歳
5 「レベルに達した作品ではあるが、積極的に推す気にはなれなかった。」「大変難しいところで仕事をしており、それだけに野心的ではあるが、よほどぴったりと焦点が合わぬ限り失敗作になりがちである。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
16 「これまで何回も候補作になっているので、功労賞という話も出た。とにかく読ませる力があるので、作家的力量としては、他の七人とは格違いの感はある。然し、却って初期のものの素直さが失われて、悪く伸びたと見る人もあったが、私は昔の素直さより、ここへ曲ることは、必ずしも悪いことではないと思う。」「今回は、男に青酸をのませる前後から、構成に無理が見えてき、こしらえもの過ぎて、見送りとなった。」
宇野浩二
男68歳
3 「ちょっと面白く書けて器用に出来てはいるが、それだけのものである。」
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他の候補作
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
右遠俊郎男33歳×各選考委員 
「無傷の論理」
短篇 98
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
5 「惜しい作品だと思う。同質の被害をうけた三人の女が、その悲劇の中でどう生きて行ったか、その三人の相違をもっと書き切ったら、良い作品になったと思う。しかしこの人の歩いている道はまちがって居ない。」
中村光夫
男48歳
3 「よい材料を、書き方で台なしにしている小説で、書きだしがとくにひどいと思われました。」
佐藤春夫
男67歳
3 「面白いテーマをつかんでいるが、この力量でこれを料理しようというのはけなげながら無理であろう。」
瀧井孝作
男65歳
4 「(引用者注:「基地」と共に)外人関係のかなりの素材を、安易な中間小説に仕立て上げたもので、色事の小説にしては、浅薄でつまらない。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
5 「最後までこのテーマを押しとおすべきだった。」「そうでなかったら、このテーマによらないことである。妥協はいけない。」
井上靖
男52歳
2 「いい材料だが、折角のいい材料をもっと素直に取扱ったらよかったと思う。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
4 「四作(引用者注:「シルエット」「感情のウェイヴ」「無傷の論理」「基地」)のうちから、授賞作を選びたいと思った。が、四作とも、授賞作品となるには、いろいろな欠点があった。」
宇野浩二
男68歳
5 「ほんの少し異色もあり手に入ったところもあるけれど、「まとまり」がなく、下手すぎる。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
古田芳生男39歳×各選考委員 
「孤児」
短篇 104
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
4 「前半はわかりにくい所があり、不条理の思想かなにかをひねったような所が気になるが、後半には冴えたものが見られる。」
中村光夫
男48歳
8 「構成が支離滅裂で、「三十六号室」よりずっと不出来な作品ですが、第二章の「ヒラ子の手記」だけは、ともかくちゃんとしていて、」「「三十六号室」より作者の資性のよい面がでているところもあります。」
佐藤春夫
男67歳
0  
瀧井孝作
男65歳
2 「孤児園の孤児の手記で、精神薄弱児童の手記か何かトボケた、奇形な偏したものだ。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
2 「前回の「三十六号室」より弱すぎる。」
井上靖
男52歳
2 「前作「三十六号室」に較べると見劣りがした。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
5 「この前に候補になった『三十六号室』は或る程度まで出来ていたが、この小説には、破綻はあるけれど、しいて云うと、ちょっぴり特色もあり野心もうかがわれる。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
谷恭介男(29歳)×各選考委員 
「行賞規程第六条」
短篇 91
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
3 「これだけでは足りない。ひと昔まえの左翼文学の型に止まって居るようで、そこからの前進がこの作者の課題であろうと思う。」
中村光夫
男48歳
0  
佐藤春夫
男67歳
0  
瀧井孝作
男65歳
2 「鉄道機関士の職場小説で、堅実な方だが、もう少しうまいとよいのだが……。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
3 「小説というものはこの小説がおわったところから始まるものだということをもう一度考えなおしてほしい。」
井上靖
男52歳
0  
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
6 「まあ作者の真面目を買うとしても、落第である。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
坂上弘男23歳×各選考委員 
「ある秋の出来事」
短篇 97
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
3 「読者の理解をもり上げて行かないで、却って理解をはぐらかすような所があり、努力の効果がうすれている。」
中村光夫
男48歳
8 「フォークナーの「響と怒」の一部に似すぎているという噂でしたが、僕が読みくらべた感じでは、道具立てはたしかに借りたところがあっても、換骨奪胎で、完全に坂上氏の作品になっていると思われました。」「ただしそういう問題を度外視しても、この小説は高く買えません。」
佐藤春夫
男67歳
0  
瀧井孝作
男65歳
3 「一寸よい所もあるが、中央公論新人賞になったものを、更にまた採り上げる必要はないと思った。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
4 「家族というものにきびしい目を向けているのはいいのだが、その裏打がされていない。父も母もひどく概念的である。兄や妹も、近ごろの小説にその類似を多く見うける。」
井上靖
男52歳
5 「レベルに達した作品ではあるが、積極的に推す気にはなれなかった。」「大変難しいところで仕事をしており、それだけに野心的ではあるが、よほどぴったりと焦点が合わぬ限り失敗作になりがちである。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
6 「一気に息もつかさず読めるようなところがあるけれど、それは、小説がすぐれているからでなく、作者が設定した事を気負って書いているからであり、平凡な事をちょいと捻ったところもあるので、面白いように思われるだけである。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
吉田紗美子女33歳×各選考委員 
「感情のウェイヴ」
短篇 124
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
3 「作者のわがままが見える。瀧井さんは推して居られたが、私は採らない。」
中村光夫
男48歳
4 「ひと通り人物が描けていますが、題名からひどく古風で稚拙な感じで、主人公の感情の波に作者自身がのりすぎているようです。」
佐藤春夫
男67歳
17 「多少の興味を持てた」「文章としては一番稚拙かも知れないが、初心の愛すべきものがありハツラツたる生活感情に他のどの作品にも見られないものがある。」「強いて採ればこれであろうが、今までの賞の水準から見てどうであろうか。」「この作者は授賞してブームになったらもみくちゃになりそうで、かえって気の毒である。など余計なことを考えながらも、今度の僕の候補作品はこれより外はないと決めて会場に出た。」
瀧井孝作
男65歳
16 「一番よいと思った。」「人妻のヨロメキの小説とも見られやすいが、これは男女の色事の小説ではなく、女の目覚めがテーマだ。女の自覚をこれだけ精細に見詰めた、読み応えのある小説はそう沢山はない。文章はまだ少し硬いようだが、まともでテキパキして、風景描写も遠近が出て空気が描けて、かなりの技倆だ。」「この作がこんど当選しなかったのは、一寸ふしぎだ。」
川端康成
男60歳
2 「瀧井氏が(引用者中略)やや推された」
丹羽文雄
男55歳
4 「大げさに構えすぎて失敗している。もっと何気なく書きだした方がよい。漢字に対しても感覚が古風すぎる。あとになるほどよくなっている。」
井上靖
男52歳
3 「克明な書き方には好感を持つが、説得調の文章が作品を古くしているように思った。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
9 「一番無事なのが、「感情のウェイヴ」だが、この題が、大味で鈍い感じのする如く、内容も説明的なので、今回としては点が集っているが、今までの芥川賞の水準には、遠く及ばない、と云うことで否決された。」
宇野浩二
男68歳
5 「これはこれで異色はあるが、全体がごたごたし、妙な味はあるけれど、表現があまりに稚拙であり、はっきり云うと、下手である。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
小堺昭三
「基地」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
小堺昭三男32歳×各選考委員 
「基地」
短篇 92
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
5 「達者な筆ですらすらと一つの風景を描いているが、そこに作者の警戒すべきものがあるようだ。いくら書いても芸術に接近しないで、芸術の周囲をまわって居る……妙な言い方だが、そんな風な物足りなさを感じた。」
中村光夫
男48歳
4 「いわゆる基地ものの型をでない上、主人公が犬儒派を気どりながら実ははなはだ甘いいい気な青年で、作者の彼にたいする批評が少しも見られません。」
佐藤春夫
男67歳
0  
瀧井孝作
男65歳
4 「(引用者注:「無傷の論理」と共に)外人関係のかなりの素材を、安易な中間小説に仕立て上げたもので、色事の小説にしては、浅薄でつまらない。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
8 「主人公の立場が、私には興味があり、またある点はよく描かれていた。作者と主人公がつきすぎているという評も出たが、客観性をこれ以上もたせることも果してどうか。」「文章に欠点がある。それに結末を作者があつかいかねているのも、残念であった。が、(引用者中略)いちばんまともなものだった。」
井上靖
男52歳
3 「あぶな気のない筆で、米軍基地の生態を達者に書いているが、謂ってみれば、まあそれだけのもの」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
4 「四作(引用者注:「シルエット」「感情のウェイヴ」「無傷の論理」「基地」)のうちから、授賞作を選びたいと思った。が、四作とも、授賞作品となるには、いろいろな欠点があった。」
宇野浩二
男68歳
4 「一と口に云えば、しゃれた面白味のある作品であるが、唯それだけのものである。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
なだいなだ
「海」等
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候補者・作品
なだいなだ男30歳×各選考委員 
「海」等
短篇2篇 54
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男54歳
4 「「海」はやや弱いが、汚れた小説が流行しているような今日、こんな綺麗な作品は貴重である。」「「帽子を……」は、かたちは古いが規格正しい立派なコントだ。」
中村光夫
男48歳
5 「「海」より参考作品の「帽子」に感心しました。軽すぎる難はあっても才気にあふれたコントで、或る爽やかな才能の芽があるように思われました。」「我国では伸びにくい性質の才能ですが、もしうまく育てば芥川の名にふさわしい作品を生む人かも知れません。」
佐藤春夫
男67歳
2 「他の作者とは全然別途の手法で試作しているのは頼もしいが、作品そのものはまだまだの感がある。」
瀧井孝作
男65歳
3 「「海」は、書き出しは不明瞭で拙いが、後半は一寸佳い。」「「帽子を……」は、気の利いた短篇と云える。」
川端康成
男60歳
0  
丹羽文雄
男55歳
2 「「海」は、小説家でないひとの小説である。そのよさも悪さも、あらわしている。」
井上靖
男52歳
2 「コントとしては一応面白かったが、これだけでは推せなかった。」
永井龍男
男55歳
0  
井伏鱒二
男61歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
6 「『海』は、気のきいた短篇であるけれど、形はありきたりで、小説としても弱い。」「『帽子を……』は、これも気のきいた小品ではあるが、調子が低すぎる。」
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他の候補作
川上宗薫
「シルエット」
右遠俊郎
「無傷の論理」
古田芳生
「孤児」
谷恭介
「行賞規程第六条」
坂上弘
「ある秋の出来事」
吉田紗美子
「感情のウェイヴ」
小堺昭三
「基地」
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