生没年月日【注】 | 昭和52年/1977年2月14日~ | |
経歴 | 岐阜県各務原市生まれ。早稲田大学中退。在学中の平成8年/1996年「黒い季節」でスニーカー大賞金賞を受賞。執筆活動のほか、ゲーム企画製作などにも携わる。 | |
受賞歴・候補歴 |
|
|
サブサイトリンク |
『ばいばい、アース』(上)(下)(平成12年/2000年12月・角川書店刊)
書誌 (1)理由の少女=平成19年/2007年9月、(2)懐疑者と鍵=平成19年/2007年10月、(3)爪先立ちて望みしは=平成19年/2007年11月、(4)今ここに在る者=平成20年/2008年2月・角川書店/角川文庫『ばいばい、アース』 |
|
『天地明察』
|
作品名 別表記 | 奥付 ルビ有り「てんちめいさつ」 | ||||
印刷/発行年月日 | 発行 平成21年/2009年11月30日(初版) | ||||
測定媒体発行年月日 | 発行 平成22年/2010年5月15日(11版) | ||||
発行者等 | 発行者 井上伸一郎 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 本間製本株式会社 | ||||
発行所 | 株式会社角川書店(東京都) 発売元 株式会社角川グループパブリッシング(東京都) | 形態 | 四六判 上製 | ||
装幀/装画等 | 装丁 高柳雅人 | ||||
総ページ数 | 475 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
42字 ×18行 ×1段 |
本文ページ | 5~474 (計470頁) |
測定枚数 | 811枚 |
書誌
初出『野性時代』平成21年/2009年1月号~7月号/単行本化にあたり加筆訂正
平成24年/2012年5月・角川書店/角川文庫『天地明察』(上)(下)
候補者 冲方丁 33歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
浅田次郎 | 58歳 |
△ | 11 | 「よほどのベテラン作家でも無理と思える素材に、果敢なる挑戦をしたという点に拍手を送りたい。」「この作品から得たさまざまの収穫を冷静に分析して、将来に役立てていただきたいものである。」 |
阿刀田高 | 75歳 |
△ | 15 | 「ところどころ小説として納得のいかない細部もあって、――もう一作、見てみよう――」「ほかのテーマでどんなふうに書くのか、おおいに期待したい。直木賞の選考にはこういう視点があってよい、というのが私の立場である。」 |
北方謙三 | 62歳 |
■ | 12 | 「饒舌な作品であった。ただ、算学の解説や説明の類いを省くと、小説の構造は意外にシンプルで骨太であり、贅肉をつけてしまった印象を拭い得ない。」「せっかくの力量が空転したという印象が、残念であった。」 |
林真理子 | 56歳 |
△ | 13 | 「若さが時々荒っぽさになったりする。冒頭、話があちこちに飛び、なかなか本題にいかないのもそのひとつ。が、私欲を越えた男たちが心をひとつにする、というテーマは、今の若い人たちがとても好むものだ。さわやかな余韻が心地よい。」 |
宮城谷昌光 | 65歳 |
● | 5 | 「明かるすぎるといってよい作品である。しかし陰翳が足りない。」 |
宮部みゆき | 49歳 |
○ | 18 | 「(引用者注:「リアル・シンデレラ」とともに)丸をつけて、選考会に臨みました。」 |
渡辺淳一 | 76歳 |
■ | 6 | 「候補作のなかで、やや興味をそそられたといえば、「天地明察」の視点のユニークさと構成の奔放さだが、やはり頭でつくりだした域を出ていない。」 |
選評出典:『オール讀物』平成22年/2010年9月号 |
候補者 冲方丁 33歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
浅田次郎 | 58歳 |
△ | 12 | 「成功か失敗かはともかく、華麗なる挑戦にはちがいない。しかし現代ふうの会話や文章表現が私にはなじめず、主人公を初めとする実在人物のキャラクターが、どうしても私の抱く彼らの印象と重ならなかった。また、資料は十分に読みこんでいるようだが、歴史好きなら誰もが首をかしげる箇所が多くあって、強く推すことはできなかった。」 |
伊集院静 | 60歳 |
□ | 19 | 「作品の冒頭から主人公の渋川春海の魅力に魅せられた。」「何より素晴らしいのは全篇に流れるユーモアの感覚である。これは修練で体得できるものではない。氏の独自の才能であり、小説にむかうに当たっての精神のゆたかさに他ならない。読んでいて井上ひさしの一連の歴史小説がよみがえった。あらためて歴史小説の可能性を示した点も賞讃されるだろう。」 |
大沢在昌 | 53歳 |
△ | 9 | 「驚きと失望の両方を感じた。驚きは作者の筆力に対してであるが、中盤以降、小説から評伝へと明らかに空気がかわる。たとえば「素晴らしい閃きに満ちた考察を受け取る一方で、春海は、関の孤独を感じた。」などという地の文を読むと、もったいない、そこを物語として読ませてほしいと思うのだ。」 |
高橋克彦 | 62歳 |
◎ | 26 | 「私は冲方丁さんの『天地明察』に最高点をつけていたので満足を得た。」「細かな欠点や甘さが指摘されたが、私はなにより作者の「どうしても書かねばならぬ」強い思いに圧倒された。」「この作品を資料を基にした伝記小説として読むのはたぶん正しくなく、私は渋川春海の人生に感銘と興奮を覚えた作者が、その春海の「志」だけを受け継いで紡いだ新たな物語、と見ている。」「この物語は読者に自分の無限の可能性さえ信じさせる。」 |
宮部みゆき | 49歳 |
○ | 62 | 「(引用者注:「鉄の骨」と共に)自身が所属する社会の階層、組織のなかで、精一杯の力を尽くして〈変革〉を志す、二人の若者を描いています。(引用者中略)格好いいヒーローではなく、ひょろひょろと頼りない二人の若者の頑張りに、私は深く感動しました。」「渋川春海という(洒落じゃなく)渋い人物に目をとめ、算術だ暦制だという高いハードルに臆せず、優しい好意と適度な客観性を保って、春海がやり遂げたことを正しく綴るにはどうすればいいかと考え抜いた冲方さんの努力に感じ入ったということです。」 |
選評出典:『群像』平成22年/2010年5月号 |
文量 | |
長篇 | |
章立て | |
「序章」「第一章 一瞥即解」「第二章 算法勝負」「第三章 北極出地」「第四章 授時暦」「第五章 改暦請願」「第六章 天地明察」 | |
時代設定 | 場所設定 |
江戸初期 | 江戸~東海道~熱田~山陽道~四国~九州~犬吠埼~奥州道~津軽~会津など |
登場人物 | |
●渋川春海(別名・安井算哲、碁打ち衆、のち改暦事業を手がける) ●えん(小普請・荒木孫十朗の娘) ●関孝和(天才算術家、甲府徳川家の家臣) ●村瀬義益(荒木邸内にある礒村塾門下生) ●こと(春海の最初の妻) ●保科正之(会津肥後守、幕府の陰の総裁) ●酒井忠清(老中) |
『光圀伝』(平成24年/2012年8月・角川書店刊、角川グループパブリッシング発売)
書誌 平成27年/2015年6月・KADOKAWA/角川文庫『光圀伝』(上)(下) |
|
『十二人の死にたい子どもたち』(平成28年/2016年10月・文藝春秋刊)媒体・作品情報
書誌 初出『別冊文藝春秋』平成27年/2015年7月号~平成28年/2016年7月号
平成30年/2018年10月・文藝春秋/文春文庫『十二人の死にたい子どもたち』
|
|
『骨灰』(令和4年/2022年12月・KADOKAWA刊)媒体・作品情報
書誌 初出『小説 野性時代』令和3年/2021年9月号~令和4年/2022年7月号
|
|