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第142回
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Last Update[H26]2014/8/6

白石一文
Shiraishi Kazufumi
生没年月日【注】 昭和33年/1958年8月27日~
受賞年齢 51歳4ヵ月
経歴 福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。(株)文藝春秋に編集者として勤務。その間、瀧口明名義で小説を発表。平成12年/2000年には、本名で『一瞬の光』を発表する。平成15年/2003年退社後、作家専業となる。父は直木賞受賞作家でもある作家の白石一郎
受賞歴・候補歴
  • 第16回すばる文学賞[佳作](平成4年/1992年)「惑う朝」瀧口明名義
  • |候補| 第136回直木賞(平成18年/2006年下期)『どれくらいの愛情』
  • 第32回福岡市文化賞(平成19年/2007年度)
  • 第22回山本周五郎賞(平成20年/2008年度)『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』
  • 第142回直木賞(平成21年/2009年下期)『ほかならぬ人へ』
備考
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直木賞 第136回候補  一覧へ

あいじょう
『どれくらいの 愛情』(平成18年/2006年11月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成18年/2006年11月15日(第1刷)
発行者等 発行者 白幡光明 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 立体製作&写真 三谷龍二 ブックデザイン 大久保明子
総ページ数 443 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 7~435
(計429頁)
測定枚数 779
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書誌
>>平成21年/2009年8月・文藝春秋/文春文庫『どれくらいの愛情』
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収録作品の書誌
20年後の私へ
>>初出『小説宝石』平成18年/2006年2月号
たとえ真実を知っても彼は
>>初出『オール讀物』平成18年/2006年1月号
ダーウィンの法則
>>初出『オール讀物』平成18年/2006年5月号
どれくらいの愛情
>>書き下ろし
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候補者 白石一文 男48歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男72歳
15 「律儀な文章を好ましく読んだが、しかし、そのあまりの律儀さ(たとえば年月日はおろか曜日まで書いてしまう癖)が、読者を遠ざけてしまった。読者と作品世界とを結びつけている文章が冷えているのだ。」
林真理子
女52歳
9 「少々荒っぽい表現が目立つ。男性の魅力を表現するのに、現在活躍中の芸能人の名を羅列するというのは、プロの作家としてどうだろう。」
渡辺淳一
男73歳
12 「小説というより論文かエッセイを読まされているような感じを受けた。」「とくに「あとがき」で自作の解説を書くのは論外。頭がいいだけでは小説は書けない、その典型のように思えたが。」
平岩弓枝
女74歳
12 「作家の文章のような気がしなかった。登場人物を最初にまとめて説明してしまうやり方は便利なようで曲がない。」
阿刀田高
男72歳
9 「小説とは少し異なるもののように感じられた。つまり、理屈っぽい、と言えば、一端を伝えることになるだろう。才気は充分に感じられたのだが……。」
北方謙三
男59歳
15 「文章、特に読点の使い方にひっかかりを覚え、最後までその印象を引き摺ってしまった。」「四作のできにばらつきがある。表題作がいいと思ったが、なぜ占師の先生にさまざまな解説をさせるのか、私にはよくわからなかった。」
宮城谷昌光
男61歳
29 「その頽勢をみせぬ文章を凝視してみると、作者の理知と小説空間にただよう抒情とが、撞着をおこしている。また、どの人称にも属さない無機質な文章が放置されていることも気になる。」「この小説世界で生きている人々は、ほかでは生きられず、ここでしか生きられないがゆえに、作り手がもっと愛してあげるべきだ、ということなのである。」
五木寛之
男74歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年3月号
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大衆選考会 136回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
S.Hanada 平成18年/2006年12月20日 作品を読みながら「考える」いう至福の時間を与えてくれました。この作家には「強い眼差し」と「書き続けるという力量」があると確信しております。ぜひ受賞して欲しいですね。
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文量
短篇集〔4篇〕
20年後の私へ
章立て
「1」~「9」
時代設定 場所設定
[同時代]  福岡
登場人物
長尾岬(国民航空の代理店営業の一般職)
安西晴夫(岬の後輩社員)
野上慎治(岬の見合い相手、県庁の役人)
たとえ真実を知っても彼は
章立て
「1」~「8」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~北海道など
登場人物
私(語り手、市川、出版社出版局長)
緋沙子(私の妻)
文彦(私の一人息子)
里見鴻一郎(作家)
里見カレン(里見の妻、フランス出身)
ダーウィンの法則
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  福岡
登場人物
岡崎知佳(食品会社事務、夜はスナックでバイト)
関口英一(知佳の不倫相手、倉庫会社勤務)
徳永美智子(知佳の亡父の不倫相手、小学校教諭)
関口加奈(英一の娘)
どれくらいの愛情
章立て
「1」~「18」
時代設定 場所設定
[同時代]  福岡~長崎県など
登場人物
中村正平(博多ぜんざい・ナカムラ社長)
伊沢晶(ホステス、正平の元恋人)
相崎哲也(晶の愛人、ホスト)
木津弓彦(超常能力者、人生相談・健康相談の先生)
山上早苗(正平の幼馴染)
尾形竜太郎(尾形青果社長)





むね ふかぶか
『この 胸に 深々と 突き 刺さる 矢を 抜け』(上)(下)
(平成21年/2009年1月・講談社刊)
書誌
>>平成23年/2011年12月・講談社/講談社文庫『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(上)(下)
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他文学賞 山本周五郎賞 22受賞 一覧へ
候補者 白石一文 男50歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男57歳
46 「これだけ深く思惟している小説は、近年稀である。ストーリーの途中にさまざまの資料からの引用が提示されるが、少しも衒学的ではない。」「しかし、これほどの規模を誇る建築に、どうしてミステリー的な装飾を施してしまったのかが、私にはわからなかった。」「むしろミステリーの枠に嵌めることによって、作品は矮小化されてしまったのではあるまいか。」
北村薫
男59歳
37 「《川端健彦氏の生活と意見》という、実に懐かしい小説表現の形がとられている。わたしは、こういう形式の作品が大好きなので、特に前半は楽しく読んだ。」「Nが実名の《新村》で頻出する辺りで、《おや?》と首をかしげた。(引用者中略)《ニムラ》を多くの片仮名の中に保護色めかして溶かし込む、叙述トリックの気配も現れ、ややつや消しであった。」「また、この結末には、急ぎ過ぎたのではないかということも含めて、疑問が残った。」
小池真理子
女56歳
66 「数ページ読み始めただけで、小説に溺れていく時に感じる、あの懐かしい感覚が私の中にあふれてくるのがわかった。それは久しく忘れていた感覚でもあった。」「いたずらに健全であることや、希望を捨てずにいることの価値ばかりを声高に語るような小説が氾濫し、好んで読まれているこの時代に、これほど優雅に不健康で毒のある作品を読むことができたのは私の歓びにもなった。選考委員を続けていてよかった、と思える作品に巡り合えた。」
重松清
男46歳
55 「小説の巧みさに根差した心地よさに背を向けるところから、白石さんの小説は始まっている」「緻密につくられた混沌というのは決して矛盾ではない。その証拠に、どんなにノイズが入っても物語の流れは停まらない。むしろノイズによって加速し、ひずんでいく。その加速やひずみの生み出す居心地の悪さを白石さんは確信犯的に選んでいる。それが、この作家にとっての現実のリアリティーであり、心地よさに安住しない勇気のあらわれなのだろう。」「胸をえぐられるような思いでページをめくった作品は、候補作の中では白石さんのものだけだった。」
篠田節子
女53歳
72 「この作品は大人たちが青春時代に慣れ親しんできた、やや懐かしい形の「普通の小説」である。」「冒頭部分の悽愴の気さえ漂う主人公の退廃的なたたずまいは、読み進むにつれハードボイルドでなかなか格好の良いものに変わっていく。物語自体も冒頭で予想したような、重苦しく憂鬱で悲惨な展開は見せない。」「快調に読み進め、後味も良い上下巻だったが、思索内容と主人公の状況や行動の間にもう少し緊密な関連があれば、より掘り下げた形で、テーマに肉薄できたのではないか。」
選評出典:『小説新潮』平成21年/2009年7月号
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大衆選考会 141回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
pochi 平成21年/2009年6月19日 どれもはずれかも。でも、どれもありだと思う。(同時推薦=>天野作市稲葉真弓恩田陸今野敏高任和夫
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直木賞 第142受賞  一覧へ

ひと
『ほかならぬ 人へ』(平成21年/2009年11月・祥伝社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成21年/2009年11月5日(初版第1刷)
発行者等 発行者 竹内和芳 印刷 精興社 製本 積信堂
発行所 祥伝社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 大久保伸子 装画 深津千鶴
総ページ数 295 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×16行
×1段
本文ページ 5~295
(計291頁)
測定枚数 424
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書誌
>>平成25年/2013年1月・祥伝社/祥伝社文庫『ほかならぬ人へ』
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収録作品の書誌
ほかならぬ人へ
>>初出『FeelLove』4号、5号[平成20年/2008年7月、平成20年12月]
>>『オール讀物』平成22年/2010年3月号
かけがえのない人へ
>>初出『FeelLove』7号[平成21年/2009年7月]「月が太陽を照らすには」
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候補者 白石一文 男51歳
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之
男77歳
40 「男女の愛憎が、単なる風俗的なお話に終っていないところが、この作家の才能だろう。」「人物の輪郭というか、キャラクターが鮮かに描かれていて感心した。人物描写のエッジが立っている、という印象だ。」「いま流行りの単語がしばしば出てくる。アイスキャラメルマキアートとか。私はこういうやり方に賛成である。」
渡辺淳一
男76歳
34 「この作品は久々に男女関係を正面から描いたもので、二部に分かれているが、仕上がりは前者の表題作のほうがはるかにいい。」「さまざまな男女の、そして夫婦の関わりがあるが、もしかしてその各々が少しずつ食い違っていて、その相互の関わりを一斉にずらしたら、両者の溝が埋まっていくのではないか。そんな予感がリアリティーをもって迫ってくるところが、この作品の妙味であり、作者の着眼点の非凡なところでもある。」
阿刀田高
男75歳
26 「――確かに、現代の男女はこういうことなんだろうな――と読者を納得させてくれるところがすばらしい。登場人物のそれぞれにリアリティがあり、気負いのない筆致もこころよい。」
林真理子
女55歳
25 「私がまずこの方を推そうと決めていたのは、白石一文氏である。」「私はむしろこの小説から、恋愛の虚無を感じる。」「また上流の青年の描写が、具体的でリアリティがある。日本の小説では珍しいことなので心に残った。」
平岩弓枝
女77歳
28 「(引用者注:「廃墟に乞う」と共に)筆力充分、品が良く、手馴れた巧者の感がある。その意味では文句のつけようがないけれども、読者の立場からいうと、なんとなくもの足りない。」「読む進む中に心の深い部分に衝撃を与えてくれるような人間の奥行が書かれていたら、作品にもう一つ、陰影が出たのではないかというような気持が残っている。」
宮城谷昌光
男64歳
18 「自己を嫌悪するのであれば、もっと細部にあるいは恥部に精密な描写をほどこすべきだ。そこを徹底せずに切り上げたという感は否めない。」
宮部みゆき
女49歳
41 「白石さんには大変申し訳ないのですが、私はこの中編二作の作品集に対して何とも勘違いなアプローチをしてしまい、最後までそこから抜け出すことができませんでした。」「後半の「かけがえのない人へ」では、主人公の〈みはる〉が前半の〈なずな〉であるとこれまた勝手に思い込み(引用者中略)それが読み違いだとわかると、情けなくもまた迷子になってしまいました。」
浅田次郎
男58歳
16 「その完成度の高さからは受賞にふさわしい。」「ならばなおさらのことこの作品が、受賞作にはふさわしくとも作者の代表作としてよいものかどうかと迷った。直木賞作家の冠名はその受賞作とともに語られ、つまり一生祟るからである。」
北方謙三
男62歳
23 「完成度にも、不足はあるまい。表題作の方がおおむね評価されたが、結婚と恋愛がなにかを考えさせる『かけがえのない人へ』の中に漂う、妙ないとおしさと、結末の寂寞感も、恋愛小説の苦い味があって、私は好きであった。」
選評出典:『オール讀物』平成22年/2010年3月号
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文量
中篇集〔2篇〕
ほかならぬ人へ
章立て
「0」~「16」
時代設定 場所設定
同時代  東京~埼玉~神奈川
登場人物
宇津木明生(スポーツ用品メーカーYAMATO勤務、宇津木製薬グループ一族の一人)
なずな(明生の妻、元キャバクラ嬢)
東海倫子(明生の上司、一度離婚を経験)
山内渚(明生の幼少期からの事実上の婚約者)
根元真一(パン屋の主人、なずなの元恋人)
かけがえのない人へ
章立て
「1」~「13」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
福澤みはる(グローバル電気の営業職、会社社長と総合病院小児科部長の娘)
黒木信太郎(みはるの元上司であり恋人)
水鳥聖司(みはるの婚約者、グローバル電気のエリート、経営企画本部勤務)
藪本晴彦(グローバル電気常務、黒木の恩人)




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