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第41回
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Last Update[H26]2014/6/20

渡辺喜恵子
Watanabe Kieko
生没年月日【注】 大正3年/1914年2月6日~平成9年/1997年8月8日
受賞年齢 45歳5ヵ月
経歴 本名=木下喜恵子。秋田県生まれ。能代高女卒。
受賞歴・候補歴
処女作 『いのちのあとさき』(昭和17年/1942年・国文社刊)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part5
備考 第41回受賞作の正式な作品名は「馬淵川」か、それとも「馬渕川」か。
また、読み方は「まぶちがわ」か、それとも「まべちがわ」か。
私の中ではまだ結論は出ていません。

ここで岩手県に流れる実在の川の名称を調べてみても、
もちろん傍証にはなり得るものの、作品名を確定させる盤石な決め手にはならないわけです。
要は、昭和34年/1959年に光風社から出された小説名が問題だからです。

ちなみに読み方の「まぶちがわ」は、第41回直木賞の決定発表の載った『オール讀物』昭和34年/1959年10月号の記述に拠っています。
(『オール讀物』の記載をそのまま鵜呑みにできないことは、他のさまざまな例からも明らかですが、
とりあえず、それはそれとして)

上記記述によると、漢字表記は「馬淵川」となっています。私の手許にある旺文社文庫も書名は『馬淵川』です。
ただ、光風社版にしろ、旺文社文庫版にしろ、表紙カバーには、手書き風の文字で「馬渕川」と書いてあり、
受賞作名を「馬渕川」とする文献は、おそらくこの表紙カバーの記述に拠っているのでしょう。

なので、「馬渕川」でも、はっきりと間違いだと言えないところがあるんですが、
おそらく正しい作品名は「馬淵川」ではないか、とワタクシは推測するわけです。(2006.12.6記)
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まぶちがわ
馬淵川』(昭和34年/1959年5月・光風社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 扉・奥付 「馬淵川」
印刷/発行年月日 発行 昭和34年/1959年5月5日(初版)
測定媒体発行年月日 発行 昭和34年/1959年10月30日(8版)
発行者等 発行者 豐島清史 印刷人 菅生定祥
発行所 株式会社光風社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装釘者 高橋忠弥
総ページ数 279 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
49字
×20行
×1段
本文ページ 3~279
(計277頁)
測定枚数 601
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書誌
>>初出『新文明』昭和30年/1955年6月号~昭和32年/1957年5月号
>>昭和50年/1975年☆月・光風社書店刊『馬淵川』
>>昭和51年/1976年3月・旺文社/旺文社文庫『馬淵川』
>>昭和56年/1981年3月・毎日新聞社刊『馬淵川』
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候補者 渡辺喜恵子 女45歳
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男47歳
15 「候補作品の中で抜群のように思った。」「人間の生涯ということについて、あらためて考えさせられる。」「敢て、この作品を推したのは、直木賞を得ることによって、この作品は、永く光りを失わないだろうと思い、そうなってほしかったからである。」
川口松太郎
男59歳
15 「初めは読みづらかったが、読み進んで行くにつれ、描写の正確さに惹かれて行った。」「私は初め「馬淵川」は直木賞作品にふさわしくないと思っていたが、(引用者中略)贈賞に賛成した。」
大佛次郎
男61歳
34 「迷ったが、やはり出て来る人物を、それぞれよく描いていることと言い、軽く片付けてない純根さが、才気で振り廻しがちの直木賞作品の中で、いつかは欲しいと思った性質に近いと思った。」
海音寺潮五郎
男57歳
17 「ぼくはこれを一番買った。」「男女多数の人物をそれぞれに個性を持たせて書きわけている点、才能の豊贍が十分にうかがわれた。この人の本質は詩人ではないだろうか。全篇にみなぎる詩情がまことに楽しかった。」
吉川英治
男66歳
26 「これをかいた筆者の執着をなによりも感じました。」「幾人もの“女の型”が女流ならではとおもわれるほど各々よく描きわけられていました。」「ゆっくりでよいからその異色ある女流作品の一領野を月日をかけて拓いて行かれることを望んでやみません。」
小島政二郎
男65歳
11 「もとの二千枚のままのを読んで見たい。」「縮めたこれには、物語性はゼロだ。」「そのくらい人物、いや、自然も、この作者が一度筆を付けると、何もかも銀色に生きて光って来るのだ。」
中山義秀
男58歳
5 「末の松山の章だけしか読む時間がなかったが、作者の真摯な努力にたいして、当選に祝意を表するとも異存はない。」
村上元三
男49歳
14 「将来も職業作家として立って行ける人を選ぶ、という直木賞の条件に、こんどは頑迷なほどわたしはこだわって、(引用者中略)初めから終いまで反対をした。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年10月号
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文量
長篇
章立て
「御用金弐千両」「名子の娘」「南部片富士」「鹿角路」「酒造り」「南部むらさき」「姉いもと」「末のまつやま」「雪折竹」「待乳山」「川唄」「秋の蝶」
時代設定 場所設定
幕末~大正  岩手・馬淵川流域~東京など
登場人物
さと子(侍の娘、藩の御用商人池田屋の嫁)
省七(さと子の息子)
敏子(省七の妻)
正明(省七・敏子の息子)
千世(正明の妻)
浜子(正明の妹)




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