芥川賞のすべて・のようなもの
第60回
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Last Update[H27]2015/11/3

黒井千次
Kuroi Senji
生没年月日【注】 昭和7年/1932年5月28日~
経歴 本名=長部舜二郎。東京(現・中野区)出身。東京大学経済学部卒。富士重工業入社。在職中より同人誌等で創作を続ける。昭和45年/1970年退社。
受賞歴・候補歴
芥川賞
選考委員歴
第97回~第146回(通算25年・50回)
備考
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芥川賞 第60回候補  一覧へ

あな そら
穴と 空」(『層』7号[昭和43年/1968年9月])
媒体・作品情報
測定媒体 昭和44年/1969年8月・河出書房新社刊『時間』
形態 四六判 上製
総ページ数 287 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 85~117
(計33頁)
測定枚数 59
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書誌
>>昭和44年/1969年8月・河出書房新社刊『時間』所収
>>昭和47年/1972年☆月・河出書房新社/新鋭作家叢書『黒井千次集』所収
>>昭和51年/1976年☆月・河出書房新社/河出文芸選書『時間』所収
>>昭和63年/1988年7月・成瀬書房刊『穴と空』[限定版]所収
>>平成2年/1990年1月・講談社/講談社文芸文庫『時間』所収
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候補者 黒井千次 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
石川淳
男69歳
17 「「夜への落下」「針魚」「穴と空」の三篇をわたしは取る。」「賞を出すとすれば、この中のどれか一篇を選ぶほかない。」「丹念に書いてあるのに、最後のところがどうも気になった。」「このオチは軽すぎた。いや、浅すぎた。」「しかし、このキズ一つをもって全体を捨てるわけにゆかない。そうおもわせるところに、この作品はできあがっている。」
三島由紀夫
男44歳
10 「相対的な評価だが、中ではわずかに「穴と空」にその(引用者注:文学の)小さな芽がみとめられた。」「アレゴリーの直接性が気になるのだが、あらゆる政治的情熱の有効性への嘲笑が、この小説の書かれた意味とからんでくる。その嘲笑自体が、一向晴朗ではなく、それすらもかすれて、やや痰のからんだ自虐的な笑いなのであるが……。」
石川達三
男63歳
0  
瀧井孝作
男74歳
11 「読むと、何かあり相な風刺小説らしいが……。」「私は、この作は未完成と見たが、何か感じはあるようで、この人の次の作に期待したい。」
中村光夫
男57歳
7 「小説そのものをからかっているようなところがあり、他の人々と異質な精神を感じさせました。まだ手法の上では、稚拙な模倣が目立ち、意図したように読者に背負い投げを食わすわけには到底行きませんが、ともかくここに将来を期待してよい、一箇の人物がいます。」
井上靖
男61歳
6 「はっきりした意図のもとに主題をうち出そうとしている」「構成の上で破綻もあり、ひとりよがりのところも、説明不足のところもあり、残念ながら推せなかった。」「若し書きこなせたら、諷刺小説として気のきいたものになったと思う。」
丹羽文雄
男64歳
0  
舟橋聖一
男64歳
0  
永井龍男
男64歳
9 「とにかく、穴掘りの結末を見届けなければ、当方の責任が果せない、どこへどう持って行くつもりかと思っているうちに、見事に背負投げを食っていた。」「最近の候補作中異色ある作風だし、才能を感じた。諷刺もきいていた。作全体を包む雰囲気に、もう一息神経が行きわたっていたら、私はこの作品を推薦していたであろう。」
大岡昇平
男59歳
5 「一番面白かった」「当選作とするには、なんとなく変な作品ということで見送られた。」
川端康成
男69歳
5 「今日的な着想と手法がおもしろいものの、平板な感じを受ける。」「直ぐに終りまでのなりゆきが感じ取れてしまって、読み進むにつれての興味が伴わないのはどうであろうか。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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じかん
時間」(『文芸』昭和44年/1969年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「文芸」
巻号 第8巻 第2号  別表記2月号
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年2月1日
発行者等 編集者 寺田 博 発行者 中島隆之 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 264 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 60~99
(計40頁)
測定枚数 122
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書誌
>>昭和44年/1969年8月・河出書房新社刊『時間』所収
>>昭和47年/1972年☆月・河出書房新社/新鋭作家叢書『黒井千次集』所収
>>昭和48年/1973年☆月・講談社刊『現代の文学37 黒井千次・清水邦夫・小川国夫・後藤明生』所収
>>昭和50年/1975年☆月・角川書店/角川文庫『時間 他5篇』所収
>>昭和51年/1976年☆月・河出書房新社/河出文芸選書『時間』所収
>>昭和53年/1978年6月・筑摩書房刊『筑摩現代文学大系96 古井由吉・黒井千次・李恢成・後藤明生集』所収
>>昭和63年/1988年8月・小学館刊『昭和文学全集 第24巻 辻邦生・小川国夫・加賀乙彦・高橋和巳・倉橋由美子・田久保英夫・黒井千次』所収
>>平成2年/1990年1月・講談社/講談社文芸文庫『時間』所収
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候補者 黒井千次 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男44歳
0  
丹羽文雄
男64歳
0  
石川達三
男64歳
11 「私は(引用者中略)当選作と考えていた。創作態度は堅実であり、作品として姿勢は正しい。」「いわば将来に向って進む小説の正道を歩いた作品であろうと思うが、私以外の推薦者は五人ばかりしか得られなかったことを残念に思った。作中の或る男の幻影は少しとらわれ過ぎたところがあるようだ。」
瀧井孝作
男75歳
7 「これは力作だが、この作家が何か意図をもって描くのは宜しいが、何か図式を見るようで、これが、文章にもっとやわらか味、持味、実感が出てくればよいと思った。」
舟橋聖一
男64歳
6 「私には前作のほうが面白かった。」「そのうちにいいものが出来るだろうから、今回の「時間」を急いで採り上げるにはあたらないと私は発言した。」
大岡昇平
男60歳
4 「(引用者注:当選二作と「青年よ、大志をいだこう」「大いなる日」「時間」は)甲乙をつけ難い出来でした。」「現代生活を書く新しい視角が徐々に形成されつつあるような希望を抱かせます。」
井上靖
男62歳
6 「面白く読んだ。」「正面きって主題を設定して行くところなどはみごとである。みごとであると同時に、そこに危険もないわけではないが、この作家に改めてそれを言う必要はないだろう。」
中村光夫
男58歳
7 「本格的な構成で、テーマも現代人の関心を正当にそそるものを持っていますが、それだけに作者の身構えに自信がありすぎる結果になり、おそらくそのせいで、主人公の描きかたも感傷的な類型にとどまります。」
川端康成
男70歳
0  
永井龍男
男65歳
3 「(引用者注:「穴と空」につづき)今度もまた短篇作家としての才能を見せている。」
石川淳
男70歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
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ほし へや
星のない 部屋」(『文學界』昭和44年/1969年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第23巻 第10号  別表記10月号
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年10月1日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 292 表記上の枚数 目次 80枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 20~43
(計24頁)
測定枚数 72
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書誌
>>昭和45年/1970年1月・新潮社刊『時の鎖』所収
>>昭和54年/1979年9月・集英社/集英社文庫『時の鎖』所収
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候補者 黒井千次 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男45歳
16 「私は(引用者中略)「密約」と「星のない部屋」を推していた。」「倦怠と無気力の描写、その無気力の只中に、無気力自体が呼び出さずには措かぬ不安や恐怖が、唯一の生の象徴になる、というテーマは、テーマ自体は平凡でも、きわめて的確な明晰な扱いによって巧みに展開される。」
石川達三
男64歳
7 「前々から力量ある人と思っていたが、以前候補にのぼった作品の方がよかったのではないかという発言が多かった。」「実力ある作家として、委員のおおかたが認めていたようであった。」
舟橋聖一
男65歳
9 「(引用者注:この作者の作では)「穴と空」(第六十回候補)が一番いい。だんだんピッチが下っている。」「露骨に云うと「星のない部屋」は種切れの作を読むような退屈さがあった。しかし、腕のある人だから、疲労が治れば、乾いたインキ壺に、またインキがたまってくるだろう。」
丹羽文雄
男65歳
10 「(引用者注:新風を)感じた。」「これまでの作品よりはるかによい出来であった。読んだ直後よりも時間が経つにつれて、考えぬかれた構成の妙が感じられた。」「私は新しい小説のモデルを見せつけられたように思った。」
井上靖
男62歳
4 「はっきりと文学的主題と方法を持った唯一の作品であった。」「同じ厚さで塗りこめて行く書き方が息苦しく、内部からふくらんで来るものがないのが惜しまれた。」
瀧井孝作
男75歳
0  
大岡昇平
男60歳
0  
石川淳
男70歳
0  
永井龍男
男65歳
5 「いったん才能を認められると、さらに次作を期待する声のたかまるのは、賞の上では不運につながるのかも知れない。」「最後まで読者をひいてゆく力を持っていた。」
中村光夫
男58歳
2 「最後まで残った作品」
川端康成
男70歳
6 「意図、手法に特色も長所も見えるが、成功作、いやな言い方をすれば、芥川賞の当選作とするには、いずれももう一歩、二歩というところがあったようである。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年3月号)
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あか じゅもく
赤い 樹木」(『文學界』昭和45年/1970年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第24巻 第4号  別表記4月号
印刷/発行年月日 発行 昭和45年/1970年4月1日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 288 表記上の枚数 目次 80枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 98~123
(計26頁)
測定枚数 78
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書誌
>>昭和45年/1970年10月・文藝春秋刊『見知らぬ家路』所収
>>昭和47年/1972年☆月・河出書房新社/新鋭作家叢書『黒井千次集』所収
>>平成2年/1990年1月・講談社/講談社文芸文庫『時間』所収
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候補者 黒井千次 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男63歳
0  
石川達三
男65歳
0  
三島由紀夫
男45歳
6 「感心した。」「現代社会の重圧を「寒さ」でとらえ、赤い外套をその抵抗の手段にした寓話は、好もしいメルヘンとして生きている。」
丹羽文雄
男65歳
0  
舟橋聖一
男65歳
10 「主題をもっと明瞭にするには、オーバーを脱がされた女が、非人間的な形にされるくらいの意慾的な構図が欲しかった。そこが中途半端なので、感覚的な甘い小説になっているのは惜しかった。木立K子という名前もよくない。」
大岡昇平
男61歳
0  
川端康成
男71歳
0  
石川淳
男71歳
10 「三篇(引用者注:「赤い樹木」「男たちの円居」「夢の時間」)を取る。」「この一作だけではなく、ちかごろの仕事をざっと見わたしたところ、(わたしもそうたくさん読んでいるわけではないが)その現在価値に於て、賞を受けて妥当のようである。」
永井龍男
男66歳
2 「力倆は充分認められながら、最後の選には落ちた。」
中村光夫
男59歳
0  
瀧井孝作
男76歳
6 「何か戯画化した小説と見たが、まだ描写の線が生硬で、読み難かった。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年9月号)
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やみ ふね
闇の 船」(『文學界』昭和45年/1970年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第24巻 第9号  別表記9月号
印刷/発行年月日 発行 昭和45年/1970年9月1日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 288 表記上の枚数 目次 110枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 67~101
(計35頁)
測定枚数 106
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書誌
>>昭和45年/1970年10月・文藝春秋刊『見知らぬ家路』所収
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候補者 黒井千次 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男76歳
0  
丹羽文雄
男66歳
3 「ひどく読みづらかった。だんだんとこの作者のものは、その傾向になってくる。必要でないことが書かれているからであろうか。」
石川達三
男65歳
3 「作者が何か狭い所にはまり込んでいるような気がした。」
舟橋聖一
男66歳
0  
中村光夫
男59歳
0  
大岡昇平
男61歳
0  
川端康成
男71歳
0  
永井龍男
男66歳
4 「(引用者注:「狩られる者たち」と)同様にみじめな人物群を追うが、(引用者中略)小説的努力は徒労という印象が濃かった。」
石川淳
男71歳
0  
井上靖
男63歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年3月号)
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