芥川賞のすべて・のようなもの
第70回
受賞作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H26]2014/8/17

森敦
Mori Atsushi
生没年月日【注】 明治45年/1912年1月22日~平成1年/1989年7月29日
受賞年齢 61歳11ヵ月
経歴 長崎県長崎市生まれ、朝鮮・京城育ち。旧制第一高校中退。横光利一に師事し、戦前の一時期小説を発表、昭和9年/1934年には太宰治檀一雄、中原中也らと同人誌『青い花』を創刊。戦後には各地を転々としながら、同人誌『立像』に参加、また電源開発、近代印刷などに勤務する。
受賞歴・候補歴
  • 第70回芥川賞(昭和48年/1973年下期)「月山」
  • 第40回野間文芸賞(昭和62年/1987年)『われ逝くもののごとく』
個人全集 『森敦全集』全8巻・別巻(平成5年/1993年1月~平成7年/1995年12月・筑摩書房刊)
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


芥川賞 第70受賞  一覧へ

がっさん
月山」(『季刊藝術』26号[昭和48年/1973年7月])
媒体・作品情報
誌名 「季刊藝術」
巻号 通巻 第26号/第7巻 第3号  別表記1973夏
印刷/発行年月日 発行 昭和48年/1973年7月1日
発行者等 編輯人 古山高麗雄 発行人 遠山一行 印刷所 豐國印刷株式会社(活版)、株式会社光村原色印刷所(平版)
発行所 季刊藝術出版株式会社(東京都) 発売元 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 252 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
33字
×25行
×2段
本文ページ 206~249
(計44頁)
測定枚数 168
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>『文藝春秋』昭和49年/1974年3月号
>>昭和49年/1974年3月・河出書房新社刊『月山』所収
>>昭和54年/1979年10月・文藝春秋/文春文庫『月山・鳥海山』所収
>>昭和55年/1980年11月・埼玉福祉会/Large print booksシリーズ『月山』所収
>>昭和57年/1982年4月・成瀬書房刊『月山』
>>昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第10巻』所収
>>『季刊芸術』臨時増刊号1989・秋[平成1年/1989年10月]
>>平成5年/1993年1月・筑摩書房刊『森敦全集 第3巻 作品3』所収
>>平成6年/1994年7月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第7巻 山形』所収
>>平成16年/2004年11月・郷土出版社刊『山形県文学全集 第1期小説編 第4巻』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 森敦 男61歳
選考委員 評価 行数 評言
大岡昇平
男64歳
14 「こん回は「月山」「草のつるぎ」「此岸の家」がすぐれていて、銓衡の対象はすぐこの三作にしぼられた。」「現代のジャーナリズムの要求によって生産される作品にはない、孤独な輝きを持っている。」「何分作者は六十歳をすぎていて、昭和初年横光利一を中心とする文学グループにいた人である。」「そういう変り種に授賞することに私は賛成だが、一方二作授賞にして、若い新人に機会を与えたい気持があった。」「私は「月山」「草のつるぎ」二作授賞に投票した。」
瀧井孝作
男79歳
3 「歌いぶりはちょっと面白いが、足もとが弱いと思った。切実なものがないと見た。」
井上靖
男66歳
6 「目立っていた。雪深い集落の冬籠りの生活を、方言をうまく使って、現世とも幽界ともさだかならぬ土俗的な味わいで描き上げた手腕はなかなかのものである。」
中村光夫
男62歳
21 「文章の気品と思想の成熟では(引用者中略)群をぬいていました。」「六十歳をこえた新人があり得るかという議論もありましたが、僕はこの点は問題はないと思います。」「ただこの作品は小説というよりむしろ散文で書かれた抒情詩の性格が強く、(引用者中略)素材に比して長すぎるし、(引用者中略)種々の欠点が指摘されます。」「これだけをとって他の八篇をすてるに忍びない気持は皆にあったので、二作当選という結果になったのも自然でした。」
永井龍男
男69歳
6 「年期を入れた打込み方は、文句なかった。結末に近く友人が登場する展開について、数氏の批評があったが、長い一冬の自然との対比として、これもよかろうと私は判断した。」
丹羽文雄
男69歳
12 「この人の名を私は三十年昔に知っていた。その後何も発表していなかったようである。そのなかの年月がこの作品の裏打ちとなっている。」「友人が呼びにくるところでは軽く失望したが、致命的な傷とはならない。」「読後の清冽な印象は鐘のひびきのように心に残った。」
吉行淳之介
男49歳
10 「叩けばホコリも出るが、その文章の力は近来あまり見ないものである。勁いばかりでなく、柔軟であり、陰にこもった色気もあり、大した文章である。芥川賞は新人に与えられるというタテマエなので、この作者の年齢についてはともかく、過去に文壇歴があるという点が私も気にかかった。」「これ一作ではほかの候補者が気の毒で、二作授賞が妥当だとおもった。」
安岡章太郎
男53歳
19 「(引用者注:「此岸の家」「月山」「石の道」「草のつるぎ」などは)過去数回の授賞作と並べて劣らざるものであり、どれが授賞しても異存ないようなものであった。」「とにかく六十一歳といえば、この人など第一回の芥川賞候補になってもおかしくはないのである。」「この人の登場は、たしかに芥川賞候補作全体に活を入れるような効果はあったのである。」
舟橋聖一
男69歳
5 「力作だが、この一作だけで授賞に踏み切れなかったところに、今度の銓衡の難しさがあった。僕は寡聞にして、この作者の存在を知らなかった。この山容に立向う雄渾な感覚は創造的であって、やはり横光さんのネオ・ロマンティクの残響が感じられた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和49年/1974年3月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像
選評の概要マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ