芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
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5152535455.
5657585960.
6162636465.
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石川淳
Ishikawa Jun
生没年月日【注】 明治32年/1899年3月7日~昭和62年/1987年12月29日
在任期間 第47回~第65回(通算9.5年・19回)
在任年齢 63歳3ヶ月~72歳3ヶ月
経歴 本名=石川淳(キヨシ)。東京市浅草区生まれ。東京外国語学校(現・東京外国語大学)フランス語科卒。海軍勤務、フランス語教師などを経て、創作・翻訳活動を行う。
受賞歴・候補歴
  • |予選候補| 第2回芥川賞(昭和10年/1935年下期)「葦手」
  • 第4回芥川賞(昭和11年/1936年下期)「普賢」
  • |候補| 第3回読売文学賞[文芸評論賞](昭和26年/1951年)『夷斎筆談』
  • |候補| 第6回毎日出版文化賞(昭和27年/1952年)『夷斎筆談』
  • |候補| 第5回読売文学賞[小説賞](昭和28年/1953年)『鷹』
  • |候補| 第8回読売文学賞[小説賞](昭和31年/1956年)『紫苑物語』
  • 第7回芸能選奨文部大臣賞[文学部門](昭和31年/1956年度)『紫苑物語』
  • |候補| 第9回読売文学賞[小説賞](昭和32年/1957年)『諸国畸人伝』
  • |候補| 第10回読売文学賞[小説賞](昭和33年/1958年)『修羅』
  • |候補| 第5回新潮社文学賞(昭和33年/1958年)『修羅』
  • |候補| 第16回日本藝術院賞[文芸](昭和34年/1959年度)『霊薬十二神丹』『影』
  • 第17回日本藝術院賞[文芸](昭和35年/1960年度)"多年にわたる業績"
  • |候補| 第3回谷崎潤一郎賞(昭和42年/1967年)『至福千年』
  • |候補| 第5回谷崎潤一郎賞(昭和44年/1969年)「若菜」
  • 第32回読売文学賞[評論・伝記賞](昭和55年/1980年)『江戸文學掌記』
  • 朝日賞(昭和56年/1981年度)"『石川淳選集』全17巻にいたる現代文学への貢献"
個人全集 『石川淳全集』全10巻(昭和36年/1961年2月~昭和37年/1962年12月・筑摩書房刊)
『石川淳全集』全13巻・別巻(昭和43年/1968年4月~昭和44年/1969年4月・筑摩書房刊)
『石川淳全集』全14巻(昭和49年/1974年1月~昭和50年/1975年3月・筑摩書房刊 増補)
『石川淳全集』全19巻(平成1年/1989年5月~平成4年/1992年12月・筑摩書房刊)
芥川賞候補歴 第2回予選候補 「葦手」(『作品』昭和10年/1935年10月号~12月号)
第4回受賞 「普賢」(『作品』昭和11年/1936年6月号~9月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 47 昭和37年/1962年上半期   一覧へ
選評の概要 少数の異議 総行数22 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男63歳
候補 評価 行数 評言
小佐井伸二
男29歳
7 「わたしはまず(引用者中略)推した。これ一本のことにして見れば、とくにまんぞくな作品とはいえない。」「ただ提出された八篇のワクの中では、傾向からいって、わたしとしてこれを取るほかなかった。」
男34歳
0  
  「今回はどの作品も力がよわいのだから、該当作品なしとするのが妥当であったように、わたしは今でもそうおもっている。」「あたえられた条件にしたがって、落すよりはなるべく取るほうに踏みきるべきことは承知してはいるが、どうもと二の足を踏むものばかりでは張合がない。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年9月号)
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芥川賞 48 昭和37年/1962年下半期   一覧へ
選評の概要 あるべくしてあらず 総行数24 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男63歳
候補 評価 行数 評言
  「該当作品なし。新風おこらずという状況はどうにもならない。そういっても、出すべき賞を出せないということは残念である。」「どれも捨てたものではない。ただ賞をブランクにした所以のものを突き破るだけの力が無かったということは、当人がめいめいさとらなくてはなるまい。」「芥川賞は出すためにある。新鮮なものはかならず出る。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和38年/1963年3月号)
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芥川賞 49 昭和38年/1963年上半期   一覧へ
選評の概要 どうにもならぬ 総行数24 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男64歳
候補 評価 行数 評言
男48歳
7 「わたしは(引用者中略)取る。」「わたしはこれを取りこれを推す側にまわったが、通ったとたんに捨てることにした。いろいろ文句をいうことがある。その文句の一つをいう。この作者はなにがおもしろくて小説なんぞを書くのか。」
女37歳
2 「賞に加わった。これは多数決である。いいもわるいもない。」
  「前回はなし。今回もまたなしにしてはいけないという理由はない。しかし、実際にはなにか出ることになるだろう。そういう予想がはじめからわたしにあって、銓衡の態度としてはあまくなるほうに傾いたようである。どうもすっきりしない。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和38年/1963年9月号)
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芥川賞 50 昭和38年/1963年下半期   一覧へ
選評の概要 次善の一篇 総行数36 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男64歳
候補 評価 行数 評言
井上光晴
男37歳
14 「第一に推す。」「入りみだれた時間の処置がたくみについていて、そこから事件の綾がさばけて行く。この力量はまんざらでない。」「この作品は二つの理由(引用者注:作者が有名、作品の長さが枚数の限界を超えている)に依ってまず銓衡の場からはずされた。(引用者中略)この理由は二つながらわたしは納得することができない。」
女35歳
15 「(引用者注:「地の群れ」以外の中から)一篇を選ぶとすれば、(引用者中略)取るほかない。」「おもしろいといえば、おもしろい。」「文章にもちとの才気がある。」「ただ現状ではこの作者にあまり多くを望むべきではないだろう。わたしはこの作品があたらしい文学なんぞと買いかぶらないが、作者はともかくあたらしいと錯覚されるような方向に姿勢をとっているものと見える。」「このひとがこれからどこまで伸びるか、あるいは伸びなやみか、ちょっとあぶなっかしい気もするが、まあまあと、わたしはこれを推した。」
  「「地の群れ」を(引用者注:資格なしとして)はずしたとなると、(引用者中略)わたしは該当作品なしでもよいとおもった。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和39年/1964年3月号)
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芥川賞 51 昭和39年/1964年上半期   一覧へ
選評の概要 不可解な傷痕 総行数33 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男65歳
候補 評価 行数 評言
男29歳
30 「(引用者注:これを)推すほかない。」「作者はあり来りのことばをもって、すなわちたくみならざる技術をもって、ところどころ不恰好に、ともかく六全協前後の青春の歴史の一節を叙している。」「最後に女の傷痕が「もし痛むのなら、抱いて暖めてやりたいのだが――」という何の変哲もないことばを措いて、それがあまったれの感情にひびかないのは、作者みずから受けとめた傷痕の作用のように目測される。稚拙な筆つきではあるが、この界隈は小説の場に力がうごきはじめる一端でないこともない。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和39年/1964年9月号)
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芥川賞 52 昭和39年/1964年下半期   一覧へ
選評の概要 力よわし 総行数30 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男65歳
候補 評価 行数 評言
  「今回の銓衡の結果が該当作品なしというところにおちついたのは妥当である。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和40年/1965年3月号)
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芥川賞 53 昭和40年/1965年上半期   一覧へ
選評の概要 才能は認める 総行数19 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男66歳
候補 評価 行数 評言
女37歳
5 「この書き方ではどうも狭すぎて小説の世界にはならないという憾みがある。しかしこの作者は前回にも「さい果て」を書いていて、その素質なり才能なりは認められてよい。」
  「今回は候補作に見るべきものがないようだから、該当作品ナシとするのが妥当であったかも知れない。」「しかし、賞は出すためにあるという建前からいって、ナシが何度も続くということは必ずしも妥当でない。賞を出すときに、賞という行事の性質上幾分無理をすることは必然だという考え方がある。この考え方もあながち捨てたものではない。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和40年/1965年9月号)
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芥川賞 54 昭和40年/1965年下半期   一覧へ
選評の概要 とにかく待つ 総行数12 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男66歳
候補 評価 行数 評言
男33歳
0  
  「今回の銓衡はわたしとしては該当作品なしとするほかない。候補作品のそれぞれについて、なにかいうことはできるが、いってもムダのような気がする。」「すでに賞という仕掛があり、ここに半年のあいだの実績がある。どれか一篇を取って賞にあてることには、わたしも異存をとなえるほどではない。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和41年/1966年3月号)
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芥川賞 55 昭和41年/1966年上半期   一覧へ
選評の概要 こまった状況 総行数28 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男67歳
候補 評価 行数 評言
  「今回は該当作品なしとするのが妥当のようである。」「読むにも堪えないようなものが二三篇、その他についてもとくに推そうとおもうほどのものはなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和41年/1966年9月号)
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芥川賞 56 昭和41年/1966年下半期   一覧へ
選評の概要 不毛の地から 総行数20 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男67歳
候補 評価 行数 評言
男23歳
6 「作者は二十三歳だそうだが、この作品のかぎりでは冒険的な青春は感じられない。書くことは一応よく書けている。」「ただ冒険の無いところにわたしは賭けることができない。」
  「一般に新人の作品というものはちかごろどうも不毛のように見える。飛び抜けたものがなかなか出て来てくれない。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年3月号)
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芥川賞 57 昭和42年/1967年上半期   一覧へ
選評の概要 最後の二篇 総行数22 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男68歳
候補 評価 行数 評言
男41歳
9 「書いてあるかぎりでは一応書けているが、なにも書こうとしていない部分に於て、わたしは気に入らないところがあった。いろいろなことを考える作中の主人公として、思考の空白というか、怠慢というか、なぜここを深く考えないで素通りしてしまったかとおもわれる部分である。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号)
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芥川賞 58 昭和42年/1967年下半期   一覧へ
選評の概要 該当するものなし 総行数14 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男68歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
3 「これはすでに授賞ときまったものだから、わたしはあとからなにかいう興味がない。」
  「今回はどの作品も出来がよいとはいえない。該当作品なしとするのがおそらく妥当である。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年3月号)
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芥川賞 59 昭和43年/1968年上半期   一覧へ
選評の概要 ざつと一筆 総行数22 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男69歳
候補 評価 行数 評言
男42歳
11 「むしろ賞のほうが遅れて出たともいえるだろう。」「前二作には見られなかった老年の世界を組みあげて、趣向もだいぶ手がこんで来ている。これは手がこみすぎたという見方もありうるだろうが、作者の制作体験としては、いささかの無理は押し切って書いてしまったほうが衛生によろしいようである。」「丸谷君の力量は一応ここにさだまったものと見える。」
女37歳
11 「世評すこぶる高いように聞いたが、さほどにはおぼえない。ただ外国の生活を叙しながら、そこに登場する外国人がわれわれにとってまんざら赤の他人とも見えず、もとは英語であるべき会話がかえって耳に近くきこえるところは、たくまざる技巧の効果か。」「作者がどうであろうと、この主人公と相似の位置から小説を書き出すことは、読者であるわたしの気に入らないことではない。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年9月号)
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芥川賞 60 昭和43年/1968年下半期   一覧へ
選評の概要 三篇三様 総行数37 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男69歳
候補 評価 行数 評言
斎藤昌三
男28歳
10 「「夜への落下」「針魚」「穴と空」の三篇をわたしは取る。」「賞を出すとすれば、この中のどれか一篇を選ぶほかない。」「人生の醜と見られるものにつよい表現をあたえてそこに価値を作っている。」「この表現力は出しきったあとでまた出て来るはずのものとおもう。つぎの作品を待つことができるという意味である。」
山崎柳子
女45歳
17 「「夜への落下」「針魚」「穴と空」の三篇をわたしは取る。」「賞を出すとすれば、この中のどれか一篇を選ぶほかない。」「虚脱感と緊張感とが一つに結びついたようなところに生きている。この作品の底にながれいるのは作者の認識ではなくて、おそらく作者の素質である。」「このひとは謂うところの小説家の目ではなくて、生活者の目をもって世界を見ているようである。ただし素質を食っている生活者である。それだから、その書くものが自然に小説になりうる。」
黒井千次
男36歳
17 「「夜への落下」「針魚」「穴と空」の三篇をわたしは取る。」「賞を出すとすれば、この中のどれか一篇を選ぶほかない。」「丹念に書いてあるのに、最後のところがどうも気になった。」「このオチは軽すぎた。いや、浅すぎた。」「しかし、このキズ一つをもって全体を捨てるわけにゆかない。そうおもわせるところに、この作品はできあがっている。」
  「銓衡の結果、該当作品なしときまった。これもまたよし。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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芥川賞 61 昭和44年/1969年上半期   一覧へ
選評の概要 ただこのスタイルを 総行数23 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男70歳
候補 評価 行数 評言
男32歳
21 「車はうごかなくても、車輪がくるくるまわっているので、車がうごいているように見える、そこに「赤頭巾ちゃん気をつけて」のスタイルの面目がある、それがおもしろくないこともない。」「そういっても、スタイル一手で押しきってカンペキと申すまでには至らない、それほどお立派なものではない、」「やりそこないの部分をもふくめて、このスタイルは一つの価値を作っている。これを価値といってはあぶなっかしいというか。しかし、(引用者中略)わたしはあえてこのスタイルを推す。」
男41歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
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芥川賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 作用して来るもの 総行数25 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男70歳
候補 評価 行数 評言
男47歳
25 「推す。」「手筋がよいという理由のみをもって、わたしはこの作品を推したのではない。」「今日の文学の場に、この作品がさりげなくそこにあるということに問題がある。詩と散文との関係。こういうことである。かくのごとき問題について考えることを迫って来るようなものを、わたしはよい作品とする。」「「アカシヤの大連」は読みながらにいろいろなことをおもわせるものである。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年3月号)
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芥川賞 63 昭和45年/1970年上半期   一覧へ
選評の概要 私見 総行数16 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男71歳
候補 評価 行数 評言
古井由吉
男32歳
10 「三篇(引用者注:「赤い樹木」「男たちの円居」「夢の時間」)を取る。」「この一作だけではなく、ちかごろの仕事をざっと見わたしたところ、(わたしもそうたくさん読んでいるわけではないが)その現在価値に於て、賞を受けて妥当のようである。」
金井美恵子
女22歳
6 「三篇(引用者注:「赤い樹木」「男たちの円居」「夢の時間」)を取る。」「長くつづくものの部分に相当していて、作風も通念上の小説とはたちのちがうものだから、わたしにしても、これが多数決を建前とする銓衡にすぐパスしようとはおもわない。」
黒井千次
男38歳
10 「三篇(引用者注:「赤い樹木」「男たちの円居」「夢の時間」)を取る。」「この一作だけではなく、ちかごろの仕事をざっと見わたしたところ、(わたしもそうたくさん読んでいるわけではないが)その現在価値に於て、賞を受けて妥当のようである。」
男49歳
2 「一応は書けているようだが、すでに決定したもののことを、とやこういうにおよばない。」
女36歳
2 「一応は書けているようだが、すでに決定したもののことを、とやこういうにおよばない。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年9月号)
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芥川賞 64 昭和45年/1970年下半期   一覧へ
選評の概要 一本の杭 総行数20 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男71歳
候補 評価 行数 評言
男33歳
20 「「杳子」を推す。」「もう一つの「妻隠」のほうは、力がおもうように行きわたらないけはいがする。」「「杳子」は今まですすんで来た道の里程を示す一本の杭のようである。ここから道のけしきがすこしかわって、「妻隠」のほうに出たのだろうか。」「古井君が硬質なことばをもって組みあげるスタイルは、なにかを表現するのではなくて、なにかを突きとめようとするもののごとくである。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年3月号)
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芥川賞 65 昭和46年/1971年上半期   一覧へ
選評の概要 一つえらぶとすれば… 総行数20 (1行=26字)
選考委員 石川淳 男72歳
候補 評価 行数 評言
金石範
男44歳
19 「八篇の中からぜひ一つえらぶとすれば、わたしは「万徳幽霊奇譚」を取る。」「表現がユーモアの仕立になっているのは必至と見える。幽霊がおかしいのではなくて、喜劇的にしか状況を表現することができないとすれば、「主体的な自由」は化けて出ないわけにはゆかぬのだろう。これはこれで読めないものではないが、なんといっても、叙述の仕方が十分に熟していないことを惜しむ。」
  「今回はとくにこれはというほどのものは見あたらないから、該当作品なしとすることはやむをえない。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年9月号)
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