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第41回
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Last Update[H28]2016/11/2

津村節子
Tsumura Setsuko
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生没年月日【注】 昭和3年/1928年6月5日~
経歴 本名=吉村節子(ヨシムラ・セツコ)、旧姓=北原。福井県福井市生まれ。学習院女子短期大学国文科卒。在学中に同人誌『赤絵』に参加。卒業の年、結婚。以後、『文学者』や『Z』など同人誌に関わり、「玩具」で芥川賞受賞。夫は作家の吉村昭
受賞歴・候補歴
  • 婦人朝日今月の新人賞(昭和33年/1958年)
  • |候補| 第41回直木賞(昭和34年/1959年上期)「鍵」
  • |候補| 第49回直木賞(昭和38年/1963年上期)「氷中花」
  • |候補| 第50回直木賞(昭和38年/1963年下期)「弦月」
  • 第11回同人雑誌賞(昭和39年/1964年)「さい果て」
  • |候補| 第52回芥川賞(昭和39年/1964年下期)「さい果て」
  • 第53回芥川賞(昭和40年/1965年上期)「玩具」
  • |候補| 第5回女流文学賞(昭和41年/1966年)『海鳴』
  • |候補| 第10回女流文学賞(昭和46年/1971年)『石の蝶』
  • 第29回女流文学賞(平成2年/1990年)『流星雨』
  • 第48回芸術選奨文部大臣賞[文学部門](平成9年/1997年度)『智恵子飛ぶ』
  • 第19回日本文芸大賞(平成11年/1999年)『合わせ鏡』
  • 第59回日本藝術院賞[+恩賜賞][文芸](平成14年/2002年度)"長年にわたる作家としての業績"
  • 第37回川端康成文学賞(平成23年/2011年)「異郷」
  • 第59回菊池寛賞(平成23年/2011年)
  • 文化功労者(平成28年/2016年)
備考
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直木賞 第41回候補  一覧へ

かぎ
鍵」(『文学者』昭和34年/1959年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「文学者」
巻号 第2巻 第4号  別表記4月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和34年/1959年3月5日 発行 昭和34年/1959年3月10日
発行者等 編集人 中村八朗 発行人 丹羽文雄 印刷人 木村史郎 印刷所 日本製版株式会社
発行所 「文学者」発行所(東京都)
総ページ数 110 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 44~72
(計29頁)
測定枚数 107
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書誌
>>『別冊文藝春秋』69号[昭和34年/1959年9月]
>>昭和35年/1960年11月・光風社刊『浮巣』所収
>>昭和47年/1972年7月・毎日新聞社刊『婚約者』所収
>>昭和58年/1983年8月・集英社/集英社文庫『婚約者』所収
>>平成17年/2005年6月・岩波書店刊『津村節子自選作品集6』所収
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候補者 津村節子 女31歳
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男47歳
0  
川口松太郎
男59歳
0  
大佛次郎
男61歳
0  
海音寺潮五郎
男57歳
7 「女が女を書く場合、男の作家は遠くおよばないと感にたえた。認める人がわずかに二人しかなかったのが、ぼくには不思議であった。」
吉川英治
男66歳
0  
小島政二郎
男65歳
3 「これを二十五枚で書くぐらいの意気込みを見せてもらいたい。」
中山義秀
男58歳
4 「津村さんの「華燭、孔雀、模造、鍵」が面白かった。思わず全篇を読みとおした。」
村上元三
男49歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
伊佐子(洋裁職)
佐治康夫(財産家)
佐治典子(康夫の妻、元バーのマダム)
洋子(伊佐子の友人、康夫の姪)




直木賞 第49回候補  一覧へ

ひょうちゅうか
氷中花」(『文学者』昭和38年/1963年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文学者」
巻号 第6巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 発行 昭和38年/1963年5月10日
発行者等 編集兼発行人 丹羽文雄 印刷人 木村史郎 編集所 (丹羽文雄内)(東京都)
発行所 (日本製版内)(東京都)
総ページ数 96 表記上の枚数 目次 110枚 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 4~35
(計32頁)
測定枚数 116
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書誌
>>昭和40年/1965年9月・文藝春秋新社刊『玩具』所収
>>昭和53年/1978年11月・集英社/集英社文庫『玩具』所収
>>平成2年/1990年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『玩具』2冊所収
>>平成17年/2005年6月・岩波書店刊『津村節子自選作品集6』所収
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候補者 津村節子 女35歳
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男63歳
0  
村上元三
男53歳
5 「ここらでもう一つ吹っ切れないものだろうか。いつでも、ぎりぎりと歯がゆいものを感じさせる。」
源氏鶏太
男51歳
0  
大佛次郎
男65歳
0  
木々高太郎
男66歳
0  
海音寺潮五郎
男61歳
6 「今期は他に特別いいものがあったから、大して問題にならなかったが、不作の期だったら、当選したに違いない。」
中山義秀
男62歳
0  
松本清張
男53歳
0  
今日出海
男59歳
0  
小島政二郎
男69歳
3 「一ト通り書けているという程度で、心を打って来るものがなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
私(語り手、松山彩子)
西(ベッド会社経営、妻帯者)
雅志(私の弟、学生)
母(私の母親)
康雄(私の初恋の相手、病弱)




直木賞 第50回候補  一覧へ

げんげつ
弦月」(『文学者』昭和38年/1963年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文学者」
巻号 第6巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 昭和38年/1963年12月10日
発行者等 編集兼発行人 丹羽文雄 印刷人 木村史郎 編集所 (丹羽文雄内)(東京都)
発行所 (日本製版内)(東京都)
総ページ数 92 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 70~86
(計17頁)
測定枚数 60
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書誌
>>昭和40年/1965年9月・文藝春秋新社刊『玩具』所収
>>昭和53年/1978年11月・集英社/集英社文庫『玩具』所収
>>平成2年/1990年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『玩具』2冊所収
>>平成17年/2005年6月・岩波書店刊『津村節子自選作品集6』所収
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候補者 津村節子 女35歳
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男64歳
0  
海音寺潮五郎
男62歳
0  
大佛次郎
男66歳
0  
木々高太郎
男66歳
5 「もう一つ新しい観点に立てばと思う。」
今日出海
男60歳
0  
小島政二郎
男69歳
2 「何等の新鮮味もない。」
源氏鶏太
男51歳
0  
村上元三
男53歳
8 「うまいし、ととのった小説を書ける人なのに、いまの境地から脱けないと、いつまでも小粒のままで終るだろう。」
松本清張
男54歳
0  
中山義秀
男63歳
4 「たっしゃな技巧と人物の処理にあたたかさが感じられた。」
選評出典:『オール讀物』昭和39年/1964年4月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  白河~東京
登場人物
佳代子(葬儀屋の女房、未亡人)
四郎(葬儀屋の従業員)





「さい 果て」(『新潮』昭和39年/1964年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO」併記
巻号 第61巻 第12号  別表記12月号/716号
印刷/発行年月日 発行 昭和39年/1964年12月1日
発行者等 編輯者発行者 齋藤十一 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 109~125
(計17頁)
測定枚数 49
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書誌
>>『新潮』昭和40年/1965年1月号再録
>>『文藝春秋』昭和40年/1965年3月号
>>昭和47年/1972年3月・筑摩書房刊『さい果て』所収
>>昭和53年/1978年9月・筑摩書房刊『筑摩現代文学大系91 森茉莉・津村節子・大庭みな子集』所収
>>昭和54年/1979年4月・講談社/講談社文庫『さい果て』所収
>>昭和56年/1981年6月・立風書房刊『北海道文学全集 第18巻 国境の海』所収
>>昭和61年/1986年10月・筑摩書房/ちくま文庫『さい果て』所収
>>平成6年/1994年11月・文藝春秋/文春文庫『さい果て』所収
>>平成17年/2005年1月・岩波書店刊『津村節子自選作品集1』所収
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芥川賞 芥川賞 52回候補 一覧へ
候補者 津村節子 女36歳
選考委員 評価 行数 評言
石川淳
男65歳
11 「ビラの男とリヤカーの男と前後に若いのがふたり出て来て、主人公の心情がそのほうに傾斜したらしくにおわせているが、書き方がぼけて、あたふたしていて、これでは無意味になる。ここは肝腎なところである。しかも、女のひとでなければ書けないところではないか。」「しかし、この作者は他日もうすこしどうにかしたものが書けそうにおもう。」
瀧井孝作
男70歳
3 「素直によく描いてあった。」
石川達三
男59歳
12 「好短篇である。その点では全委員が一致した意見であった。」「女の感情もかなり良く描けている。二三の委員から推薦されたが、私は当選作というにはどうしても足りないものがあると思った。質的には良いが、量感は足りない。」「厳しく鋭いもの、読者の胸に突きささるようなものを、この主題の中から発見しなくてはならないのだと思った。」
井上靖
男57歳
9 「二篇(引用者注:「ラッペル狂詩曲」と「さい果て」)が光っていた。」「さい果ての侘しさをよく出しており、若い夫も、その妻である主人公の気持も、過不足なく、素直に捉えられている。」「佳作であるが、いずれも授賞作として押し出すには少し弱いと思った。」「いい資質を持っており、将来書ける人なので、授賞を急ぐ必要はあるまい。」
丹羽文雄
男60歳
16 「何でもない人物もあざやかにとらえている。ほろりとさせるが、決して低俗ではない。」「読後感は、すがすがしい。無理がない。悲壮感をむき出しにしていない。」「作者の素質はすばらしい――」「私は最大限のことばをもって芥川賞当選作と推薦したが、出席した審査員のことごとくが褒めていながら、結局、芥川賞としては小粒であり、弱いということで見送られた。」「落ちたことは残念であったが、この作者の素質に希望をつなぐことにした。」
高見順
男57歳
3 「(引用者注:新潮同人雑誌賞の他に)さらに芥川賞をもというのにはもうひと押し力がたりないと思われた。」
中村光夫
男53歳
7 「小味で淡彩な作品ですが、それだけによくまとまっていて、他の候補作にくらべると、車で凸凹な田舎道を走ったあと、舗装道路にでたような気がします。」「読後の印象が稀薄なのは残念で、授賞作としてはもう一押し何かがほしいと思います。」
川端康成
男65歳
5 「作者は三度も直木賞の候補に挙げられたほどで、十分手なれているし、「さい果て」には情感も流れている。しかし、新鮮な魅力がとぼしくて、芥川賞に推すのはためらわれた。」
永井龍男
男60歳
4 「最後に残った」「確りした作品だが、授賞作として推選するには強みに欠けていると思った。」
舟橋聖一
男60歳
9 「読後、私の心に、(引用者中略)残った。」「丹羽君が推したので、私も票を入れた。誰が何んと云っても、これを推したいわけではなかった。丁寧で、よくまとまった好短篇である。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和40年/1965年3月号)
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がんぐ
玩具」(『文學界』昭和40年/1965年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第19巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和40年/1965年4月20日 発行 昭和40年/1965年5月1日
発行者等 編集兼発行人 杉村友一 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 238 表記上の枚数 目次 90枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 122~146
(計25頁)
測定枚数 78
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書誌
>>『文藝春秋』昭和40年/1965年9月号
>>昭和40年/1965年9月・文藝春秋新社刊『玩具』所収
>>昭和47年/1972年3月・筑摩書房刊『さい果て』所収
>>昭和49年/1974年☆月・毎日新聞社刊『現代の女流文学 第3巻』所収
>>昭和53年/1978年11月・集英社/集英社文庫『玩具』所収
>>昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第7巻』所収
>>平成2年/1990年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『玩具(上)』所収
>>平成17年/2005年1月・岩波書店刊『津村節子自選作品集1』所収
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芥川賞 芥川賞 53受賞 一覧へ
候補者 津村節子 女37歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男60歳
14 「まとまりの良い作品であって、夫婦の生活を二人きりの場で丹念に描いている。その限りではよく書けた作品だが、それ以上のものがない。そして文学とは(それ以上)のものを要求するものだと私は思う。」「この作品には大きさも無いし高い精神も見られない。」「前作「さい果て」の方が良かったように思う。」
丹羽文雄
男60歳
20 「「さい果て」より小粒だと思ったが、二、三日が経つとこまかく書きこまれた一つ一つが、豊饒な情感となって私の胸をひたすようになった。」「この種の文学を、私たちはともすればわすれ勝ちになっていたのではないか。誰が他にこのような小説が書けるだろうか。」「このひとの才能には端倪すべからざるものがある。」「私は小さすぎることは、「玩具」の場合それほどの罪ではないと思った。」
瀧井孝作
男71歳
8 「随筆風の作だが、随筆風に書いて、これだけ潤いのあるのは佳い。前回の候補作「さい果て」(引用者中略)も佳かったので、この「玩具」も推してもよいと思った。」
高見順
男58歳
5 「妻を(引用者注:良人と)同じ作家志望としないところに成功の一因がある。小説の最後がメデタシメデタシの観を呈しており、妥協的なようで、実は逆だ。」
石川淳
男66歳
5 「この書き方ではどうも狭すぎて小説の世界にはならないという憾みがある。しかしこの作者は前回にも「さい果て」を書いていて、その素質なり才能なりは認められてよい。」
井上靖
男58歳
8 「前作「さい果て」に見たはっとするような冴えた箇処はなかった。併し、夫婦間の心理的機微を描いて、この作者はいささかの危気もない。」「芥川賞が何らかの形で新人の新風を求めるものだとすれば、その点多少物足りぬ気がしないでもないが、作家としての将来性には何の不安もない。」
中村光夫
男54歳
12 「(引用者注:最後に残った「玩具」「剣ヶ崎」「砂の関係」のうち)一篇を授賞作に推すのは、どれも一長一短であるだけに骨の折れる仕事でした。」「扱われた世界が狭く、盆栽のような気がしますが、作品の底をながれる感情のこまやかさと明晰な理智は珍重すべき」「将来の可能性はともかく、現在眼の前にある作品について判断すれば、(引用者中略)一番完成していると思われました。」
永井龍男
男61歳
4 「あまり世界が狭すぎると思った。」「しかし、山気のないこうした作品に授賞されることも別の意義があるかも知れぬと、いまは思っている。」
舟橋聖一
男60歳
8 「私の心の中の次点(引用者中略)だった。」「前回の「さい果て」につづく佳作だ。一年の間につづけて問題になるものを書くのは、力量があるからである。で、津村を推した。」
川端康成
男66歳
10 「前回の「さい果て」が相当の問題となったし、才能、情感、経歴も、取るに足る作家であるから、今回は逸したくなかった。」「この一編では少し弱いと思うというか、これは前回の「さい果て」とほぼ似た感じであった。」「しかし、それは作品が悪いという意味ではない。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和40年/1965年9月号)
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