高橋光子（たかはしみつこ）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

芥川賞のすべて・のようなもの

第53回

＝受賞者＝
津村節子

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Last Update●[H29]2017/12/15

	Takahashi Mitsuko
	生没年月日【注】	昭和3年/1928年8月15日～
	経歴	別筆名＝上条由紀。愛媛県生まれ。愛媛県立川之江高等女学校卒。ラジオ、テレビの脚本を手がけ、のち作家となる。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第7回女流新人賞（昭和39年/1964年）「蝶の季節」第20回文學界新人賞（昭和40年/1965年）「蝶の季節」 \|候補\| 第53回芥川賞（昭和40年/1965年上期）「蝶の季節」 \|候補\| 第9回作家賞（昭和47年/1972年）「遺る罪は在らじと」 \|候補\| 第68回芥川賞（昭和47年/1972年下期）「遺る罪は在らじと」 \|候補\| 第9回太宰治賞（昭和48年/1973年）「電報」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（昭和53年/1978年1月号）「逃げる」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（昭和60年/1985年12月号）「グループ」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（昭和61年/1986年7月号）「罠」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（昭和61年/1986年12月号）「くんちゃん」第12回潮賞［ノンフィクション部門・優秀作］（平成5年/1993年）「ある兄弟の軌跡――「大正ロマン」の画家　高畠華宵とその兄」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（平成12年/2000年8月号）「山崎柳子さんのこと」 \|同人雑誌評\| 『文學界』同人雑誌評［ベスト5］（平成18年/2006年7月号）「ほめられた話」
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全11件同人雑誌評の記録▼全25件

第53回候補

「蝶(ちょう)の季節(きせつ)」（『文學界』昭和40年/1965年5月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」別表記表紙「文藝春秋編集」併記
巻号	第19巻第5号別表記5月号
印刷/発行年月日	印刷昭和40年/1965年4月20日　発行昭和40年/1965年5月1日
発行者等	編集兼発行人杉村友一　印刷人高橋武夫　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	文藝春秋新社（東京都）
総ページ数	238	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	16～43 （計28頁）	測定枚数	84枚

書誌

平成13年/2001年7月・鳥影社刊『蝶の季節』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　高橋光子　36歳
選考委員		評価	行数	評言
石川達三	60歳	―	0
丹羽文雄	60歳	―	0
瀧井孝作	71歳	■	4	「メルヘンのような話だが、筆にはどうも生彩がない。これは“活字が寝て居る”と云いたい。」
高見順	58歳	●	4	「当節流行の俗っぽい「現代的」な性描写がでてきて、うんざりした。」
石川淳	66歳	―	0
井上靖	58歳	△	4	「着想の面白さに新鮮なものを感じたが、（引用者中略）エピローグが抜き差しならぬ欠点となっていて、折角のこの作品のよさが最後で台なしにされてしまったことは惜しい。」
中村光夫	54歳	■	2	「着想の面白さを終りに自分でこわしている」
永井龍男	61歳	■	3	「エピローグに至って、作者の不用意を露呈した。」「惜しい作品である。」
舟橋聖一	60歳	―	0
川端康成	66歳	△	8	「（引用者注：「玩具」に加えて授賞作を選ぶとすれば、「剣ヶ崎」「蝶の季節」「砂の関係」の）三編のいずれかだが、いずれも問題を含み、特色はありながら、しかも一長一短であった。」「おもしろい着想だが、その幻想を中途、特に終りでぶちこわし、フランス女流作家の言葉の短い引用は良心的であるにしても、無用ではなかったか。」
選評出典：『芥川賞全集　第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和40年/1965年9月号）

第68回候補

「遺(のこ)る罪(つみ)は在(あ)らじと」（『文学者』昭和47年/1972年7月号）

媒体・作品情報

誌名	「文学者」
巻号	第15巻第7号別表記7月号
印刷/発行年月日	発行昭和47年/1972年7月10日
発行者等	編集人中村八朗　発行人丹羽文雄　印刷人木村史郎　編集所（丹羽文雄内）（東京都）
発行所	（日本製版内）（東京都）
総ページ数	70	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	30字 ×26行 ×2段
本文ページ	1～35 （計35頁）	測定枚数	127枚

書誌

昭和56年/1981年8月・檸檬社刊『遺る罪は在らじと』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　高橋光子　44歳
選考委員		評価	行数	評言
中村光夫	61歳	△	8	「注目しました。」「どちらかと云えば素人らしい作品ですが、モチイフと主要人物の輪郭がはっきりして、血が通っているので、読んでひとりの人間を知ったという気持になります。それだけに作者がいい気になって自分の世界にとじこもっているところがありますが、これもきょろきょろあたりに眼を配っているよりまし」
永井龍男	68歳	●	3	「一口に云って平凡であった。」
安岡章太郎	52歳	―	0
吉行淳之介	48歳	■	2	「確かな筆致で、水準には達しているのだが、人物が等身大でありすぎる。」
瀧井孝作	78歳	△	5	「家付娘の母親の元気な働きぶり、養子の父親の真面目な村長ぶりなど、克明に描いてあった。しまいの引退後の老父のボケた強暴ぶりは描きすぎの感じがした。」
大岡昇平	63歳	―	0
舟橋聖一	68歳	△	2	「心にとまった」
丹羽文雄	68歳	△	7	「（引用者注：「蟻の塔」と共に）しっかりと書かれていた。が、（引用者中略）内容が地味すぎたので損をした。」「私小説的ふうの材料から飛躍して、蝶のように舞い上ったなら、その才能は一挙に花がひらくのではないか、という気がした。」
井上靖	65歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第九巻』昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和48年/1973年3月号）

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