芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
55.
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Last Update[H27]2015/5/26

三島由紀夫
Mishima Yukio
生没年月日【注】 大正14年/1925年1月14日~昭和45年/1970年11月25日
在任期間 第55回~第63回(通算4.5年・9回)
在任年齢 41歳5ヶ月~45歳5ヶ月
経歴 本名=平岡公威(ヒラオカ・キミタケ)。東京市四谷区生まれ。東京大学法学部卒。学習院中等科在学中より創作を始め、大学在学中に『花ざかりの森』出版。卒業後、昭和22年/1947年に大蔵省事務官に任官するが、翌年退職。創作に専念し、昭和24年/1949年『仮面の告白』で注目を浴びる。その後、『潮騒』『金閣寺』『美徳のよろめき』『豊饒の海』などの小説や戯曲を次々に発表。昭和45年/1970年、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に籠城、割腹自殺にて死去。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第1回戦後文学賞(昭和24年/1949年度)『仮面の告白』
  • |候補| 第2回読売文学賞[戯曲賞](昭和25年/1950年)諸作品《戯曲》
  • 第1回新潮社文学賞(昭和29年/1954年)『潮騒』
  • 第2回岸田演劇賞(昭和30年/1955年)「白蟻の巣」《戯曲》
  • 第8回読売文学賞[小説賞](昭和31年/1956年)『金閣寺』
  • |候補| 第8回読売文学賞[戯曲賞](昭和31年/1956年)『鹿鳴館』『近代能楽集』《戯曲》
  • 週刊読売新劇賞(昭和33年/1958年)「薔薇と海賊」《戯曲》
  • |候補| 第6回新潮社文学賞(昭和34年/1959年)『鏡子の家』
  • 第13回読売文学賞[戯曲賞](昭和36年/1961年)「十日の菊」《戯曲》
  • |候補| 第15回読売文学賞[評論・伝記賞](昭和38年/1963年)『林房雄論』《評論》
  • 第6回毎日芸術賞[文学部門](昭和39年/1964年度)『絹と明察』
  • |候補| 第16回読売文学賞[小説賞](昭和39年/1964年)『絹と明察』
  • 文部省芸術祭賞[演劇部門](昭和40年/1965年)「サド侯爵夫人」《戯曲》
  • |候補| 第17回読売文学賞[戯曲賞](昭和40年/1965年)『サド侯爵夫人』《戯曲》
  • |候補| 第2回谷崎潤一郎賞(昭和41年/1966年)『サド侯爵夫人』
個人全集 『三島由紀夫全集』全35巻・補巻1(昭和48年/1973年4月~昭和51年/1976年6月・新潮社刊)
『三島由紀夫全集』全42巻・別巻・補巻(平成12年/2000年11月~平成18年/2006年4月・新潮社刊)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 55 昭和41年/1966年上半期   一覧へ
選評の概要 不運な二作 総行数31 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男41歳
候補 評価 行数 評言
  「はじめて委員となった今回の候補作に、ずばぬけたものが見当らなかったのは残念であった。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和41年/1966年9月号)
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芥川賞 56 昭和41年/1966年下半期   一覧へ
選評の概要 男性的な文章 総行数33 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男42歳
候補 評価 行数 評言
阪田寛夫
男41歳
8 「いい作品だった。」「巧みな構成であり、古風なハイカラな銅版画的な味のある作品だ。」
山崎柳子
女43歳
9 「いい作品だった。」「ラストの二行に感心した。」「この小説の終ったところから、本当の三角関係がはじまるわけだ。このさりげない暗示が、作品の奥行を増していると思う。」
男23歳
16 「当選作として推したわけではないが、この授賞に積極的に反対ではなかった。男性的ないい文章であり、いい作品である。」「人物のデッサンもたしかなら、妻の無感動もいいし、ラストの感懐もさりげなく出ている。」「しかし二十三歳という作者の年齢を考えると、あんまり落着きすぎ、節度がありすぎ、若々しい過剰なイヤらしいものが少なすぎるのが気にならぬではない。そして一面、悪い意味の「してやったり」という若気も出ている。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年3月号)
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芥川賞 57 昭和42年/1967年上半期   一覧へ
選評の概要 二つの欠点 総行数29 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男42歳
候補 評価 行数 評言
男41歳
23 「他の審査委員は褒めるだろうから、私は(引用者中略)欠点をはっきりと述べておく。」「「広場の孤独」以来の常套で、主人公が良心的で反省的でまじめで被害者で……というキャラクタリゼーションが気に入らぬ。このことが作品の説得力を弱めている、という風に私には感じられた。」「主人公の社交能力の欠如が、事件をこじらせる一因でもあろうが、作者はそれをすべて大きな政治的パズルの中へ融かし込んでしまう。」
  「今度は該当作なしと勝手に決めて審査会に出たので、気勢の上らぬこと夥しかった。」「全体に、省筆が重んじられていないこと、独自の感覚的発見が重んじられていないこと、の二つが共通の欠点だと思われた。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号)
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芥川賞 58 昭和42年/1967年下半期   一覧へ
選評の概要 典型的日本人 総行数32 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男43歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
25 「授賞については、全く賛成である。」「私はこれと佐江衆一氏の「風」のどちらかと思っていた」「あくまで典型的日本人の心理を一歩も逸脱せぬ物語の、実に平板な進行に、何のことかわからずに読んでいるうち、第三章の柿の木に至って、忽ち真のテーマがあらわれ、(引用者中略)目にもとまらぬ早さで、作者の言わんとするところが象徴的に結晶する。」「(引用者注:文体に)自然の流露感や内的必然性がなく、若隠居みたいな気取りの見えるのが残念である。」
佐江衆一
男34歳
10 「古風なドイツ風な静かな小説で、文章は(引用者注:「徳山道助の帰郷」より)このほうがよいと思った。」「このごろはこういう作品に接することが少ないので、久々で、演奏が素人っぽくても気品のある室内楽をきいた感じがする。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年3月号)
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芥川賞 59 昭和43年/1968年上半期   一覧へ
選評の概要 一つの苦い観点 総行数21 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男43歳
候補 評価 行数 評言
男42歳
8 「(引用者注:最後に残った「年の残り」と「三匹の蟹」のうち)私は「年の残り」のほうを買った。」「いかにも花のない作家であるが、今度の作で何かを確実に把握したという感じがある。人生、老、病、死の不可知を扱って、それを不可知のままで詠嘆に流しているのではなく、作家としての一つの苦い観点を確保したと思われる。」
斎藤昌三
男27歳
6 「(引用者注:受賞作の)他に私は(引用者中略)推した。この何ともいえない錯雑した、もってまわった文体には、何かある時代の普遍性と肉感性がある。」「ただ、二、三、プロットに不合理なところがあるのは遺憾であった。」
女37歳
9 「最後の二行が巧いし、短篇として時間の錯綜する構成も巧い。」「ただパーティーの会話が、嫌悪と倦怠を読者に伝える手段であるにしても、作者が得意になっているという感じが鼻をつく。しかし、ともあれ、才気ある作品であった。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年9月号)
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芥川賞 60 昭和43年/1968年下半期   一覧へ
選評の概要 文学精神の低さ 総行数38 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男44歳
候補 評価 行数 評言
  「今度の予選作品を通読してみて、その文学精神の低さにおどろいた。大学も荒廃しているが、文学も荒廃している、という感を禁じえなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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芥川賞 61 昭和44年/1969年上半期   一覧へ
選評の概要 才気と的確さ 総行数30 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男44歳
候補 評価 行数 評言
男32歳
17 「二作(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)に賞が与えられたことは、私にとっては勿怪の幸であった。私はこの二作の間で非常に迷っていたからである。」「才気あふれる作品だと思う。」「饒舌体で書きつらねながら、女医の乳房を見るところや、教育ママに路上でつかまるところなどは、甚だ巧い。」
男41歳
14 「二作(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)に賞が与えられたことは、私にとっては勿怪の幸であった。私はこの二作の間で非常に迷っていたからである。」「私は規矩のキチンとした新しい反戦小説として読んだ。とりわけ感心したのは、ラストの数行」「話の運びも、あざやかで簡潔な自然描写も、この作品の的確さをよく示している。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
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芥川賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 澄んだ美しさ 総行数32 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男45歳
候補 評価 行数 評言
森万紀子
女35歳
11 「私は(引用者中略)「密約」と「星のない部屋」を推していた。」「「密約」の小説的興趣には今度の候補作のどれも及ばないと思われた。」「が、いかにも惜しいのは、「夫の周囲に何もない人間本来の場所が」云々の観念的結末」「小説として作法を守り、起承転結がしっかりしているものほど、結末の念押しで失敗する、というのは、短篇小説のむつかしさを今更ながら思わせる。」
黒井千次
男37歳
16 「私は(引用者中略)「密約」と「星のない部屋」を推していた。」「倦怠と無気力の描写、その無気力の只中に、無気力自体が呼び出さずには措かぬ不安や恐怖が、唯一の生の象徴になる、というテーマは、テーマ自体は平凡でも、きわめて的確な明晰な扱いによって巧みに展開される。」
男47歳
12 「愛すべき作品であり、詩と思索と旅情と風景の織りまぜられたジャン・パウル風の散文である。」「大連は心象風景であるから、外地であると同時に内地であり、「にせアカシヤ」の「にせ」に関する考察などに、この作家の心情が窺われる。当選作としてふしぎはない。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年3月号)
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芥川賞 63 昭和45年/1970年上半期   一覧へ
選評の概要 甲乙つけがたく 総行数30 (1行=26字)
選考委員 三島由紀夫 男45歳
候補 評価 行数 評言
男49歳
13 「(引用者注:「無明長夜」と)まったく対照的な作風で、甲乙をつけがたい」「体験曲折の上に、悲喜哀歓と幸不幸に翻弄された極致に、デンとあぐらをかいた、晴朗そのもののノンシャラントな作品で、苦味のある洗煉は疑いようがない。しかしこうまで見事に腰の坐ったノンシャランスは危険である。今度はこれに対して、どんな野暮な批評も可能になるからである。」
女36歳
15 「(引用者注:「プレオー8の夜明け」と)まったく対照的な作風で、甲乙をつけがたい」「実存的な作品で、すばらしい断片の集積であり、現実感覚の剥落感が精密周到に組み立てられ、(引用者中略)文章もたしかで、詩が横溢している。しかし、できれば、断片の集積で終ってほしかった。さわりの本山の出火や回想の炸裂は、いかにもドラマチックな盛上げになっていて感心しない。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年9月号)
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