芥川賞のすべて・のようなもの
第35回
  • =受賞者=
  • 近藤啓太郎
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Last Update[H26]2014/6/20

近藤啓太郎
Kondo Keitaro
生没年月日【注】 大正9年/1920年3月25日~平成4年/1992年2月1日
受賞年齢 36歳3ヵ月
経歴 三重県四日市市生まれ。東京美術学校日本画科卒。漁業、中学校教師を経験、在職中より創作を始める。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第24回芥川賞(昭和25年/1950年下期)「飛魚」
  • |候補| 第26回芥川賞(昭和26年/1951年下期)「盛粧」
  • |候補| 第28回芥川賞(昭和27年/1952年下期)「黒南風」
  • 第35回芥川賞(昭和31年/1956年上期)「海人舟」
  • |候補| 第21回毎日出版文化賞(昭和42年/1967年)『海』
  • 第39回読売文学賞[随筆・紀行賞](昭和62年/1987年)『奥村土牛』
備考
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芥川賞 第24回候補  一覧へ

とびうお
飛魚」(『文學者』昭和25年/1950年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學者」
巻号 第5号  別表記11月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和25年/1950年11月1日 発行 昭和25年/1950年11月5日
発行者等 編輯兼発行人 石川利光 印刷人 原 喜 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 十五日會(東京都)
総ページ数 96 表記上の枚数 目次 88枚 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 36~60
(計25頁)
測定枚数 89
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和31年/1956年10月・文藝春秋新社刊『海人舟』所収
>>昭和39年/1964年6月・学習研究社/芥川賞作家シリーズ『海の虹』所収
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候補者 近藤啓太郎 男30歳
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄
男46歳
3 「或る部分のデッサンの確かさがうれしかった。作者をよく知っているだけに、うれしかった。女が描かれていないのが欠点だった。」
石川達三
男45歳
0  
岸田國士
男60歳
3 「ところどころ、実に鮮明な描写力を示しているけれども、題材も文体も、やや通俗的すぎる。興味を追うことに重点がかかっているためであろう。」
瀧井孝作
男56歳
15 「候補に推しておきました。」「強い筆致で、漁村の風物が出ていて、朴訥な地方文学として、面白いかと思いました。かなり感心しました。」「ところが、銓衡会の席上で、丹羽君は「この人は今当選したら身の破滅になる、まだまだでしょう」と云って、抑えてしまい、私は、当人の事をよく心得た筈の丹羽君がそう云う以上は、わきから口出しするわけにいかないので、私は主張せずに沈黙してしまいました。」
宇野浩二
男59歳
7 「題材の変っているのと、書き方はふるいけれど、いわゆる写実にところどころ光ったところはあるが、出てくる人間がみな類型的であり、事件も、題材が変っているというだけで、ありふれている、やはり、未だし未だしである。」
佐藤春夫
男58歳
7 「それほど我慢をしないでも通読出来る作品であった。」「第一章の海上の描写が生きのいい好もしいものと見ていると第二章第三章になって女が出て来て作品はまるで打壊しになった。自然描写の名手が心理描写のデクの棒である。」
舟橋聖一
男46歳
0  
川端康成
男51歳
0  
坂口安吾
男44歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和26年/1951年4月号)
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芥川賞 第26回候補  一覧へ

せいしょう
盛粧」(『文學者』昭和26年/1951年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學者」
巻号 第18号  別表記12月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和26年/1951年12月1日 発行 昭和26年/1951年12月5日
発行者等 編集兼発行人 石川利光 印刷人 森下笑吉 印刷所 単式印刷株式会社(東京都)
発行所 十五日会(東京都)
総ページ数 100 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 73~100
(計28頁)
測定枚数 100
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書誌
>>昭和31年/1956年10月・文藝春秋新社刊『海人舟』所収
>>昭和32年/1957年☆月・珊瑚書房刊『好奇な冒険』所収
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候補者 近藤啓太郎 男31歳
選考委員 評価 行数 評言
佐藤春夫
男59歳
0  
瀧井孝作
男57歳
0  
丹羽文雄
男47歳
3 「前候補作品「飛魚」よりは劣るが、精一杯に書いている。原鉱と精選された部分がごちゃごちゃになっている。がその態度には好意が持てた。」
岸田國士
男61歳
0  
坂口安吾
男45歳
0  
石川達三
男46歳
0  
舟橋聖一
男47歳
0  
宇野浩二
男60歳
0  
川端康成
男52歳
2 「実感がある。」
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和27年/1952年3月号)
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芥川賞 第28回候補  一覧へ

くろはえ
黒南風」(『文學者』昭和27年/1952年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學者」
巻号 第30号  別表記12月号
作品名 別表記 南風」
印刷/発行年月日 印刷 昭和27年/1952年12月1日 発行 昭和27年/1952年12月5日
発行者等 編集兼発行人 石川利光 印刷人 石崎宋一 印刷所 祖谷印刷株式会社
発行所 十五日会(東京都)
総ページ数 100 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 4~29
(計26頁)
測定枚数 96
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和31年/1956年10月・文藝春秋新社刊『海人舟』所収
>>昭和32年/1957年☆月・珊瑚書房刊『好奇な冒険』所収
>>昭和39年/1964年6月・学習研究社/芥川賞作家シリーズ『海の虹』所収
>>昭和52年/1977年4月・旺文社/旺文社文庫『海人舟』所収
>>平成8年/1996年2月・作品社刊『集成日本の釣り文学 第5巻 釣りと人生』所収
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候補者 近藤啓太郎 男32歳
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄
男48歳
7 「私は最後に、(引用者中略)推した。」「「飛魚」の方がよかったという人があったが、今度も漁師の生態が出てくる。(引用者中略)作品としては「黒南風」の方がはるかに秀れている。作者も成長している。」「むろん欠点もあるが、自然主義的だというので片付けられる作品ではないのだ。」
舟橋聖一
男48歳
7 「力作であったことは、私も認める。殺すところ、殺されるところも、水際立って、よく描けている。点を入れそうな瀧井さんや宇野さんが、これに反対したので、失格したが、そうでなかったら、この作はもっとうかび上がっただろう。」
石川達三
男47歳
0  
瀧井孝作
男58歳
4 「前作「飛魚」の方が、飛びぬけて佳作で、その後「盛粧」というのも、こんどの「黒南風」も達者すぎて、採りにくい感じでした。」
佐藤春夫
男60歳
0  
川端康成
男53歳
2 「力強いが、少し古くはないか。」
宇野浩二
男61歳
3 「「近藤啓太郎の『黒南風』は、達者であるが、書き方が初期自然主義である、」と私が云うと、「これは映画にしたら面白いよ、」と佐藤春夫が云った。」
坂口安吾
男46歳
3 「構成力描写力ともに抜群の佳品、」「芥川賞をもらってよい実力をそなえた作品であると思った。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和28年/1953年3月号)
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芥川賞 第35受賞  一覧へ

あまぶね
海人舟」(『文學界』昭和31年/1956年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編輯」併記
巻号 第10巻 第2号  別表記2月号/現代新鋭特集号
作品名 別表記 人舟」
印刷/発行年月日 印刷 昭和31年/1956年1月20日 発行 昭和31年/1956年2月1日
発行者等 編集人 尾關 榮 発行人 池島信 印刷人 長久保慶一 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 180 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×25行
×2段
本文ページ 47~65
(計19頁)
測定枚数 67
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』昭和31年/1956年9月号
>>昭和31年/1956年10月・文藝春秋新社刊『海人舟』所収
>>昭和31年/1956年11月・大日本雄弁会講談社刊『創作代表選集18 昭和31年前期』所収
>>昭和31年/1956年11月・長嶋書房刊『戦後芥川賞作品集 II』所収
>>昭和31年/1956年11月・修道社刊『芥川賞作品集 第2巻』所収
>>昭和32年/1957年☆月・珊瑚書房刊『好奇な冒険』所収
>>昭和38年/1963年8月・現代芸術社刊『芥川賞作品全集 第4巻』所収
>>昭和39年/1964年6月・学習研究社/芥川賞作家シリーズ『海の虹』所収
>>昭和52年/1977年4月・旺文社/旺文社文庫『海人舟』所収
>>昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第5巻』所収
>>平成6年/1994年11月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第13巻 千葉』所収
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候補者 近藤啓太郎 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄
男51歳
10 「「飛魚」「黒南風」の場合には、海に対する興味が強烈すぎて、小説の安定性を欠いていた。「海人舟」は、海と人間が渾然と一体となっている。」「新風というわけにはいかないが、健康な後味のよさである。永年小説を書いていて常に気にかかることは「童心」ということである。初心忘るべからずであるが、この小説の中から私はそれを強く感じた。」
瀧井孝作
男62歳
6 「わるくはないけれど、このごろ流行のフィクションで、人物もはじめから終りまで二人きりの相対で、なかなか巧みなものだが、それだけに自然な新鮮な方では前の「飛魚」の方が佳かったが。」
中村光夫
男45歳
5 「多年の努力がようやく描写の技巧で規格に達する作品を生んだというだけで、型にはまった空疎な物語という印象を受けました。」「一番小説臭すぎて詰らない小説と思っていたので、この授賞は僕には意外でした。」
石川達三
男51歳
11 「面白いけれども、当選作とするには私は物足らなかった。」「こういう作品は珍しくはないし特に優れて居るとも思えなかった。」「もし他にこれという候補作があれば、私はもっと論争して見る気はあったが、残念ながらその他のどの作品をも推薦する自信がもてなかった。(引用者中略)従って「海人舟」に対して積極的に反対する気持にもなれなかった。」
佐藤春夫
男64歳
29 「わたくしの心をひいた」「こういう古顔になると銓衡の側でも気分がだれて熱の入らないものだが今度に限って珍らしくそれがなかった。わたくしは近藤が以前の長所を能く保ち短所が補われた努力のあとを歴然と見た。今度のは書き出しの章魚の描写からすぐれている。」「この作の明朗で健康な作風とこの作者の努力とを認めてこれに限ると決めて愉快に場に臨んだ。」
井上靖
男49歳
7 「この作品の持つ、つつ抜けに明るい健康さに、私はどうもついて行けなかった。人間の掴み方も素朴というより通俗的に思われ、海底の描写も作り物の感を払拭できなかった。併しまとまっているという点ではこの作品が一番まとまっていた。他の作品にみるような致命的な欠陥はない。」
舟橋聖一
男51歳
3 「該当ナシでもよかったが、委員の中で強く推している近藤の授賞を認めてもいいという位の、気乗り薄な気持で、終始した。」
川端康成
男57歳
10 「私も推した。それに理窟はない。また、この作品に格別の新味があるとも思わない。しかし、一つの小説の形として成功しているし、部分にすぐれたところもある。また作者に好感を持てる。」「ただ、この形の小説として、途中から結末が見えてしまう欠点はやむを得ない。そのやむを得ないものを作者が乗り越えているかどうかは、多少疑わしい。」
宇野浩二
男64歳
19 「以前の作品には無駄なところや欠点もあったが、こんどの小説にはそれがわりに少ない、というハンディキャップの反対のような条件があった、それには私は大たい同感である。」「作者がそれほど力を入れていない漁師町が案外よく出ているけれど、女主人公のナギが、よく書けばよいのに、殆んど書かれていないのが、私には、大へん物足りない、結局、「前の三つの候補作品より増しになった」ということで、この小説を芥川賞に推すのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和31年/1956年9月号)
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