芥川賞のすべて・のようなもの
第55回
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Last Update[H26]2014/6/20

山崎柳子
Yamazaki Ryuko
生没年月日【注】 大正12年/1923年2月☆日~平成11年/1999年7月24日
経歴 神奈川県横浜市生まれ。神奈川高女卒。『文学者』『真昼』などの雑誌に関わり、第七次『早稲田文学』では編集を担当。昭和56年/1981年に得度し僧侶となる。昭和61年/1986年から、高橋光子の誘いを受け『群青』の同人。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第55回芥川賞(昭和41年/1966年上期)「眼なき魚」
  • |候補| 第56回芥川賞(昭和41年/1966年下期)「記憶」
  • |候補| 第60回芥川賞(昭和43年/1968年下期)「針魚」
備考
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芥川賞 第55回候補  一覧へ

まなこ うお
眼なき 魚」(『文学者』昭和41年/1966年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「文学者」
巻号 第9巻 第2号  別表記2月号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「まなこ」「うお」
印刷/発行年月日 発行 昭和41年/1966年2月10日
発行者等 編集兼発行人 丹羽文雄 印刷人 木村史郎 編集所 (丹羽文雄内)(東京都)
発行所 (日本製版内)(東京都)
総ページ数 108 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 7~25
(計19頁)
測定枚数 70
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書誌
>>『文藝春秋』昭和41年/1966年9月号
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候補者 山崎柳子 女43歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男61歳
28 「前回当選の「北の河」や前々回当選の「玩具」にくらべて劣るものではない。私は自信をもってこの作品を推した。この作者は既に文学(原文傍点)を自分のものにしている。」「この作品には芸術的な『美』がきちんと表現されている。」「ルミという混血の黒い肌の娘がもっている骨に沁みるような自己嫌悪の心を、慈善事業家のような表現ではなくて、作者自身のふかい心で表現している。」
大岡昇平
男57歳
8 「推薦出来ると思った。」「結末、混血児の自殺の段取りも、少し説得的でない。しかし黒人の混血児童について、政治を表に出さず、問題を生活の中に解消して書き込んである点で、凡手ではない。」「私はこれを当選作にしてもよい、と思った」
瀧井孝作
男72歳
10 「筆が蚊細く、秘かな愛のあや(原文傍点)も瑣末のようで響きが弱い、わかりにくい難があった。初ぶいのはよいが、まだまだ一年生の作と見た。」
丹羽文雄
男61歳
7 「今回の候補作品の中ではいちばん秀れていると思った。よくこれだけ抑えて書いていると感心した。」「が、最後に自動車にぶつかり自殺するのは早すぎた。」「が、このひとには期待がもてる。」
三島由紀夫
男41歳
13 「生理的な暗鬱なねばっこさが文体を通して全篇にゆきわたり、人種問題的とりあげ方でなく、レスビアニズムの感覚的触手だけで対象と接しているのが、作品の緊密さを保障しており、それだけに却って、さらりとした死の結末を活かしてもいる」「(引用者注:「天上の花」の三好達治像のような)人物造型に成功しているとは云いがたい。」
石川淳
男67歳
9 「一応書けているといってもよいだろう。しかし、わたしはこの一作を見ただけですぐこれを賞に擬するほど作者の素質才能を信じてしまうには至らない。」「この作者の力がどれほどのものか、あるいはなにほどのものでもないかを知るためには、一枚の鏡では不足である。」
中村光夫
男55歳
10 「いわば玄人むきにそつなく書きこまれているが、小説として或る本質的な魅力がかけていると思われます。」
永井龍男
男62歳
9 「全篇を包んだ抒情は同性愛に発しているが、この作者の神経はかなり行届いたもので、時には省略に過ぎて立体性を失うような個所すらある。そんな処が、この作品の欠点になったようだが、なお私はこの作者の神経を買う。」
井上靖
男59歳
15 「書きにくい材料を、かなりうまくこなしてあって、作者の小説を書く力倆といったものの感じられる作品であった。」「最後の自殺が突発的でやや意外ではあるが、併し、そういうところも作品全体をこわしてしまうような不自然さにはなっていない。ただ読後、こちらに強く訴えて来るようなもののなかったのは惜しい。」
川端康成
男67歳
8 「「眼なき魚」の黒人との混血少女と、「天上の花」の三好達治とをくらべると、読んで受け取るものに、ずいぶんと差がある。それが頭から抜けないので、どうしても私は、「天上の花」を落して「眼なき魚」を取るとか、二つをならべて入れるとかは出来なかった。」「山崎柳子氏には少し気の毒だとは思った。」
舟橋聖一
男61歳
9 「私には幼稚なものに思われたが、案外支持者が多いのには、おどろいた。」「最後に自動車へ飛びこむところは、他の委員諸氏にも、疑問があるかのようである。私はあすこを二度読み直したのだが、小説としての現実性がついにわからなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和41年/1966年9月号)
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芥川賞 第56回候補  一覧へ

きおく
記憶」(『文學界』昭和41年/1966年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第20巻 第10号  別表記10月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和41年/1966年9月20日 発行 昭和41年/1966年10月1日
発行者等 編集兼発行人 杉村友一 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 222 表記上の枚数 目次 80枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 106~131
(計26頁)
測定枚数 78
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候補者 山崎柳子 女43歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男42歳
9 「いい作品だった。」「ラストの二行に感心した。」「この小説の終ったところから、本当の三角関係がはじまるわけだ。このさりげない暗示が、作品の奥行を増していると思う。」
瀧井孝作
男72歳
7 「記憶の場面が末尾の「三」に描かれて、はじめの「一」と「二」は何かよくわからなかった。」「小説の筋の思いつきは面白いが、未だ小説の手法を会得して居ないのは、惜しかった。」
井上靖
男59歳
0  
石川達三
男61歳
0  
丹羽文雄
男62歳
5 「問題はあったが、気負立ちすぎたようである。」「前期の作品と今度の作品で、このひとの力量は高く評価されてよいと思った。」
石川淳
男67歳
10 「わたしとしては「記憶」をとる。印象的にいえば、人生にぽかんと大きい穴があいていて、その穴の中でも人間は微妙に生きることをやめないというけしきがここにある。」「ただこの作品には技術的にちと腑に落ちないところがあって、わたしもつよく推すまでには至らなかった。しかし、この方法がいけないというのではない。」
永井龍男
男62歳
4 「(引用者注:銓衡の最後で)「記憶」と「石のニンフ達」「夏の流れ」の三篇が検討された。」「才能ある作品だったが、ここには筆を略させていただく。」
大岡昇平
男57歳
2 「最後まで残った。」
川端康成
男67歳
5 「構成に工夫があり過ぎるほどだし、作者の練達もうかがえる。」
中村光夫
男55歳
5 「野心的な企図ですが、それにしては少し工夫がたりないところがあって、作者のひろげた網に読者がかからないという意味で失敗作でしょう。しかし(引用者中略)「眼なき魚」よりひとつ進んだことをしようとした作者の意気ごみは立派です。」
舟橋聖一
男62歳
4 「前半ウラシマの部分が全くやりきれなかった。」「前回の授賞作には、やはり「天上の花」をもっと強く推すべきであったと反省させられた。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年3月号)
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芥川賞 第60回候補  一覧へ

しんぎょ
針魚」(『文学者』昭和43年/1968年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「文学者」
巻号 第11巻 第8号  別表記8月号
印刷/発行年月日 発行 昭和43年/1968年8月10日
発行者等 編集兼発行人 丹羽文雄 印刷人 木村史郎 編集所 (丹羽文雄内)(東京都)
発行所 (日本製版内)(東京都)
総ページ数 102 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 5~32
(計28頁)
測定枚数 103
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候補者 山崎柳子 女45歳
選考委員 評価 行数 評言
石川淳
男69歳
17 「「夜への落下」「針魚」「穴と空」の三篇をわたしは取る。」「賞を出すとすれば、この中のどれか一篇を選ぶほかない。」「虚脱感と緊張感とが一つに結びついたようなところに生きている。この作品の底にながれいるのは作者の認識ではなくて、おそらく作者の素質である。」「このひとは謂うところの小説家の目ではなくて、生活者の目をもって世界を見ているようである。ただし素質を食っている生活者である。それだから、その書くものが自然に小説になりうる。」
三島由紀夫
男44歳
0  
石川達三
男63歳
0  
瀧井孝作
男74歳
0  
中村光夫
男57歳
0  
井上靖
男61歳
0  
丹羽文雄
男64歳
2 「すこし長く書きすぎた。橋上の少女の描写がすばらしかっただけに、惜しいと思った。」
舟橋聖一
男64歳
0  
永井龍男
男64歳
1 「極めて平面的であった。」
大岡昇平
男59歳
0  
川端康成
男69歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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