芥川賞のすべて・のようなもの
第57回
  • =受賞者=
  • 大城立裕
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Last Update[H28]2016/9/7

大城立裕
Oshiro Tatsuhiro
生没年月日【注】 大正14年/1925年9月19日~
受賞年齢 41歳10ヵ月
経歴 沖縄県中頭郡中城村生まれ。東亜同文書院大学予科修了、在学中に兵役。太平洋戦争後に、高校教諭、琉球政府、沖縄県庁職員として勤めるかたわら創作を続ける。
受賞歴・候補歴
  • 沖縄民政府文化部脚本懸賞募集当選(昭和22年/1947年)「明雲」《戯曲》
  • 沖縄教育連合会懸賞募集当選(昭和23年/1948年)「或日の蔡温」《戯曲》
  • コザ地区教育連合会脚本募集当選(昭和24年/1949年)「望郷」《戯曲》
  • 月刊タイムス小説懸賞募集当選(昭和24年/1949年)「老翁記」城龍吉名義
  • 沖縄ヘラルド懸賞小説[佳作](昭和26年/1951年)「馬車物語」城戸裕名義
  • |候補| 第5回同人雑誌賞(昭和33年/1958年)「棒兵隊」
  • 第57回芥川賞(昭和42年/1967年上期)「カクテル・パーティー」
  • 沖縄タイムス芸術選賞奨励賞(昭和42年/1967年)
  • 沖縄タイムス芸術選賞大賞(昭和43年/1968年)
  • 紫綬褒章(平成2年/1990年)
  • 沖縄タイムス賞(平成3年/1991年)
  • |候補| 第19回川端康成文学賞(平成4年/1992年)「迷路」
  • 第21回平林たい子文学賞[小説部門](平成5年/1993年)『日の果てから』
  • 那覇市文化功労者(平成7年/1995年)
  • 勲四等旭日小綬章(平成8年/1996年)
  • |候補| 第23回川端康成文学賞(平成8年/1996年)「イペー」
  • 琉球新報賞(平成10年/1998年)
  • 沖縄県功労賞[文化部門](平成12年/2000年)
  • 第41回川端康成文学賞(平成27年/2015年)「レールの向こう」
個人全集 『大城立裕全集』全13巻(平成14年/2002年6月・勉誠出版刊)
備考
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「カクテル・パーティー」(『新沖縄文学』昭和42年/1967年冬季号[2月])
媒体・作品情報
誌名 「新沖縄文学」  別表記表紙・扉 「新沖縄文学」 目次・奥付 「新沖繩文学」
巻号 第4号  別表記冬季号
印刷/発行年月日 印刷 昭和42年/1967年2月1日 発行 昭和42年/1967年2月5日
発行者等 編集兼発行人 牧巻篤三 印刷人 糸洲安剛 印刷所 星印刷(那覇市)
発行所 沖縄タイムス社企画局出版部(那覇市)
総ページ数 200 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 12~53
(計42頁)
測定枚数 125
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書誌
>>『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号
>>昭和42年/1967年9月・文藝春秋刊『カクテル・パーティー』所収
>>昭和50年/1975年4月・角川書店/角川文庫『カクテル・パーティー 他3篇』所収
>>昭和55年/1980年3月・講談社/講談社文庫『現代短編名作選8 1966~1968』所収
>>昭和57年/1982年11月・理論社刊『カクテル・パーティー』所収
>>昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第7巻』所収
>>平成2年/1990年7月・国書刊行会刊『沖縄文学全集 第7巻 小説2』所収
>>平成14年/2002年6月・勉誠出版刊『大城立裕全集 第9巻 短編2』所収
>>平成15年/2003年5月・勉誠出版刊『沖縄文学選―日本文学のエッジからの問い』所収
>>平成23年/2011年9月・岩波書店/岩波現代文庫『カクテル・パーティー』所収
>>平成24年/2012年5月・集英社刊『コレクション戦争と文学20 オキナワ終わらぬ戦争:闘』所収
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候補者 大城立裕 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男62歳
19 「積極的に推すことはできなかった。」「(私)で始まり途中から(お前)という第二人称にかわる。しかしその(お前)は前半の(私)である。その事の必然性がどうしても納得できなかった。」「次に暴行を受ける娘の、その暴行の事情がはっきりしないし、娘自身のそれに対する態度が書いてない。」「ただ沖縄らしい生活事情の理不尽さが書かれ、その理不尽が日常的であることもよく解るように思った。」
丹羽文雄
男62歳
13 「いちばん読みごたえがあった。」「最後がことに印象的であった。」「勝味のない告訴をあえてやらずにはいられない主人公の気持が胸を打つ。そしてこの気持が沖縄のひとびとをはじめ、われわれの胸を通うものである。」
中村光夫
男56歳
15 「(引用者注:「にぎやかな味で」と共に)重味のある材料をこなして、作者の手腕は感じられますが、それぞれ不満な点があり、当選作にはならないというのが僕の意見です。」「主人公の意識と現実とのあいだのドラマが、作品の中心であるべき筈なのに、極めて不充分にしか見られず、主人公の反省や省察が読者として素直について行けない底の浅さを感じさせます。」
大岡昇平
男58歳
16 「困難な沖縄の状況の下で、これだけの作品が出たということは、慶賀すべきことである。内地にはない深刻な状況が取扱われていて、切迫した小説的興味を生み出している。」「この作品の下には、表面に出ていない、多くのものがある、という感じである。それをどういう風に書きあらわすか、に作者の将来の問題がかかっていると思われる。」
永井龍男
男63歳
16 「表現上の欠点は随所にある。」「それにもかかわらず最後までドラマの崩れないのは、作品に籠められた気迫の力で、沖縄の現在とか政治的な問題を扱った素材から直かに来ているのではない。」「現実の問題と、作品の価値とは全く別のものであることを明かにして置きたい。」
瀧井孝作
男73歳
20 「描写に無駄がなく、テキパキ簡潔に、よく描けて居た。読了して、構成もよかった。目下の米国占領治下の、制圧された悲哀がよくわかった。」「しかし、この小説は中国人の孫弁護士なども登場して、いろいろのことが二重写しになり、筋の段取りがあまりによく出来すぎて、あまりに達者なもので、作り物だという不安もした。」
石川淳
男68歳
9 「書いてあるかぎりでは一応書けているが、なにも書こうとしていない部分に於て、わたしは気に入らないところがあった。いろいろなことを考える作中の主人公として、思考の空白というか、怠慢というか、なぜここを深く考えないで素通りしてしまったかとおもわれる部分である。」
舟橋聖一
男62歳
16 「カドを立てて書けば、いくらでもセンセイショナルになる題材を、よく抑制をきかせ、丹念に書き上げている。」「永井氏の発言にあったことで、この作品の政治的立地条件からくるアテコミの故に、銓衡されたものではなく、あくまで作品本位で選んだことは、私も証明しておきたい。が、いかに弁明したところで「芥川賞海を渡る」底の、一般の通俗的印象は、避け難い。」
三島由紀夫
男42歳
23 「他の審査委員は褒めるだろうから、私は(引用者中略)欠点をはっきりと述べておく。」「「広場の孤独」以来の常套で、主人公が良心的で反省的でまじめで被害者で……というキャラクタリゼーションが気に入らぬ。このことが作品の説得力を弱めている、という風に私には感じられた。」「主人公の社交能力の欠如が、事件をこじらせる一因でもあろうが、作者はそれをすべて大きな政治的パズルの中へ融かし込んでしまう。」
川端康成
男68歳
24 「私は迷うことなく、(引用者中略)推した。」「これは「沖縄問題」を扱っているが、私はその題材のために推したのではない。」「問題の図式に乗ったような構成だが、その計算に感情が通り、しかも抑制で強まっている。たとえば、不器用のような会話も無駄話と肝心の話とがおもしろくまざったり、重要な事件は簡潔に書いてかえって効果を高めたりしている。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号)
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