芥川賞のすべて・のようなもの
第14回
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Last Update[H26]2014/6/20

水原吉郎
Mizuhara Kichiro
生没年月日【注】 明治41年/1908年8月22日~昭和20年/1945年6月20日
経歴 本名=長谷川千秋(ハセガワ・センシュウ)。静岡県焼津市生まれ。東京大学文学部美学科卒。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第14回芥川賞(昭和16年/1941年下期)「火渦」
備考
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芥川賞 第14回候補  一覧へ

かか
火渦」(『新風土』昭和16年/1941年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「新風土」
巻号 第4巻 第10号/第38号  別表記10月号
印刷/発行年月日 印刷納本 昭和16年/1941年9月28日 発行 昭和16年/1941年10月1日
発行者等 編輯発行兼印刷人 小山久二郎 印刷所 株式会社細川活版所(東京市) 配給元 日本出版配給株式会社(東京市)
発行所 小山書店(東京市)
総ページ数 61 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
60字
×22行
×1段
本文ページ 38~52
(計15頁)
測定枚数 40
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書誌
>>昭和17年/1942年8月・小山書店刊『日本小説代表作全集8 昭和16年・後半期』所収
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候補者 水原吉郎 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
久米正雄
男50歳
4 「描写は完璧とも云えるが、少し素材臭を感ぜさせ過ぎ、小説と云うよりは、記録と云いたいような所に難がある。人間と火渦との渾融が足りないのだ。」
小島政二郎
男48歳
10 「「火渦」は(引用者中略)筆力雄勁で情景目にある如く、感心したが、一ケ所火柱の立つところが精確でない嫌いがあり、気になった。それに後半、主人公が心がうつろになって震災地を彷徨する描写が、むずかしいところだが、遠くに突っ放され過ぎて、読むものに心が通って来ない憾みがある。「腕」は、なお一段劣る。」
川端康成
男42歳
13 「(引用者注:「青果の市」と)いずれを選ぶべきか、私ははっきりせず、と云うよりも、出来るならば、両方に授賞してほしかった。」「「腕」、「ジュリエット」以来、私の注目している新進作家である。賞の選ということで改まって臨むと、作品の重量感、材料の豊富、異例など、要するに物々しい構えに、自然と押され勝ちで、作者生来の才質が二の次となる傾きもある。そういう考えからも私は水原氏の特異な才能を珍重したかった。」
宇野浩二
男50歳
10 「「火渦」は、書き方に内田百間風なところがあるが、百間よりは、地味で、写生文めいたところもあって、やはり、面白い。しかし、小説としては、何か欠けている上に、本筋ではない。それに、終りの方がよくない。しかし、銓衡委員の中にはこの作品を可なり買う人が多かったが、私はどうしても賛成できない。」
佐藤春夫
男49歳
2 「新らしい美を多少具えているにしても稍畸形で小粒にすぎる」
瀧井孝作
男47歳
6 「今回「火渦」と「腕」と二つ合せてぼくは候補に宜かろうと思った。大火災の惨状の克明なまざまざした描写などから、東京が爆撃にあうもしもの場合なども思いやられた。」
佐佐木茂索
男47歳
4 「捨て難い。」「悲惨事を描いて、しかも時に甚だ美しい。本来は美しさをこそ描くべき作者ででもあろうか。」
室生犀星
男52歳
17 「「火渦」「腕」は震災に材を得たもので一読先ず打つところがあった。」「私はたった川端君一人の賛成を得ただけで、この作品をすいせんした。」「水原君の作品の溷濁をいといながら、それに平凡な一読者として捲きこまれたという実際問題については、先ず当然私にあるべき筈の批判すら少時は持ちえなかったとしたら、委員として少々ぼんくらであると云わざるをえない。」
菊池寛
男53歳
   
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号)
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芥川賞 第14回参考作品  一覧へ

うで
腕」(『新風土』昭和15年/1940年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「新風土」
巻号 第3巻 第7号/第25号  別表記9月号
印刷/発行年月日 印刷納本 昭和15年/1940年8月28日 発行 昭和15年/1940年9月1日
発行者等 編輯発行兼印刷人 小山久二郎 印刷所 株式会社細川活版所(東京市)
発行所 小山書店(東京市)
総ページ数 64 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
53字
×19行
×1段
本文ページ 48~62
(計15頁)
測定枚数 31
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書誌
>>昭和16年/1941年6月・小山書店刊『日本小説代表作全集6 昭和15年・後半期』所収
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候補者 水原吉郎 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
久米正雄
男50歳
4 「描写は完璧とも云えるが、少し素材臭を感ぜさせ過ぎ、小説と云うよりは、記録と云いたいような所に難がある。人間と火渦との渾融が足りないのだ。」
小島政二郎
男48歳
10 「「火渦」は(引用者中略)筆力雄勁で情景目にある如く、感心したが、一ケ所火柱の立つところが精確でない嫌いがあり、気になった。それに後半、主人公が心がうつろになって震災地を彷徨する描写が、むずかしいところだが、遠くに突っ放され過ぎて、読むものに心が通って来ない憾みがある。「腕」は、なお一段劣る。」
川端康成
男42歳
13 「(引用者注:「青果の市」と)いずれを選ぶべきか、私ははっきりせず、と云うよりも、出来るならば、両方に授賞してほしかった。」「「腕」、「ジュリエット」以来、私の注目している新進作家である。賞の選ということで改まって臨むと、作品の重量感、材料の豊富、異例など、要するに物々しい構えに、自然と押され勝ちで、作者生来の才質が二の次となる傾きもある。そういう考えからも私は水原氏の特異な才能を珍重したかった。」
宇野浩二
男50歳
10 「「火渦」は、書き方に内田百間風なところがあるが、百間よりは、地味で、写生文めいたところもあって、やはり、面白い。しかし、小説としては、何か欠けている上に、本筋ではない。それに、終りの方がよくない。しかし、銓衡委員の中にはこの作品を可なり買う人が多かったが、私はどうしても賛成できない。」
佐藤春夫
男49歳
2 「新らしい美を多少具えているにしても稍畸形で小粒にすぎる」
瀧井孝作
男47歳
6 「今回「火渦」と「腕」と二つ合せてぼくは候補に宜かろうと思った。大火災の惨状の克明なまざまざした描写などから、東京が爆撃にあうもしもの場合なども思いやられた。」
佐佐木茂索
男47歳
4 「捨て難い。」「悲惨事を描いて、しかも時に甚だ美しい。本来は美しさをこそ描くべき作者ででもあろうか。」
室生犀星
男52歳
17 「「火渦」「腕」は震災に材を得たもので一読先ず打つところがあった。」「私はたった川端君一人の賛成を得ただけで、この作品をすいせんした。」「水原君の作品の溷濁をいといながら、それに平凡な一読者として捲きこまれたという実際問題については、先ず当然私にあるべき筈の批判すら少時は持ちえなかったとしたら、委員として少々ぼんくらであると云わざるをえない。」
菊池寛
男53歳
   
選評出典:『芥川賞全集 第三巻』昭和57年/1982年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号)
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