芥川賞のすべて・のようなもの
第43回
芥川賞-選評の概要 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
候補作家の群像
選考委員の群像
マップ

ページの最後へ
Last Update[H26]2014/6/20

43   一覧へ 42前の回へ 後の回へ44
昭和35年/1960年上半期
(昭和35年/1960年7月19日決定発表/『文藝春秋』昭和35年/1960年9月号選評掲載)
選考委員  井上靖
男53歳
石川達三
男55歳
中村光夫
男49歳
瀧井孝作
男66歳
丹羽文雄
男55歳
井伏鱒二
男62歳
佐藤春夫
男68歳
永井龍男
男56歳
舟橋聖一
男55歳
宇野浩二
男68歳
川端康成
男61歳
選評総行数  26 29 28 49 28 12 23 24 45 62  
選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
北杜夫 「夜と霧の隅で」
212
男33歳
11 6 7 15 5 5 16 13 8 14    
川上宗薫 「憂鬱な獣」
66
男36歳
8 0 0 3 6 5 0 2 0 0    
倉橋由美子 「パルタイ」
42
女24歳
10 9 9 11 6 4 0 14 38 5    
なだいなだ 「神話」
36
男31歳
0 0 0 3 0 0 0 0 0 3    
石井仁 「類人獣」
114
男36歳
0 4 0 4 0 0 0 2 0 19    
童門冬二 「暗い川が手を叩く」
45
男32歳
0 5 4 4 3 0 0 2 0 0    
岡田睦 「夏休みの配当」
93
男28歳
0 0 3 3 6 0 0 2 0 0    
古賀珠子 「魔笛」
116
女(29歳)
0 0 4 3 0 0 0 4 3 5    
吉村謙三 「白い夏」
109
男(32歳)
3 4 0 2 3 0 0 0 0 0    
欠席           欠席     欠席 欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和35年/1960年9月号)
1行当たりの文字数:26字


選考委員
井上靖男53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
平凡のもつ力 総行数26 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
11 「面白く読めた。」「手法も文章も極めて平凡である。題材に対する対し方もまた平凡だ。併し、面白く読ませる力も持っているし、将来物を書いて行く人としての安定したものも感じられる。」「(引用者注:私は)「パルタイ」の新しさより、「夜と霧の隅で」の平凡な、併しそうざらにあるまいと思われる力倆を上位に置いた」
川上宗薫
男36歳
8 「面白く読めた。」「まさしく川上氏の作品である。」「この作が今までの作品よりいいとは思わない。ところどころ弱いところや、甘くなっているところがある。」
倉橋由美子
女24歳
10 「面白く読めた。」「世評高かったので期待して読んだが、私には何か大切なものが一本抜けている小説に思えた。スタイルも新しいし、新しい小説を打ち出そうとしているところもよく判る。」「読後にこのように感動のない小説というのも珍しいと思った。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
0  
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
0  
吉村謙三
男(32歳)
3 「印象に残った。素直な好感の持てる作品ではあるが、読後感は弱かった。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
石川達三男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
異常な主題 総行数29 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
6 「委員のほとんど全部が推薦したい気持であったから、問題はなかった。設計も建築もしっかりした建物を見るような感じで、少しの危なげもない。」「「谿間にて」に比べて、厚みと幅とを加えたようだ。」
川上宗薫
男36歳
0  
倉橋由美子
女24歳
9 「新鮮さは私も高く買う。しかし作者自身のなかにどこかひよわなものがあって、危い気がする。このままで授賞されたらこの作者の良さは消えて、ひよわさばかりが拡大されそうに思う。この作者には当分のあいだ、ジャーナリズムの誘惑を断って静かに文学と(あるいは人間と……)取組んで見ることをすすめたい。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
4 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
童門冬二
男32歳
5 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
0  
吉村謙三
男(32歳)
4 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
  「今回の候補作品には、異常な主題を扱ったものが多かった。」「異常な主題にたよって、それだけの興味で読ませようと試みてはならない。その異常なものを文学にまで結晶させることは容易な仕事ではない。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
中村光夫男49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
群像を描く才能 総行数28 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
7 「一番たしかな才能を感じさせる力作でした。」「前々回の「狂詩」あたりとくらべると、別人の感がありますが、何か調子が低く、無駄が多いのが気になります。しかし現代の大きな問題を背景に、たっぷりした筆力で群像を描いて行く才能は、その欠点を補うに充分でしょう。」
川上宗薫
男36歳
0  
倉橋由美子
女24歳
9 「小品に近い作品ですが、そこに示された作者の資性は、可能性としては当選作より、深いひろがりを持っています。」「ある冴えた純粋性が感じられます。しかし芸術というより、自然の偶然の産物のようなところがあり、その新しさは、一部の人には感じられても、充分表現されているとは云えません。授賞作としてはやや弱いと思われます。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
4 「よくできていると思われました。しかし短い文章でつくりごとを書くむずかしさを、少し甘く考えすぎているようで、ところどころがひどくつくりものに見えます。」
岡田睦
男28歳
3 「筆致の明るさが注目されますが(引用者中略)同じ弊(引用者注:つくりものに見える)に堕しています。」
古賀珠子
女(29歳)
4 「重苦しく、たどたどしい構成が、書かねばならぬ材料ととりくんだ作者の力闘を感じさせますが、既成の表現にたよりすぎて、効果を弱めています。」
吉村謙三
男(32歳)
0  
  「今度はめずらしく候補作品の粒がそろっていました。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
瀧井孝作男66歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
佳い味 総行数49 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
15 「段ちがいに佳かった。」「「谿間にて」よりもこんどの方がまた進歩していると思った。それは規模が大きくて、又よくこなれて佳い味があるのだ。この佳い味というものは一つの天分で、天分があってもすぐ出るものでもなく、なかなか得難いものだが、この作者は勉強をつづけてこの味が出てきたようだ。」
川上宗薫
男36歳
3 「モダンな学生気質の小説だが、新しい感じはなかった。父親が息子に意見する所は面白かった。」
倉橋由美子
女24歳
11 「何かわからない、説明も何もない不明瞭の所が多いが、そのわからない所が本当らしくて、そういう実感がそのまま出ていて、ちょっと面白かった。」「このひとも何か特色があるようで、勉強すれば尚よいものが出ると思った。」
なだいなだ
男31歳
3 「かるい筆に面白い所もあるが、これだけでは少しものたりない。」
石井仁
男36歳
4 「「夜と霧の隅で」などの深い味はない。味がないというのは、作品として活き活きしたものがないのだ。」
童門冬二
男32歳
4 「精神病患者の話だが、子供の目に映ったそれが相当に描けていると思った。」「何か特色のある、注目すべき作家だと思った。」
岡田睦
男28歳
3 「モダンな学生気質を描いているが、筆には神経がたりない平板な感じがした。味がたりないのだ。」
古賀珠子
女(29歳)
3 「「パルタイ」と同じ似たような題材で、かなりハッキリ描いてあるが、ハッキリした描写が却ってウソのようで、何か陳腐な感じがした。」
吉村謙三
男(32歳)
2 「少女小説のような所があるが、素直な筆致は佳かった。」
  「こんどは予選作品も、いつもとくらべて読みごたえがあった。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
丹羽文雄男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
内容のある重量感 総行数28 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
5 「ひと際秀れたものだった。これだけの内容のある重量感を出すことは、今日の作家の中でもむつかしいのではないか。」「安心してよめる、大人びた才能は高く評価されてよい。豊かな才能の持主だ。」
川上宗薫
男36歳
6 「押入の中の物音を鼠の仕業とか、女が猫の鳴き声を出すあたり、落語的だということになり、それが決定的な評価になった。作者にとっては心外だろうが、そういううけとり方もあるということを一考されたい。」「この人など、とうに受賞してもいいのだ。」
倉橋由美子
女24歳
6 「日本の女性にひては珍しい才能の持主である点は十分にみとめるが、簡単にとびつけないものをこの作品は感じさせる。目下は習作の時代であろう。そこから抜け出たとき、この人がこの人の文章で書いたときを期待する。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
3 「もうかえろうとオジサンがいうところで、いっぺんにこの小説を駄目にしている。」
岡田睦
男28歳
6 「「夏休みの配当」の面白さを私は大いに買いたい。が、この作は当選というわけにはいかなかったが、素質的に面白いところのある人らしい。」「嫌いな人は頭から否定するだろうが、文学というものはいつも顔をしかめて深刻がっているようなものではないからだ。」
古賀珠子
女(29歳)
0  
吉村謙三
男(32歳)
3 「最後にお菊さんが殺されるが、書きすぎである。あれがなかったら、一本の感銘はすなおにとおったであろう。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
井伏鱒二男62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
幅と重厚味 総行数12 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
5 「力作のようでもあるし、この前の「谿間にて」にくらべると幅と重厚味があるようだし、大きく伸びつつある作家ではないだろうかと思った。堂々たる作品だと思った。私はこの作品を推すことにして会に出た」
川上宗薫
男36歳
5 「もし当選作を二つ取るような話になれば、(引用者中略・注:「夜と霧の隅で」の他に)「パルタイ」または「憂鬱な獣」に票を入れるつもりでいた。」「声変りした子供の不思議な欲情を多彩でもって書いてある。」
倉橋由美子
女24歳
4 「もし当選作を二つ取るような話になれば、(引用者中略・注:「夜と霧の隅で」の他に)「パルタイ」または「憂鬱な獣」に票を入れるつもりでいた。」「自由を持てあまして行くつく先の不自由な抽象の壁が書けている。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
0  
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
0  
吉村謙三
男(32歳)
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
佐藤春夫男68歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
幻想的な実感 総行数23 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
16 「(引用者注:最初の候補の時以来)心配したようなひとり合点なものにもならないで、一作毎に順当に進境を見せて、一脈のユーモアがよく一般性をつなぎ、コクのある文体とともに、超自然主義的な一家の機杼(独自の作風)を示しているのを尊重した。今度の「夜と霧の隅で」はそれらの特長が最もよく現われた佳作と思われる。」「嶄然一頭地を抜いていたように思われたから、他の作は問題にせず、この一作だけを推した。」
川上宗薫
男36歳
0  
倉橋由美子
女24歳
0  
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
0  
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
0  
吉村謙三
男(32歳)
0  
  「(引用者注:「夜と霧の隅で」の)他の作品も、みなそれぞれの見どころが無いでもなかったが、いずれも甲乙なく、みな二番煎じの作風で、作者の力量は、北杜夫にくらべものにならないような気がした。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
永井龍男
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
永井龍男男56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
厚みのある作品 総行数24 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
13 「最後まで選に残った二作、「夜と霧の隅で」と「パルタイ」双方に授賞してはと私は提案した」「私の疑問は、その長さだった。芥川賞の規定である「短篇」に該当するかどうかと云うことだったが、これは出席委員が全員で認めた。」「特異な題材を扱う作者の自信と、周到な用意が相俟って、厚みのある作品である。」「前回「谿間にて」が候補作に取り上げられたことも、この作者の力倆を知るよすがとなったようだ。」
川上宗薫
男36歳
2 「個性を感じた。」
倉橋由美子
女24歳
14 「最後まで選に残った二作、「夜と霧の隅で」と「パルタイ」双方に授賞してはと私は提案した」「作品評は、すでに各方面でなされているので、蛇足を加えるつもりはない。」「なによりも、その新鮮さを私は買いたい。」「新鮮ということは、芥川賞の生命ではなかろうか。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
2  
童門冬二
男32歳
2 「個性を感じた。」
岡田睦
男28歳
2 「個性を感じた。」
古賀珠子
女(29歳)
4 「個性を感じた。」
吉村謙三
男(32歳)
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
舟橋聖一
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
舟橋聖一男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「パルタイ」への興味 総行数45 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
8 「すぐれた卒論を読むようなソツのなさを感じたが、同時に退屈もした。慶応の付属病院という安定した職場に坐って、二つのハンドルを持つことが、今日のようなはげしい分業時代にあって、氏自身が、どこまで自分に寛容となれるかは疑問である。」
川上宗薫
男36歳
0  
倉橋由美子
女24歳
38 「北一人推す組が五人。北・倉橋二人推す組が五人で、票決がつかず、佐佐木茂索氏の意見を聞いて、決定したのが真相」「大江・開高の例もあり、僅少の差で競り合った場合は、やはり両者に授賞すべきであったと思う。」「「パルタイ」以後、乱作だから減点するというのもおかしい。」「文体は、大江などとも違う才質で、ユニイクなものである。特に感覚的に新しいとは思わないが、女の体臭が凝結しているような緊密感は、中間小説で荒らされていた一、二年前の候補作にはないものだ。」
なだいなだ
男31歳
0  
石井仁
男36歳
0  
童門冬二
男32歳
0  
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
3 「(引用者注:倉橋由美子と共に)政治闘争の中で昔ながらに、小(ルビ:プチ)ブル性をとりあげ、その良心的煩悶を、主題に近い位置で構成(ルビ:コンストラクト)させているのは、いかにも古くさいと思った。」
吉村謙三
男(32歳)
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
宇野浩二
  ページの先頭へ

選考委員
宇野浩二男68歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
我流の読後感 総行数62 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
北杜夫
男33歳
14 「(引用者注:候補作のうちでは)先ず一篇(北杜夫の『夜と霧の隅で』)だけが推薦できそうに思った」「一ばん普通の文章と表現で述べた北の小説が妙に凄いところがあり読む者の心をうつような佳作であったが、(私がこの作品を殊更にほめるのは、前の(第四十一回の)時に、私が、欠点があるので、『山塔』より、『谿間』を推薦したからである。」
川上宗薫
男36歳
0  
倉橋由美子
女24歳
5 「ちょいと器用に見えるが、それだけで、「コマシャクレ」ている。」
なだいなだ
男31歳
3 「いくら気ちがいでも、あまりにバカげた気ちがいの伝奇小説みたい、と書けば、こちらがバカげてしまう。」
石井仁
男36歳
19 「得意になって書いているけれど、それは成功しなかった、「これ見よがし」の感じがあり、面白ずくで書いている」
童門冬二
男32歳
0  
岡田睦
男28歳
0  
古賀珠子
女(29歳)
5 「手がこんでいるように見えるけれど、ごたごたしていて、それだけでも、よくない。」
吉村謙三
男(32歳)
0  
  「こんどは、九篇の小説の大部分が「ドングリの背くらべ」であった」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の選考委員
井上靖
石川達三
中村光夫
瀧井孝作
丹羽文雄
井伏鱒二
佐藤春夫
永井龍男
舟橋聖一
  ページの先頭へ


受賞者・作品
北杜夫男33歳×各選考委員 
「夜と霧の隅で」
中篇 212
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
11 「面白く読めた。」「手法も文章も極めて平凡である。題材に対する対し方もまた平凡だ。併し、面白く読ませる力も持っているし、将来物を書いて行く人としての安定したものも感じられる。」「(引用者注:私は)「パルタイ」の新しさより、「夜と霧の隅で」の平凡な、併しそうざらにあるまいと思われる力倆を上位に置いた」
石川達三
男55歳
6 「委員のほとんど全部が推薦したい気持であったから、問題はなかった。設計も建築もしっかりした建物を見るような感じで、少しの危なげもない。」「「谿間にて」に比べて、厚みと幅とを加えたようだ。」
中村光夫
男49歳
7 「一番たしかな才能を感じさせる力作でした。」「前々回の「狂詩」あたりとくらべると、別人の感がありますが、何か調子が低く、無駄が多いのが気になります。しかし現代の大きな問題を背景に、たっぷりした筆力で群像を描いて行く才能は、その欠点を補うに充分でしょう。」
瀧井孝作
男66歳
15 「段ちがいに佳かった。」「「谿間にて」よりもこんどの方がまた進歩していると思った。それは規模が大きくて、又よくこなれて佳い味があるのだ。この佳い味というものは一つの天分で、天分があってもすぐ出るものでもなく、なかなか得難いものだが、この作者は勉強をつづけてこの味が出てきたようだ。」
丹羽文雄
男55歳
5 「ひと際秀れたものだった。これだけの内容のある重量感を出すことは、今日の作家の中でもむつかしいのではないか。」「安心してよめる、大人びた才能は高く評価されてよい。豊かな才能の持主だ。」
井伏鱒二
男62歳
5 「力作のようでもあるし、この前の「谿間にて」にくらべると幅と重厚味があるようだし、大きく伸びつつある作家ではないだろうかと思った。堂々たる作品だと思った。私はこの作品を推すことにして会に出た」
佐藤春夫
男68歳
16 「(引用者注:最初の候補の時以来)心配したようなひとり合点なものにもならないで、一作毎に順当に進境を見せて、一脈のユーモアがよく一般性をつなぎ、コクのある文体とともに、超自然主義的な一家の機杼(独自の作風)を示しているのを尊重した。今度の「夜と霧の隅で」はそれらの特長が最もよく現われた佳作と思われる。」「嶄然一頭地を抜いていたように思われたから、他の作は問題にせず、この一作だけを推した。」
永井龍男
男56歳
13 「最後まで選に残った二作、「夜と霧の隅で」と「パルタイ」双方に授賞してはと私は提案した」「私の疑問は、その長さだった。芥川賞の規定である「短篇」に該当するかどうかと云うことだったが、これは出席委員が全員で認めた。」「特異な題材を扱う作者の自信と、周到な用意が相俟って、厚みのある作品である。」「前回「谿間にて」が候補作に取り上げられたことも、この作者の力倆を知るよすがとなったようだ。」
舟橋聖一
男55歳
8 「すぐれた卒論を読むようなソツのなさを感じたが、同時に退屈もした。慶応の付属病院という安定した職場に坐って、二つのハンドルを持つことが、今日のようなはげしい分業時代にあって、氏自身が、どこまで自分に寛容となれるかは疑問である。」
宇野浩二
男68歳
14 「(引用者注:候補作のうちでは)先ず一篇(北杜夫の『夜と霧の隅で』)だけが推薦できそうに思った」「一ばん普通の文章と表現で述べた北の小説が妙に凄いところがあり読む者の心をうつような佳作であったが、(私がこの作品を殊更にほめるのは、前の(第四十一回の)時に、私が、欠点があるので、『山塔』より、『谿間』を推薦したからである。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
川上宗薫男36歳×各選考委員 
「憂鬱な獣」
短篇 66
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
8 「面白く読めた。」「まさしく川上氏の作品である。」「この作が今までの作品よりいいとは思わない。ところどころ弱いところや、甘くなっているところがある。」
石川達三
男55歳
0  
中村光夫
男49歳
0  
瀧井孝作
男66歳
3 「モダンな学生気質の小説だが、新しい感じはなかった。父親が息子に意見する所は面白かった。」
丹羽文雄
男55歳
6 「押入の中の物音を鼠の仕業とか、女が猫の鳴き声を出すあたり、落語的だということになり、それが決定的な評価になった。作者にとっては心外だろうが、そういううけとり方もあるということを一考されたい。」「この人など、とうに受賞してもいいのだ。」
井伏鱒二
男62歳
5 「もし当選作を二つ取るような話になれば、(引用者中略・注:「夜と霧の隅で」の他に)「パルタイ」または「憂鬱な獣」に票を入れるつもりでいた。」「声変りした子供の不思議な欲情を多彩でもって書いてある。」
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
2 「個性を感じた。」
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
倉橋由美子女24歳×各選考委員 
「パルタイ」
短篇 42
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
10 「面白く読めた。」「世評高かったので期待して読んだが、私には何か大切なものが一本抜けている小説に思えた。スタイルも新しいし、新しい小説を打ち出そうとしているところもよく判る。」「読後にこのように感動のない小説というのも珍しいと思った。」
石川達三
男55歳
9 「新鮮さは私も高く買う。しかし作者自身のなかにどこかひよわなものがあって、危い気がする。このままで授賞されたらこの作者の良さは消えて、ひよわさばかりが拡大されそうに思う。この作者には当分のあいだ、ジャーナリズムの誘惑を断って静かに文学と(あるいは人間と……)取組んで見ることをすすめたい。」
中村光夫
男49歳
9 「小品に近い作品ですが、そこに示された作者の資性は、可能性としては当選作より、深いひろがりを持っています。」「ある冴えた純粋性が感じられます。しかし芸術というより、自然の偶然の産物のようなところがあり、その新しさは、一部の人には感じられても、充分表現されているとは云えません。授賞作としてはやや弱いと思われます。」
瀧井孝作
男66歳
11 「何かわからない、説明も何もない不明瞭の所が多いが、そのわからない所が本当らしくて、そういう実感がそのまま出ていて、ちょっと面白かった。」「このひとも何か特色があるようで、勉強すれば尚よいものが出ると思った。」
丹羽文雄
男55歳
6 「日本の女性にひては珍しい才能の持主である点は十分にみとめるが、簡単にとびつけないものをこの作品は感じさせる。目下は習作の時代であろう。そこから抜け出たとき、この人がこの人の文章で書いたときを期待する。」
井伏鱒二
男62歳
4 「もし当選作を二つ取るような話になれば、(引用者中略・注:「夜と霧の隅で」の他に)「パルタイ」または「憂鬱な獣」に票を入れるつもりでいた。」「自由を持てあまして行くつく先の不自由な抽象の壁が書けている。」
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
14 「最後まで選に残った二作、「夜と霧の隅で」と「パルタイ」双方に授賞してはと私は提案した」「作品評は、すでに各方面でなされているので、蛇足を加えるつもりはない。」「なによりも、その新鮮さを私は買いたい。」「新鮮ということは、芥川賞の生命ではなかろうか。」
舟橋聖一
男55歳
38 「北一人推す組が五人。北・倉橋二人推す組が五人で、票決がつかず、佐佐木茂索氏の意見を聞いて、決定したのが真相」「大江・開高の例もあり、僅少の差で競り合った場合は、やはり両者に授賞すべきであったと思う。」「「パルタイ」以後、乱作だから減点するというのもおかしい。」「文体は、大江などとも違う才質で、ユニイクなものである。特に感覚的に新しいとは思わないが、女の体臭が凝結しているような緊密感は、中間小説で荒らされていた一、二年前の候補作にはないものだ。」
宇野浩二
男68歳
5 「ちょいと器用に見えるが、それだけで、「コマシャクレ」ている。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
なだいなだ男31歳×各選考委員 
「神話」
短篇 36
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
0  
石川達三
男55歳
0  
中村光夫
男49歳
0  
瀧井孝作
男66歳
3 「かるい筆に面白い所もあるが、これだけでは少しものたりない。」
丹羽文雄
男55歳
0  
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
3 「いくら気ちがいでも、あまりにバカげた気ちがいの伝奇小説みたい、と書けば、こちらがバカげてしまう。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
石井仁男36歳×各選考委員 
「類人獣」
短篇 114
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
0  
石川達三
男55歳
4 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
中村光夫
男49歳
0  
瀧井孝作
男66歳
4 「「夜と霧の隅で」などの深い味はない。味がないというのは、作品として活き活きしたものがないのだ。」
丹羽文雄
男55歳
0  
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
2  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
19 「得意になって書いているけれど、それは成功しなかった、「これ見よがし」の感じがあり、面白ずくで書いている」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
童門冬二男32歳×各選考委員 
「暗い川が手を叩く」
短篇 45
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
0  
石川達三
男55歳
5 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
中村光夫
男49歳
4 「よくできていると思われました。しかし短い文章でつくりごとを書くむずかしさを、少し甘く考えすぎているようで、ところどころがひどくつくりものに見えます。」
瀧井孝作
男66歳
4 「精神病患者の話だが、子供の目に映ったそれが相当に描けていると思った。」「何か特色のある、注目すべき作家だと思った。」
丹羽文雄
男55歳
3 「もうかえろうとオジサンがいうところで、いっぺんにこの小説を駄目にしている。」
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
2 「個性を感じた。」
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
岡田睦男28歳×各選考委員 
「夏休みの配当」
短篇 93
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
0  
石川達三
男55歳
0  
中村光夫
男49歳
3 「筆致の明るさが注目されますが(引用者中略)同じ弊(引用者注:つくりものに見える)に堕しています。」
瀧井孝作
男66歳
3 「モダンな学生気質を描いているが、筆には神経がたりない平板な感じがした。味がたりないのだ。」
丹羽文雄
男55歳
6 「「夏休みの配当」の面白さを私は大いに買いたい。が、この作は当選というわけにはいかなかったが、素質的に面白いところのある人らしい。」「嫌いな人は頭から否定するだろうが、文学というものはいつも顔をしかめて深刻がっているようなものではないからだ。」
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
2 「個性を感じた。」
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
古賀珠子
「魔笛」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
古賀珠子女(29歳)×各選考委員 
「魔笛」
短篇 116
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
0  
石川達三
男55歳
0  
中村光夫
男49歳
4 「重苦しく、たどたどしい構成が、書かねばならぬ材料ととりくんだ作者の力闘を感じさせますが、既成の表現にたよりすぎて、効果を弱めています。」
瀧井孝作
男66歳
3 「「パルタイ」と同じ似たような題材で、かなりハッキリ描いてあるが、ハッキリした描写が却ってウソのようで、何か陳腐な感じがした。」
丹羽文雄
男55歳
0  
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
4 「個性を感じた。」
舟橋聖一
男55歳
3 「(引用者注:倉橋由美子と共に)政治闘争の中で昔ながらに、小(ルビ:プチ)ブル性をとりあげ、その良心的煩悶を、主題に近い位置で構成(ルビ:コンストラクト)させているのは、いかにも古くさいと思った。」
宇野浩二
男68歳
5 「手がこんでいるように見えるけれど、ごたごたしていて、それだけでも、よくない。」
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
吉村謙三
「白い夏」
  ページの先頭へ

候補者・作品
吉村謙三男(32歳)×各選考委員 
「白い夏」
短篇 109
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男53歳
3 「印象に残った。素直な好感の持てる作品ではあるが、読後感は弱かった。」
石川達三
男55歳
4 「異常な主題を描くこと自体は、文学の幅のひろさであって、私は反対しないが、その異常さに圧倒されて、作品自体が崩れて行く危険もある。」
中村光夫
男49歳
0  
瀧井孝作
男66歳
2 「少女小説のような所があるが、素直な筆致は佳かった。」
丹羽文雄
男55歳
3 「最後にお菊さんが殺されるが、書きすぎである。あれがなかったら、一本の感銘はすなおにとおったであろう。」
井伏鱒二
男62歳
0  
佐藤春夫
男68歳
0  
永井龍男
男56歳
0  
舟橋聖一
男55歳
0  
宇野浩二
男68歳
0  
          - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他の候補作
北杜夫
「夜と霧の隅で」
川上宗薫
「憂鬱な獣」
倉橋由美子
「パルタイ」
なだいなだ
「神話」
石井仁
「類人獣」
童門冬二
「暗い川が手を叩く」
岡田睦
「夏休みの配当」
古賀珠子
「魔笛」
  ページの先頭へ



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像候補作家の群像
選考委員の群像マップ