生没年月日【注】 | 昭和5年/1930年11月15日~平成14年/2002年10月21日 | |
経歴 | 本名=笹沢勝(ササザワ・マサル)。東京・淀橋生まれ、神奈川県横浜市出身。関東学院高等部卒。簡易保険局に勤務。「招かれざる客」で江戸川乱歩賞次席となり作家デビュー。昭和36年/1961年に左保に改名。本格ミステリー小説や、股旅物を数多く書き、「木枯し紋次郎」シリーズはテレビドラマ化された。父は詩人の笹沢美明。 | |
受賞歴・候補歴 |
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『人喰い』(昭和35年/1960年11月・光文社/カッパノベルス)笹沢佐保名義媒体・作品情報
書誌 昭和46年/1971年3月・日本文華社/文華新書小説選集『人喰い』
昭和50年/1975年10月・中央公論社/中公文庫『人喰い』
昭和58年/1983年8月・講談社/講談社文庫『人喰い』
平成3年/1991年3月・徳間書店/徳間文庫『人喰い』
平成5年/1993年6月・出版芸術社/ミステリ名作館『人喰い』
平成7年/1995年5月・双葉社/双葉文庫 日本推理作家協会賞受賞作全集14『人喰い』 |
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『空白の起点』(昭和36年/1961年11月・光文社/カッパノベルス)媒体・作品情報
書誌 初出『宝石』昭和36年/1961年8月号~11月号「孤愁の起点」
昭和55年/1980年6月・講談社/講談社文庫『空白の起点』
平成2年/1990年8月・勁文社/ケイブンシャ文庫『空白の起点』
平成10年/1998年3月・日本文芸社/日文文庫『空白の起点』
平成14年/2002年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『空白の起点』(上)(下)
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「六本木心中」(昭和37年/1962年6月・東都書房刊『第三の被害者』より)媒体・作品情報
書誌 初出『小説中央公論』昭和37年/1962年5月号
昭和39年/1964年4月・宝石社刊『現代推理作家シリーズ5 笹沢左保』所収
昭和40年/1965年4月・光文社/カッパ・ノベルス『日本代表推理小説全集 第1巻 疑惑・裁き編 遭難』所収
昭和40年/1965年9月・芸文社刊『笹沢左保選集第5 銀座心中』所収
昭和43年/1968年1月・日本文華社/文華新書小説選集『六本木心中』所収
昭和46年/1971年5月・角川書店/角川文庫『六本木心中』所収
昭和55年/1980年4月・集英社/集英社文庫『日本名作シリーズ8 心中小説名作選』所収
平成1年/1989年7月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選特別編1 1ダースの殺意』所収
平成8年/1996年10月・角川書店/角川文庫『六本木心中』[改版]所収
平成13年/2001年12月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『ラブミーワールド 第6巻 愛と死と』所収
平成16年/2004年2月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『恋愛小説・名作集成 第6巻 愛と死と』所収
平成16年/2004年9月・光文社/光文社文庫『甘やかな祝祭 恋愛小説アンソロジー』所収
平成20年/2008年11月・集英社/集英社文庫『心中小説名作選』所収
平成20年/2008年12月・ナショナル出版/ナショナルノベルス『六本木心中』所収 他の収録作品 「死視界」(『別冊文藝春秋』昭和37年/1962年4月)
「純愛碑」(『小説新潮』昭和37年/1962年6月号)
「墓場の存在」(『小説中央公論』昭和37年/1962年1月号)
「第三の被害者」(『オール讀物』昭和36年/1961年12月号)
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「雪に花散る奥州路」(『オール讀物』昭和46年/1971年1月号)媒体・作品情報
書誌 昭和46年/1971年8月・文藝春秋刊『雪に花散る奥州路』所収
昭和57年/1982年1月・文藝春秋/文春文庫『雪に花散る奥州路』所収
平成2年/1990年4月・祥伝社/ノン・ポシェット『裏切り街道~暗闇に泣く女』所収
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「中山峠に地獄をみた」
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印刷/発行年月日 | 発行 昭和45年/1970年12月4日(第1刷) | ||||
測定媒体発行年月日 | 発行 昭和46年/1971年12月10日(第2刷) | ||||
発行者等 | 発行者 野間省一 印刷所 信毎書籍印刷株式会社 製本所 黒柳製本株式会社 | ||||
発行所 | 株式会社講談社(東京都) | 形態 | 四六判 上製 | ||
装幀/装画等 | カバー画 生頼範義 装幀 山内 〈日+章〉 | ||||
総ページ数 | 276 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
40字 ×17行 ×1段 |
本文ページ | 53~123 (計71頁) |
測定枚数 | 107枚 |
書誌
初出『別冊小説現代』昭和45年/1970年初夏号[☆月]
昭和48年/1973年1月・角川書店/角川文庫『見かえり峠の落日』所収
平成4年/1992年8月・講談社刊『歴史小説名作館9 江戸4 大川端秋色』所収
平成8年/1996年9月・講談社/大衆文学館『見かえり峠の落日』所収
他の収録作品
「見かえり峠の落日」(『小説現代』昭和45年/1970年4月号)
「地蔵峠の雨に消える」(『小説現代』昭和45年/1970年9月号)
「暮坂峠への疾走」(『小説現代』昭和45年/1970年11月号)
「鬼首峠に棄てた鈴」(『小説現代』昭和46年/1971年1月号)
候補者 笹沢左保 40歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
石坂洋次郎 | 71歳 |
・ | 3 | |
水上勉 | 52歳 |
□ | 14 | 「意外性の積みかさねも目まぐるしくて(中山峠)、もう少し笹沢氏の眼のゆきとどいた人間群の登場する股旅物が望ましいと思った。筆力はあるし、直木賞にふさわしい作家なのだが、不運な候補作品だった。」 |
源氏鶏太 | 59歳 |
◎ | 18 | 「私は実に面白かった。西部劇を真似ているとか意外性があり過ぎるとの批評もあったが、私には苦にならなかった。寧ろ長所に想えた。」「結局、笹沢氏に受賞さるべきであったと今も思っている。」 |
川口松太郎 | 71歳 |
● | 21 | 「笹沢君の今度の二作は不成功だ。君が推理小説から出発してこの分野に挑戦する事は歓迎だが、それならそれで下準備が必要だ。誰かが西部劇の焼き直しといい、「ひとり狼」(村上元三作)の亜流だといったが、そんな感じを起させるだけでも失敗である。」 |
柴田錬三郎 | 54歳 |
● | 10 | 「どれを読んでも、パターンが同じである。また、すでに、村上元三氏が、「ひとり狼」という、このパターンの佳作をつくっている。この作家は、候補にあげられたので、むしろ、損をした模様である。」 |
司馬遼太郎 | 47歳 |
― | 0 | |
今日出海 | 67歳 |
● | 4 | 「既に定評があるだけに、今回の候補作品に特に顕著な特質も、野心もなかったのは遺憾である。」 |
村上元三 | 61歳 |
○ | 13 | 「股旅物に新しい傾向を盛り込もうとした作者の努力が、よくわかる。読んでいて面白いし、こんどの候補作のうち、これだけが大衆小説だと思うが、最終的には票が集まらなかった。」 |
大佛次郎 | 73歳 |
― | 0 | |
松本清張 | 61歳 |
■ | 30 | 「文章は、かなりキメのこまかい箇所があり、筆力も十分。しかし、あまりに意外性を狙いすぎてか、前半に伏線が足りず、読後はどんでん返しでヤミ打ちに遇ったような気がする。その意外性に納得がいかず、後味が悪い。」「主人公の虚無的な性格も型にはまっている。」 |
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号 |
文量 | |
短篇 | |
章立て | |
「1」~「7」 | |
時代設定 | 場所設定 |
江戸[嘉永年間] | 上州大胡~中山峠 |
登場人物 | |
●長次郎(渡世人) ●新蔵(熊谷の織物問屋の手代) ●美代(新蔵の姉、織物問屋の妻) ●安五郎(無宿者の兄貴分) ●亀吉(安五郎の子分) ●源兵衛(小料理屋の亭主) ●要助(美代の夫、実は盗賊天狗の勘八、佐渡送りの途中) |