芥川賞のすべて・のようなもの
第61回
受賞作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H26]2014/6/20

庄司薫
Shoji Kaoru
生没年月日【注】 昭和12年/1937年4月19日~
受賞年齢 32歳2ヵ月
経歴 本名=福田章二。東京生まれ。東京大学法学部政治学科卒。大学在学中に、中央公論新人賞を受賞、約10年の沈黙ののちに作家活動を再開。妻はピアニストの中村紘子。
受賞歴・候補歴
  • 第3回中央公論新人賞(昭和33年/1958年)「喪失」福田章二名義
  • 第61回芥川賞(昭和44年/1969年上期)「赤頭巾ちゃん気をつけて」
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


芥川賞 第61受賞  一覧へ

あかずきん
赤頭巾ちゃん 気をつけて」(『中央公論』昭和44年/1969年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「中央公論」
巻号 第84年 第5号/通巻 第981号  別表記5月特大号
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年5月1日
発行者等 編集者 粕谷一希 発行者 山越 豊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 中央公論社(東京都)
装幀/装画等 挿画 野中ユリ
総ページ数 416 表記上の枚数 表紙 250枚 目次 252枚 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×24行
×2段
本文ページ 308~376
(計69頁)
測定枚数 244
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和44年/1969年8月・中央公論社刊『赤頭巾ちゃん気をつけて』所収
>>『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号
>>昭和48年/1973年6月・中央公論社/中公文庫『赤頭巾ちゃん気をつけて』所収
>>昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第8巻』所収
>>平成7年/1995年11月・中央公論社/中公文庫『赤頭巾ちゃん気をつけて』[改版]所収
>>平成14年/2002年10月・中央公論新社/中公文庫『赤頭巾ちゃん気をつけて』[改版]所収
>>平成24年/2012年2月・新潮社/新潮文庫『赤頭巾ちゃん気をつけて』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 庄司薫 男32歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男44歳
17 「二作(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)に賞が与えられたことは、私にとっては勿怪の幸であった。私はこの二作の間で非常に迷っていたからである。」「才気あふれる作品だと思う。」「饒舌体で書きつらねながら、女医の乳房を見るところや、教育ママに路上でつかまるところなどは、甚だ巧い。」
丹羽文雄
男64歳
4 「面白かった。」「面白い小説のジャンルでは群を抜いていた。これはこれでよろしい。」
石川達三
男64歳
17 「種々の疑問があって、私は推薦に躊躇した。」「甚だ饒舌的で、あり余る才気を濫用したようなところがあり、また日常的な通俗さを無二無三に叩きこんで、ユーモア大衆小説のようでもある。」
瀧井孝作
男75歳
8 「現今の学校卒業生の生活手記で、十八歳の少年にしては余りにおしゃべりだが、この饒舌に何か魅惑される、たぶらかされる面白味があった。」「構成も面白く、繊細な美しさがあった。筋のない小説らしい。」
舟橋聖一
男64歳
6 「二作授賞に私も同意した。」「書き出しから、ある病院の女医さんに生爪を剥がした指の治療をしてもらうあたりまでは快調なタッチで、わかりやすく読ませる。高校生らしい純情と不純が巧みにないまぜられている。」
大岡昇平
男60歳
6 「現代の典型の一つを、「猛烈」「最高」など流行語で書き表しているのに興味を惹かれました。」「この作品が「新しさ」という点で、芥川賞にふさわしいのではないか、と推薦しておきました」
井上靖
男62歳
16 「二篇(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)いずれが授賞作になってもいいという気持で銓衡の席に臨んだ。」「最後に私自身は多少の不安はあったが、「赤頭巾ちゃん」にしぼった。不安というのは、作品全体から感じられる新鮮な感覚の中に、時折、汚れというか分別臭いというか、そうしたものが顔を出しているからである。」「庄司氏が未知数の面白さを持っているのに対して、田久保氏はもうできあがっている作家である。」
中村光夫
男58歳
9 「才筆には違いありませんが、僕は最後まで興味を覚えることができませんでした。」「現代をこのような形で表現しようとする企図はたしかに独創的であっても、それはこのような饒舌を読者におしつける弁明にはならないでしょう。」
川端康成
男70歳
3 「おもしろいところはあるが、むだな、つまらぬおしゃべりがくどくどと書いてあって、私は読みあぐねた。」
永井龍男
男65歳
10 「読み進むうち、この小説は二人以上の筆者による合作ではないかと推理したが、結末の「あとがき」に到ると、そういう読者を予想したかの感想も添えてあった。「薫」というあやつり人形は巧みに踊るが、人形使いの姿が露出する個所もあるのである。」「まことに気がきき才筆なことは確かだが、アイスクリームのように溶けて了う部分の多いことも、この作品の特徴であろう。」
石川淳
男70歳
21 「車はうごかなくても、車輪がくるくるまわっているので、車がうごいているように見える、そこに「赤頭巾ちゃん気をつけて」のスタイルの面目がある、それがおもしろくないこともない。」「そういっても、スタイル一手で押しきってカンペキと申すまでには至らない、それほどお立派なものではない、」「やりそこないの部分をもふくめて、このスタイルは一つの価値を作っている。これを価値といってはあぶなっかしいというか。しかし、(引用者中略)わたしはあえてこのスタイルを推す。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像
選評の概要マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ