芥川賞のすべて・のようなもの
第55回
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Last Update[H27]2015/10/10

萩原葉子
Hagiwara Yoko
生没年月日【注】 大正9年/1920年9月4日~平成17年/2005年7月1日
経歴 東京生まれ。精華高女卒、國學院大學中退。昭和34年/1959年に『父・萩原朔太郎』を発表、以後作家生活を送る。父は詩人の萩原朔太郎。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第55回候補  一覧へ

てんじょう はな みよしたつじしょう
天上の花――三好達治抄――」(『新潮』昭和41年/1966年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第63巻 第3号  別表記3月号/731号
副題等 「――三好達治抄――」
印刷/発行年月日 発行 昭和41年/1966年3月1日
発行者等 編集兼発行者 齋藤十一 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 114~182
(計69頁)
測定枚数 209
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書誌
>>昭和41年/1966年6月・新潮社刊『天上の花―三好達治抄』所収
>>昭和47年/1972年7月・潮出版社/潮文庫『天上の花』
>>昭和55年/1980年10月・新潮社/新潮文庫『花笑み・天上の花』所収
>>平成5年/1993年8月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第22巻 福井』所収
>>平成8年/1996年7月・講談社/講談社文芸文庫『天上の花―三好達治抄』
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候補者 萩原葉子 女45歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男61歳
13 「三好達治という吾々の知人を実名で書いているので、選者の大部分は興味ふかく読んでいるが、その興味は作品の出来不出来とは別のものだと私は思う。そこを厳密に区別したかった。」「私はいわゆる実名小説なるものに作者としての不純なものを感じる。」
大岡昇平
男57歳
10 「芥川賞の候補作の資格があるかどうかに問題があると思っていた。」「興味を持って読んだ。ただ当事者の一人につき、談話や伝聞にもとづいて、「日記」を作ってある部分に、不快な印象を受けた。」「この気むずかしい詩人の作品と生活との関連を捉えるのは、作者の手に余ったのである。」「授賞に賛成出来なかった。」
瀧井孝作
男72歳
22 「(引用者注:この作者は)うまくなったと思った。一気に終いまで読んだ。」「大体に、此頃雑誌の小説は低い感じのものが多いが、とにかくこの高いリズムのある作品は、推称に価すると思った。」「「図抜けて佳かった。」
丹羽文雄
男61歳
4 「いちばん大切な三好夫婦の北陸での生活になると、女を一方的にしか描いていない。ああした女性を書きこなすには、まだ筆が若すぎるようである。」
三島由紀夫
男41歳
17 「候補作全体を通じて、人間が生動して、その息吹、その慟哭がきこえるように感じられたのは、ただ一篇、萩原葉子さんの「天上の花」における三好達治氏の人間像だけであった。」「「私」と現実との距離測定の不正確さ、各人物に対する「目」の均質でないこと、……そういうことが、私をしてこの作品を強く推させなかった理由である。」
石川淳
男67歳
11 「現実に対応するところがあると見える叙述の中に、いくぶんは現実からずれているらしい「手記」と称するものを、いわば澄ました顔で、ちょこなんと差込んだ細工がどうも気になる。技術のことではない。作者の素質に関係するもののようである。」
中村光夫
男55歳
15 「読んで面白いことでは今回の候補作のなかでは抜群ですが、小説といえるかどうかに疑いがあり、芥川賞の性質上、これを小説として読もうとすると、いくたの無理がでてきます。」「つまりそれは僕等の持っている小説の概念を拡張するだけの魅力がこの作品にないということ」
永井龍男
男62歳
11 「表てを向いた三好達治に接しているので、引き入れられた訳だが、作者の傾倒力にも感心した。しかし小説ということになると、三好達治という詩人、人物を知らない人にも、これほど興味を与えるものなのかどうか。もっとも小説的な部分をなす「慶子の手記」に偏し過ぎたものが感じられるし、一篇としても調子が整っていない。」
井上靖
男59歳
16 「この作品は、少くとも三好達治という詩人が本質的に持っていた純粋な面だけは逃さないで、ちゃんと描き出しているだろうと思った。小説としてはかなり欠点の指摘できる作品だが、それでもなお読後感にはこちらを揺すぶって来る強いものがあった。」「(引用者注:「天上の花」か「眼なき魚」かの)二作のうち一作をということになったら「天上の花」を、」
川端康成
男67歳
20 「候補作品のなかで、一つ別もののようであった。」「叔母の手記は実際にあったのではなく、作者が見聞にもとづいて、「想像から創った。」この手記によって、私は「天上の花」に一票を入れた。」「「眼なき魚」の黒人との混血少女と、「天上の花」の三好達治とをくらべると、読んで受け取るものに、ずいぶんと差がある。」
舟橋聖一
男61歳
27 「私は授賞作にしたかった。ある詩人の愛慾図絵は、とにかく迫力をもってよく書けている。表現力だけについて云っても、他の候補作にくらべて抜群だ。」「「慶子の手記」は、三好との見苦しい喧嘩三昧だけを綴って一方的であるが、彼女と雖も、三好の溺愛にこたえ、或る時は三好を国宝的詩人として尊敬したり、また或る日は、(引用者中略)情痴に狂ったこともあったろうと想像するが、それには、ほとんど触れていない点に、やはり疑問が残った。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和41年/1966年9月号)
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