直木賞のすべて
第146回
候補作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
リンク集
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H28]2016/12/20

伊東潤
Ito Jun
生没年月日【注】 昭和35年/1960年6月24日~
経歴 神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒。日本IBM勤務、外資系日本企業の事業責任者などを経て執筆業。
受賞歴・候補歴
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



せんごくきたん さん
戦国鬼譚  惨』(平成22年/2010年5月・講談社刊)
書誌
>>平成24年/2012年10月・講談社/講談社文庫『戦国鬼譚 惨』加筆修正
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 32回候補 一覧へ
候補者 伊東潤 男50歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
6 「実に垢抜けた作品であった。」「あえて苦言を呈するなら、登場する武将の個性を今少し明確にする工夫がほしかった。」
伊集院静
男61歳
3 「(引用者注:富樫倫太郎とともに)力量のある作家で今後を期待したい。」
大沢在昌
男54歳
9 「重厚な小説群ではあるが、いかんせん登場人物を姓名だけで区別するのに苦労した。また、武将の死生観が決められている時代の、意思決定、覚悟は、どこか既視感を覚えてしまう。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
17 「私は深く感じ入りました。」「歴史のその場を生きている人間には、そのときその時点で精一杯のことをするしかない。(引用者中略)どれほど知恵と心を費やしても空しいこともある。誰がそれを嗤えるだろう。軽んじたり、哀れむことなどできるだろう。読み終えたとき、そんな気持ちで胸がいっぱいになりました。」
選評出典:『小説現代』平成23年/2011年5月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 143回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
八幡太郎 平成22年/2010年7月12日 その鬼気迫るような筆致は、新時代の司馬遼を思わせる
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 第146回候補  一覧へ

しろ おとこ
城を 噛ませた 男』(平成23年/2011年10月・光文社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 「城をませた男」 奥付 ルビ有り「しろ」「か」「おとこ」 表紙 「Make him attack the castle」併記
印刷/発行年月日 発行 平成23年/2011年10月20日(初版1刷)
発行者等 発行者 駒井稔 組版 萩原印刷 印刷所 慶昌堂印刷 製本所 榎本製本
発行所 株式会社光文社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 泉沢光雄 装画 茂本ヒデキチ
総ページ数 277 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
44字
×20行
×1段
本文ページ 5~277
(計273頁)
測定枚数 518
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成26年/2014年3月・光文社/光文社文庫『城を噛ませた男』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
見えすぎた物見
>>初出『小説宝石』平成22年/2010年1月号
鯨のくる城
>>初出『小説宝石』平成22年/2010年7月号
城を噛ませた男
>>初出『小説宝石』平成22年/2010年9月号、10月号
椿の咲く寺
>>初出『小説宝石』平成22年/2010年3月号
江雪左文字
>>初出『小説宝石』平成23年/2011年2月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 伊東潤 男51歳
選考委員 評価 行数 評言
渡辺淳一
男78歳
8 「大名ではない、中、小城主を主人公にしたところが面白く、ひきつけられる。」「しかし、いずれも思い付きの域をこえず、人間の内面に入っていないところがもの足りなかった。」
宮部みゆき
女51歳
25 「久々に登場した直球投手」「今の段階ではまだちょっと一本調子。球が揃ってきてしまうと、パターンが見えます。特に短編集では見破られ易い。」
阿刀田高
男77歳
9 「時代小説を書く確かな力量を感じた。物見の秘伝や鯨捕りの実際など、興味深い記述もあった。」
林真理子
女57歳
21 「短篇集であるのに、各篇のレベルがまばらなのも気にかかった。特に表題作となると、登場人物が整理されておらずわかりづらい。しかし、権力者の間で綱渡りしている人々のキャラクターは大層面白かった。」「が、女性が主人公となると、急に精彩を欠くのは残念であった。」
浅田次郎
男60歳
13 「その豊富かつ稀少な知識には頭が下がるのだが、一方ではこれを普遍的な読物とするためには、相当の表現力が必要であろうと思った。」
宮城谷昌光
男66歳
24 「――そろそろ関東に目をむけた歴史小説家があらわれてもよい。と、おもっていた私は、かれの努力を認める意味でも、この作品を推してみたい気になった。」「が、残念ながら、完成度が低い。それでも、歴史に材をとって、小説として立ち上げることがいかに大変であるかを知っているつもりの私は、伊東氏に励声を送りたい。」
桐野夏生
女60歳
14 「調略、謀略、裏切り。現代とは違う価値観に身を置き、必死に先を読もうとする男たちの顔が窺えて楽しめた。ただし、タイトルも含めて、全体に生硬で説明的ではある。変わる状況と背景を、いかに読者に知らしめるか、悩んだ結果かもしれない。」
北方謙三
男64歳
8 「冒頭の二篇に惹かれた。歴史上の有名人が登場してくると、とたんに色褪せるのは、今後の課題であろう。」
伊集院静
男61歳
7 「文章が読み易く、物語に豊かさもあり、この作家の才気を感じた。」
選評出典:『オール讀物』平成24年/2012年3月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 146回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
鷹取 昭 平成24年/2012年1月8日 秀吉の小田原征伐の近因を新しい視点で解明して見せた
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
短篇集〔5篇〕
見えすぎた物見
章立て
「一」~「九」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]~江戸初期[元和年間]  下野~小田原など
登場人物
天徳寺宝衍(佐野家筆頭家老)
佐野宗綱(佐野家当主、宝衍の甥)
清吉(物見)
五助(物見)
鯨のくる城
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  伊豆
登場人物
高橋丹波守政信(伊豆国雲見の領主、鯨漁の頭)
寅松(鯨漁師の若者)
清水上野介康英(下田城代)
城を噛ませた男
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  信州~武蔵
登場人物
真田安房守昌幸(信州国上田城主)
矢沢薩摩守頼綱(昌幸の叔父)
猪俣能登守邦憲(北条家の家臣)
椿の咲く寺
章立て
「一」~「八」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  駿河久能
登場人物
妙慧尼(武田家臣今福丹波守虎高の娘)
彦蔵(妙慧尼の庭番)
鶴屋宗範(呉服商)
今福市左衛門昌常(徳川家康の家臣、今福家嫡流)
江雪左文字
章立て
「天文十五年(一五四六)八月某日 伊豆国韮山」「慶長五年(一六〇〇)七月二十四日 下野国小山陣」「永禄三年(一五六〇)九月某日 伊豆国長浜」「慶長五年(一六〇〇)八月二十七日 近江国石部陣」「永禄五年(一五六二)二月某日 伊豆国韮山」「天正十八年(一五九〇)七月八日 相模国小田原城」「慶長五年(一六〇〇)九月十四日 美濃国関ヶ原」「文禄五年(一五九六)七月十四日 山城国伏見」「慶長五年(一六〇〇)九月十五日 美濃国関ヶ原」「慶長四年(一五九九)四月某日 大坂」「慶長五年(一六〇〇)九月十五日 美濃国関ヶ原」「天文十五年(一五四六)八月某日 伊豆国韮山」
時代設定 場所設定
戦国[天文年間~慶長年間]  伊豆~下野~近江~相模~関ヶ原~伏見~大坂
登場人物
岡野江雪(幼名・源十郎、北条~秀吉~家康に仕える)
徳川家康(江戸城主)
小早川秀秋(筑前名島の武将)




直木賞 第148回候補  一覧へ

くに おとこ
国を 蹴った 男』(平成24年/2012年10月・講談社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成24年/2012年10月25日(第1刷)
発行者等 発行者 鈴木 哲 印刷所 豊国印刷株式会社 製本所 黒柳製本株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 芦澤泰偉 装画 北村さゆり
総ページ数 295 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 5~295
(計291頁)
測定枚数 526
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成27年/2015年5月・講談社/講談社文庫『国を蹴った男』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
牢人大将
>>初出『小説現代』平成23年/2011年11月号
戦は算術に候
>>初出『小説現代』平成24年/2012年3月号
短慮なり名左衛門
>>初出『小説現代』平成24年/2012年7月号
毒蛾の舞
>>初出『小説現代』平成23年/2011年1月号「毒蛾に刺された男」を改題
天に唾して
>>初出『小説現代』平成24年/2012年5月号
国を蹴った男
>>初出『小説現代』平成24年/2012年9月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 伊東潤 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
宮部みゆき
女52歳
20 「表題作が文句なしに素晴らしい。この短編を芯に、今川氏のなかの様々な立場にある人びとを個別に描いていく連作短編集だったらなあ、と思いました。」「人の上に立つ者の幸福とは、どんな幸福であるべきなのか。伊東さんなら、多角的な視点を持つ連作に仕上げることができたのではないかと夢想してしまいました。」
伊集院静
男62歳
8 「年毎に伊東氏は腕が上がり、文章にもしなりのようなものが出た。それが元来の氏の力なのだろう。」
浅田次郎
男61歳
22 「表題作「国を蹴った男」に注目した。作者は今川氏真のような人物を多く知っているにちがいない。ぜひ長篇仕立てで、こうした爽快な武将の一代記を読んでみたいものである。」
桐野夏生
女61歳
17 「私は、時代背景や当時の状況など、もう少し説明が欲しいと思うところがある。急がずにじっくり読みたいと思う作品も多々あった。」「過剰に見えて、実は少し足りない理由は何だろうか。そこを考えてほしい。表題作は傑作である。」
北方謙三
男65歳
19 「前回候補作より、手はあがったと思う。」「歴史上の有名人に、これまでとはちょっと違った視点をあてた時、二作(引用者注:「牢人大将」と「国を蹴った男」)にあった鮮やかさが色褪せる。そのあたり、もう一度噛み直して欲しいところである。」
林真理子
女58歳
8 「表題作の「国を蹴った男」が秀逸で、この方の歴史作家としての実力を見せてくれる。が、短篇集だけに、今回は「等伯」の迫力に影が薄くなったのは残念である。」
宮城谷昌光
男67歳
14 「いわゆる下げにいそぐあまり、内容にふくよかさが失われているきらいがある。蹴鞠の名人でありながら国を主宰するには凡庸であった今川氏真と鞠職人の五助を書いた表題作は、佳品である。」
阿刀田高
男78歳
17 「多彩にして詳細な歴史資料を披露し、それ自体は凄味さえあって、みごとなのだが、小説としての広がりに不足があるように思った。」「今川氏真などユニークなパーソナリティを登場させたときは充分におもしろいのだが……」
渡辺淳一
男79歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成25年/2013年3月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 34受賞 一覧へ
候補者 伊東潤 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男61歳
7 「真摯な努力が感じられた。わけても巻末に収められた表題作は、今後の方向を示しているように思えた。今川氏真の蹴り上げた鞠がどこに飛んで行くのか、期待は膨らむ。」
伊集院静
男63歳
8 「一作ごとに腕を上げられ、どの作品も読者を満足させる力量は十分にプロの作家である。「牢人大将」はまさに作者の真骨頂が発揮されている。」
大沢在昌
男56歳
10 「格段にうまくなられていた。ことに表題作がよかった。何度も文学賞の候補となり、受賞という結果が得られないと、無駄な迷いが作家には生じるときがある。」「伊東さんにはそれがない。はっきりとご自分の書きたい世界が見えていて、まっすぐにそこへ向かっている。」
恩田陸
女48歳
6 「私は時代小説には「これを書いているのは誰それ」とすぐに分かる「声」の魅力を求めるため、すこぶる端正な語り口ではあるものの、まだ「声」そのものが無味無臭に感じられたので積極的には推さなかった。」
京極夏彦
男49歳
40 「(引用者注:「機龍警察 暗黒市場」とともに)一見「読者を選ぶ」と思われがちな作風であるにも拘らず、両作共にその壁は破られている。」「歴史に興味のない読者にも瑣末な情報を読ませてしまうだけの短編小説群としての熟達した完成度がある。」「特殊な方向性に特化する形で一般性を獲得するというのは、生半な技量では成し遂げられないことである。」
高橋克彦
男65歳
42 「実を言うと私は伊東さんが前々回の候補作に選ばれた『戦国鬼譚惨』のときに初めて作品に接し、その途方もないアイデアに仰天させられた。」「世界を限定しての、主人公を変えた連作小説は近頃の流行りではあるが、伊東さんが試みているのはそれとは次元や目的がまるで異なる。読者の位置を高みに引き上げてくれるのだ。と同時に人間の多面性をも引き出す。」「『惨』一冊で私は伊東さんの才能に打ちのめされてしまった。」
選評出典:『小説現代』平成25年/2013年5月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 148回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
海野 信 平成25年/2013年1月11日 今までの時代物とは違い、取り上げた時代のメイン人物ではなく、脇役や知られていない人に焦点を当て、ややもすると変わり者的な小説になりやすいのが、すぐに小説の中に引き込まれてしまう構成力や、文章力、および時代考証に優れていて、安心して楽しく、しかも心に残る小説と思う。今後の活躍に期待をするためにも受賞して欲しい。
Y.M.O. 平成25年/2013年1月14日 今回は、初候補が3人、候補2回目が3人とガチガチの本命と言える人ががいません。文春絡みも初候補の志川節子さんだけで予想が非常に難しいと思います。
状況的には全員横並びという中で予想すると、本命は伊東潤『国を蹴った男』、対抗が有川浩『空飛ぶ広報室』、大穴が志川節子『春はそこまで 風待ち小路の人々』でしょうか。
それにしても有川浩さんが初候補だったことに、今更ながら気がつきました。
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
短篇集〔6篇〕
牢人大将
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間~天正年間]  上州~甲斐~三河など
登場人物
那波藤太郎宗安(武田家牢人衆頭、別名・無理之介)
五味与惣兵衛貞氏(武田家牢人衆副将)
武田信実(別名・河窪兵庫助、信玄の庶弟)
戦は算術に候
章立て
「一」~「八」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間~慶長年間]  大坂~京~武蔵~美濃関ヶ原など
登場人物
石田三成(別名・佐吉、羽柴秀吉の直臣)
長束利兵衛正家(羽柴家勘定奉行)
羽柴秀吉(三成・正家の主君)
短慮なり名左衛門
章立て
「一」~「八」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間~天正年間]  越後~越中など
登場人物
毛利名左衛門秀広(毛利北条家の武将、上杉家配下)
樋口与六兼続(上杉景勝の奏者)
毒蛾の舞
章立て
「一」~「六」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  加賀~能登~越前など
登場人物
佐久間盛政(柴田勝家の筆頭家臣、異名・鬼玄蕃)
前田又左衛門利家(柴田家配下の武将)
まつ(利家の妻)
天に唾して
章立て
「一」~「五」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間~天正年間]  相模~堺~播磨など
登場人物
山上宗二(商人兼茶人)
羽柴秀吉(武将)
千宗易(のち利休、秀吉に仕える茶人、宗二の師)
国を蹴った男
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間]~江戸[慶長年間]  京~駿河など
登場人物
五助(蹴鞠職人)
今川氏真(今川家当主)
籠屋宗兵衛(商人)




直木賞 第149回候補  一覧へ

きょげい うみ
巨鯨の 海』(平成25年/2013年4月・光文社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年4月20日(初版1刷)
発行者等 発行者 駒井稔 組版 萩原印刷 印刷所 萩原印刷 製本所 ナショナル製本
発行所 株式会社光文社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 泉沢光雄  歌川国芳「宮本武蔵の鯨退治」(アダチ伝統木版画財団)
総ページ数 336 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
45字
×20行
×1段
本文ページ 5~336
(計332頁)
測定枚数 645
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成27年/2015年9月・光文社/光文社文庫『巨鯨の海』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
旅刃刺の仁吉
>>初出『小説宝石』平成24年/2012年1月号
恨み鯨
>>初出『小説宝石』平成24年/2012年7月号
物言わぬ海
>>初出『小説宝石』平成24年/2012年4月号「もの言わぬ海」
比丘尼殺し
>>初出『小説宝石』平成24年/2012年10月号
訣別の時
>>初出『小説宝石』平成25年/2013年1月号
弥惣平の鐘
>>初出『小説宝石』平成25年/2013年2月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 伊東潤 男53歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男78歳
10 「鯨取りの実態と風俗は示唆に富んで楽しめるが、登場人物の設定やビヘイビアが私には月並に思えた。重厚で、よい作品にちがいないが、さらに新しい視点を求めるのは望蜀の嘆なのだろうか。」
伊集院静
男63歳
0  
林真理子
女59歳
18 「力わざで描いた作品だ。」「鯨たちは逃げ、挑み、懇願し、絶望して息絶えていくのであるが、それをめぐる人間の人生も緻密に書かれている。今回賞は逃したが、伊東さんの実力はゆるぎないものだと確信を持った。」
浅田次郎
男61歳
10 「近年の水準に照らせば十分に足りる作品であった。ことに、一作ごとにありありと上達が感じられ、なおかつ本作のテーマは秀逸である。しかし、大勢の登場人物の個性という点で、受賞作(引用者注:「ホテルローヤル」)には一歩及ばなかった。」
宮部みゆき
女52歳
15 「正直、これまでの(引用者注:伊東潤の)作品が好きだった私にはかなり勝手が違ったのですが、自然の力に呑まれてゆく人間の無力さが前面に出てくるエピソードでは、いつもの伊東節が唸っていて嬉しくなりました。」
宮城谷昌光
男68歳
9 「(引用者注:「望郷」とともに)自分のなかで評価が浮沈した。」「伊東氏の作品の独特さは、かつても認め、今回も認めている。さらに、その取材力には脱帽する。」
渡辺淳一
男79歳
7 「(引用者注:「ジヴェルニーの食卓」「ヨハネスブルグの天使たち」などとともに)それなりに目を引く作品」「一篇の小説としての安定感や説得力ではいささかもの足りないというのが、正直な実感であった。」
桐野夏生
女61歳
16 「よく調べられているし、話の運びがうまい。ただ、「旅刃刺の仁吉」のような成長物語や、「恨み鯨」のような人情噺より、大背美流れに材を取った「弥惣平の鐘」が心を打つのは、作られた話ではないからだろうか。圧倒的な自然の力に負ける人間たちを描くことで、逆に鯨取りの仕事の厳しさや人間の恐怖、ひよわな姿が浮かび上がって切ない。」
北方謙三
男65歳
18 「作者がひと皮剥けたな、と感じさせる作品だった。対象にむかった時の、腰の据え方が実にどっしりとしている。」「私は特に、人間の力ではどうにもならない、海の描写が秀逸であると思った。潮流や風、雨や波の描写は、眼に見えるような迫力がある。私は積極的に推したが、わずかに届かず、次作を期待するということになった。三回目の候補だが、一作一作力をつけ、あと一歩というところまで来ていると思う。」
選評出典:『オール讀物』平成25年/2013年9月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 149回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
書痴 平成25年/2013年7月4日 上記の本を推します。(同時推薦=>恩田陸
あらどん 平成25年/2013年7月17日 今回はハズレ作品なしで読んでて面白かったです。中でも伊東潤さんの『巨鯨の海』は捕鯨の技術や専門用語をさらりと序盤で印象づけて読みやすくさせてしまううまさと、捕鯨シーンの迫力で秀でている印象を受けました。
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作短篇集〔6篇〕
旅刃刺の仁吉
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
江戸中期  新宮藩太地
登場人物
音吉(刃刺の庶子、15歳)
仁吉(肥前大村出身の旅刃刺、四番船刃刺)
石松(五番船刃刺、音吉の義兄)
恨み鯨
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
江戸  新宮藩太地
登場人物
徳太夫(一番船刃刺)
末吉(徳太夫の息子、三番船刺水主)
那与(徳太夫の妻、病身)
祥太夫(沖合)
物言わぬ海
章立て
「一」~「六」
時代設定 場所設定
江戸  新宮藩太地
登場人物
与一(10歳前後の子供、喘息の持病持ち)
喜平次(聾唖者、与一と同い年)
孫太郎(刃刺の息子、与一の一つ年長)
比丘尼殺し
章立て
「一」~「五」
時代設定 場所設定
江戸中期  新宮城下~新宮藩太地
登場人物
晋吉(口問い[岡引])
菊太夫(四番船執刀役)
平蔵(菊太夫の弟)
訣別の時
章立て
「一」~「九」
時代設定 場所設定
幕末~明治初期  新宮藩太地
登場人物
太蔵(水主の三男、14歳)
吉蔵(太蔵の長兄、「吉太夫」、七番船刃刺)
才蔵(太蔵の次兄、九番船刺水主)
弥惣平の鐘
章立て
「一」~「九」
時代設定 場所設定
明治  太地~神津島
登場人物
弥惣平(水主)
常吉(東京品川出身の旅水主)
沢太夫(四番船刃刺)




直木賞 第150回候補  一覧へ

おう おとこ
王になろうとした 男』(平成25年/2013年7月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年7月30日(第一刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 北村さゆり 装丁 大久保明子 DTP組版 浅間芳朗
総ページ数 299 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×18行
×1段
本文ページ 7~296
(計290頁)
測定枚数 473
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成28年/2016年3月・文藝春秋/文春文庫『王になろうとした男』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
果報者の槍
>>初出『オール讀物』平成24年/2012年9月号
毒を食らわば
>>初出『オール讀物』平成24年/2012年12月号
復讐鬼
>>初出『オール讀物』平成24年/2012年5月号
小才子
>>初出『オール讀物』平成25年/2013年4月号
王になろうとした男
>>初出『オール讀物』平成23年/2011年12月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 伊東潤 男53歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
4 「従前の水準からすれば受賞に価する作品なのだが、前記二作(引用者注:受賞の「昭和の犬」「恋歌」)との比較から強く推すことはできなかった。表題作を長篇で読んでみたかったと思うのは、私ばかりではあるまい。」
阿刀田高
男79歳
7 「毎月の小説雑誌にこのレベルの作品が載っていれば満足できる。――わるくないんだがなあ――と思いながらも作者のオリジナリティに不安を覚えた。と言うよりコンクールとして前二作(引用者注:受賞の「昭和の犬」「恋歌」)にわずかに及ばなかった。」
伊集院静
男63歳
6 「もう十分に受賞者となる筆力がある。」「毎回、題材の良さ、物語の骨太さ、安定感は他の選考委員も揃って認めているだけに文学の選考会の奇妙な流れに外れたことは残念でしかたない。」
北方謙三
男66歳
8 「織田家臣団の数名を描くことで、信長の姿を浮かびあがらせようという試みがある程度成功していて、新しいものを呈示されたという思いを抱いた。」「ただ、イメージをダイナミックで重層的に積みあげる長篇にこそ、むいているのではないか、という思いが払拭できなかった。」
桐野夏生
女62歳
8 「肝腎の信長像がやや類型的に感じられた。また、今回は人物描写、風景描写ともに少なく、どの短編も膨らみに欠けている。伊東さんは筆力もおありになるし、発想も抜きん出ているのだから、ひとつの題材にじっくりと時間をかけた長編を読みたい、と願うのは私だけだろうか。」
高村薫
女60歳
6 「二十一世紀のいま、相変わらず戦国武将たちの物語が書き継がれることに異論を唱えるものではないが、新しく書かれる作品には当然、数多の傑作の向こうを張るだけの斬新な表現や小説作法が求められるはずだ。」
林真理子
女59歳
4 「今度の候補作は、非常に残念だ。同じ事柄を描いた短篇が二つあった。『巨鯨の海』に見られたような力わざが、短かいものでは発揮出来ないのではないか。」
東野圭吾
男55歳
7 「表題作が一番面白く、同時に欠点も目立った。異国のボスらしき者の前で衣服を脱がされ、そのボスが目をぎらつかせたら、殺されるのではないか、食われるのではないか、と恐怖を覚えるのがふつうだろう。」
宮城谷昌光
男68歳
5 「あいかわらずかれの勤勉ぶりを表しているが、小説的なふくらみに欠ける。筆が手堅いとはいえず、筆が固い、といわざるをえない。」
宮部みゆき
女53歳
15 「本当に残念なことに、この本を作り急いでしまった恨みがあります。」「伊東さんだったら、信長の家臣団のなかから、無名であっても興味深い人物を選んで小説的にふくらませ、彼らの生き様を通して〈信長とは何者だったのか〉を語ることができるはずなのにと、つい思ってしまいました。実際、表題作の「王になろうとした男」では、その試みに成功しているのですから。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年3月臨時増刊号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
短篇集〔5篇〕
果報者の槍
章立て
「一」~「十」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間~天正年間]  清洲城~知多半島北部~三河~朽木谷~大和~京など
登場人物
毛利新助良勝(織田家家臣)
塙九郎左衛門直政(新助の同輩)
織田信長(天下統一を目指す武将)
毒を食らわば
章立て
「一」~「八」
時代設定 場所設定
戦国[永禄年間~天正年間]  清洲城~三河~南山城~大和~長篠~本願寺など
登場人物
塙九郎左衛門直政(織田家家臣、のち原田備中守直政)
毛利新助良勝(直政の同輩)
織田信長(天下統一を目指す武将)
復讐鬼
章立て
「一」~「七」
時代設定 場所設定
戦国[元亀年間~天正年間]  摂津~賤ヶ岳など
登場人物
中川瀬兵衛清秀(摂津荒木村重の筆頭家臣)
荒木村重(清秀の主、のち隠居して茶人)
万見仙千代重元(織田信長の寵臣)
小才子
章立て
「天正十年(一五八二)六月五日 大坂石山本願寺跡地」「天正二年三月二十八日 大和多聞山城」「天正十年正月十九日 近江大溝城」「天正十年正月二十日 近江大溝城」「天正十年四月二十日 近江坂本城」「天正十年六月五日 大坂石山本願寺跡地」
時代設定 場所設定
戦国[天文年間~天正年間]  大坂~大和~近江など
登場人物
津田七兵衛尉信澄(織田信長の甥であり家臣)
明智光秀(信澄の岳父)
丹羽五郎左衛門長秀(信澄の謀叛の相談相手)
王になろうとした男
章立て
「一」~「八」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  アフリカ・モノモタバ~インド~安土~京~瀬戸内海など
登場人物
ヤシルバ(アフリカ生まれの黒人、のち織田信長配下の小姓・彌介)
たし(信長の女房衆のひとり、彌介の妻)
織田信長(天下統一を目指す武将)





死んでたまるか』(平成27年/2015年2月・新潮社刊)
大衆選考会 153回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
しょう 平成27年/2015年6月8日 取るかはワカラナイですが、この2つは候補には入りそうな気がします。(同時推薦=>湊かなえ
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 第155回候補  一覧へ

てんかびと ちゃ
天下人の 茶』(平成27年/2015年12月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背 ルビ有り「てんかびとのちゃ」併記 奥付 ルビ有り「てんかびと」「ちゃ」
印刷/発行年月日 発行 平成27年/2015年12月10日(第一刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成28年/2016年2月10日(第二刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本 組版 言語社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 久保田眞由美 装丁 大久保明子
総ページ数 274 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×18行
×1段
本文ページ 3~274
(計272頁)
測定枚数 455
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>初出『オール讀物』平成26年/2014年1月号~平成27年/2015年5月号/単行本化にあたり大幅加筆改稿
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 伊東潤 男56歳
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男68歳
22 「難しい題材に挑んで、必ずしも成功はしなかった、というふうに感じた。」「この作品では、茶道をきわめようとしながら、俗なものにしか行き着かず、もの狂いの果てに業に陥ちるというような姿に、生身の迫力があったと私は思った。」
宮部みゆき
女55歳
12 「伊東潤さんが利休と秀吉を描いた! というだけでもう美味しい小説になるはずなので、もっと踏み込んで煮詰めてほしかったなあと思いました。」
浅田次郎
男64歳
20 「たゆまぬ勤勉さと剛直な執筆姿勢には敬服する。しかしいつも推し切れぬ理由は、歴史に対する情熱が、文学に対するそれを凌駕している、と思えるからである。」
東野圭吾
男58歳
20 「読んでいて核が感じられなかった。」「なぜかと考え、やはり連作だからではないかと思った。これほどの大きなテーマを扱うのならば、『利休形』を軸にした長編にすべきではなかったか。」「またところどころ、重要な場面がダイジェストになってしまうのももったいないと感じた。」
宮城谷昌光
男71歳
26 「(引用者注:「家康、江戸を建てる」「暗幕のゲルニカ」と共に)誠実さの下に断えざる努力がすけてみえる」「惜しいことに、小説的裏芸がない。あえていえば肯定形の器に、肯定形の文がたっぷり盛られているにすぎない。さらにわかりにくいことをいうことになるかもしれないが、人がおどろくのは、おどろいた人をみておどろくのである。」
高村薫
女63歳
15 「有名すぎる千利休をあらためて小説仕立てにすることの難しさを教えている。」「利休と秀吉の関係について新しい仮説を立てる程度では、小説は資料や知識の披瀝の手段になってしまい、小説らしさから遠ざかってゆくのは必然である。」
伊集院静
男66歳
5 「登場人物の在り方が、どこかで見聞なり、読んだものに思えて小説が凡庸になっていた。」
桐野夏生
女64歳
19 「いかにしてオリジナリティを獲得していくのかが、作者の腕の見せどころであろう。大量の資料を繰って、人物を造型するのは面白い作業だと思うが、本作で成功しているとは言い難い。」「また、第一部と第二部とで逸話を挟む構成に無理があるのではないか。」
林真理子
女62歳
8 「利休はじめ登場人物が喋べり過ぎである。ここまで喋べると彼らの底深い大きさが見えてこなくなってしまう。」
選評出典:『オール讀物』平成28年/2016年9月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作長篇〔6篇〕
章立て
「天下人の茶 第一部」「奇道なり兵部」「過ぎたる人」「ひつみて候」「利休形」「天下人の茶 第二部」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]~江戸初期[慶長年間]  京~朝鮮~長久手~摂津~小田原~熱海~駿府など
登場人物
千利休(千宗易、堺の商人茶人)
豊臣秀吉(太閤)
豊臣秀次(関白、秀吉の養子)
牧村兵部(宗易の武家弟子、稲葉家の長男で牧村家の養子)
瀬田掃部頭正忠(利休の弟子、秀吉直臣から秀次の家臣に)
古田織部正重然(利休の弟子)
細川与一郎忠興(利休の弟子)
山上宗二(利休の弟子、秀吉のかつての茶頭)
小堀遠江守政一(織部の弟子)




ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像
選評の概要小研究大衆選考会リンク集マップ
|| 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ